「陰陽師0」★★★ [映画日記]
好きなんですよね〜平安時代。
「自分の前世は平安時代の貴族であった」と、思いたいです。
どうか何卒「貴族であった」と。(←貧乏人の可能性大)
平安貴族が住んでいる、広々とした、シンプル構造のお屋敷も良いですよね。
あの、木造の家。
あの、冬場は隙間風が吹き込み放題の家ですよ!
あんだけ広いフローリング、当時は雑巾がけをするのは大変だったでしょうね。(←使用人目線)
平安貴族の男性が着ている服も好きで、いっぺん着てみたいんですよね〜。
男性みんな同じようなデザインだけど、色だけ違う、みたいなやつ。
今作で主人公の安倍晴明役を演じている山﨑賢人くんも、平安のお衣装が似合ってました。
劇中では、陰陽道を学んでいる学生時代の安倍晴明という設定で、どこか不良っぽい山﨑賢人くん。
陰陽道の一匹狼ですよ!
平安のお衣装も、ちょっと着崩した感じでオシャレでした。
「第3ボタンまで外してます」みたいな感じですよ、学ランに例えれば!
安倍晴明のお衣装は、派手なやつを何パターンか用意してほしかったですが、ほとんど1着、着っぱなしでしたね。
着たきりスズメですよ!(←そういうものなのかもしれませんが)
「若かりし頃の陰陽師」ということで、「陰陽師0」というタイトルになっているのでしょうね、「カロリー0」みたいですけども。
監督・脚本を担当した佐藤嗣麻子さんが、獏さん原作の小説シリーズ「陰陽師」を元に、新たに考え出したストーリー、とのことです。
原作は「獏さん」って言っても大和田獏さんじゃありません、夢枕獏さんですから!(←みんな分かってます)
山﨑賢人くんて、今どき感を出せるうえに、呪術を繰り出すポーズやエフェクトに「中2」感が。
しかもインドア派のくせに、なんでかケンカがべらぼうに強くて、大人数に囲まれても、相手をバッタ、バッタとやっつけますよ。
総合的に「中2の体育」感が漂う「陰陽師」ワールドになっていて、若いお客さんにはウケそう。
マンガやアニメっぽい感触だと思いました。
「実は呪術はまやかし。目に見えないもので脅し、民を操る政治」という世界観も、現代的で良いですね。
原作で安倍晴明と名コンビだった純朴な男性、源博雅も出てきますけども。
一般層を狙った映画として、どうしてもラブストーリーを組み込みたいのでしょうけども。
今作で、源博雅とヨシコが無理矢理こじれて、無理矢理わめきたてる恋愛劇、なんかいらなかった〜。
もっとたくさん、安倍晴明がカッコよく呪術を決める場面を見たかったです。
ちょっとアクション少ないかな〜、と思いました。
ミステリーやら、恋愛やら、友情やら、戦闘やら、陰謀やら、多くの要素を入れて、一皿に盛り付けるのが大変そうな作品でした。
「マディのおしごと 恋の手ほどき始めます」★★★ [映画日記]
あのジェニファー・ローレンスが、コテコテのエロチック・コメディを製作して主演してますよ。
観てみたら、コメディ演技も堂々とこなしてらっしゃいました。
さすがオスカー女優ですね、旬を過ぎた子ではあるけれど。
ジェニファー・ローレンスが渾身、全裸での取っ組み合い大ゲンカ場面に大笑いしました。(一部代役)
ひと昔前は脱ぎ渋っていた子が、こんなコメディ作品で全てを丸出しにするとは。
無駄脱ぎ最高!
恐れ入ったヨ、プロ根性!!
誰もが「ジェニファー・ローレンス大好き」になれる豪快作でした。
本国では2023年に劇場公開済み、日本では配信スルーとなった作品です。
今作でジェニファーが演じる主人公は、金欠で生活が崖っぷちの30代独身女性マディです。
見た目はセクシーでモテ系のマディ。
ワンレンで、ピンクのボディコン、似合ってる!(←死語)
自動車を報酬に、陰キャの童貞男子を「大人の男性に脱皮させる」という謎バイトを引き受けることになるマディ。
辺りのティーンエイジャーからは「おばん、おばん」と罵られ!
セクシー方面では「スゴ腕」のマディも、陰キャの童貞男子には大苦戦。
なかなか抱かれず焦る展開に。
「四の五の言わず、はよ抱かんかい!」となる展開ですよ!
前半コメディ、後半ややシリアス、という、米国製コメディ映画の鉄板構造。
ラストは、メインの男女は揃って成長を遂げる、という、なんとなく感動できる物語になっていました。
昔から、この手のヒロインは「セクシーでおバカ」という単純設計になっていますけども、「ロミーとミッシェルの場合」(1997年)みたいに!(←死語)
そういう昔ながらの要素もありつつ、相手は陰キャの童貞男子、という現代的な設定もあって、令和向けに調整が効いていたと思います。
しかし、なんと言ってもジェニファー・ローレンスの、面白おかしいセクシー仕草が楽しい作品でした。
昔のヘザー・グラハムとかを思い出しました。(←死語)
だんだん、ハリウッドの若手トップ女優が、脱ぐことに抵抗がなくなってきていますね。
時代がまた一つ進んだことを実感しました。
「プリシラ」★★★ [映画日記]
ソフィア・コッポラ監督が、ガーリー路線に帰ってきました。
生娘回帰ですよ!
エルヴィス・プレスリーとプリシラ・プレスリーの恋物語を、全編プリシラ目線で描いています。
エルヴィスも(ほぼ)プライベートの姿でしか出てきませんよ。
孤独な女子中学生プリシラが、世界的セクシー男性タレントであるエルヴィスに見初められて、密かに交際を始めるけれど…というお話。
女子の夢物語ですよ、プリンセス・サクセス・ストーリー!
これは、つまり「午前0時、キスしに来てよ」みたいなもんでしょうか?!
「エルヴィス映画」で「ヒロインもの」という、今までありそうで無かった作品になっていますね。
近年では、同じくエルヴィスを題材にした映画「エルヴィス」(2022年)がありますけども。
あれとは全く違う風合いで、「切り口が違うとこうも変わるのか」と思いながら、十分に楽しみました。
エルヴィス宅でのホーム・パーティーにお呼ばれし、エルヴィスの自室に招かれるプリシラ。
そこで着替えるんですよ、勝負シミーズに!
観ているわたくしまでドキドキしてしまいました、自分も勝負シミーズに着替えたような気になって!!
そして2人でベッドに寝転がると、ウズウズ、モジモジするプリシラさん。
抱かれたがってんの!
わたくしがかつて大好物だった映画「トワイライト~初恋~」(2008年)でも観ているかのような気持ちになりました。
エルヴィスが仕草などから醸し出す、「イケてる彼氏感」も凄まじいです。
この映画に別題を付けるなら「ボーイフレンド・プレスリー」ですよ!
「男性をアイドル化させる」演出力は、さすがソフィア・コッポラ監督ですね。
「女子が憧れる理想のボーイフレンド像」を見事に作りあげていたと思います。
驚いたのは、エルヴィスと初めて会ったときのプリシラって、まだ14歳だったんですね!
女子中学生ですよ、まだ「女児上がり」!
中学生時代から結婚に至るまでには、エルヴィスがプリシラを自宅に住まわせたり、教育環境を整え育てあげたりして、約8年もかかってますよ。
エルヴィスさん粘り強いです、なかなかの育て上手!
きっと、トマトやゴーヤの栽培もいけますよ、派手に見えて実は草むしりもやれる人~!!
高校時代にはエルヴィスと本宅的な交際、同棲を始めるプリシラさんですけども。
お付き合いしはじめると、「女子が憧れる理想のボーイフレンド像」とは違う、交際相手の本性が見えてくる、というダークな展開も。
一緒に寝泊りして分かることもありますよ、「放屁ぐせ」があるとか、口が臭いとか!
結婚~出産の段階になると、2人のテンションが急降下するのも面白いです。
同監督作「マリー・アントワネット」(2006年)もそうでしたけども。
ヒロインがお姫様の地位から退いたとたん、物語もあっけなく、パッと終わるんですよね~。
「地位を失うと夢も希望も全て消える」という、セレブ特有の恐怖観念を拾い上げているのは、実生活がセレブであるソフィア・コッポラさんらしい感性だと思いました。
「アイアンクロー」★★★ [映画日記]
1980年代を中心に活躍した米国のプロレスラー一家、「フォン・エリック・ファミリー」の「栄光と影」を描いた作品です。
一家が手に入れる輝かしい実績とは裏腹に、一家を襲う悲劇の数々にビックリ。
結構ありますよ、悲劇量。
どんぶりに大盛り!
実際の悲劇はもっとあるそうなのですが、映画の尺に入らずカットしたのだそう。
この一家、ネタの宝庫だったんですね〜。
こんだけのネタを持っていながら、2024年になるまで、よく映画化されなかったと思います。
伝説の大物レスラーであった父と、父の指導でプロレスラー界入りした5人の息子たちがメイン・キャラクター。
父と母は円満なご様子ですよ。
いい年して、父は母を抱いてるご様子ですし!
とくに虐待もなさそうで、兄弟も仲良しのようなのですが、一体どうして、1つの家族が、こんなに多くの悲劇に見舞われるのか、不思議でなりません。
米国では一家のことを「呪われた家族」などと称しているようなのですが。
「なるほど、呪われているようにも見える」と、思ってしまいました。
今作は、どこかスリラーっぽくもある、異色の「スポーツ映画」になっていますね。
プロレスラーでも心は弱いのでしょう。
見た目いかつい方が、中身は繊細なもんですよ!
有名レスラーの息子として生まれた兄弟には、きっと我々庶民には理解もできない、知られざる重圧があったのかな~、と思いました。
悲劇の具体的な理由は、劇中ではボカされていましたので。
「お察しします」としか言いようがありません。
主人公を1人立てて、彼の目線で物語が進むという構成。
主人公で、兄弟のリーダー格であるケビンを演じているのがザック・エフロンですよ。
ザック主演映画は数多く観ていますが、今作は、初めての「大人向けザック映画」なのではないでしょうか。
ザックは、筋肉モリモリで肉体改造は完璧。
パーペキですよ!(←死語)
役の見た目に寄せるタイプの役作りをしていて、これはザックにとって勝負作になったと思います。
「ザックならジム通いもするよね」と、ザックの肉体改造は想定内でしたけども。
弟デビッド役ハリス・ディキンソンも(まあまあ)体を鍛えて出てきてビックリ。
「キングスマン:ファースト・エージェント」等に出演しているハリス・ディキンソンは、本来は細身の英国男子ですよ。
それが、アメリカの1980年代の派手なプロレスラー役を、立派に演じて見せるのだから、役者さんてスゴイですよね。
「インフィニティ・プール」★★★ [映画日記]
劇場で鑑賞中、おなかがゆるくなってしまい。
ラストシーンまで持ちこたえることは難しいと判断。
「持たん!持たんぞ!」と脂汗!!
わたくし、上映途中でまさかの一時退席〜。
これは英断でした、よくやったよ自分!(←ホメホメ)
というわけで、ストーリーの一部は観ることができませんでしたが、その後はラストシーンまで楽しんで、作品の全体像もなんとなく理解できています。
いつも映画を観ている途中でウトウトしているから、こういう事態には慣れているのでしょう。(←もっと恥じて)
南のリゾート・アイランドを舞台にしたスリラー作品ですね。
トロピカル・ホラーですよ!
アレクサンダー・スカルスガルド演じる売れない作家が、バカンス中に体験する恐怖を描いています。
なんと、その島には「人間を複製できる」という特殊技術が根付いていて、何かトラブルがあるたび人間を複製しています。
そういう風土なんです!
騙されて事故を起こした主人公が、警察につかまって複製されてしまう、という展開です。
罪や罰は、全てクローンが承ります。
責任を取ってくれるんですよ、あの子たちが!
主人公は、性と暴力にまみれた狂った世界に堕ちていきますが、それは欲望のままに生きていける場所。
実は、そこは「天国にいちばん近い島」by 原田知世なんですよ!
全体を通して、作家(クリエイター)の「逃げ」や「甘え」を描いていたと思います。
性と暴力の要素は、まあまあ強めで、表現も直接的でした。
とってもハードで、攻めた作風になっていますね。
ブランドン・クローネンバーグ監督は、変態色が特色の奇才デヴィッド・クローネンバーグの実の息子さんですけども。
今回、初めてブランドンさんの作品を観ましたが、(今作においては)父の変態遺伝子は受け継いでいないのではないか、と感じました。
はい、息子さんは変態ではありません。(←認定?!)
異常に見える行為もありましたが、「とくに変態というほどでも。割とノーマルだよね」と思いながら鑑賞いたしました。
役者さんのスター感と、瞬発力ある演技にも助けられて、どっちかっていうとメジャー感のある作品に見えました。
もしかしたらブランドンさんは「そろそろ売れたい」と思っているのかもしれません。
共演は、「Pearl パール」等のミア・ゴスなのですが、今回のミア・ゴスも最高〜。
「悪い女」役を嬉々として体現していて、本当に悪い子みたい。
ハリウッド表通りの最旬女優がアニャ・テイラー=ジョイならば、裏通りの女王様はミア・ゴス様であると実感いたしました。
「オーメン:ザ・ファースト」★★★ [映画日記]
「トップガン マーヴェリック」以降、ハリウッドでは有名作の続編・リブート製作ブームが続いてますね。
今度は「オーメン」ですってよ!
ホラー映画「オーメン」(1976年)の前日譚が、2024年に新作として完成いたしました~。
ビル・ナイも神父役で出演していると聞いて「ふ~ん、悪魔祓いでもやんの?」と思ったら違いました。(←それはエクソシスト)
「オーメン」の名物キャラクターで悪魔の子であるダミアンの誕生秘話を描いた内容。
ハッピー・バースデー・ダミアンですよ!
わたくし、冷静に思い返してみると「オーメン」(1976年)を観たことがありませんでした。(←昔は映画ファンではなかったので)
そんなわたくしですが、多少の知識はございます。
「ダミアンが悪い子」程度の認識はございます!(←貧弱な知識ですか)
そんなわたくしでも、今作は十分に楽しめました。
製作陣は、大変マジメで、純粋にイヤな後味をもたらすホラー映画を作ろうとしていました。
真摯に取り組んでらっしゃいました、イヤな映画の製作に!
女性を題材にしていながら、女性を痛めつける場面が見どころ、という、メジャー作品としては稀なタイプになっています。
これは、とんだ不良映画ですよ、札付きの!
近年は、SNSでの炎上を意識して品行方正な映画が製作され続けているので、今作の「お行儀の悪さ」は新鮮で、好意的に映りました。
今作ではポリコレも皆無です。
0%ですよ、降水確率に例えれば!
今どき「ポリコレ皆無」っていう米国作も珍しいです。
主人公でヒロインのマーガレットは、米国からローマの教会に転属してきた若い修道女。
しかし、転属先の教会には大きな秘密と闇が存在していた、という展開です。
清純キャラとして登場するマーガレットですが、中盤からの急展開で、かなりメチャクチャにヨゴレてビックリ。
最初と最後では、マ逆の扱いになっていて面白かったです。
ダミアンが生まれるまでの道筋にも納得できたのですが。
どうやら、続編製作も視野に入れているようなラストシーン。
再び「オーメン」でひと儲けしようとする製作側の腹にも、悪魔が棲んでいる気がしました。
「パスト ライブス/再会」★★★☆ [映画日記]
幼馴染みの男性が大人になって、ヒロインを抱きに来る話です。
その男性は1人の女性を、数十年間も抱きたがっていたんですね〜。
「弥生、三月-君を愛した30年-」みたいな感じでしょうか?!
数多くの賞レースに食い込み、2024年の米アカデミー賞では作品賞、脚本賞にノミネートされていた恋愛映画です。
ヒットした「ミナリ」(2020年)の成功方程式を使い、再びA24が仕掛ける「米国製・韓国人映画」という戦略的作品ですが、「ミナリ」同様、今作もとっても良かったです。
米国在住の韓国人女性が、小学生時代の幼馴染みで恋心を抱いていた韓国人男性と、数十年ぶりに再会する、というのは、設定だけだとロマンチックなのですが。
味わいは、めちゃめちゃ、ほろ苦いです。
すごい渋味ですよ、渋柿みたいな!
後味もキュンキュンしていて、映画史に残る美しいラストシーンだったと思います。
主人公でヒロインのノラは、子ども時代の初恋相手ヘソンとSNSで繋がり、ネット通話で交流を深めて「運命の王子様が現れた?!」と高揚するけれど、現実は、おとぎ話のようには進まないという展開です。
ディズニープリンセスみたいにはなれないんですよ!
ヒロインは子どもの頃、米国で一旗揚げる野望を抱えて米国に移住するも、30代になった現在は手堅い結婚生活と仕事を手に入れ、かつての野心も薄れている、という人物背景が良いんですよね~。
どうしようもない今を生きているんですよ、みんな大人になりすぎた!
男女とも「俺たち前世では交際してたかな」「来世では抱かれるかな」という妄想にまでたどり着いて、やるせなかったです。
30代特有の「夢と現実」が描かれていて、あらゆる葛藤が三十路臭いです。
今作は、三十路映画の決定版とも言えるかもしれません。
長編・初監督のセリーヌ・ソンさんは、実体験を元に脚本も書いたのだそう。
間を活かした演出も冴えていて、この1作で一躍トップ・クリエイターの仲間入りですね。
主人公ノラを演じているグレタ・リーさんのことは、ドラマ「ザ・モーニングショー」にレギュラー出演しているので、よく知っていたのですが。
今作ではナチュラルな演技を見せていて好感が持てました、ドラマでは超ツンツン・キャラですので。
ドラマでは嫌味ガールですので!
今作の演技で、ゴールデングローブ賞、映画部門の最優秀主演女優賞にノミネートされたグレタ・リーさん。
ドラマ「ザ・モーニングショー」でW主演しているジェニファー・アニストンとリース・ウィザースプーンに嫉妬されないか心配です。
楽屋のスリッパに画びょうを仕込まれないように祈っています。
「ブルックリンでオペラを」★★★ [映画日記]
アン・ハサウェイが製作・出演ですよ。
あの子が座長!
アンの夫役はピーター・ディンクレイジさんという、レア共演が実現しています。
これは珍コンビ!
夫妻の間に食い込んでくる「食い込み女」役がおトメさんという(←マリサ・トメイ)、魅力的なキャスティングになっています。
ブルックリンを舞台にしているし「大人のラブコメなのかな?ちょっと前のウディ・アレン作品みたいな?」と思って鑑賞を開始〜。
なるほど、確かに「ちょっと前のウディ・アレン作品」みたいな軽快なノリもありましたけども。
内容はもっと立派、というか。
観ながら笑うことはありません。
「ゲラつき」無しですよ!
案外マジメな作品だと思いました、「文芸ラブコメ」とでも言いましょうか。
出てくるキャラクターは、3人だけではなく、もっといます。
全ての大人キャラは人生をこじらせていて、パッと見は喜劇的に見えますが、実際はかなりの重症。
ピーター・ディンクレイジさん演じるオペラ作家は、長期のスランプで(ほぼ)対人恐怖症。
アン・ハサウェイ演じる精神科医は、人生をリセットしたがり尼さん志望!
彼らと関係を持つ、もうひと組みの夫婦も「ワケあり」で崩壊寸前。
おトメさん演じる孤独な女性は恋愛依存症で、ストーカー気質、っていう。
ヤバ目の大人が大集合〜。
そんな彼らが、わずかに残った善意を持ち寄って、もう一度、人生の希望を取り戻そうとするお話なんですよね。
「ダメな大人なりの善行」を描いていて、なかなか共感できるお話でした。
アン・ハサウェイは、めちゃめちゃキレイで「女優だよね。オーラ出してきてるよね。岩下志麻さんみたい」と思いました。
おトメさんの方は、役に合わせて小汚い!(苦笑)
2大女優の(役の)差がスゴかったです。
ピーター・ディンクレイジさんは、近年突き進んでいるナイーブ路線で、安定の魅力を出していたと思います。
他の出演作品でもそうですが、ピーター・ディンクレイジさんは衣装が似合っているんですよね〜。
今回も、なんだかオシャレで、専属スタイリストの手腕を感じました。
劇中では、オリジナル制作のオペラが引用されていて、「これらの曲、わざわざ映画のために作ったの?」と思ってビックリしました。
まあまあ「おカネがかかってる」香りが漂う作品でした。(←いやらしい)
「ロードハウス 孤独の街」★★★ [映画日記]
みなさんご存知の映画かと思います、パトリック・スウェイジ主演の「ロードハウス 孤独の街」(ビデオ題:「ロードハウス 誓いのカクテル」)(1989年製)。
有名な映画ですよね。(←知りませんか)
当時セクシー男優だったパトリック・スウェイジの根強いファンにより、カルト的人気を持続していた作品ですけども。(←多分)
なんとリメイク作が、2024年3月よりamazonプライム・ビデオのオリジナル映画として配信~!(←「なんだ配信か」と言うなかれ)
もしかして、映画会社の人たちは「トップガンの続編がヒットしたんだから、ロードハウスも大丈夫だろう。続編じゃなくてリメイクだけど大差ないだろう」と思ったのでしょうか?!
雑なプランのような気がしますが、見切り発車でやっちゃった感じが豪快ですね。
アメリカっぽくて良いと思う~。
今回の主演はジェイク・ギレンホールというのが、我々視聴者の興味をそそって、また良いです。
わたくしも、主演がジェイク・ギレンホールだから再生ボタンを押しました。
ジェイク・ギレンホールという名の取っ掛かりですよ。
それは我々に撒かれたエサですよ!(←失礼)
物語は、フロリダキーズにある小島にて、居酒屋「ロードハウス」の用心棒として雇われた「ワケあり」男性が、次から次へとチンピラに襲われる、というもの。
居酒屋「ロードハウス」には、毎晩、バイクに乗ったチンピラが多数訪れて、店内をメチャメチャに壊して帰るんですよ!
チンピラ人口高め、って、一体そこは、どんな島?
そんだけ毎日ヤラれながらも経営できてる「ロードハウス」ってどんな店!?
しかも、雇われた用心棒の週給が高額でビックリ。
そんだけ払って店の採算は取れてる、っていうのもスゴイです。
奇跡の居酒屋ですよ!
総合的に作品の世界観は、理屈が無くて最高です。
主人公もチンピラも、いい大人なのに取っ組み合いのケンカばかりしていて笑ちゃう~。
1980年代映画の荒唐無稽な面白さ、熱いエッセンスは引き継いでいると感じました。
劇中、ジェイク・ギレンホールには複数のB級女優演じるキャラが接触するのですが。
ラブシーンは皆無、っていう点が「今どき」すぎて残念~。
無駄なお色気は時代に合わせて排除されてました。
「キレたら怖い」というダークヒーロー的キャラクターのジェイク・ギレンホールには、格闘シーンが多いです。
どんなアクションも上手にこなしていて、さすがジェイク・ギレンホールだと思いましたけども。
編集も見事にキマっていて、「監督はどちら様ですかな?」と思ったら。
なんと、監督は「ボーン・アイデンティティー」等のダグ・リーマンだったんですね!
ジェイク・ギレンホールと共に「ロードハウス落ち」した感がありますけども。
「ロードハウス心中」ですよ!
個人的には続編も作ってほしいです。
バカなマジ映画って、本当に楽しいものですね。
「ゴーストバスターズ/フローズン・サマー」★★★ [映画日記]
「ゴーストバスターズ/アフターライフ」(2021年)の続編が早くも登場〜。
チャチャッと作って出してきましたよ、チャチャッと作った焼き飯みたいに!
そんな映画の出来は普通でした!!
「アフターライフ」の監督は、オリジナル版を手がけたアイヴァン・ライトマンの息子さんであるジェイソン・ライトマンでしたけども。
ライトマン親子の肝入り企画でしたけども!
今回、ジェイソン・ライトマンさんは、なんでか監督を降りましたね。
2022年に父アイヴァン・ライトマンさんが亡くなったから、色々と事務処理が忙しかったのかな?!
しかし、今作も「引き続きジェイソン・ライトマンが監督をしました」と思いながら観ると、それっぽく見えますよ。
結局、誰が撮っても同じなのかもしれません、「ゴーストバスターズ」なんて!(←失礼)
シリーズ前作から日が経ってない、ということで。
メイン・キャラクターの子役たち、マッケナ・グレイスちゃんもフィン・ウルフハードも若いまま。
まだ子供(っぽい)!
妙に大人になっていなくて安心いたしました。
場を凍結させる力を持つゴーストを退治するお話。
悪い「アナと雪の女王」みたいなやつが出てきて、それと戦うんですよ!
とくに怖くもないし、危機感もなく、あんまり、親玉、雑魚を含めてゴーストの魅力は出ていなかった気がします。
そのかわり、反抗期に突入したマッケナ・グレイスちゃん演じる娘と、実母・義父との家族ドラマがフィーチャリング。
方向性はホラーではなく、「ファミリー映画」に仕向けていますね。
色々あって、なぜか家族が一致団結して「がんばって一緒にゴーストバスターズを運営しよう」みたいな、熱い展開になるのですが。
そうなってくると、用もないのにわざわざ出てくるビル・マーレイやダン・エイクロイド等、オリジナル・メンバーが不要に見えて仕方ありませんでした。
なんでしょうか、この「いつも職場に顔を出してくるOB」みたいな感触は?!
オリジナル・メンバーがいない方が、話がスッキリとまとまるとは思いますけども。
ダン・エイクロイドは原作・製作を担当しているので、次回作もオリジナル・メンバーは出てくることでしょう、とくに用もないけれど!
1980年代作のリメイク・ブームど真ん中に放たれた平凡作。
次回作は期待しています。
Ghostbusters: Frozen Empire (Original Motion Picture Soundtrack)
- アーティスト: Dario Marianelli
- 出版社/メーカー: Sony Classical
- 発売日: 2024/04/12
- メディア: CD