「パスト ライブス/再会」★★★☆ [映画日記]
幼馴染みの男性が大人になって、ヒロインを抱きに来る話です。
その男性は1人の女性を、数十年間も抱きたがっていたんですね〜。
「弥生、三月-君を愛した30年-」みたいな感じでしょうか?!
数多くの賞レースに食い込み、2024年の米アカデミー賞では作品賞、脚本賞にノミネートされていた恋愛映画です。
ヒットした「ミナリ」(2020年)の成功方程式を使い、再びA24が仕掛ける「米国製・韓国人映画」という戦略的作品ですが、「ミナリ」同様、今作もとっても良かったです。
米国在住の韓国人女性が、小学生時代の幼馴染みで恋心を抱いていた韓国人男性と、数十年ぶりに再会する、というのは、設定だけだとロマンチックなのですが。
味わいは、めちゃめちゃ、ほろ苦いです。
すごい渋味ですよ、渋柿みたいな!
後味もキュンキュンしていて、映画史に残る美しいラストシーンだったと思います。
主人公でヒロインのノラは、子ども時代の初恋相手ヘソンとSNSで繋がり、ネット通話で交流を深めて「運命の王子様が現れた?!」と高揚するけれど、現実は、おとぎ話のようには進まないという展開です。
ディズニープリンセスみたいにはなれないんですよ!
ヒロインは子どもの頃、米国で一旗揚げる野望を抱えて米国に移住するも、30代になった現在は手堅い結婚生活と仕事を手に入れ、かつての野心も薄れている、という人物背景が良いんですよね~。
どうしようもない今を生きているんですよ、みんな大人になりすぎた!
男女とも「俺たち前世では交際してたかな」「来世では抱かれるかな」という妄想にまでたどり着いて、やるせなかったです。
30代特有の「夢と現実」が描かれていて、あらゆる葛藤が三十路臭いです。
今作は、三十路映画の決定版とも言えるかもしれません。
長編・初監督のセリーヌ・ソンさんは、実体験を元に脚本も書いたのだそう。
間を活かした演出も冴えていて、この1作で一躍トップ・クリエイターの仲間入りですね。
主人公ノラを演じているグレタ・リーさんのことは、ドラマ「ザ・モーニングショー」にレギュラー出演しているので、よく知っていたのですが。
今作ではナチュラルな演技を見せていて好感が持てました、ドラマでは超ツンツン・キャラですので。
ドラマでは嫌味ガールですので!
今作の演技で、ゴールデングローブ賞、映画部門の最優秀主演女優賞にノミネートされたグレタ・リーさん。
ドラマ「ザ・モーニングショー」でW主演しているジェニファー・アニストンとリース・ウィザースプーンに嫉妬されないか心配です。
楽屋のスリッパに画びょうを仕込まれないように祈っています。
良さげですね。これ、大昔のマギーチャン主演のラブ・ソングみたいな感じなんですかね。。
by berry (2024-04-13 01:14)
berryさん。
なるほど、「ラヴソング」(1996年)に展開が似てなくもないですね!今作では男女が思い続ける期間が「24年」ということで、延べ時間は勝っているかと思います。(←何の勝負?!)
by のむら (2024-04-13 15:52)