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「アメリカン・フィクション」★★★ [映画日記]
2024年の米アカデミー賞に、5部門もノミネートされていた注目作です。
日本では劇場未公開のまま、2024年2月にamazonプライム・ビデオで配信されました。
賞レースのタイミングで配信するとは、amaさんグッジョブです!
思っていたより安い感触の作品でしたが、随所で笑える、知的な喜劇ですね。
これで5部門ノミネートは立派なもんですよ。
「期待してない子がテストで100点取った」ようなもん!(←失礼)
今作の演技で、米アカデミー賞の主演男優賞にノミネートされたジェフリー・ライトは、売れない作家役。
小説を書いて出版社に持って行っても「アンタ黒人なんだから、もっと黒人っぽい本を書けないか?例えば主人公は、怒りを抱えながらラップを歌い、最後は白人警官に射殺されてしまうようなやつ。みんなそういうのを求めてるんだよ」と突き返される始末。
収入源が必要な作家が、「いかにも黒人男性が書きそうな、コテコテの黒人小説」を書いてみたら大ウケとなる、という展開です。
ヤケクソ行動が妙な結果を生み出すんですよ、ビンタ事件のウィル・スミスみたいに!(←もう忘れてやんな)
人種ネタ満載の黒人映画ではあるものの、これまで観てきた同ジャンル映画とは全く印象は違いますね。
ガツガツしない、大人しい子!
ほとんどの黒人キャラクターはインテリ高収入で、ファッションはきれいめ。
当然、暴力皆無だし、主人公なんて若ハゲ・陰キャですから!
舞台が文芸界だけに、文学の引用も多く、あえて人物間バトルがあるとしたら「激論を交わす」程度。
黒人×文芸コメディという構図が新鮮すぎる~。
まずは、「そうなんだ~。黒人って、目をギラギラさせながら銃を持ち歩き、鼻からドラッグを吸い込んでいる人ばかりじゃないんだ~」と思いました。(←すみません、海外ドラマの見過ぎで意識に偏りが)
そんな人種ネタがありつつ、「映画やドラマを製作する、白人男性社会のハリウッドは、バカみたいな原作本しか取り上げない」という、エンタメ界に向けての風刺もございます。
結局、文芸界もエンタメ界も、うわべだけの薄っぺらい世界が永劫続いていく、というような、令和の一般黒人が抱えるユル~い絶望感がたまりません。
原作小説は2001年に発行されたようですけども。
作品テーマは2024年の世情にピッタンコ~。
うまいこと時代の流れに乗せたよね、と思いました。
この、オフビート感ある知性派黒人路線で、ドラマを3シーズンくらい一気見したい気持ちになりました。
ジェフリー・ライトを、もっと見たくなる日が来ようとはねぇ。
American Fiction: Screenplay (English Edition)
- 作者: Jefferson, Cord
- 出版社/メーカー:
- 発売日: 2024/01/29
- メディア: Kindle版
「サンコースト」★★★ [映画日記]
「Disney+」オリジナル映画として、2024年2月に配信された青春作品です。
主演は、映画「ダンボ」(2019年)で女優デビューし、女優タンディ・ニュートンの実娘さんとしても有名なニコ・パーカーちゃん。
デズニーさんお抱えの二世さんですよ!
「さては、ニコちゃんを売り出すための映画かな。テコ入れかな、事務所の」と思いながら再生~。
過去のハリウッド映画においても、「17歳のカルテ」や「きっと、星のせいじゃない。」等、「青春×医療=命のきらめき」という構図で、出演している若手女優が高評価を得てきましたけども。
今作も、それに近い感触でしたね。
ニコちゃんが演じるドリスは、地味でウブな女子高生。
ネンネですよ!
父親は早くに亡くなっていて、母親は末期がんで余命わずかな兄に付きっきり。
「誰も自分にかまってくれない」という苛立ちを抱える娘ドリス。
かまって症候群ですよ!
度々母親と衝突する、という基本設定になっています。
そんなドリスが、クラスの「イケてるチーム」に加わろうと、ドキドキしながら話しかける場面などは、観ているこちらも緊張~。
タイミングを見計らっているんですよ、釣り竿を上げる時みたいに!
「イケてない子」が「イケてるチーム」に加入するって、大変なことですからね、一大事。
Huluに加入するのとは訳が違いますからね!
自宅や学校でいろんなことがあって、やがてドリスは成長していく、というお話になっています。
仕事、介護、子育てという忙しさにキレ気味ながらも、息子が亡くなる前提で、腹をくくった感のある母親を演じたローラ・リニーが、貫禄の演技を見せていましたね。
もはやローラ・リニーが主役といっていいくらいですね、息子が亡くなる前提の母親役ですから。
ローラ・リニーがニコちゃんを食った感が漂っていました。
他の共演者では、医療事件の抗議デモに参加している中年男性役として、ウッディ・ハレルソンが登場~。
これまでも、数多くの若手ヒロイン映画に名脇役として出演しているウッディ・ハレルソンですけども。
なんというか、優しそうというか、本国では父性を体現できる人材なのかもしれません。
もはや、若手女優の見守り専門男優ですよ!
物語の中では、めちゃめちゃ大事件が起きるわけでもないのですが、だからこその生活感とリアリティがございました。
怒った母親が娘を携帯電話で呼び出すときに、「至急、帰ってきなさい。今、お兄ちゃんが死にそうだから」と留守電。
後になって「死にそう」というのが虚言だと知って、娘が激怒する場面には大共感。
親って、留守電メッセージが大げさですからね。
今作は、どうやら監督・脚本を手掛けたローラ・チンさんという人の、自伝的内容っぽいです。
母娘の愛憎を今ふうに表現していたと思います。
戦争関連が目を引く受賞作、会場はトップスター勢ぞろいでゴージャス~!第96回アカデミー賞(2024年)。 [映画写真日記]
日本時間2024年3月11日(月)、米国にて、第96回アカデミー賞(2024年)の受賞式が開催されましたね。
毎年恒例、あの「お式」ですよ!
山崎さん、「ゴジラ-1.0」で視覚効果賞を受賞できて良かったネ。
こちらのお写真は、山崎さんと、最多7部門受賞「オッペンハイマー」のクリストファー・ノーラン監督です。↓
こちらのお写真は、監督賞を受賞した時、スティーヴン・スピルバーグと熱い抱擁を交わすノーランさんです。
スピにハグされるなんて、映画人にとっては名誉ですよ。
お笑いアカデミー賞があったとしたら、受賞時に西川きよしさんにハグされるようなもん!↓
今回、多くの予想通り「オッペンハイマー」の独占受賞になりましたね。
接戦とされていた主演女優賞は「哀れなるものたち」のエマ・ストーンが奪取して、米トップ女優の貫禄を見せました。
「オッペンハイマー」以外の受賞作でも戦争関連作が目を引いて、反戦ムードの一面も見せたお式ですけども。
演技部門の受賞プレゼンターは、歴代受賞者の代表格が集まってで行う趣向で、なんか豪華~。
こちらのお写真は、「オッペンハイマー」で助演男優賞を獲得時のロバート・ダウニー・Jr.。↓
こちらのお写真は「オッペンハイマー」で主演男優賞を獲得時のキリアン・マーフィーです。↓
余興は、「バービー」のケン役ライアン・ゴズリングが、劇中歌「I’m Just Ken」のパフォーマンス。
ピンク似合ってる~。
これはお客さんのテンションも上がりますね。↓
こちらのお写真は客席での「バービー」エリア。
マーゴット・ロビーとライアン・ゴズリングの「手握り」に萌え萌え。
間に入りたいです!↓
今回の授賞式はテレビでの視聴率も良かったとのことで、何か納得~。
トップスター勢ぞろいで、ゴージャス感がスゴかったと思います。
その他の受賞については、こちらをご覧ください。(←別ウインドウで外部サイトに飛びます)
ここからはレッドカーペットでのお写真です。
「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」で主演女優賞にノミネートされていたリリー・グラッドストーンは、なんだか垢抜けましたでしょうか?
自分に似合うものを知っているようで、とってもステキなんですけど~。↓
こちらは、ハリウッドのオシャレ番長ゼンデイヤさんです。
今回は地味めですが、やっぱりステキです。↓
こちらは、「バービー」で一発当てたマーゴット・ロビーです。
顔が派手だから、ドレスが黒でもオーラがドバァッ。↓
こちらは「オッペンハイマー」で助演女優賞にノミネートされていたエミリー・ブラントです。↓
こちらはシャー子ですけども。(←シャーリーズ・セロン)
相変わらず、ドレスの「着慣れ感」がバッチリ。↓
こちらは、リアル・マーメイドなアニャ・テイラー=ジョイです。
最旬女優の輝きを放っていますね。↓
こちらは「ナイアド ~その決意は海を越える~」で主演女優賞にノミネートされていたベニ子です。(←アネット・ベニング)
「富豪の妻」感が全開です。↓
プレゼンターとして登壇したジョン・シナさんは、裸で出てきたそうですね。
アンタ、今どき「裸で笑い取る」なんて諸刃の剣!
下手すればSNSで叩かれそうなネタなのに、よくやり遂げたと思います。
確かに、オスカー像に似てるかも〜。↓
それでは、また来年のお式も楽しみにしています。
バッハハーイ!
「Lift リフト」★★★ [映画日記]
近年、Netflixオリジナル映画での出演が目立っているケビン・ハートが、またしても!
今年もNetflixオリジナル映画に登場〜。
食わせてもらっていますよね、あすこの会社に〜!
2024年1月に配信された作品ですけども。
ケビン・ハートが、まさかのアクション大作の主演ですよ。
スゴ腕のアート窃盗団を率いるリーダー役がケビン・ハート。
もう一度言います、下っ端じゃありません、リーダー役です。
警察の依頼で、金塊を盗むことになる、という、ミッション遂行型の物語になっていますけども。
どこか粋な空気が漂うあたりは「オーシャンズ」シリーズ風。
派手なアクションは「ミッション・インポッシブル」風。
監督は「ワイルド・スピード ICE BREAK」の人ということで、チームワークや荒唐無稽の仕掛けは「ワイスピ」風。
アクション大作の美味しい部分をつまんできてますね。
そして、ケビン・ハートが、まるでハリウッド・アクション・スター風なんですよね〜。
信じられないけれど、バカやんない!
「ちょいと、何を気取っているんだい。早く笑わせておくれよケビン!」と思いながら鑑賞続行。
いつか笑わせてくれると信じて待っていましたけども。
最後の最後までクールにツン!
二枚目(風)の男前(風な)役にビックリしました。
そんなケビン・ハートを追う捜査官役がググ・バサ=ローで、「ケビン・ハートとは、かつて数日交際していた関係」という、気まずい仲。
「抱いた仲」っていう!
これは何でしょうか?
ケビン・ハートはプレイボーイ・キャラという意味でしょうか?
ケビン・ハートは今作のプロデュースも兼任しているということで。
「俺もそろそろハリウッドスターの仲間入りをしたい。ウィル・スミスみたいになりたい」とでも思っているような?
あるいは「俺も、いっぺんくらいは男前の主人公を演じてみたい。いっぺんくらい贅沢言ってもいいだろう」というような。
かわいいわがまま映画に仕上がっていたと思います。
劇中で、夫婦を装うケビン・ハートとググ・バサ=ロー。
このシーンで、「成功した男性がステータスシンボルにするために結婚した相手」という意味で「トロフィーワイフ」という言葉を使用。
「トロフィーワイフ」という言葉を初めて知ったのですが。
大昔から存在する言葉らしいですね、勉強になりました。
「Lift リフト」というタイトルは忘れそうですが、「トロフィーワイフ」はずっと覚えておこうと思います。
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