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「グッドナイト・マミー」★★★☆ [映画日記]

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*ネタバレはありません。
 
2022年9月に配信された、amazonプライム・ビデオのオリジナル映画です。
 
人里離れた一軒家にて、双子の男児が久々に母親と再会してみたら。
 
出迎えた母ちゃんの顔には覆面。
 
かぶってご登場〜!
 
ご対面した双子ちゃんは、ドン引き!!
 
ワシら視聴者の心を鷲掴みする「不気味なツカミ」場面でした。
 
どうやら母は整形手術後らしいのですが挙動不審。
 
双子の男児は「あの母ちゃん、偽物かも」と疑って、母親の正体を暴こうとする展開です。
 
湯船でウトウトしている母親に近づいて、おそるおそるフェイスマスク(久光)をめくろうとする男児。
 
もうちょっとで素顔が見えそうなところで、母親が「アンタ、何してんのよ!」と目が覚める、という。
 
「母の美容液」だけでも、立派なスリラー名場面に仕立て上げていました。
 
母親役を演じているナオミ・ワッツが怪演〜。
 
母親の職業は女優という設定なので、巧みな演技で男児を翻弄。
 
母親が窮地に陥ったときは、必殺技の「嘘泣き」が炸裂。
 
ぶりっ子なんですよ、聖子ちゃんみたいな!
 
誰もが、その「涙の出てない泣き顔」に騙されていました、まんまと!!
 
母親は本物なのか、偽物だとしたら、それは誰なのか、などのミステリー要素が視聴者の興味を引き続けるのですが。
結局、内容は本格スリラーですね。
 
しかも、M・ナイト・シャマラン系のトリッキーなタイプで、観終わった後は、もういっぺん最初っから観直して、細部を確認したくなるストーリーでした。
 
今作はハリウッド・リメイク版で、オリジナルは、2016年アカデミー賞の外国語映画賞オーストリア代表作品に選ばれた作品らしいです。
 
鑑賞中は「もしかしたら、この場面は夢とか幻かな?」と思うことも多いのですが。
 
男児による「ママは100%僕らを愛してる。僕らを愛することがママの仕事だ」というセリフが象徴するように、あやふやな世界の中で、母性愛だけは絶対的な存在なんですよね。
 
正体不明の母親と対峙しつつ、目に見えなくも、明らかに存在するであろう母性愛を、手探りで見つけようとする男児の姿が、どういうわけかスリラー風味。
 
とっても面白い設定でした。
 
視聴者を惑わすために、ミスリードを誘う場面が、いくつもあるのですが。
 
あまりにミスリードを誘いすぎて、話の辻褄が合っていない気がする〜。
 
色々と「あそこの場面、おかしくない?」と感じて、モヤモヤする〜。
 
考えれば考えるほどチンプンカンプーン!
 
そんなところも作品の魅力なのかもしれません。

 

 

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「エンド・オブ・ロード」★★★ [映画日記]

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ハリウッドにて。

 

何十年間も仕事が途切れないクイーン・ラティファさんですけども。

 

たいしたお方ですよ、競争社会で「食いっぱぐれ」なしとは!

 

持ち前の「大仏顔」で、基本的には人情系の母親役が多いですけども。

 

歌える人なので、映画やドラマの「歌もの」にも多数出演。

 

持ち芸は、「大仏顔」と「のど自慢」!

 

最近は、「戦う女」ジャンルにも踏み込んできたようです。

 

ご時世ですね、強い女性の時代ですから!

 

そんなクイ子さんが主演したサスペンス作品が、Netflixオリジナル映画として、2022年9月に配信開始〜。

 

今回クイ子さんが演じた役はシングルマザー。

トラブルメーカーの弟と、ティーンエイジャーの実子2人を連れて、自家用車に乗って旅行に出発〜。

 

家計が苦しくなり、田舎の実家に引っ込むことになったという、「母子家庭のワケあり旅行」ですよ!

 

そんな道中、白人至上主義の土地にて、白人の不良に絡まれるクイ子さん。

家族を守るため、何にも悪くないのに、不良に謝罪するクイ子さん。

 

「申し訳ございませんでした、白人様」と頭を下げて、悔し涙のクイ子さん!

 

米国の視聴者は、心を鷲掴みにされたことでしょう。

 

この時点で別タイトルを付けるとしたら「憎し白人」ですよ!

 

米国には「白人至上主義の土地がある」っていうのが、なんともイヤな感じですよね〜。

 

そのうち、大金が絡む犯罪に巻き込まれる一家。

見知らぬ土地で、クイ子さんが凶悪犯に脅されまくるという展開です。

 

監督はショッキング・スリラー系の人なので、今作も見せ場はショッキング・スリラー寄りなのですが。

人種差別ネタを少し盛り込んでいる点が特徴になっていますね。

 

山椒のように効いていますよ、人種ネタ!(←ああ、うな重食べたい)

 

クイ子さんは製作も兼ねている、ということで。

 

クイ子さんの設定が、「武術に長けた看護師で、正義の人」という、欠点なしの盛りキャラに!

 

悪党に捕まると反撃、ケガ人を見つけると応急処置、金を拾うと交番に行きたがる、という、天使みたいな母ちゃん像なっていました。

 

アクションも、まあまあ様になっているクイ子さんなのですが。

 

クイ子さんて、ふっくらされてるじゃないですか〜。

 

走り回る場面とか、「ハアハア」してる気が。

 

心臓への負担が気になって困る〜。

 

「救心」を送ってあげたくなりました。

 

 

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「ビースト」★★★☆ [映画日記]

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この夏。

 

「あ〜あ、ジュラシック・ワールドに出てくる恐竜も怖くなくなったよね〜。腑抜けになったもんさ!と嘆いておりましたところ。

 

怖い生き物は恐竜だけじゃありません。

 

わざわざ恐竜ランドに行かずとも、怖い動物には出会えます。

 

アフリカに行け、サバンナに!

 

肉食動物ゴロゴロいるから!!

 

そんな、原点回帰の猛獣系・恐怖映画に仕上がっている今作。

 

「アニマル・スリラー」というジャンルですよ!

 

今作でフィーチャーされている猛獣さんは、ライオンさん。

 

お獅子!

 

アフリカ旅行を楽しむ一家が、サバンナの真ん中で、車が立ち往生して始まる恐怖の体験。

 

一匹の凶暴なライオンに目をつけられて、ねちっこく襲われる、というシンプル設計です。

 

作品コンセプトは「陸のジョーズ」とのこと(笑)。(←笑って失礼)

 

「絶対悪の1匹」を悪役に仕立てた物語になっています。

 

ライオンに襲われるシチュエーションは、人が車内に避難しているときに、車外のライオンが突進してくる、という感じ。

 

ティーンエイジャーの娘2人は車から出たと思ったら、また入ったり、チョロチョロして危なっかしい〜。

 

じっとしてなよ、生娘たちは!

 

まんまジュラシック・パークな感じですね。

 

もはや、ジュラシック・ライオン・パークですよ!

 

そうなると、「パクリ?B級映画だよね」と、なりそうですけども。

 

なんと、安っぽくありません。

 

この映画は、「高見え」商品!

 

CGで表現されたライオンがスーパー・リアルだし、映像に「こだわり」がギッシリ。

 

ライオンが襲ってくる場面は、必ずカメラの「長回し」。

 

襲ってこない場面でも、手持ちカメラ風の「長回し」が多用されて、臨場感がバッチリです。

 

怖くて最高でした、ライオン万歳ですよ!

 

主人公で、一家の父親役を演じたのは、イドリス・エルバさんですよ。

 

アフリカ旅行のナビゲーター役は「第9地区」 でお馴染みの「第9男優」セリシャールト・コプリーさんというのも、ツウな配役。

 

イドリス・エルバさんの演技は申し分ございません。

イドリス・エルバさんとライオンの対決場面も、凄まじかったです。

 

いろんな人に「決してライオンとは対決しないほうがいい。勝てないよ」と触れ込みたくなりました。(←言わずとも分かってますか)

 

アフリカのサバンナにて、黒人一家がライオンと戦うという風景というか、ムードというか。

 

何、この統一感!

 

何、このコーデ!!

 

「本当はこわいライオン・キング」みたいな世界観も良かったです。

 

 

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「かぐや様は告らせたい 天才たちの恋愛頭脳戦 ファイナル」★★★ [映画日記]

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エリート高校を舞台にしたラブコメ映画の完結編を、Netflixで発見〜。

 

「恋愛は、告白したほうが負け」「愛は戦争、ラブ・ウォーズ by ユーミン(←死語)」みたいな信条のもと、生徒会長の白銀御幸と、副会長の四宮かぐやが「相手に告らせよう」とマウントを取り合うお話です。

 

アニメ版の全期を鑑賞済みのわたくし。(←ヒマ人)

 

今回の映画は「ああ、この場面ね。へぇ、こんなふうに演出したの。ふ〜ん」と、「訳知り顔」で鑑賞させていただきました。

 

審査員みたいな顔ですよ!

 

アニメの話を知っているから、映画の話も見え見え、というのが辛いのですが。

 

物語の結末は、映画のオリジナルになっているみたい。(多分)

独自の形で、キレイに決着をつけていました。

 

白銀御幸役の平野紫耀くんと、四宮かぐや役の橋本環奈ちゃんも、高校生役を演じるのは、まあまあギリギリの状態。

 

今回、無事に、賞味期限内に人材を使い切った感があってスッキリしました。

 

冷蔵庫の中で掘り出した、痛む手前のお野菜を使い切った時のスッキリ感!

 

「食べ切った感」ですよ!!

 

人気アニメや原作漫画は話数も長くなり、その分、キャラクターも増え続けますね。

 

どんどん、どんどん出てくるんですよ、タンスの奥から出てくる古着みたいに!

 

今作では、シリーズ前作よりもキャラクターが増え、脇役にも時間を大きく割いているため、全体のまとまり感は弱いですね。

 

横に広げましたから!

 

できれば、主演2人で、全ての話を統一してほしかったですけど、仕方ないですね。

 

お笑い、ラブコメ、熱血ドラマ、ミステリーなど、様々なジャンルまでミックスしていて、「最後なんだから、原作のエキスを全部入れたい」という意気込みが。

 

とくに、ラブコメのパートは、キャラクターの妄想が、絵や文字で表現されるので、画面上のカオス感がスゴイです。

 

もはやここまでやると、恋愛映画というよりは、バラエティ番組ですね!

 

それは、それで楽しかったです。

 

漫画やアニメのキャラクターを、生身の人間が表現することは難しいと思うのですが。

出演している若手俳優のみなさんは、本当に上手に演じていますね。

 

とくに、四宮かぐやのメイド、早坂役を演じた堀田真由ちゃんが、アニメそのまんまでビックリ。

 

地味っ子から、妖艶な姿に変身する演技も様になっていて、「この子は伸びる」と思いました。(←芸能事務所の社長かい)

 

エンディングは、おなじみの、メイン・キャストによるダンスで締めてました。

 

ダンスがキレッキレで楽しい〜。

 

「最近の若い子は何でも出来るよね〜」と、遠い目になるシリーズでした。

 

 




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「燃ゆる女の肖像」★★★ [映画日記]

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「カンヌ系」です!

 

第72回カンヌ国際映画祭を沸かしたフランス製・文芸ドラマが、サブスク解禁〜。

日本では2020年に劇場公開されたようです。

 

予備知識なく再生してみましたところ。

物語の設定は、18世紀後半のフランスで、どうやら時代劇らしいです。

 

主人公は、女流画家のマリアンヌなのですが、とっても美人。

 

シュッとしていて、まるでアニメのキャラみたい。

 

線画みたいな、線美人!

 

鑑賞中は、マリアンヌの顔アップになるたびに「きれいな人〜」とつぶやいてしまいました。

 

マリアンヌは、ガードが固そうに見えて、まあまあの脱ぎっぷり。

 

ときには画面にボカシすら入って、そんな場面になるたびに「あんれま!隠しなよ!」とつぶやいてしまいました。

 

この辺の「女性のサバサバ感」は、「さすがフランス製」という感じですね。

 

そんなマリアンヌが、とある令嬢の肖像画を描くために孤島に出発。

 

現地で出会いました、お嬢と!

 

お嬢は、いしのようこさんに、そっくり〜。

 

姉の真子には似ておらず、妹のようこに似ているのが不思議〜。

 

真子ようこも、同じような顔なのにねぇ。

 

屋敷に住む奥方やメイドを含めて、全員が美人という美人劇の始まりじゃ〜っ!

 

奥方とマリアンヌは、おしゃべりする場面で「私の友達はブッサイクなのよね〜アハハハハッ」と談笑。

 

美人による「ブサイク斬り」も鮮やかでした。

 

しばらくすると、マリアンヌとお嬢エロイーズが、何やら、恋の駆け引きのようなもの始めましたよ「かぐや様は告らせたい」みたいなやつを!

 

どうやらですね〜、この作品はですね〜、LGBTQ映画のようです、はい、間違いございません。

 

いろんな所で絶賛されている作品ということで、なるほど、確かに「秘めた恋愛もの」の王道感がありますね。

 

時代劇にしたことで、「女性が人生を選べない時代における、女性の心と体のもがき」も描かれて、「おんな映画」としての深みもございます。

 

また、時代劇にしたことで、エロチックな場面も上品に見えますね。

 

歴史マジックですよ!

 

エロチックとはいえ、めちゃめちゃエロい場面はなくて、指定は「R12」に抑えている点がお見事です。

 

これなら、若年層にもオススメできますよ、LGBTQ入門編として!

 

別タイトルを付けるとしたら「サルでも分かるLGBTQ」ですよ!!

 

監督・脚本を手がけたセリーヌ・シアマさんて、お嬢エロイーズ役を演じたアデル・エネルと、実生活で交際していたんですね!

 

抱いていたんですよ!!

 

そう思えば、美人による「ブサイク斬り」場面や、美的なエロチック描写は、客に媚びてる感じがありません。

 

LGBTQ監督だからこそ出来る、演出のコーディネイトだと思いました。

 

お嬢エロイーズ役を演じたアデル・エネルは「映画界は性差別がはびこっていてイヤ。もう映画界は引退する」と宣言したそう。

 

スゴイですよね〜、フランス女優は豪快で。

 

スタッフも出演者もフランスっぽい、純度の高い「ど・カンヌ系」LGBTQ映画でした。

 

 

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「ピノキオ」★★★ [映画日記]

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ディズニーアニメ映画「ピノキオ」(1940年)のリメイク作を、ロバート・ゼメキス監督と、主演トム・ハンクスのコンビで製作中と聞いてましたけども。

 

風の噂ですよ!

 

リメイク版「ピノキオ」は、いつしか出来上がっていて、まさかの「Disney+」配信スルーに。

 

「フォレスト・ガンプ」を手がけたコンビの新作でも、劇場公開は見合わす時代なんですね〜。

 

近年、ディズニーさんは、自社アニメ映画を「実写化として、ほぼコピーする」というビジネスに追われております。

 

焼き直すんですよ、サンマでも焼き直すみたいに!

 

リメイク版「ピノキオ」も、実写化された「アラジン」や「美女と野獣」と似たような仕上がりになっていました。

 

やっぱりディズニー映画には、ヒロインがいないとダメですね。

 

お姫はいないの?お姫は!

 

ゼペットじいさんじゃ気分が盛り上がりません。

 

ジジイじゃ客を呼べないんですよ!

 

今作の「配信スルー」に関しては、ディズニーさんの采配は間違っていないと思いました。

 

「配信スルー」というか、「じいさんスルー」だっのだと思います。

 

鑑賞中は「全体的に、1940年版の完コピだな」と思っていたのですが。

観賞後に調べてみたら、物語の細部は、現代風に修正されているみたい。

 

そういえば、セリフ回しも、今どき感があるし〜。

 

からくり時計から出てくる人形が、ディズニーキャラクターだったり、今の子どもたちにもウケそうな、ライトな手触りになっていました。

 

ゼペットじいさんの設定も、「かつて亡くした息子を、そっくりそのまま木彫りの人形にする」というものに。

 

その設定だけで、一気に切ないモードになりますね。

 

ず〜っと幼い息子を思いながら1人きりで引きこもり、爺さんになって木彫りの人形「ピノキオ」を製作するのですから。

 

この映画を、ゼペットじいさんの目線だけで観た場合、「ピノキオが動き出した」ところからラストまで、全て「狂ったゼペットじいさんが見た幻覚」と捉えることも可能。

 

ゼペットじいさんのラストシーンも「死んで天国に行った」と解釈することも可能ということで。

 

ディズニー作品としては珍しい「ジジイ大作」としての一面も垣間見えました。

 

ゼペットじいさん役のトム・ハンクスは、こないだ音楽映画「エルヴィス」で、実在したマネージャー役を演じてましたっけ。

 

この調子で、次から次へと「有名なじいさん」を演じ続けるつもりなのかもよ、手当たり次第に!

 

ピノキオのキャラクター・デザインは、1940年版を踏襲したものですが。

CG化すると、なんかチープに見えるものですね。

眼球の処理が、イマイチ不自然かも〜。

 

1940年版の方が、圧倒的に「レトロかわいい」と思いました。

 

あと、「ピノキオ」のお話は、覚えててそうで、すっかり忘れているものですね。

 

「ピノキオの世話焼き係として、コオロギなんて出てたっけ?」とか「クジラのお腹に入るのは知っていたけど、こんなにすぐに出てくるんだっけ?」など。

改めて気づくことが多かったです。

 

今回、吹き替え版で鑑賞したのですが。

 

コオロギのジミニー・クリケット役を演じた山本耕史さんが上手くてスゴイ〜。

 

山本耕史さんて、歌も上手いし、「シン・ウルトラマン」で宇宙人役を演じても様になるし。

 

何をやっても最高の万能選手〜!

 

パンにも飯にも合う、サバ缶みたいなお方〜!!

 

ディズニー映画との相性もバッチリだし、今後もディズニー作と絡んでほしいです。

 

ディズニーさんからの振り込みで、嫁の堀北真希ちゃんを食わせてやってほしいです!

 

 

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「カポネ」★★★ [映画日記]

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トム・ハーディ主演で、アル・カポネの晩年を描いた「伝記もの」です。

 

アル・カポネって、長い間、梅毒で苦しんでいたんですね、知らなかった〜。

 

そして、亡くなった時の年齢は、まだ40代だったんですね。

50〜60代かと思ってました。

 

老けて見えるタイプなのでした!

 

米国ではコロナの影響で配信スルーに、日本では2021年に劇場公開された作品です。

 

まずは「アル・カポネ役にトム・ハーディ?すごいかも。良さげかも」という期待に胸が膨らみます。

 

ワクワクするんですよ、「花金」みたいに!(←死語)

 

本編を観てみたら、確かにトム・ハーディの役作りは、見た目からスゴイですね。

 

形から入ってますね!

 

病気だから、目は血走っているし、唇は乾いてガッサガサ。

 

メンソレータムも効かない状態ですよ!

 

大変ですよ、便まで漏らして。

 

就寝中に漏らした便に、隣で寝ていた嫁が飛び起きてました「クッサ!」と!

 

アル・カポネは激しくキレることもあるし、トム・ハーディの演技力が全開なのですが。

めちゃめちゃ「ハマり役」というわけでもなく。

 

なんというか、実在の人物というよりは、アメコミ映画の悪役みたいな、少々、劇画調のニュアンスが含まれていました。

 

そんなカポネが、フロリダの別荘で療養している、という基本設定なのですが。

 

カポネさんは具合が悪すぎて、幻覚を見まくり!

 

そこに居ない人まで見えちゃっています。

 

記憶力も無くなっていて、家族のことすら分からないことも。

 

はい、そうです、若干40代で「ボ●老人」と化しているのです!

 

幻覚や幻聴の中で、人生が回想されていたりして、なかなか凝った構成の脚本。

 

アンソニー・ホプキンスがボ●老人を演じた映画「ファーザー」みたいな感触です。

 

カポネのイメージにはない「幻想スリラー」というジャンルが新鮮でした。

 

カポネの主治医役はカイル・マクラクランということで。

 

マクラクランの代表作「ツイン・ピークス」みたいな、デイヴィッド・リンチ風のダークな幻想テイストが、わずかに香ります。

 

カイル・マクラクランが放つ強烈な臭みですよ!(←ワキガじゃありません)

 

しかしながら、結局は、リアリティ重視の「カポネ・ワールド」が基調になっていて、観終わったときの印象は「地味」でした。

 

「遊んでそうな不良に見えるけど、実はまじめな人」みたいな映画でした。

 

劇中では、「隠し金」の在り処まで、すっかり忘れているカポネさん。

 

家族も大変そうでした、遺産が無くて。

 

「故人の預金を下ろせず、イライラする遺族」みたいなシチュエーションは、ワシら日本のパンピーにも共感できるものでしたね。

 

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「ミー・タイム」★★★ [映画日記]

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売れてますね、コメディ男優のケヴィン・ハートさん。

 

稼いでますね、ガッポリ!(←言い方)

 

米コメディがウケない日本市場では、出演作が劇場公開されづらい人材ですけども。

 

コロナ期からは、配信スルーになった映画でよく見かける「ケヴィン・ハート映画」。

 

「コロナ特需で売れたもの」みたいな人材になってますね!

 

今作は、2022年8月に配信された、Netflixオリジナル映画です。

 

ケヴィン・ハートさんが演じる主人公は専業主夫ソニー。

 

ついに、映画の主人公も「主夫」の時代に突入〜!

 

ビジネスが成功している妻をサポートし、家事と育児に専念しているソニーが、自分1人の時間を楽しむために休暇を取ったものの、騒動に巻き込まれるというお話。

 

結局、物語の中では「専業主夫をしている場面」は少ないですね。

 

延々と「専業主夫の仕事」を描いても面白そう、と思いました。

専業主夫が主人公の作品って、ありそうで、ありませんのでね。

 

ソニーと疎遠になってしまった悪友ハック役は、なんとマーク・ウォールバーグですよ。

 

マー君がケヴィン・ハート主演作をバックアップ!

 

さすがマー君が出てくると、画面が華やか〜。

 

なんだかんだ言ってもスター様〜!

 

頼りになる「映え要員」になっていました。

 

「働き方」と夫婦の関係性を描きつつ、ケヴィン・ハートとマーク・ウォールバーグの友情も取り上げていて、盛り盛りの内容でしたけども。


とくに友情物語には重要性を感じませんでした。

 

マーク・ウォールバーグ、要らなかったんじゃないかな。(←コラーッ)

 

米国製らしく、セクシーな要素を含んでいて、エロチック・コメディとしての一面も。

 

そうかと思えば、子供ウケする「動物ネタ」や「便ネタ」も豊富で、やりたい放題。

 

あらゆる種類の「笑い話」に手を出していて、いくらなんでもカオスです。

 

まとまらないですよ、雨の日の髪型みたいに!

 

脚本の中に「なんでもいいから、面白いことを入れてやる」という気構えは感じました。

 

ヤケクソの心意気ですよ!

 

それらの小汚いネタをこなすケヴィン・ハートですが、なぜか清潔感は保っています。

不思議と、汚れきらない人。

 

油っぽくないんですよ!

 

ケヴィン・ハートの好感度を見た気がしました。

 

寝る前にベッドでNetflix番組を鑑賞するという、米国の一般夫婦。

 

そんな視聴者が、ワイワイ言いながら楽しみそうな「米国流・ベッドサイドのだんらん映画」になっていました。

 

 

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「ブレット・トレイン」★★★☆ [映画日記]

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ブラッド・ピット様へ。

 

お兄様へ!

 

日本が舞台のハリウッド大作に主演してくだすって、ありがとうごぜえますだ。

  

軽快なアクションをふんだんに取り入れつつも、凝った物語の作品でした。

 

ほとんどの舞台は、東京から京都に向かう東海道新幹線の車両内のみ、ということで。

セリフからビジュアルまで、日本語だらけでビックリ。

 

こんな「日本びいき」のハリウッド映画が、本国でもヒットしていることに、うれしくなりました。

 

なんとなく、テンションや世界観が「キル・ビル」っぽい?!

 

こんなに「キル・ビル」っぽい映画を観たのは、「キル・ビル」以来ですよ!

 

デヴィッド・リーチ監督は奇跡の「スタントマン上がり」!!

 

「頭の中まで筋肉」という人でもなく、美的センスまで持ち合わせているのが奇跡ですね。

 

近年、監督が手がけてきた多くの大作は、妻であるケリー・マコーミックさんがプロデューサーを務めているんですね。

 

旦那の仕事は「全て嫁の仕切り」と見ています!

 

「工藤静香」家みたいなもんですよ!!

 

今作のお話は、会話に伏線いっぱいで濃厚なため、デヴィッド・リーチさんのイメージにない「文系」感が出ていたのは新鮮でした。

 

そういえば、監督の旧作「デッドプール2」にブラッド・ピットがカメオ出演していたし〜。

今作の俳優陣も、監督の盟友たちが集まっている感じ〜。

 

いつしか、デヴィッド・リーチ・ファミリーが出来上がっているようです、派閥ですよ!

 

カメオ出演の人たちにも、思わず「えっ!」と声が出てしまうほど豪華でした。

 

ブラッド・ピットが演じる人物は、闇の仕事人レディバグ。

レディバグが、ある任務をこなすため新幹線に乗り込むものの、次々と刺客に襲われる、という「巻き込まれ型」のストーリー。

 

序盤から中盤まで、話が理解できずに困っていたのですが、中盤以降は物語の詳細が判明して「なるほど、そういうことか」と腑に落ちる構成になっていました。

 

劇中で、あらゆる人物がトラブルに巻き込まれて、幸運と不運が、交互に彼らを襲います。

 

時には、「不運かと思っていたけれど、後から考えてみれば幸運だった」ということも。

 

「出来事とは不思議なもんだよね、良くも悪くも取れる」と思いながら観ていました。

 

走っている新幹線の外壁や屋根に、人がへばり付いている場面もチラホラ。

 

新幹線の外壁や屋根への「へばり付き感覚」は日本人には無いですね。

 

ハリウッドらしい派手なシチュエーションで、笑ってしまいました。

 

劇中の静岡駅では、ホーム上に、ものっすごい不良たちがたくさんいて、まるで「HiGH&LOW THE WORST X」ですよ。

 

コロナ等の理由で、日本でロケは行われませんでしたが、日本でロケしようとしても「絶対にJRの許可は下りない」と思えるハチャメチャな内容で楽しかったです。

 

コメディ調の演技で、しかも主演というブラッド・ピットは珍しいです。

カジュアルなお洋服や、バケットハットも似合っていますね。

 

ウォシュレットのお水や風を、顔面付近で受けてくださるブラッド・ピット様にも感謝です。

 

天下のブラッド・ピット様が便器ネタですから!

 

そんな場面を観たときは、「ブラッド・ピット様お気をつけて。便の破片が顔に付いちゃう」とヒヤヒヤしました。

 

回想場面で一瞬、ウエイターに変装しているブラッド・ピットが映るのですが、「そのコスプレ、ずっと観たい」と思ってしまいました。

 

ブラッド・ピットって、ずっとセクシー・イケメン的な存在でしたけども。

今作では、主演でありながらマスコット。

 

見たことないです、こんなかわいいおじん!

 

もはや、「ミッキーマウス」に似たポジションですよ!!

 

チャーミング路線に磨きがかかっている一作でした。

 

 

Bullet Train (Movie Tie-In Edition): A Novel

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「バズ・ライトイヤー」★★★ [映画日記]

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CGアニメ映画「トイ・ストーリー」に、スピンオフ作品が登場〜。
 
スゴイですよねディズニーさんのビジネスも、手を替え、品を替え!
 
完結したシリーズも、骨までしゃぶり尽くすおつもりでしょうか!?
 
「トイ・ストーリー」の名脇役バズ・ライトイヤーを主人公にした、スペース・アドベンチャー映画になっています。
 
「トイ・ストーリー」でのバズって、おもちゃじゃないですか〜。
 
玩具じゃないですか〜所詮!
 
だから今作も、おもちゃのバズが冒険するお話なのかと思っていたのですが。
 
今作の設定は、「バズが玩具化されるきっかけになった、映画の主人公バズ」ということで。
 
今作のバズは、まさかの人間!
 
生身の漢(おとこ)ですよ!!
 
人間なのですが〜、結局はCGアニメだから、何か変な感じ〜。
 
人間キャラだろうが、玩具キャラだろうが、観客から見れば結局はマンガっていう!
 
人間バズのキャラクター・デザインは、玩具バズを元にしているからでしょう、アゴがデカっ!!
 
なんというか、アゴの中に赤ちゃんでも入ってそうな。
 
口から生まれてきそうな!?
 
そんな「臨月アゴ」の持ち主でした。
 
アゴがデカいだけでなく、アゴの中央に謎の「くぼみ」が。
 
「もしかしてヘソ?顔に?」と思ってしまいました。
 
アゴはデカいですが、体型は細マッチョの人間バズ。
 
目はパッチリしていて、西郷隆盛さんにそっくり〜。
 
「SF西郷隆盛・物語」としても鑑賞可能かもしれません。(←無理ですか)
 
日本語版の声優さんは、NHK大河ドラマで西郷さん役を演じた鈴木亮平さん、というのも不思議な縁を感じました。
 
物語の世界観は「スター・ウォーズ」っぽいですね。
メカも「スター・ウォーズ」っぽくて、いちいち汚れていたり、表面にキズが付いていたりで、良い感じ。
 
基本、男児やチェリーボーイ好きそうな世界が広がっていました。
 
物語は、スペースレンジャーの隊員であるバズが、自国のために探索を繰り返していくうちに時が過ぎ、過去や失敗と向き合いながらも、自分を貫いていく、というような感じ。
 
感触としては「トップガン マーヴェリック」と似た感じ〜。
 
男性の主人公が盛り上げる「鉄板ストーリー」なのでしょうね。
 
演出も進行も見事な安定感で、「トイ・ストーリー」ブランドを汚すことはありませんでした。
 
ディズニーさんの顔に、泥は塗ってませんから!
 
バズって、しっかり者キャラクターなので、脇役は自動的にドジっ子があてがわれていますね。
 
み〜んな「ダメな子ちゃん」!
 
あらゆる脇役が肝心のところで凡ミスを繰り返し、バズの足を引っ張っていて、イライラしました。
 
み〜んな、足手まといなんですよ!
 
バズも、そんなドジッ子相手に、キレそうになりながらも、我慢している場面には共感〜。
 
「人間バズ」の魅力が光るお話でした。
 

 

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