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「僕らの世界が交わるまで」★★★ [映画日記]

WhenYouFinishSavingtheWorld.gif

 

A24製作の作品です。

 

俳優ジェシー・アイゼンバーグが長編初監督(今作では脚本も)デビュ〜。

 

あの天然パーマの子ですよ!

 

ジュリアン・ムーア演じるお堅い母と、今どきな高校生ユーチューバーである息子との親子ドラマですね。

 

母子”狂”奏曲ですよ!

 

かなりオフビートな作風で、とくに何かスゴイことが起こるわけでもないお話なのですが。

 

「なるほど。わかる」と共感できるポイント多数で、なかなか良いと思いました。

 

劇中では、母と息子がいちいち合わない。

 

好みや価値観が全く別物で、仲が悪いわけではないけれど、ことあるごとに衝突してます。

 

ワシも高校生の頃を思い出してしまいました。

 

遠い遠い、はるか昔ですよ!

 

ワシも高校時代は、大事に初版から買い揃えていたマンガ本のシリーズを、母親に適当に捨てられてキレてましたので。(←マンガ本かい)

 

当時から「母親とは、物の価値が分からぬ生き物だ。そのマンガ本は将来高値がつく代物なのに。母は偽者のブランド品とか大事にしていてバカみたい」と思っていました。

 

年月が過ぎ、今では「ワシも母と同じく、出来損ないの人間だ」とか、「やはり母の子だ。ダメなところも似ている」と思うようになっていますけども。

 

今回観た映画の中では、「結局おかしなことに、ダメなところは似てしまう母子」というところまで描かれているのがお見事です。

 

いびつな親子の絆ですよ!

 

ああ、遺伝子って不思議!!

 

「どこの国の母子も、同じようなものなんだな」と思って、うれしかったです。

 

ジェシー・アイゼンバーグは、脚本センスもある人だったんですね〜。

 

演出家としてのジェシー・アイゼンバーグは、ジュリアン・ムーアに気を遣っている感じ〜。

 

ジュリアン・ムーアに、過度な要求をしていませんね。

 

ジュリアン・ムーアのシャワーシーンも、肩から上しか映ってませんでしたから!

 

ジュリアン・ムーアは、頼めば全部脱いで見せてくれる人なのにねぇ。(←頼めないか〜なんか怖くて)

 

息子役を演じたのは、ドラマ「ストレンジャー・シングス 未知の世界」でのブレイク後、映画出演が目立っているフィン・ウルフハードですけども。

 

アメリカ人男性でありながら、細身で文化系の雰囲気が備わっているところが魅力ですね。

 

「庶民的なティモシー・シャラメ」という風合いが良いですよ。

 

「ドロ臭いティモシー・シャラメ」という風合いですよ!(←失礼)

 

「生活感を出せるシャラメ」として、当分食っていけそうな気がしました。

 

 


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「ゴールデンカムイ」★★★☆ [映画日記]

GOLDENKAMUY.gif
 
テレビアニメ化もされている人気漫画の、実写映画版ですけども。
 
これは価値ある実写化だと思います。
 
舞台を明治末期の北海道とし、アイヌ文化をフィーチャーした「埋蔵金探し」アクション・エンターテインメントですから。
 
アイヌ × エンタメ だなんて奇跡ですよ!
 
この作品をきっかけに、アイヌに興味を持つ人もいるわけですからね。
 
それに、北海道でのロケ映像、アイヌのグルメ映像は、アニメよりかは実写の方が説得力がありますね。
 
映えるんですよ!
 
アイヌの食事が、なんというか、食べたいような、食べたくないような独自レシピで興味津々。
 
リスやカワウソ食べちゃいますから!
 
かわいいポケモンを食べちゃうようなもん、頭から!!
 
アイヌの文化ってオモローイ。
 
もはやファンタジー映像ですよね、ホビット族か何かの生活を覗いているみたいで。
 
冒頭は日露戦争の場面ですが、それを込み込みで、実写に向いている題材だと思いました。
 
わたくし、テレビアニメ版も全話観ているファンなのですが。
 
今作は、アニメ版や原作の完全再現を目指している、純度100%のファン向け実写映画と思われます。
 
スタッフも出演者も、完コピ目的ですよ、コピー商法!
 
わたくし、完コピは好きではないのですが、スタッフや出演者が、魂を捧げすぎてしまうので。
「完コピは、クリエイトではない」と思っていますので。
 
しかし、今作は、あまりにも演出や芝居が原作ぽくて「スゴイ」と思いました。
 
執念の映像作りですよ!
 
ここまで、原作やアニメ版を再現するのは相当大変だと思って、スタッフや出演者に頭が下がりました。
 
元々は、主演・山﨑賢人くんと所属事務所による「原作の実写化ビジネス」の一環かと思うのですが。
 
あの子の企画ものですよ!
 
山﨑賢人くんって、なんだかんだ言っても、大したお方ですよ。
 
鑑賞前は「ゴールデンカムイの主人公に山﨑賢人くんは合わないだろう」と思っていましたけども。
 
本編を観てみると、なんとなく主人公にハマっているから、たいしたもん。
 
まずキャスティング発表で炎上させておいてからの、完成品を観せてクオリティを絶賛させるという「山﨑賢人くん商法」。
 
綱渡りの俳優業ですよね!
 
山﨑賢人くんって、「泥臭さ」があるのが魅力だと思うのですが。
 
今作では、その臭みも活きていると思いました。(←なんか失礼)
 
これまで数々の実写化に挑戦してきた山﨑賢人くんの、ターニングポイントになりそうな感じがします。
ちょっぴり大人風味のキャラクターですしね。
 
続編にも期待していますけども。
 
今作こそ、Netflixの実写ドラマにしてほしかった〜。
 
シーズン5くらいまで、延々とやってほしかった〜。
 
海外の視聴者にもウケる気がする〜。
 
今作の映画版も、そのうちNetflixで配信されるだろうから、まあいいか〜。
 
 

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「REBEL MOON:パート1 炎の子」★★★ [映画日記]

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Netflixオリジナル映画として、2023年12月に配信されました。

 

ザック・スナイダーさん製作・監督・脚本によるSF大作です。

 

なんというか、ざっくり言えば「スター・ウォーズ」みたいな作品ですね。(←禁句)

 

「スナイダー・ウォーズ」(仮称)ですよ!

 

「アバター」製作時のジェームズ・キャメロン監督とか、今回のザック・スナイダーとか。

 

ハリウッドのトップ・クリエイターは、60歳手前になると「童貞」テイストに戻るのがお約束なのでしょうか。

 

童貞に立ち返る、というか〜!

 

童貞回帰というか〜!!

 

今作も、架空の惑星で繰り広げられるドンパチ、チャンバラ盛り邦題。

 

「中2」感がスゴかったです。

 

物語の冒頭から、農業で生計を立てる地味村に、どこからともなく宇宙船が着陸〜。

 

宇宙船の中から出てきたのは、威圧的な軍人で、早速、村長痛めつけ。

 

即日制圧ですよ!(←「即日配送」調で)

 

そして命令「麦よこせ!」

 

観ながら「麦かい」と思いました。

 

宇宙船でも食パンやラーメンは食べる、ってことでしょうか?!

 

そんな感じで、舞台や設定は、まあまあ雑ですね、「わかりやすい」とも言えますが。

 

村に住むオテンバ娘が反旗を翻し、軍と戦う同士を集めるべく、方々の地を渡り歩く、という展開です。

 

どんどん仲間は増えていきますけども。

 

みるみるうちに5〜6人ですよ、行列の出来るラーメン屋みたいに!

 

しかし仲間同士のドラマは、ほぼありません。

 

友情らしきものが見当たらぬ!

 

敵が出てきたら、仲間みんなで戦う、という感じで、ひたすら賑やかですね。

 

なんというか、ザック・スナイダーさんが中2時代に描いた同人誌を実写映画化したような感触ですね。

 

この映画に魅力があるとするなら、それは「同人感覚」かと思います。

 

映像に予算を割いているのか、出演者は安めに抑えています。(←失礼)

 

しかしながら、旧・DCヒーロー映画では主役に当時無名のヘンリー・カヴィルや、ガル・ガドットさんなどを大抜擢した経歴のあるザック・スナイダーさん。

 

今作の配役も、知名度はイマイチながら良い感じで、さすがのキャスティング・センスです。

 

「監督業を辞めたら、転職採用の面接官をやるといい」と思いました。

 

ヒロイン役はソフィア・ブテラで、仲間役がチャーリー・ハナムやペ・ドゥナですよ。

 

アクセントとして、”観客を泣かせる帝王”ことジャイモン・フンスーさんがいるのも良いですね。

 

今回のジャイモン・フンスーさんには、観客を泣かせる場面がなかったので、続編「REBEL MOON:パート2 傷跡を刻む者」での活躍に期待したいです。

 

ジャイモン・フンスーさんって、ハリウッド大作で仕事が途切れないですよね〜。

 

生まれついての「うるんだ瞳」を持つ、唯一無二の人なのでしょうね。

 

 

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「哀れなるものたち」★★★☆ [映画日記]

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2024年ゴールデン・グローブ賞の、主演女優賞(ミュージカル・コメディ部門)は。
 
てっきり「バービー」のマーゴット・ロビーが取るのかと思ったら。
 
あっさり「哀れなるものたち」のエマ・ストーンが獲得なさいました。
 
「なんで?!世界のバービー女優が負けるなんて、おかしい」と思っていたのですが。
 
今回「哀れなるものたち」を鑑賞して納得。
 
エマ・ストーンが、ア然とするほど大熱演。
 
そりゃあ、あっさりエマ・ストーンが受賞するよ!
 
わたくし、メガ・インパクトを受けました。
 
それまでの出演代表作「ラ・ラ・ランド」まで、あっさり更新、そして上書き!
 
エマ・ストーンの芝居が、一つも守りに入っていない。
きれいごと一切ない、本物の女優を目指していることが分かる作品になっていました。
 
物語の舞台は架空の世界で、ファンタジックです。
ゴシック調メインでありつつも、わずかにパンク調でもあり、衣装、建築物、インテリア等、美術的なものが最高にクールで美しいです。
 
音楽も、なんというか即興的で、不思議空間を演出。
 
映画を観ると、どこかで眠くなってしまうわたくしですが。
 
今回だけは目がランラン!
 
「こんな映画、観たことない」とワクワクしながら鑑賞いたしました。
 
動物や人間の体を、工作みたいに切ったり貼ったり、そんな外科手術が当たり前という基本設定。
あらゆる倫理観が損なわれています。
 
エマ・ストーン演じるベラは、体は大人であるものの、赤子の脳みそを移植されているという、フランケンシュタインの怪物状態な女!
 
よってベラ自身も、倫理観が全くない人間として物語がスタート。
 
「元々、人間は倫理観など持たずに生まれてくる」とでも言いたげです。
 
そこからベラが、あらゆる人と出会い、経験を積み、自立した大人の女性に成長していく姿が描かれていて、「男性依存社会からの自立」みたいなテーマに行き着くことに。
 
そのあたりは「バービー」と同じ、現代ジェンダー論を語っていると思うのですが。
 
ベラのキャラクターが、ズバ抜けている個性派で、あの「バービー」を超えたところだと思います。
 
なんといっても、ベラが性的。
 
抱かれまくんの!
 
ベラ(女性)が自立するにあたり、まずは男に抱かれるというのは、流れとして妥当なのでしょうけども。
 
表現があけすけ、というか、お下品というか〜。
 
「主演女優に向けた、男性スタッフのセクハラ」に見えなくもございません。
 
脚本のトニー・マクナマラさんは、過去に手がけたドラマ「THE GREAT 〜エカチェリーナの時々真実の物語〜」でも、主演女優に対して性的な芝居を要求するお話を書いていましたけども。
 
トニー・マクナマラさんは、セクハラとエンターテインメントの境、スレスレを行く人なんですよね〜。
 
危ないおじさんなんですよ!
 
今作では、そんな笑うに笑えぬセクハラ・ギリギリ路線から、「男性依存社会からの自立」みたいなテーマに劇的転換される脚本がお見事でした。
 
近年のエンターテインメント業界では「セクハラ反対」として、女優が性的な芝居は引き受けない傾向にありますけども。
 
女優が「セクハラ反対」運動家として機能している傾向ですよ。
 
今作で性的表現をこなしているエマ・ストーンは、「もちろんセクハラ反対だけども、運動家と女優業は別物」と捉えているようで好感が持てました。
 
あらゆる点で攻めてる作品でしたね。
 
 
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「TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー」★★★ [映画日記]

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つい先日、80代の巨匠マーティン・スコセッシさんが手がける映画を楽しみましたけども。

 

おじいちゃんの映画を観たばかりなのですが、入れ歯の!(←入れ歯かどうかは未確認)

 

今回観たホラー映画の監督は、なんと双子のユーチューバー。

 

今の子!

 

彼らの初監督(一部脚本)作品ですよ。

 

主人公の女子高生ミアが、SNSで話題の「90秒オバケ憑依チャレンジ」にハマりすぎて騒動になり、オバケと対峙して騒ぎを収めようとするお話。

 

米国ではA24が配給し、大ヒットを記録したという作品です。

 

「これ、初めて監督したんですか?別のベテランにやってもらったんじゃないんですか?」と思うくらい、ちゃんとしたホラー映画です。

 

ユーチューバーだからなのか、何なのか、やはり、観客を惹きつけるインパクト演出が効いている気がしますね。

 

オバケが一瞬だけバーンと見える、みたいなやつ。

 

あらゆる演出の手際が良いです、ユーチューバーだからなのか、何なのか!

 

「編集慣れ」してるんでしょうか?!

 

映像も安くなく、心理描写や人間関係の描き方も丁寧で、後味も良い感じに悪くまとめていて、これが初監督作品だなんて信じられない。

 

本当に良く出来ています。

 

「ユーチューバーってスゴイ」と思いました。

 

最近の子は何でも出来ますよね、パワポだかも、エクセルだかも、何でも!

 

今作で最も「今どきでリアルだな」と感じた点は、主人公ミアは明るい性格だけど友達が少なく、学園の陽気な生徒からは「ウザい」と思われていること。

 

陰キャ以上、陽キャ未満の中間地点、中途半端な女の子!

 

ミアが「90秒オバケ憑依チャレンジ」に挑戦しようとした理由も、「目立てるかも。こんな私も人気者になれるかも」という皮算用。

 

一発逆転を狙ってんの、普通の子が!

 

今の子が縛られがちな「認証欲求」を組み込み、普通の子の「生き辛さ」を表現していて、さすがユーチューバー監督だと思いました。

 

なんでかミランダ・オットーも出ていて、それは主人公の親友の母親役という、微妙な地点のキャラクターなのですが。

 

ミランダ・オットーから見た「娘の親友」への愛憎表現も良い感じ。

 

キレてしまったミランダ・オットーからの「アンタさ〜、もうウチの子と遊ばないでくれる?!迷惑なのよ、アンタ」という啖呵を浴びる女子高生ミア。

 

「友達の親から絶縁されるのもキツイ」と思わせる良い場面でした。

 

 

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「アクアマン/失われた王国」★★★ [映画日記]

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DC系・海洋ヒーロー映画「アクアマン」(2018年)の続編ですよ。
 
本編を観たばかりの時は「出来は普通だよね」と思いましたけども。
 
「4DX」鑑賞が好評で「なるほど」と思う。
 
わたくしが鑑賞したのは通常上映・通常料金版でしたから、貧乏席!
 
動画ファイル流しっぱなしの、素上映でしたから!!
 
劇中では、水中、ジャングル、砂漠などを舞台に、主人公が走り回ったり、敵と戦ったり。
 
かなりのアトラクション感ですね。
 
これは、遊園地映画ですよ!
 
お子様客とか、「4DX」鑑賞だと、かなり喜びそうな作品です。
 
とくに水中アクション場面は、無重力感ある全方向性の激しい動きがあり、本作での最大の特徴となっていると思います。
 
出てくるメカも海洋生物を模したデザインになっていて楽しかったです。
 
もう1つの特徴は、主人公で海洋ヒーローのアクアマンに妻子が出来た。
 
所帯持ちですよ!
 
海底では帝国の王として、陸の家では1人の父親として、赤子にションベン引っ掛けられるアクアマン!!
 
マイホーム・ヒーローという新ジャンルを作り上げていました。
 
自動的に、物語も、海洋ヒーロー映画でありながら「ファミリー・ドラマ型」に。
 
アクアマンと妻子、実父母、義父、そして腹違いの弟が一丸となって、悪と戦う展開に。
 
「親戚が集まった法事」みたいなキャラクター相関図ですよ!
 
とくにアクアマンと腹違いの弟が、反発しながらも絆を深める場面が目立っていて「まるでマイティ・ソーとロキだよね」と思いました。(←禁句)
 
アクアマンの家族以外、味方のキャラクターは、ほとんど出てこないのですが。
 
今さらですが、ちょいちょい顔を出してくるドルフ・ラングレンて何の役?と思ったら。
 
アクアマンの妻メラの実父役だったんですね〜、今さら気づきました。
 
そしてアクアマンの実父を演じているテムエラ・モリソンて、「スター・ウォーズ」シリーズでボバ・フェット役を演じている人だったんですね、これも今さら気づきました。
 
わたくし的に最大の見どころとなったのは、アクアマンの実母役を演じたキッ子の存在ですよ。(←ニコール・キッドマン)
 
テカテカした素材のバカみたいな全身スーツに身を包み、バカみたいなサメ型・水中バイクにまたがって海中を爆走するキッ子がバカ・カッコいい〜。
 
サメ型・水中バイクを乗り捨てたと思ったら、バカみたいな巨大メカと体ひとつで大乱闘するキッ子。
 
巨大メカと、取っ組み合いですよ!
 
アラ還の女性とは思えぬ、アクティブな活躍〜。
 
ドラマ・パートでは、かつて自分を抱いた男の身を案じる演技が熱いキッ子。
 
キッ子が産んだ子の役がジェイソン・モモアとパトリック・ウィルソンというのも、ハチャメチャで面白いです。
 
こんな映画でも魅力を放つキッ子に惚れ直しました。

 


 

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「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」★★★ [映画日記]

KillersoftheFlowerMoon.gif
 
ビックリするくらい本編時間が長いですね、206分ですので。
 
昼ごはんを食べた後に鑑賞し、観終わったら、ぼちぼちと晩ごはんの支度に入りましたから!
 
それだけに、製作・監督・脚本を担当したマーティン・スコセッシさん入魂の作品とも言えますね。
 
劇中ではスコセッシさん本人が出てきて、メッセージまで読み上げますから、涙目で。
 
ちょいとスコセッシさん、遺作にしないでおくれよ!
 
早まんな!!
 
時代は1920年代、オクラホマ州オーセージ郡を舞台に、先住民が被害者となる連続殺人事件を描いたスリラー作品。
 
原作はノンフィクション小説とのことなので、元ネタは実話なのでしょうね。
 
当時、富豪となった先住民。
 
地元で石油が沸いたから!
 
庭から温泉が沸いたようなもんですよ、ウハウハ!!
 
その財産を狙って、白人男性が現地入り。
 
先住民の女性と関係を持っては死に追いやり、白人男性が遺産を受け取る事例がチラホラ見受けられる、という基本設定です。
 
人種間コミュニケーションを描いているのですが。
 
先住民の女性と白人男性という、2者のコントラストで全編を押し切っていますね。
 
先住民の女性は被害者という、同情を受ける立ち位置なのですが。
 
メイン・キャラクターの白人男性は、偽善・腹黒・浅知恵バカ、という、どうしようもない人物像になっていますね。
 
メイン・テーマは「白人男性批判」かと思われます。
 
白人男性であるスコセッシさんがそう描くのだから、これは「自虐映画」と言っていいのかもしれません。
 
ハリウッドの最先端で生きてきて、贅沢してきた80過ぎてる白人の爺さんが「白人男性って最悪だよね」って言える、って、スゴイなと思います。
 
もしかしたらスコセッシさんて、ものすごく良い人なのかもしれません。
 
主人公の男性は、元々純粋な性格なのですが。
 
ピュアな男性なんですよ、さかなクンみたいな!(←ホメ言葉)
 
悪い大人たちに囲まれているうちに、洗脳というか、少しずつ悪に染まっていくというような、「コミュニティ・スリラー」みたいな要素も、ちょっとありました。
 
さかなクン本人も、どんどん悪に染まったらイヤだな〜、と思いながら鑑賞続行。
 
主人公の青年役はレオナルド・ディカプリオが演じているのですが
 
計画が思うようにいかずに空回り、騒動に巻き込まれていくタイプのダメっ子キャラクターで、いつものディカプリオとは少し違った味を出していて、新鮮でした。
 
受け身の演技が多いディカプリオですが、賞レース向けでしょうか、時にはキレたり、泣きわめいたり、演技力を見せつける場面も用意されていました。
 
役の年齢は30歳くらいかと思うのですが、実年齢アラフィフのディカプリオでも自然に見えました。
 
元々童顔ですしね、若見えの旦那ですから!
 
それでいて、妻を抱くときは「ウヘヘヘ」とオジン笑いをするプリ夫。
 
その場面のディカプリオは、町娘を襲う悪代官みたいでした。
 
ディカプリオの妻役で、先住民の女性を演じた女優さんを見て「この人、誰?」と思いましたけども。
 
お名前はリリー・グラッドストーンさんという方で、まあ良い役をもらいましたね。
 
見た目は質素でありながら、「カネには困っていない、お嬢様」という役柄がピッタリ。
 
顔から「金ならある」っていう、余裕のオーラが出てますから!
 
それはワシにはないオーラだから、なんか憧れました。
 
財布に2万円(大金)入れて、余裕のオーラを出す練習でもしようかと思います。
 
 
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「ファースト・カウ」★★★ [映画日記]

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アート系作品で、少し話題になっていたから観たのですが。

 

この作品、米国では2020年に公開済みだったんですね。

 

新作じゃなくて、お古だった〜!

 

新米と思って買ったけど、袋を良く見たら去年のお米だった〜、みたいな状態!!

 

日本では、劇場未公開になりがちな渋い映画を撮り続けるケリー・ライカートさんが監督を務める作品。

 

めでたく今回「劇場未公開・専門監督」の汚名返上〜。

 

時代は1820年代、舞台はヨーロッパ方面のどっかの森林ですよ。

 

かなり、のどかな風景が広がっています。

 

まるで昔話ですよ!

 

元・料理人のクッキーは、毛皮目的の猟師たちと行動を共にし、日々、きのこ狩りをしているという場面から物語スタート。

 

「山の幸」取り放題ですよ!

 

きのこがオレンジ色をしていて、なんだか危険な雰囲気を放っているんですけど〜。

 

クッキーは平気で、採れたてのオレンジ色きのこを、つまみ食い。

 

生食かい!

 

マネをしない方がいい場面でした。

 

そんなスローライフな場面がず〜っと続いて、なんだか眠い!

 

「こりゃいかん、この映画、ワシには合わぬぞ。睡魔が・・睡魔がああ〜!」と、眠気と戦っておりましたけども。

 

中盤からのクッキーは、野心的な性格の中国人男性と行動を共にするようになり、展開に変化も出てきて、眠気も収まりました。

 

中国人男性の入れ知恵で、金持ち宅で飼われている牛から無断で乳を搾り、その牛乳を材料に揚げドーナツを作って売ろうとする展開に。

 

ユルユル・サバイバル劇から、なんとも素朴なクライム・スリラーに転換。

 

この映画は、おいしい牛乳にまつわる、牛乳スリラー映画だったのです!

 

深夜に行われる無断乳搾り場面も、牧歌的でありながら、どこかスリリング。

 

緊張感のある酪農場面でした!

 

揚げドーナツは茶色い塊で、形がブサイク。

 

それを汚い男性が、汚い手で鷲掴み、購買客に手渡しですよ。

 

どうせ、立ちションした後も手なんて洗わぬ連中ですよ!

 

「そんなの食いたくねぇ」と思いましたが、劇中では「うまい、うまい」と大評判。

 

クッキーは、さすが元・料理人ですね「トッピングはハチミツとシナモンが良く合う」とクックパッドに投稿されそうなアレンジ・レシピまで提案。

 

トッピングされた揚げドーナツを見て「それなら別に食ってやってもいいけど・・。アンタがそんなに食わしたいのならさ!」と、ツンデレな気持ちになりました。

 

そんな「雑グルメ映画」という一面もありますけども。

 

メインテーマは、クッキーと中国人男性の友情物語。

 

牧歌的な空気が漂っている作品ですが、根底には犯罪、カネ絡み、命がけ、という大きなリスクが2人の友情に襲いかかってきますね。

 

はたして2人の友情はどうなっていくのか、その運命を観客の感性にゆだねた幕切れが、なんだか切ないです。

 

「乳搾り」が運命の明暗を分けるという珍作でした。

 

 

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「エクスペンダブルズ ニューブラッド」★★★ [映画日記]

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およそ9年ぶりに「命知らずの傭兵部隊」が帰ってきた!

 

なんだか、ショボくなって帰ってきたヨ!!(←禁句)

 

ハリウッド映画の主役級である年配男優たちが肩を並べてアクションするから楽しめたシリーズでしたけども。

 

枯れていながら、豪華でカッコいいのが「エクスペンダブルズ」シリーズだったはず。

 

ジジイ男優の祭みたいなシリーズだったのですが!

 

このシリーズ4作目から、そういうのは辞めたみたいです。

 

ジェイソン・ステイサム演じるメンバーの1人、リー・クリスマスを主人公とした、普通のミッションクリア型・アクション作品に路線変更。

 

ワシが見たい「エクスペンダブルズ」ではなくなってしまいました。

 

特徴や独自性を失ったアクション作品になってしまって寂しいです。

 

過去シリーズで主役だったシルヴェスター・スタローンも、今作で卒業するとのこと。

 

そう思って観てみたら、スタローンのアクション場面も無かったし。

 

あんまりやる気もなかったのかな、なんとなく目が死んでた気が。

 

顔だけ見せて帰ったんですよ、会社の飲み会で乾杯し、カネだけ多めに払って帰る上司みたいに!

 

新メンバーがミーガン・フォックスっていう時点で、なんか違う〜。

 

「違う違う、そうじゃない、そうじゃない」ですよ!

 

女性の新メンバーを入れるなら、それはシャロン・ストーンかミラ・ジョヴォヴィッチ、もしくは志穂美悦子さんでやってほしかった〜。

 

しかしながら、アクション大作であることは間違いない。

 

カネはかかっています、カネだけは!

 

映像も凝っているし、アクション場面も一流で、楽しめなかったわけではありません。

 

そして、アジアの2大アクションスターである、トニー・ジャーさんとイコ・ウワイスさんが出演している点も見どころに。

 

しかし、トニー・ジャーさんとイコ・ウワイスさんは、あんまり良い役じゃなかった〜。

 

仕事ができる2人なのに、なんか悔しかったです。

 

過去シリーズから続投している男優たちもいるのですが、ドルフ・ラングレンとか。

 

魅力の引き出し方や活躍が不完全燃焼〜。

 

今作で、ドルフ・ラングレンのキャラクター軍とか、もう使い道もないのなら卒業しても良かったかも。

 

ひとまとめにリストラですよ!

 

その方が「エクスペンダブルズ」(消耗品)って感じがしますしね。

 

 

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「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」★★★☆ [映画日記]

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作風が、完全に大人向けですね。
 
振り切り感が気持ちいいです。
 
アニメ「ゲゲゲの鬼太郎」シリーズでありながら、まさかの「PG12指定」ですから。
 
「お子さま客は来なくていい」宣言ですよ!
 
「ゲゲゲの鬼太郎」の前日譚という位置づけのアニメ作品。
 
時代設定は昭和31年、閉ざされた村にて、財閥一族内で起きる連続殺人事件の謎を追う、という物語。
 
おどろおどろしさ全開で最高です。
 
観ている感触は「ゲゲゲの鬼太郎」というよりは、横溝正史作品ですよ。
 
まるで「ゲゲゲの犬神家」!
 
殺人場面も残虐で、「この映画企画、よく通ったよね」と思います。
 
この企画は、一か八かの賭けですよね。
 
企画書にハンコを押した人、エライです。
 
内容は、人間と妖怪間の愛憎表現がリアルで良かったです。
 
また、劇中の人間も妖怪も、貧困・格差のない平等な社会を目指している、という点が、世情に合っていて良いと思います。
 
ホワイト社会論を組み込んでいるところは、「ゴジラー1.0」と共通しているかな?!
 
主人公は、鬼太郎のお父さんですよ。
 
顔は鬼太郎に似ているのですが、長身で着物の着こなしバッチリ。
 
ボブヘアも決まっていて、なんかダサ・カッコいい~。
 
そんな見た目で、悪者と大立ち回り。
 
物語の後半はアクション満載で、クライマックスの数珠つなぎ。
 
なんとも立派な「和製・ダークヒーロー・スペクタクル・ホラー活劇」という感じで、大作感がありました。
 
その後に訪れる、悲しくて切ない幕切れに、観客は胸がキュンとなって劇場を後にすることに。
 
「ゲゲゲの鬼太郎」を題材に、ここまで新しいエンターテイメントが切り開けるんだな、と感心いたしました。
 
これは、ギレルモ・デル・トロ作品とかに匹敵するクオリティ。
 
製作と制作に携わった人たちをねぎらいたいです。
 
鬼太郎のお母さんも出てきますけども。
 
まさかの都会派、イケてる女!
 
コシノジュンコの服を着てそうな女性でした。
 
素朴なお父さん、一体どうやって、そんな女性を抱きなすった?
 
なれそめは不明で、確かに「ゲゲゲの謎」でした。
 
映画『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』オリジナル・サウンドトラック

映画『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』オリジナル・サウンドトラック

  • アーティスト: 川井憲次
  • 出版社/メーカー: 日本コロムビア
  • 発売日: 2023/11/29
  • メディア: CD


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