「Zola ゾラ」★★★ [映画日記]
A24配給の「女子映画」なのですが。
今どき感あふれる、いつものA24風味ですね。
旨味ですよ!
作風に「こなれ感」や「抜け感」があるんですよね〜、意味はよくわかりませんが!!
原作は、実在する女性のツイートなのだそう。
ああ、つぶやきも映画になる時代!
カネになる時代ですよ!!
つぶやいた本人で、映画の主人公であるゾラはストリッパー。
ゾラが、同じくダンサーのステファニーと出会ってから、わずか1〜2日後に、一緒に、フロリダのクラブまで出稼ぎの旅に出る、というお話。
「水商売の付き合い」みたいな軽いノリに見えたのですが。
先の展開はダークすぎてビックリしました。
水商売には、表通りもあれば裏通りもあるものです。
ゾラが思わぬ形で裏通りに迷い込んでしまい、戻ろうにも戻れない、という、スマホ世代の女子による「不条理スリラー」という内容が新鮮でした。
ラストシーンは「形式的な幕切れ」ではございませんでした。
客席のお客さんは、わたくしを含めて、エンドロール後に何か「追加シーン」があるんじゃないか、と思って、ラストシーンの後も、ず〜っと椅子に座っていました。
み〜んな、モヤモヤしていたんですよ!
あのラストシーンが、一層「不条理感」を増幅させていたと思います。
あとは、やっぱり、友達のことは、知り合って1〜2日程度じゃあ、理解できるものではない、と思いました。
そうかと言って、知り合って2〜3年経てば理解し合えるのか、といえば、必ずしも、そうでもないし。
友情とは割と難しいもの、と思わせてくれるお話でもありましたね。
ゾラ役を演じているのは、知らない黒人の若手女優さんなのですが。
ダンス場面などを含めて、体当たりでがんばっていました。
友人のステファニー役を演じているのは、ライリー・キーオですよ。
これまでの出演作品では、「殺人鬼に狙われ、ついには殺されてしまう金髪ねえちゃん」役がハマっていたライリー・キーオですけども。
ついに、A24作品で準主役を得たとは、おめでたい。
この映画は、ライリー・キーオ史上、最も彼女が輝いている映画だと思います。
本作でも、結局は「殺人鬼に狙われ、ついには殺されてしまう金髪ねえちゃん、みたいになりそうな金髪ねえちゃん」役でしたけども、まあいいじゃないですか。
「ピンクの服を着た白人の金髪ねえちゃん」というキャラクターは、数十年に渡り、ハリウッド映画内で表現されてきましたけども。
「キューティ・ブロンド」とか「ロミーとミッシェルの場合」とか。(←死語)
今作でライリー・キーオが演じたねえちゃんは、その令和型になりますでしょうか。
新型のねえちゃんですよ!
それは、社会の弱者として登場し、悪気なく差別発言をする、という「良いとこなし」の存在になっていました。
「めんどくさいタイプの悪役」というポジションがリアルでした。