「ビリーブ 未来への大逆転」★★★ [映画日記]
主人公のモデルとなったアメリカ合衆国最高裁判事、ルース・ベイダー・ギンズバーグさんて、2020年9月18日に亡くなったんですね。
つい、こないだ!
そんなタイミングで、ケーブルテレビが放送してくれた今作。
物語は、ギンズバーグさんの新婚時代から始まるのですが、夫婦そろってハーバード大学の学生ですよ。
ガリ勉夫婦!
赤ちゃんも育てている、っていうときに夫が重病に。
奥さんは勉強に、子育てに、看病にてんてこまい。
猫の手も借りたい忙しさですよ、年末みたいに!
夫が受けるはずの講義まで代わりに出席し、帰宅後、療養中の夫に講義内容を伝える、という生活。
口移しスタイルの勉強法!
ものすごい勉強家の夫妻でした。
しかも夫妻役を演じているのはフェリシティ・ジョーンズとアミハマさんですよ。(←アーミー・ハマー)
頭も良けりゃあ、顔も良いっていう!
せめてブサイクでいてほしかった、チキショーッ!!
大学を卒業後のギンズバーグさんは、弁護士になりたいけども、どこの事務所も雇ってくれず。
それは1954年頃のお話ですが、男性による女性蔑視が凄くてビックリ。
ギンズバーグさんが面接に落ちた理由は「女性を入社させると、男性職員の妻たちが嫉妬するから」だという。
ああ失礼!
ハーバード大学のロースクールにギンズバーグさんと共に入学を許された女性は、たった9人だというし。
たかが50〜60年前は、こんなにも性差別がはびこった社会だということに、改めて驚きました。
1970年代まで時は過ぎ、性差別が組み込まれた法律を変えるべく、二児の母となったギンズバーグさんが、高等裁判所で弁論するという展開に。
悔しい思いをしてきたギンズバーグさんが、頭の堅いおじさん裁判官の前に立ち、性差別の無意味さを訴える姿を見て、胸が熱くなりました。
国レベルの巨大な権力を前に、信念を持って立ち向かっていて、まさにヒーロー。
「米国には、ものすごい人がいて、時代を切り開いて行ったんだな」と思いました。
ギンズバーグさんの偉業を支えたのが、家族だと思うのですが。
ティンエイジャーになった娘は、討論好きの母にイラつくことも。
「あたしさ〜、母ちゃんみたいに頭良くないからさ〜!」と言ってキレる場面は、なかなかリアル。
「インテリ家の子も大変」と思いました。
道端で見知らぬ男が娘にセクハラ発言をしたときは、娘がキレて「ふざけんな!この…」みたいな暴言を吐いたのですが。
そんな娘に対して母が「男に立ち向かうなんて立派。素晴らしい子に育った」みたいに称賛する場面は感動しました。
セクハラ発言に対して、汚い言葉で返しただけなのに、涙が出そうになりました。
あれは感動のセクハラ場面でした!
アミハマさん演じる夫は、妻に理解がありすぎる〜。
当然、仕事の手助けはするし、家で不味い料理を出されても文句ひとつ言いません。
一切キレぬ!
この調子だと、風呂も便所も掃除してくれてるはず。
見た目、中身ともに完璧。
こんなよくできた亭主、実在するんか?!
実話がベースですが、夫についてはファンタジー路線でした。