「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」★★★☆ [映画日記]
作風が、完全に大人向けですね。
振り切り感が気持ちいいです。
アニメ「ゲゲゲの鬼太郎」シリーズでありながら、まさかの「PG12指定」ですから。
「お子さま客は来なくていい」宣言ですよ!
「ゲゲゲの鬼太郎」の前日譚という位置づけのアニメ作品。
時代設定は昭和31年、閉ざされた村にて、財閥一族内で起きる連続殺人事件の謎を追う、という物語。
おどろおどろしさ全開で最高です。
観ている感触は「ゲゲゲの鬼太郎」というよりは、横溝正史作品ですよ。
まるで「ゲゲゲの犬神家」!
殺人場面も残虐で、「この映画企画、よく通ったよね」と思います。
この企画は、一か八かの賭けですよね。
企画書にハンコを押した人、エライです。
内容は、人間と妖怪間の愛憎表現がリアルで良かったです。
また、劇中の人間も妖怪も、貧困・格差のない平等な社会を目指している、という点が、世情に合っていて良いと思います。
ホワイト社会論を組み込んでいるところは、「ゴジラー1.0」と共通しているかな?!
主人公は、鬼太郎のお父さんですよ。
顔は鬼太郎に似ているのですが、長身で着物の着こなしバッチリ。
ボブヘアも決まっていて、なんかダサ・カッコいい~。
そんな見た目で、悪者と大立ち回り。
物語の後半はアクション満載で、クライマックスの数珠つなぎ。
なんとも立派な「和製・ダークヒーロー・スペクタクル・ホラー活劇」という感じで、大作感がありました。
その後に訪れる、悲しくて切ない幕切れに、観客は胸がキュンとなって劇場を後にすることに。
「ゲゲゲの鬼太郎」を題材に、ここまで新しいエンターテイメントが切り開けるんだな、と感心いたしました。
これは、ギレルモ・デル・トロ作品とかに匹敵するクオリティ。
製作と制作に携わった人たちをねぎらいたいです。
鬼太郎のお母さんも出てきますけども。
まさかの都会派、イケてる女!
コシノジュンコの服を着てそうな女性でした。
素朴なお父さん、一体どうやって、そんな女性を抱きなすった?
なれそめは不明で、確かに「ゲゲゲの謎」でした。
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