「ホーカス ポーカス」★★★ [映画日記]
「ホーカス ポーカス」ですよ、「ホーカス ポーカス」。
「ポカホンタス」じゃありませんから!
1993年のディズニー製。
いじわる魔女3人姉妹が、ハロウィン当日に米国のお子様たちを襲うという、ダーク・ファンタジー・エンターテインメントです。
聞くところによりますと。
ちょいと小耳に挟んだのですが!
毎年、米国ではハロウィン時期に「ホーカス ポーカス」が放送されているという。
米国のご家庭では、ハロウィンの定番作として定着しているという!
言われてみれば、ハロウィンに特化した楽しい映画って、あまり無いと思う〜。
他に選びようが無いのかもよ。
動画配信サービス「Disney+」内で「ホーカス ポーカス」を見つけたので、早速再生〜。
まずは、1993年ごろの高校生ファッションに古さを感じない。
流行が一巡したことを実感〜。
回る回るよ、時代は回る〜by中島みゆきですよ!
出演している俳優さんたちは、今でも活躍している人、「ホーカス ポーカス」一発で消えた人、ちょっと売れて消えた人、すでに死んだ人など様々。
楽しい映画の中で、芸能界の人間模様がほろ苦い!
魔女3人姉妹のリーダー役はベット・ミドラーなのですが怪演。
ブサイクメイクでアホな仕事をやり切っている!
割り切ってんの!!
ものすごいプロ根性を感じました。
末っ子役のサラ・ジェシカ・パーカーが、セクシーでかわいい〜。
ちょっとマドンナっぽい感じで、魅力を出していました。
魔女3人姉妹は、子供の正気を吸い取って若返りますよ。
保湿成分でも吸い込むんでしょうか?!
ボクちゃんもやってみたいです!!
そんな魔女3人姉妹のターゲットになる女児役は、ソーラ・バーチなんですね〜。
「ソーラ・バーチって、いたな〜(今もいるけど)」と思って、懐かしくなりました。
ソーラ・バーチの兄であり、男子高校生のマックスが主人公。
ある日マックスが、滅びたはずの魔女3人姉妹を蘇らせてしまって展開する物語。
魔女を蘇らせることができるのは、チェリーボーイだけなのだそうで。
劇中では「童貞」という言葉が飛び交いました、ディズニー映画でありながら!
女児ソーラ・バーチですら「童貞」と叫んでました!!
魔女3人姉妹が一般家庭に突撃〜。
一般家庭では普通のおばちゃんがスッピンで、髪にカーラーを付け、寝巻き姿でふんぞり返っていて、悪役であるはずの魔女3人姉妹がおののく、という場面が笑えました。
そんな場面も含めて、全体的に、ものっすごいハイテンション。
子供から大人まで、ず〜っとバカやってんの!
猫が突然しゃべっても、子供たちは一瞬で受け入れるし〜。
あまりに陽気すぎて、逆に悪夢感が漂ってしまっているのが良いと思いました。
米国での人気にあやかり、なんと「ホーカス ポーカス」は約30年ぶりの続編が製作中〜!
ディズニーさんの令和型ハロウィン商法に期待したいです。
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「博士と狂人」★★★☆ [映画日記]
メル・ギブソンとショーン・ペンが初共演。
おっかねぇ2人の大競演!
さて、どっちが博士役で、どっちが狂人役でしょうか?
どっちも狂人役でいけそうですけど?!(←ホメ言葉)
2人で取っ組み合いの大ゲンカをする場面が楽しみです!!(←そんな場面はありません)
時は1870年代。
世界最大で最高峰の辞書「オックスフォード英語辞典」の製作秘話を描いております。
字引映画ですよ!
編集主幹で、語学の博士役がメル・ギブソン。
殺人を犯し、精神科病棟に閉じ込められている狂人役がショーン・ペンなんですね〜。
2人の演技を比べてみると、発狂演技が炸裂するショーン・ペンの方が圧倒的。
「男がよ〜!襲ってくんだよ〜!」と見えない敵におののき、自分の鼻毛には「悪霊が宿っている」と思い込んでいる役ですよ。
ある場面では、精神科病棟の悪い医者により、ひたすら嘔吐させられるショーン・ペン。
喉に指をつっこまれ、えずかされんの!
えずき地獄ですよ!!
どの演技も素晴らしいです。
相性バツグン、ショーン・ペンと精神科!(←ホメ言葉)
メル・ギブソンは主人公ですが、ややショーン・ペンに食われ気味。
仕方ないわな、受け身の役だし〜。
こんなに大人しいメル・ギブソンを見たのは初めてかも〜!
物語は、すんごくオモローイ。
これが実話だなんてビックリです。
まずはメル・ギブソン演じる博士による辞書作りが超・大変。
「A」のパートだけでも四苦八苦。
編集部の若手がキレてましたよ「全然進まへん。まだAやのに!いろはの、”い”やで」と。
そんなところに、いろいろあってショーン・ペン演じる狂人が製作を手助けすることに。
実は、狂人は頭が良かったんですね〜。
狂ったインテリですよ!
辞典製作に狂人が加わる成り行きが自然でした。
さすが実話ですよ。
そのうちに博士と狂人は顔を合わせることになるのですが、それもまた自然な成り行きであり、ドラマチック。
全く違う生き方をしてきたオジン2人が、初対面から意気投合する場面には感動〜。
「博士さん、アンタの運命の人は、その狂人だよ!目の前にいるのが運命のオジンだよ!!」…そんなふうに思ってしまいました。
見せつけられました、オジン・ケミストリー!
そんな感じで、オジン2人は辞典を作りあげることが出来るのか?
また狂人は、狂人のまま精神科病棟で人生を終えることになるのか?…というのがメインの見どころなのですが。
登場人物は博士と狂人だけじゃナーイ!
オジンばかりの映画じゃないんですよ、エクスペンタブルズじゃないんだから!!
数々のサブ・キャラクターがいて、彼らと博士と狂人の絡み方も絶妙。
サブ・キャラクターによる格差ドラマや愛憎劇が盛り込まれていて、ア然とするほどエンターテインメント。
原作のノンフィクション書籍はベストセラーだそうで、それも納得。
なんというか、テンションが「ダ・ヴィンチ・コード」とか、そんな感じでした。
こういう映画を大規模公開してほしい〜。
「鬼滅の刃」さんの座席を少しでいいから分けてやってほしいです〜!
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悪徳ヒーロー・ドラマ「ザ・ボーイズ」ヒューイ役男優はメグ・ライアンの息子なのか〜! [海外ドラマ日記]
amazonプライム・ビデオで、正義と悪が戦うアクション・ドラマ「ザ・ボーイズ」を、シーズン2まで観終わってます。
人気があるそうなので、チェックしてみたのです。
追いつきたいんですよ、流行に!
必死なんですよ、こっちも!!
スーパーヒーローが出てくるドラマなのですが、正義の味方じゃございません。
今作に出てくるスーパーヒーローは、正義の味方ぶっていながら、陰では、暴力や権力やエゴを振りかざしている悪役として出てきます。
パワハラ、セクハラ、そして殺人、何でもござれの悪徳ヒーローさんですよ!
また、スーパーヒーローは会社に所属していて、「職業スーパーヒーロー」というようなビジネスを展開。
好イメージの維持に必死、という「カネ回り」も描かれています。
このドラマに邦題を付けるとしたら「スーパーヒーロー株式会社」でいいかもしんない。
こちらのお写真が、スーパーヒーロー軍団「セブン」のメンバー。↓
セブンのリーダーであり、スーパーマン風コスチュームに身を包んだスーパーヒーローはホームランダー。
エリザベス・シュー演じる上司と関係を持ちますけども。
まー見事な変態プレイ!
なんというか、「赤ちゃんプレイ」みたいなやつ?
「バブ〜。お乳飲みたいでちゅ」みたいな?
スーパーヒーローの性癖にも驚かされました。↓
女性のスーパーヒーローは、罪悪感を感じながらヒーロー活動をしていますけども。↓
女性キャストも、ホームランダーを演じる男優さんも、「一体どこから連れてきた?!」と思うくらい無名なのですが。
みんな役にハマっていて魅力が全開。
良いドラマって、無名役者が輝いてるものなんですよね〜。
セブンの落ちこぼれヒーロー役は、人気ドラマ「ゴシップ・ガール」でメイン・キャラクターを演じて、大ブレイクするか?!
…と思ったら大ブレイクしないまま終わったチェイス・クロフォードが演じています。↓
で。
セブンの対抗勢力となり、戦いを挑む軍団が「ザ・ボーイズ」です。
こちらのお写真が「ザ・ボーイズ」のみなさん。↓
そんな感じで、「悪徳ヒーローvs.不良人間たち」という構図で、性や暴力の描写も激し目という、ダークな路線。
シーズン最終話とかはオチが衝撃的だし、まあまあ面白いです。
「いかにもアメリカ人が好きそうなドラマ」だと思いました。
ザ・ボーイズのリーダー役はカール・アーバンが演じているのですが。
カール・アーバンの、ハリウッドでの生き残り方が素晴らしい〜。
生き残り方が、しぶといんですよ!
数年ごとに己のイメージをアップデートしているカール・アーバンですけども。
今作では、ケンカが強い強面オヤジというイメージがドハマり。
しばらくは、この路線で行くのではなかろうか。
対照的に、ヒューイという名の頼りなさそうな青年もいて、演じているのはジャック・クエイドという名の男優さんなのですが。
こちらのお写真がジャック・クエイドとカール・アーバンの共演場面。↓
ジャック・クエイドは、映画「ランペイジ 巨獣大乱闘」(2018年)にも出演していたらしいですが、言われみれば居た気がします。
強面オヤジとの対比に使われることが多いみたいですけども。↓
ジャック・クエイドって、デニス・クエイドの息子さんなんですね!↓
つまり、デニス・クエイドの元・妻メグ・ライアンの息子だという!!
近年のメグ・ライアンの姿が、昔の印象そのまんま〜。↓
なんか「ランペイジ 巨獣大乱闘」を観た頃にも、そんな話題があった気がしますが、すっかり忘れてました。
デニス・クエイドにも、メグ・ライアンにも、あんまり似てないから変な感じ〜。
メグ・ライアンは、整形してからエンターテインメント界の表舞台に出てこなくなって、今回、久々に顔を見ましたよ。
現在、アラ還のメグ・ライアン。
整形しなければ、一層かわいいアラ還になっていた気がする〜。
惜しいです〜!
「スパイの妻<劇場版>」★★★ [映画日記]
黒沢清監督、ヤッタネ!
でかした、清!!
この作品で、ベネチア国際映画祭コンペティション部門の銀獅子賞(最優秀監督賞)を受賞してますから。
清さんの美学が存分に活かされ、客もそこそこは呼べそうな「おんな映画」に仕上がってました。
タイトルもキャッチーですよ、「スパイの妻たち」…でしたっけ?(←「極道の妻たち」と混同)
舞台である1940年代の神戸が、建築物やインテリア等を含めて、クールに再現された世界観。
パッと見から粋!
現地で、貿易会社の社長と妻による、国家機密にまつわる危険な駆け引きが描かれてますけども。
社長役を演じている高橋一生さんな〜。
ツルッとした、ハンプティダンプティみたいなお顔の殿方ですけども!
ものすごく仕事が出来る役者さんですね、振る舞い、発声ともに感じを出していて素晴らしかったです。
妻役の蒼井優ちゃんも、すっかり大女優の風格。
演出で指導されているのか、セリフ回しが早口で、昔の日本映画に出てくる美人女優のような話し方。
その演技テクニックは、オスカー女優のよう。
「今回の蒼井優ちゃんは、何かしら大きな賞を受賞するかもしんない」と思いました。
蒼井優ちゃんに1000円賭けたいです!(←競馬かい)
劇中ではある日、妻が夫の行動に疑問符。
旦那に対してハテナマーク!
そこから、夫婦が腹の探り合いを開始。
静か〜に、まさぐり合うんですよ!
淡々としていながら、最後まで観終わると、夫婦間にはものすごい愛憎があったことが判明する、というお話。
背景には反戦や、正義とは何かを問うサイド・ストーリーも展開されて、結構な情報量。
めちゃめちゃ派手な作品ではありませんが、いい感じのオチもあるし、ストーリーには満足感はありました。
また、社長の趣味は映画撮影ということで「フィルムにおさめること(映画)」の多様性が描かれているのがニクいです。
娯楽にも、問題定義にも、記録にも、創作にも、美にも醜にもなる、それが映画、っていう。
劇中で、映画を上映する場面はスタイリッシュ。
映えてんの!
良いアイデアを盛り込んだな〜と思いました。
さて。
今回の清映画にも、序盤から東出!(←東出昌大さん)
監督に気に入られてんね〜昌大!!
しかも、東出さんの「セリフ棒読み」が、またしても効果的に使われています。
今回の東出さんが演じる役は、非情な軍人さん。
感情の薄さを見事に表現、棒読みで!
こうなってくると、東出さんのことを大根役者とは呼びづらくなってきました。
特性が棒読みなんですよね〜、棒読みが「強み」!
高橋一生さんと東出さんの実力は雲泥の差なのですが。
2人のやり取りを観ても、東出さんの不出来が気にならないという、マジカルな作品でした。
「ロープ/戦場の生命線」★★★ [映画日記]
時代設定は1995年、ユーゴスラビア紛争停戦直後のバルカン半島を舞台にした、スペイン製のドラマ作品なのですが。
重すぎない。
それでいて軽すぎない。
ちょうどいい軽食みたいな作品ですよ、ハムサンドみたいな!(←好物)
ストーリーもシンプルでありながら、起伏もありスリルもスピード感もある。
皮肉やユーモアもあれば、伏線もあるし。
作品の特徴が説明しづらくて売り方が難しいけれど、これはとっても良い作品でした。
基本的に、国際救助活動家チーム「国境なき水と衛生管理団」が、現地の人々のために奔走するお話。
活躍するんですよ、お水の団体さんが!
チームは、井戸の中から死体を引き上げたいのに、ロープが無い。
現地にて、1本のロープを探しまわる展開に。
ひも映画ですわな!
ロープを見つけたとしても、現地の人が理由を付けて貸してはくれない。
その理由が紛争の悲惨さや、人の生きづらさを物語る、という仕掛けがニクい。
チームが、口に出して反戦を語ることはありません。
彼らは「給料が少ない」と愚痴をこぼしたり、笑えないギャグを言ったり、無駄話をするのが中心。
反戦などメッセージの数々は、あらゆる背景に仕込まれているという脚本が粋すぎる〜。
主人公のマンブルー役を演じているのはベニチオ・デル・トロですよ。
相棒的な役はティム・ロビンスが演じてますよ。
ハリウッドの2大オジンが、ダサくて臭そでかっこいい〜。
主人公マンブルーが基地に戻ると、「すげえロシア美人がいる」と男連中がソワソワ。
「どれどれ」とロシア美人を見てみたら、その美人役はレン子さんが演じているというサプライズ!(←オルガ・キュリレンコ)
しかもロシア美人は、マンブルーの元カノだった、というステキな設定。
今回のベニチオは、ずいぶん年下のねえちゃんを抱いていたという役。
まさかのイケメン枠なのでした!
ベニチオとレン子さんの掛け合いは、まるでルパンと峰不二子。
ぶっきらぼうな会話場面が、いかにも破局後の男女という感じで、大人のラブコメが展開されますよ。
ベニチオがレン子さんに「おい、ウロウロしてないで、ジッとしてろ」と指示すると、レン子さんがムッ。
「オシッコしたいだけなんだけど?フン、なによ。わかったわよ!」とキレ、他にも男性たちがいる前で座り込んでのご放尿!
あのレン子さんが野ション!!
ユーゴスラビア紛争と現地の救助活動を描いた作品とは思えない、軽快な味わいが妙味でした。
ティム・ロビンスの方は、「あ〜あ、俺もそろそろ身を固めて、子供でも持つかな〜」と言っていて、「アンタ今から?もう60くらいだよね?あきらめたら?」と思いました。
キーアイテムの「ひも」は最終的にどうなるのか、井戸の中の死体はどうなるのか、というオチも面白い。
「国境なき水と衛生管理団」の皆さんには頭が下がるし、彼らのことを大好きにもなりました。
団体映画の決定版という感じでした。
「クリーピー 偽りの隣人」★★★ [映画日記]
観ましたよ、「クリーピー」だか「クリープ」だか言う映画!
2020年10月公開「スパイの妻 劇場版」でベネチア国際映画祭の銀獅子賞(最優秀監督賞)を受賞して、時の人となっている黒沢清監督が手がけた旧作品。
2016年に日本公開された、黒沢流サイコ・サスペンスです。
清の変態ものですよ!
ずっと前から、いろんな動画配信サービス内で視聴可能だった作品なのですが。
いろんな人から「クリーピーはつまんない。クリープを入れたコーヒーは美味しいけども」と言われ続けて、手が伸びずにいた作品です。
今回、「スパイの妻 劇場版」の受賞が勢いをつけてくださいました。
女スパイさまさまですよ!(←「スパイの妻」です、正確には)
鑑賞してみたところ、なかなか面白かったです。
この作品は公開時の2016年に観るよりは、2020年に観たほうが見どころを感じやすいと思います。
「クリーピー」を観るなら、いつ?
今でしょ!(←古いですか)
主人公で、元・刑事の犯罪心理学者役を西島秀俊さん、その妻役を竹内結子さんが演じてますよ。
竹内結子さんな〜、美貌も才能も持ち合わせた素晴らしい女優さんだと改めて思いました。
竹内結子さんの役は、人の道を外れちゃう不安定な役なのですが、竹内結子さんだからこそ無理なく魅了的に、変な役もエンターテインメントに仕立ててくれている、と思いました。
西島秀俊さん演じる犯罪心理学者と共に、一家失踪事件の謎を解こうとする元・同僚役は東出昌大さんですよ。
あの東出ですよ!
この時点で、西島秀俊さんと東出さんという、日本の2大・大根役者が夢の顔合わせ。
セリフの棒読み合戦の始まり〜!
それなのに、他の出演映画でもそうなのですが、今回も東出さんの大根ぶりが気にならない。
むしろ、本当に「ものを棒読みっぽく言う人」みたいなリアリティ。
ヘタウマに昇華!
これは、東出さんが優れているというよりは、使う監督の手腕が優れているのだと思います。
本当に、東出さんてクリエイターに恵まれている人だと思いました。
というか、もしかして、東出さんて大根役者だと思っていたけれど、本当はものすごい名優なのかな〜。
ま・さ・か・ね!
西島秀俊さんの方は、いつも通り。
他の出演作品で見る西島秀俊さんと全く同じ、役作りゼロの安定感でした!
ただ、今回の西島秀俊さんは、髪型が少しボリューミー。
トップをふんわりさせた、エアリー西島!
ヘアメイクさんは、がんばっていました。
一家失踪事件の謎は、なんと主人公の隣人に繋がっていくという展開。
隣人の変人役は香川照之さんが演じているのですが。
さすがの実力ですね、照之さん。
さすが浜木綿子さんの息子さんですよ!
初登場シーンから、照之さんの不気味さ全開。
照之さんからは「この人と目を合わせてはいけない」みたいな、ピリピリした危険な周波数が出ていて素晴らしい〜。
日本のハビエル・バルデムというような怪演を見せていました。
隣人宅の奥には、照之さんのアジトがあるのですが。
「羊たちの沈黙」の犯人宅に引けを取らない、見事な変態部屋〜。
変態のキャッスルですよ!
照之さんのアジトに関しては、日本っぽくない、ハリウッド的な派手さを感じました。
気色の悪い変態映画なのですが、全体的には、黒沢清さんの美学で演出されてクールで乾いた味わいで、洗練味がありました。
お偉い刑事役で笹野高史さんも出てくるのですが。
ものっすごくシリアスな場面で、笹野高史さんが落とし穴にストーン!
頭のてっぺんが見えなくなるくらい、キレイに落っこちる場面で思わずキャハハハハハッ!!
落とし穴に落ちるセンスが、お笑い芸人並みでした。
ドラマ「エミリー、パリへ行く」ヒロインの親友ミンディが友近にしか見えないんですけど〜!? [海外ドラマ日記]
Netflixで、10月配信の目玉ドラマ「エミリー、パリへ行く」(全10話)を観ましたよ。
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若い娘エミリーが、シカゴからパリに赴任。
現地にて、あらゆるカルチャーギャップに揉まれながら、仕事と恋を楽しみ尽くすお話です。
贅沢に、パリの名所でロケを敢行〜。
*写真中のセリフは、ドラマとは無関係です。↓
劇中では、まず、エミリー役リリー・コリンズの魅力が爆発〜。
パトリシア・フィールドが手がける派手目のファッションを着こなしていて、見た目から楽しいです。↓
海外ドラマ中のファッションって、これくらい大胆な方が良いんだよね〜、記憶に残るし。↓
リリー・コリンズって、映画界で大ブレイクしそうで、しないまま30歳になってしまいましたけども。
ドラマの中だと、そこいらのテレビ女優には出せない輝きを放ってきます。
さすがフィル・コリンズの娘さん、セレブの輝きですよ!↓
パリのオフィスでは、お局様に煙たがれ、時にイビられるエミリーですが、全て陽気にかわします。
キャラクターの基本構図は「プラダを着た悪魔」と同じという安定感です。↓
「プラダを着た悪魔」の舞台はファッション誌の編集部でしたけども。
エミリーの職業は「SNSのマーケティング・プランナー」ですよ。
「もう出版なんて古い。現代のオシャレ最先端はSNS」ということでしょうか。
エミリーがインスタグラムに投稿する場面も多く、「映え重視」のドラマという感じです。↓
エミリーの買い物を手助けしてくれた縁で、そのまま親友と化した女子カミーユが、かわいい〜。
「街で突然、買い物を手助けしてくれた女子がかわいくて、そのまま親友になる」なんて体験、一生でいっぺんでいいから体験したいもんだわな!↓
もう1人、パリの公園で知り合って、そのまま親友と化した女子ミンディが友近さんにそっくり。
そっくりどころか、「100パー友近」ですよ!
友近さんが「海外ドラマ風の寸劇」をしているとしか思えず、気が散りました〜。↓
エミリーが住むアパートの近所には、おいしいレストランがあって、シェフがイケメン、っていう。
しかもイケメン・シェフは同じアパートに住んでいる、というラブコメ・マンガみたいな設定にも笑いました。↓
女子ドラマらしく、全体的にかわいい世界観なのですが。
時々アダルトなシーンになって、スパイスを効かせています。
とくに、フランスでは、性について「明け透け」だという。
「不倫は本妻公認が普通」とか「息子の性行為について、どの程度のテクニックか知っておくべき」とか。
「フランスって、そうなの?!」っていう「フランス性文化」の紹介も、本作の特徴になっています。
こちらのお写真は、フランスの奔放な性風習に従い、ゆきずりの相手に抱かれようとしているエミリー。
エミリーの吹き替え声優さんは、「ゲーム・オブ・スローンズ」のデナーリス役と同じ人。
ゆきずりの相手は、同じく「ゲーム・オブ・スローンズ」のジョン・スノウ役と同じ人、というのが、海外ドラマ通をうならせます。
目をつぶって声だけ聴くと、頭ん中に「ゲーム・オブ・スローンズ」の世界が広がんの!↓
そんな感じで。
全話の観賞後には「久々に、華のある女子ドラマを観たな」という満足感が。
内容は深くありませんが、「ゴシップ・ガール」とか「プリティ・リトル・ライアーズ」とか、ファッション系・女子ドラマが好きな人には、間違いなく楽しめると思います。
ちなみに。
リリー・コリンズって、このドラマが配信される約1週間前に婚約を発表〜。
明らかに「宣伝込み」ですけども。
お相手は、監督業をしているチャーリー・ マクダウェルという人。
こちらがツーショットですけども。
セレブであるはずのリリー・コリンズに、意外なほど「安さ」が出ていて、良い感じです。↓
「尻ふき紙」も買い込んで…。
当分持ちそう〜。↓
*こちらは予告編です。
「エノーラ・ホームズの事件簿」★★★ [映画日記]
タイトルのエノーラ・ホームズって、名探偵シャーロック・ホームズの妹なのだそう。
「アンタんち、妹いたの?!」と思いましたけども。
アーサー・コナン・ドイル作の「シャーロック・ホームズ」シリーズに妹は出てこない。
小説家のナンシー・スプリンガーさんが、オリジナル「シャーロック・ホームズ」シリーズから着想を得て、妹を発案。
「シャーロック・ホームズに妹がいて、妹の推理力もスゴかったら?」と仮定した、もしもシリーズを執筆!
そんなナンシー・スプリンガーさんによる原作はヤングアダルト小説とのことで、主人公エノーラ・ホームズの年齢設定は16歳になっています。
生娘探偵なんですよ!
劇中では、オリジナル「シャーロック・ホームズ」シリーズさながらの本格ミステリーが展開しますが、見た目は若いです。
エノーラの初恋も交えた物語で、なんか、かわいい〜。
おなじみのホームズ・ブランドが付いた作品ですがフレッシュ、もぎたて!
「ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語」みたいな感触でした。
新型コロナ騒動で劇場公開を断念、その後2020年9月にNetflixで配信されることになった今作。
監督は、賞レースを総ナメにした人気ドラマ「Fleabag フリーバッグ」等を手掛けた人ということで。
ドラマでも多用していた、「主人公が時々、いたずらっぽくカメラ目線になって観客に話しかけてくる」という演出が炸裂しています。
女性の自立意識や苦悩を、ユーモアを付けて本音で語ろうとする手法は、紛れもなく「Fleabag フリーバッグ」路線。
作風は、流行に乗ったものでした。
映画の物語は、ホームズ家の母が失踪して始まりますよ。
母ちゃんが勝手なんですよ!
あそこん家も大変!!
次男シャーロックと長男マイクロフトが実家に戻ってきて、妹エレノアを束縛しようとする展開ですけども。
シャーロック役が、まさかのヘンリー・カヴィルですよ。
あの筋肉男優!
ヘンリー・カヴィルにシャーロックのイメージなんて一切無かったので、これは驚きのキャスティングでした。
今作でのシャーロックは物静かで、優しい男性なんですよね〜。
ステキなお兄さまなんでですよ!
包容力や、キラキラしたセレブっぽさも必要な役なので、ヘンリー・カヴィルが起用されたのかな、と思いました。
一方マイクロフトは、かなり嫌な奴という設定に。
女の敵なんですよ!
演じているのはサム・クラフリンということで、ヘンリー・カヴィルとの抱き合わせで超・イケメン兄弟の完成〜。
実年齢はヘンリー・カヴィルよりサム・クラフリンの方が年下なのですが、今回はサム・クラフリンの(役の)態度がデカくて年上に見えました。
サム・クラフリンって、本当に「感じの悪いイケメン役」がハマっていて自然〜。
この人、この路線でアカデミー賞まで行けるんじゃないの〜?!(←ホメ言葉)
エレノア役を演じたのが、ドラマ「ストレンジャー・シングス」で名をあげたミリー・ボビー・ブラウンなのですが。
この子は、窮地に陥ったり、おじさんになじられたときの、泣き演技が素晴らしい〜。
「子どもが辛くて泣いてる感」があって、危機感を出せるんですよね〜。
この子の魅力を引き出したくば、徹底的になじると良いと思う〜。
「ビリーブ 未来への大逆転」★★★ [映画日記]
主人公のモデルとなったアメリカ合衆国最高裁判事、ルース・ベイダー・ギンズバーグさんて、2020年9月18日に亡くなったんですね。
つい、こないだ!
そんなタイミングで、ケーブルテレビが放送してくれた今作。
物語は、ギンズバーグさんの新婚時代から始まるのですが、夫婦そろってハーバード大学の学生ですよ。
ガリ勉夫婦!
赤ちゃんも育てている、っていうときに夫が重病に。
奥さんは勉強に、子育てに、看病にてんてこまい。
猫の手も借りたい忙しさですよ、年末みたいに!
夫が受けるはずの講義まで代わりに出席し、帰宅後、療養中の夫に講義内容を伝える、という生活。
口移しスタイルの勉強法!
ものすごい勉強家の夫妻でした。
しかも夫妻役を演じているのはフェリシティ・ジョーンズとアミハマさんですよ。(←アーミー・ハマー)
頭も良けりゃあ、顔も良いっていう!
せめてブサイクでいてほしかった、チキショーッ!!
大学を卒業後のギンズバーグさんは、弁護士になりたいけども、どこの事務所も雇ってくれず。
それは1954年頃のお話ですが、男性による女性蔑視が凄くてビックリ。
ギンズバーグさんが面接に落ちた理由は「女性を入社させると、男性職員の妻たちが嫉妬するから」だという。
ああ失礼!
ハーバード大学のロースクールにギンズバーグさんと共に入学を許された女性は、たった9人だというし。
たかが50〜60年前は、こんなにも性差別がはびこった社会だということに、改めて驚きました。
1970年代まで時は過ぎ、性差別が組み込まれた法律を変えるべく、二児の母となったギンズバーグさんが、高等裁判所で弁論するという展開に。
悔しい思いをしてきたギンズバーグさんが、頭の堅いおじさん裁判官の前に立ち、性差別の無意味さを訴える姿を見て、胸が熱くなりました。
国レベルの巨大な権力を前に、信念を持って立ち向かっていて、まさにヒーロー。
「米国には、ものすごい人がいて、時代を切り開いて行ったんだな」と思いました。
ギンズバーグさんの偉業を支えたのが、家族だと思うのですが。
ティンエイジャーになった娘は、討論好きの母にイラつくことも。
「あたしさ〜、母ちゃんみたいに頭良くないからさ〜!」と言ってキレる場面は、なかなかリアル。
「インテリ家の子も大変」と思いました。
道端で見知らぬ男が娘にセクハラ発言をしたときは、娘がキレて「ふざけんな!この…」みたいな暴言を吐いたのですが。
そんな娘に対して母が「男に立ち向かうなんて立派。素晴らしい子に育った」みたいに称賛する場面は感動しました。
セクハラ発言に対して、汚い言葉で返しただけなのに、涙が出そうになりました。
あれは感動のセクハラ場面でした!
アミハマさん演じる夫は、妻に理解がありすぎる〜。
当然、仕事の手助けはするし、家で不味い料理を出されても文句ひとつ言いません。
一切キレぬ!
この調子だと、風呂も便所も掃除してくれてるはず。
見た目、中身ともに完璧。
こんなよくできた亭主、実在するんか?!
実話がベースですが、夫についてはファンタジー路線でした。
「アラビアの女王 愛と宿命の日々」★★★ [映画日記]
「アラビアの女王」ってタイトルが付いてますが、本物の女王様が出てくるわけではございません。
主人公は、通称が「アラビアの女王」という女性ですよ。
あだ名が「女王」っていう女!
「三択の女王、竹下景子」みたいなもんですよ!!(←古いです)
実話ベースの物語なのですが、まー、世の中にはいろんなお方がいらっしゃる。
いろんな偉人さんが!
今作では、20世紀初頭に、優雅な生活を捨ててアラビアを放浪し、やがてイラク建国の立役者となった実在の女性、ガートルード・ベルの恋と冒険が描かれております。
ガートルード・ベルは、ガリ勉でオテンバのお嬢様、そして冒険家という「全部入り」の女子!
こんな人がいたなんて知らなかった〜。
ガートルード・ベル役を演じているのはキッ子!(←ニコール・キッドマン)
推定20代の姿から演じているキッ子。
実父のお膝にしがみつき、「お父さま、あたくし、あの方と結婚したいの。お許しになって!」と懇願するという、嫁入り前の小娘演技を披露!
撮影当時は40半ばのキッ子ですが、髪を下ろした姿を遠くから見ると、まーなんとなく20代に見えるから演技力ってスゴイです。
しかし、最初の恋のお相手役がジェームズ・フランコとは。
えっらい年下の男に抱かれたもんですよ!(←設定上では年上の男かもしれませんが)
キッ子とフランコのツーショットが、やや絵になりづらい状況。
「北の零年」における吉永小百合と渡辺謙みたいなカップルでした!
数年後には、妻帯者の男とチューをしてしまうガートルード・ベル。
「チューはしたけど抱かれてない」という体でしたが、それはもう明らかにFU・RI・N!
妻帯者の男役はダミアン・ルイスで、「ついに、ダミアン・ルイスもキッ子にチューできるお立場かい」と思いながら観てました。
その他、男性アイドル的存在の「アラビアのロレンス」も出てきて、演じているのがロバート・パティンソンというのが豪華です。
とくに必要性もないのに、ロレンスのほっぺにガートルード・ベルがチューをする場面もあって、観客にサービスしてくれました。
そんな感じのロマンス・パートでしたけども、冒険パートはデンジャラス。
ラクダに乗って砂漠を旅するガートルード・ベルを、ときどき賊が襲う!
そのまま賊に捕まることも。
連れていかれるんですよ、親分がいるアジトに!
「そんな社会で、よく生き伸びたよね、女の子が」と思いましたけども。
生き残れた理由は、ガートルード・ベルが持つ、現地についての知識や愛が、賊の心を掴んだからなんですよね。
賊をメロメロにしたんですよ、地元ごと!
ガリ勉でオテンバのお嬢様、そして冒険家という「全部入り」の女子だから達成できる偉業だと思いました。
「全部入り」の割に、ガートルード・ベルの晩年は、そんなに幸せじゃなかったっぽい。
幸せを掴むことには不器用だった、というのが、人生の皮肉でした。