「ブレット・トレイン」★★★☆ [映画日記]
ブラッド・ピット様へ。
お兄様へ!
日本が舞台のハリウッド大作に主演してくだすって、ありがとうごぜえますだ。
軽快なアクションをふんだんに取り入れつつも、凝った物語の作品でした。
ほとんどの舞台は、東京から京都に向かう東海道新幹線の車両内のみ、ということで。
セリフからビジュアルまで、日本語だらけでビックリ。
こんな「日本びいき」のハリウッド映画が、本国でもヒットしていることに、うれしくなりました。
なんとなく、テンションや世界観が「キル・ビル」っぽい?!
こんなに「キル・ビル」っぽい映画を観たのは、「キル・ビル」以来ですよ!
デヴィッド・リーチ監督は奇跡の「スタントマン上がり」!!
「頭の中まで筋肉」という人でもなく、美的センスまで持ち合わせているのが奇跡ですね。
近年、監督が手がけてきた多くの大作は、妻であるケリー・マコーミックさんがプロデューサーを務めているんですね。
旦那の仕事は「全て嫁の仕切り」と見ています!
「工藤静香」家みたいなもんですよ!!
今作のお話は、会話に伏線いっぱいで濃厚なため、デヴィッド・リーチさんのイメージにない「文系」感が出ていたのは新鮮でした。
そういえば、監督の旧作「デッドプール2」にブラッド・ピットがカメオ出演していたし〜。
今作の俳優陣も、監督の盟友たちが集まっている感じ〜。
いつしか、デヴィッド・リーチ・ファミリーが出来上がっているようです、派閥ですよ!
カメオ出演の人たちにも、思わず「えっ!」と声が出てしまうほど豪華でした。
ブラッド・ピットが演じる人物は、闇の仕事人レディバグ。
レディバグが、ある任務をこなすため新幹線に乗り込むものの、次々と刺客に襲われる、という「巻き込まれ型」のストーリー。
序盤から中盤まで、話が理解できずに困っていたのですが、中盤以降は物語の詳細が判明して「なるほど、そういうことか」と腑に落ちる構成になっていました。
劇中で、あらゆる人物がトラブルに巻き込まれて、幸運と不運が、交互に彼らを襲います。
時には、「不運かと思っていたけれど、後から考えてみれば幸運だった」ということも。
「出来事とは不思議なもんだよね、良くも悪くも取れる」と思いながら観ていました。
走っている新幹線の外壁や屋根に、人がへばり付いている場面もチラホラ。
新幹線の外壁や屋根への「へばり付き感覚」は日本人には無いですね。
ハリウッドらしい派手なシチュエーションで、笑ってしまいました。
劇中の静岡駅では、ホーム上に、ものっすごい不良たちがたくさんいて、まるで「HiGH&LOW THE WORST X」ですよ。
コロナ等の理由で、日本でロケは行われませんでしたが、日本でロケしようとしても「絶対にJRの許可は下りない」と思えるハチャメチャな内容で楽しかったです。
コメディ調の演技で、しかも主演というブラッド・ピットは珍しいです。
カジュアルなお洋服や、バケットハットも似合っていますね。
ウォシュレットのお水や風を、顔面付近で受けてくださるブラッド・ピット様にも感謝です。
天下のブラッド・ピット様が便器ネタですから!
そんな場面を観たときは、「ブラッド・ピット様お気をつけて。便の破片が顔に付いちゃう」とヒヤヒヤしました。
回想場面で一瞬、ウエイターに変装しているブラッド・ピットが映るのですが、「そのコスプレ、ずっと観たい」と思ってしまいました。
ブラッド・ピットって、ずっとセクシー・イケメン的な存在でしたけども。
今作では、主演でありながらマスコット。
見たことないです、こんなかわいいおじん!
もはや、「ミッキーマウス」に似たポジションですよ!!
チャーミング路線に磨きがかかっている一作でした。
Bullet Train (Movie Tie-In Edition): A Novel
- 作者: Isaka, Kotaro
- 出版社/メーカー: Harry N. Abrams
- 発売日: 2022/08/30
- メディア: ペーパーバック