「グッドナイト・マミー」★★★☆ [映画日記]
*ネタバレはありません。
2022年9月に配信された、amazonプライム・ビデオのオリジナル映画です。
人里離れた一軒家にて、双子の男児が久々に母親と再会してみたら。
出迎えた母ちゃんの顔には覆面。
かぶってご登場〜!
ご対面した双子ちゃんは、ドン引き!!
ワシら視聴者の心を鷲掴みする「不気味なツカミ」場面でした。
どうやら母は整形手術後らしいのですが挙動不審。
双子の男児は「あの母ちゃん、偽物かも」と疑って、母親の正体を暴こうとする展開です。
湯船でウトウトしている母親に近づいて、おそるおそるフェイスマスク(久光)をめくろうとする男児。
もうちょっとで素顔が見えそうなところで、母親が「アンタ、何してんのよ!」と目が覚める、という。
「母の美容液」だけでも、立派なスリラー名場面に仕立て上げていました。
母親役を演じているナオミ・ワッツが怪演〜。
母親の職業は女優という設定なので、巧みな演技で男児を翻弄。
母親が窮地に陥ったときは、必殺技の「嘘泣き」が炸裂。
ぶりっ子なんですよ、聖子ちゃんみたいな!
誰もが、その「涙の出てない泣き顔」に騙されていました、まんまと!!
母親は本物なのか、偽物だとしたら、それは誰なのか、などのミステリー要素が視聴者の興味を引き続けるのですが。
結局、内容は本格スリラーですね。
しかも、M・ナイト・シャマラン系のトリッキーなタイプで、観終わった後は、もういっぺん最初っから観直して、細部を確認したくなるストーリーでした。
今作はハリウッド・リメイク版で、オリジナルは、2016年アカデミー賞の外国語映画賞オーストリア代表作品に選ばれた作品らしいです。
鑑賞中は「もしかしたら、この場面は夢とか幻かな?」と思うことも多いのですが。
男児による「ママは100%僕らを愛してる。僕らを愛することがママの仕事だ」というセリフが象徴するように、あやふやな世界の中で、母性愛だけは絶対的な存在なんですよね。
正体不明の母親と対峙しつつ、目に見えなくも、明らかに存在するであろう母性愛を、手探りで見つけようとする男児の姿が、どういうわけかスリラー風味。
とっても面白い設定でした。
視聴者を惑わすために、ミスリードを誘う場面が、いくつもあるのですが。
あまりにミスリードを誘いすぎて、話の辻褄が合っていない気がする〜。
色々と「あそこの場面、おかしくない?」と感じて、モヤモヤする〜。
考えれば考えるほどチンプンカンプーン!
そんなところも作品の魅力なのかもしれません。