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「春画先生」★★★ [映画日記]

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この映画、観たかったんですよね~。
 
2024年5月からNetflixで配信が始まりましたので、「はよ見たい」とワクワクしながら再生ボタンを押しました!
 
ちなみに、劇場での公開は2023年に済んでいる作品です。
 
すでに済ませております!
 
江戸時代の性文化を赤裸々に描写した「春画」をフィーチャーした、日本製の映画作品。
 
日本の映画史上で初めて、春画が無修正で映し出されることも話題です。
 
よくよく考えてみるとNetflix配信向けの題材ですよね、知る人ぞ知る日本文化を描いてますし。
 
わたくし、ネット上で1~2枚程度なら春画を見たことがありますけども。
 
今作の鑑賞で、春画を複数枚も拝めまして、これは良い体験をしたと思いました。
 
現代でも、プロ・アマ問わない絵師が描いた「セクシー画像」ってありますけども。
 
江戸時代の絵師も、プロ・アマ問わず、現代人と全く同じ情熱と感性で春画を描いていたことが分かりました。
 
フェチズムの追求っぷりがスゴかったです。
 
時代を越えて生き続ける萌え魂に、感動すら覚えました。
 
物語の舞台は現代です。
 
「春画」研究家である中年男性と、彼の家政婦として働きながら「春画」を学ぶ若い女性との、倒錯的な恋愛劇が描かれています。
 
劇中で扱われる春画自体が、マニアックな目線で描かれたもの。
 
2人がそれを鑑賞し、評論する内容もマニアック。
 
同時進行するラブストーリーもマニアックかつ、フェチズムに溢れたもので、「よく映画が無事に製作されて、劇場公開までされたよね」と思うくらい、相当アートでアダルトな風合いでした。
 
「人の中に隠れているマニアックな趣味やフェチズムを開放することは、素晴らしいことだ」というような、性描写を用いた人間讃歌が主題かと思われます。
 
これは、異色のエロテック・コメディですね、北欧とかでウケそうだと思いました。
 
「春画」研究家役は内野聖陽さんが、若い女性役は北香那さん、2人の間に割り込んでくる女性役は安達祐実さんが演じてますけども。
 
3人の天才役者による演技合戦が楽しいです。
 
とくに期待もしていなかった北香那さんが、脱ぎっぷり良いし、セクシー演技も体当たりで、かなりの好感触でした。
 
安達祐実さんは、自身のイメージを覆す妖艶な悪女っぷりで、童顔が逆に怖くて最高~。
 
「あたしのお小水、飲みなさいよ。おらおら、飲めっつてんだよ!」みたいなドS芝居に驚愕~。
 
子役時代から活躍している安達祐実さんが、今作で立派な「お小水女優」に成長なさっていました。
 
 

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「恋するプリテンダー」★★★ [映画日記]

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「トップガン マーヴェリック」(2022年)のハングマン役で人気に火が着いた(?)らしい(?)のがグレン・パウエルさん。

 

プチ・ブレイクしているお方(らしい)です!

 

今作は、そんなグレン・パウエルさんが出演していることでも話題のロマンティック・コメディ映画です。

 

ヒロインのビーと、素直に恋心を表現できない男性ベンとの交流を、シドニーを舞台に、おもしろおかしく描いています。

 

なんでも、ウィリアム・シェイクスピアの戯曲「から騒ぎ」からインスピレーションを受けている作品とのこと。

 

言われみれば、ガヤガヤしているテンションや人物設定がそれっぽいです、ピアっぽい。

 

言われなければ気付かなかった~!

 

海でロケしている場面が多く、美形男女が水着姿になったり、半裸になる場面が目立ちますね。

 

男女とも、よく脱いでいて全員スタイル抜群。

 

肉感すごい、肉感映画!

 

確実に肌が水滴を弾いてますよ、若い頃の郁恵みたいに!!

 

多様性が重視される今の時代に、ルッキズム全開の作風が逆に気持ちいいです。

 

お色気場面もありますけども、とってもさわやか。

 

健康セクシー!

 

イチャつく場面なんてパンを食い合ってますよ、パン食いラブ!!

 

まるで往年のキャメロン・ディアス主演映画でも観ているかのよう。

 

ジャンルは「キャメロン・ディアス系」と言っていいでしょう。

 

劇中では、ベン役を演じたグレン・パウエルさんの、オチャメでセクシーな魅力が全面に出ている気がしましたけども。

 

実は、ビー役を演じたシドニー・スウィーニーが自身でプロデュースした作品。

 

あの子の持ち込み企画だったんですね~。

 

今作でのシドニー・スウィーニーは、ジェシカ・アルバを白人化したようなステキな子でしたけども。

 

「この子を映画で見るのは初めてだよね。お初だよね。ポッと出の子かね?」と思ったら。

 

「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」(2019年)やら「マダム・ウェブ」(2024年)やら色々出てますよ。

 

シドニー・スウィーニーの顔が覚えられない、というか、若い子の顔はみんな同じに見えて仕方ない今日この頃でした。

 

 

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「猿の惑星/キングダム」★★★☆ [映画日記]

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定期的にハリウッドが送り込んでくるのが、サメ映画猿映画。
 
腐るほど作ってますよ!
 
「もういいんだけど、猿の惑星は。どうせいつもと同じでしょ?」なんて思いながら劇場の座席に座り、本編を鑑賞いたしましたけども。
 
ハリウッドの底力を感じました。
 
圧倒的、映像力。
 
メイン・キャラクターは、知能を備え、英語ペラペラのお猿さんたち。
 
彼らの姿は、きっとCG製の映像なのでしょうけども。
 
普通に実写。
 
お猿さんたちの仕草や表情も瑞々しく、繊細な感情を観客に伝えてきます。
 
おそるべき映像クオリティの高さに、ア然。
 
お猿さんたちだけが出てくる場面は、「もしかしたら背景ごと、キャラクターも含めて全部CGなのかもね」と思いましたけども。
 
物語の中盤からは、お猿さんたちと人間キャラクターが触れあったり、揉み合ったりする場面の連続。
 
それらの映像は、お猿さんか、人間か、どっちかが合成されているのでしょうけども。
 
お猿さんと人間の共演場面に、違和感は全くなし。
 
そのうち、水や爆発などの場面も訪れますが、普通に実写。
 
隙なし!
 
映像制作に一切の妥協がなくて、本当にビックリしました。
 
さすが、昔から定期的にCG猿映画を送り込んでくるハリウッド。
 
今作でも、しっかりとテクノロジーと制作テクニックを見せつけて、シリーズ前作超えを果たしていました。
 
映像だけではなく、ドラマ性も十分で、最終的になんか感動。
 
「猿 vs. 人間」の構図では、やはりどこか人間の方が腹黒くて、動物臭い世界観の中にも「人間臭さ」がツン!
 
タイトルの一部である「惑星」という要素の入れ方も気が利いていて、何から何までよく出来ています。
 
物語は、シリーズ前作「猿の惑星:聖戦記」から数百年後の世界を描いたものらしいのですが。
 
自分でも気持ちいいほど「猿の惑星:聖戦記」の内容は忘却の彼方へ。
 
とっくの昔に消え去ってんの、あぶくとなって!
 
そんな「知識0レベル」のわたくしでも、何の問題もなく今作は楽しめました。
 
複数の猿コミュニティ間で勃発するイザコザを描いた物語。
 
お猿さんの復讐と自立が、観客の胸を熱くする内容ですが、弱小民族となり落ちぶれた人間たちが「密かに何か企てている」というような謎も仕込んでまいりました。
 
たくらんでるんですよ、悪代官みたいに!
 
ハリウッド的な娯楽大作シリーズとして、次回作も期待していますけども。
 
広告ポスターとか予告編とか、パッと見が地味なのがとっても残念、映っているのが猿だから!
 
日光さる軍団の広告と大差ないんですよ!!
 
蓋を開けたら茶色一色のお弁当みたいな、本当は美味しいのに、なんか見た目で損してるシリーズだと思いました。
 
 
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「私がやりました」★★★ [映画日記]

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フランソワ・オゾンさんが監督・脚本を手掛けた喜劇で、本国フランスでは大ヒットしたらしいです。

 

コテコテのフレンチ・コメディ路線で、オゾンさんの陽気な一面が見える一作になっていました。

 

これはフランソワ新喜劇ですよ!

 

日本人の笑いのツボには合わない喜劇ですが、それでも、まあまあ面白かったです。

 

物語の舞台は1930年代の芸能界です。

 

「業界もの」ですよ!

 

冴えない新人女優マドレーヌが、大物プロデューサーに体を求められて揉み合いに。

 

その後プロデューサーは何者かによって刺殺される、という展開です。

 

大物によるセクハラ騒動がベースで、近年のハリウッドを思わせる設定ですね。

 

匂わせてますね、あからさまに!

 

現代も1930年代も、業界のセクハラ構造に大差ない、という、ハリウッドへの風刺が伺えました。

 

劇中にて、騒動は裁判劇にまで発展しますけども。

 

そんな裁判も少々バカバカしく演出されていて、「こういう裁判って、見方によっては茶番だよね」という解釈で、オゾンさん独自のユーモアが込められていました。

 

今作で、最もオゾンさんらしいのは「セクハラ事件は女性が被害者だけれども、時には、騒動を利用して売名する女性も存在しうる。みんなが思っているほど女性は弱くはない。結構したたか」という解釈を元に、物語が構成されているところでしょうか。

 

女性に共感、応援しつつも「女性なんて結局さ~」っていう「センスの良い人による愚痴」「パリっ子のオシャレな毒舌」のような映画になっていたと思います。

 

これが、ハリウッドのセクハラ騒動に向けての、フランスからの返答なのかもしれません。

 

主人公マドレーヌを演じている女優さんは、知らない若手だったのですが。

 

物語の中盤以降、殺人事件の真相に絡んでくる大物女優役がイザベル・ユペールですよ。

 

ユぺ様って何にでも出てますよね~、どんだけ仕事してんの?!

 

ユペ様演じる女優の設定が「無声映画時代は人気があったけど、声を出し始めてから落ち目」というのも楽しいです。

 

「黙っていれば美人だけど、実はギャーギャーうるさい女」なんですよ!

 

こんな明るいキャラクターも、エレガントに演じこなすユペ様。

 

魔女系のお衣装も似合っていて、もはや「リアル魔女」。

 

この姿のまま、ディズニー映画の悪役をやってほしいと思いました。

 

 

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「アイデア・オブ・ユー 大人の愛が叶うまで」★★★ [映画日記]

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ハサ美さんプロデュース・主演で放つ(←アン・ハサウェイ)ロマンティック・コメディ作品です。

 

amazonプライム・ビデオのオリジナル映画として、2024年のゴールデンウイークから配信が開始されています。

 

2024年ゴールデンウイークの映画は、劇場では「名探偵コナン」、お家では「ハサ美動画」おまかせですよ!

 

今作においてハサ美さん演じる主人公ソレーヌは、バツイチ子持ちのシングルマザーで、職業は美術商。

 

仕事と子育てをバリバリ両立、前髪を下ろしたロングヘアーも似合っている、超・ステキなお母さまとして颯爽と登場~!

 

あまりにもキレイで、これは夢のお母さまですよ!!

 

ソレーヌ(40歳)が、ふとしたことで知り合った男性アイドル・グループのボーカル、ヘイズ(24歳)と恋に落ちる、というお話。

 

年の差「16才」というデコボコ・カップルに、次から次へと世間の荒波が襲う、という展開です。

 

世知辛いロマンティック・コメディに仕上がっていました。

 

ネット情報によりますと、今作の原案は、ワン・ダイレクションのハリー・スタイルズをモデルにした、ファン執筆の二次創作小説らしいです。

 

ファンによる妄想だったんですね!

 

芸能人と一般人の恋愛劇は、他の映画やドラマでも時々見かけます。

 

「わざわざ、オスカー女優のハサ美さんが演じずとも、他の女優がやればいいのでは」と思うくらい、今作も筋書きは王道ど真ん中でしたけども。

 

劇中で、主人公ソレーヌの娘による「ママとヘイズのカップルをSNSで中傷する人って最低よ!ママが女性で、年増ってだけじゃない!」っていうセリフが肝ですね。

 

「SNSで性別や高年齢をネタにして叩くな」っていう作品メッセージを、女子高校生の娘が涙をこらえながら言う、っていう点が「今どき感」を出しているし、今作の特徴になっていると思いました。

 

また、主人公ソレーヌは大人だから、人間関係や世間体に悩んでいるという、心が揺れ動くキャラクターですが。

 

お相手であるヘイズは、ティーン時代から芸能界にいて世間知らず、そのかわりまっすぐで素直な感性を持つシンプル王子系。

 

今作でのカップルは「女性の方が大変。男はいいわよね、気軽に私を抱くだけで」みたいな「優秀な女性とノテーンキな男」タイプで、そんな取り合わせも「今どき風」なのかな、と思いました。

 

ハサ美さんは、エロチック芝居も余裕でこなしていて流石でしたね。

 

ヘイズ役のニコラス・ガリツェンは、歌とダンスが本物のアイドル並みにキマっていてビックリ。

 

ニコラス・ガリツェンは、「シンデレラ」(2021年)、「赤と白とロイヤルブルー」に続き、またしてもamazonプライム・ビデオのオリジナル映画に大役で出演。

 

確かに映画館のスクリーンで見るより「配信映え」する顔~!(←ホメ言葉)

 

今後も、amazonプライム・ビデオ男優としての活躍に期待したいです。

 

 

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「サタデー・フィクション」★★★☆ [映画日記]

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日本では2023年に劇場公開された、全編モノクロの中国製作品です。

 

スタイリッシュ・チャイナ系ですよ!

 

太平洋戦争直前の上海にて、スパイ活動をする中国人女性や、現地で諜報活動をする日本人男性などの事情が、複雑に絡み合う人間模様を描いています。

 

登場人物の国籍は日中・西洋のチャンポン!

 

ヒロインである中国の女性スパイは、表の職業が有名女優、っていうのも楽しすぎる~。

 

これは、とっても良い「企画もの」ですね。

 

中国製としては、かなり攻めた作風かと思われます。

 

物語も、女優と劇団員による劇中劇「サタデー・フィクション」の公演がキーとなり、土曜日に起こる事件がクライマックスに。

 

フィクションであるはずのサタデーが、いつしかノンフィクションになっている、というような展開も粋にキマっています。

 

国籍を超えたロマンスまで組み込まれていて、「戦争 × 芸能 × スパイ × ロマンス」という構図が最高~。

 

なんとも、独自の魅力がある映画だと思いました。

 

公開同時、もっと話題になっても良かったのにな〜、とも思いました。

 

ヒロインで、職業:女優のユー・ジン役はコン・リーさんが演じていますけども。

 

大物女優とは、画面に出ているだけでワクワクするものですね。

 

コン・リーさんの芝居や仕草の1つ1つが計算高くて、観る者を魅了していました。

 

そしてコン・リーさんは年齢不詳ですね、実年齢50半ばとは思えません。

 

表の顔は女優、裏の顔はスパイ、という難易度の高い女性像を見事に体現し、圧倒的な存在感で作品を制圧していました。

 

女王感がスゴかったです。

 

劇中の日本人は純朴というか、愚かな人間像として描かれているのですが。

 

その代表的な日本人男性役はオダギリジョーさんが演じてますよ、あの「アゴほくろ」のイケメン!

 

コン・リーさんとも絡むし「オダギリさんも大物になったもんだよね」と思いました。

 

オダギリさんを護衛する射撃の名手役は、ドラマ「不適切にもほどがある!」は、おどけた役を演じている中島歩さんなんですね!

 

中島歩さんの二枚目オーラにビックリ。

 

正直、オダギリさん霞む!

 

中島歩さんの魅力も十分に引き出している作品でしたね。

 

 

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「悪は存在しない」★★★☆ [映画日記]

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「ドライブ・マイ・カー」で世界的に一発当てた濱口竜介監督の新作です。
 
ドラマイ監督作ですよ!
 
好みの映画ではありませんでしたが、今作も良い出来で、ヨーロッパ方面の映画祭で評価されそうなアート路線になっていましたね。
 
冒頭から、ユルユルのアート映像が流れっぱなしで、早速「果たして今作を楽しめるのだろうか」と不安になりましたが大丈夫。
 
無問題(モウマンタイ)!(←死語)
 
そのうちジワジワと人間ドラマが盛り上がり、最後は観客を唸らせてしまうという、映画的・醍醐味を兼ね備えているアート作品でした。
 
主人公は、長野の山の方でスローライフを楽しんでいる男性。
 
山道歩いて水を汲み、薪を割って過ごしている、C・W・ニコルさんみたいな日本人!
 
「これでトトロが出てきたらジブリアニメだよね」と思いながら鑑賞続行。
 
そんな彼と地元民の元に、東京の企業から営業部員がやってきて「ここに施設を作りたい。悪いけど汚水流します」と告げる展開に。
 
よそ者が地元を荒らそうとするんですよ、土足で!
 
「ビジネス優先の人」「ビジネスを全く優先しない人」「ビジネスを優先しようか、しまいか分からない人」が接触し、入り乱れ、マイルドな修羅場が形成。
 
東京の企業にはイケメン・コンサルタントが付いているのですが、車の運転席からリモート会議で営業部員に「地元民を支配しなさい。僕は地元には行きませんから、アンタたちでやってください」的な指令を、上品な言葉と丁寧口調で発令。
 
嫌味全開で、腹立つ~。
 
同時に「こういう人いるいる~」とリアルに感じました。
 
濱口竜介監督も、嫌味な人に会って苦労なすったのかな〜、と思いました。
 
物語では、東京の企業とイケメン・コンサルタントが「悪役」という位置づけになるのですが。
 
彼らはビジネスしているだけだし「悪」とは違うのかな、ビジネスしていると誰でも嫌味な人になりがちだよね、と思いつつ。
 
クライマックスまで鑑賞すると「悪徳」「悪意」「悪運」「憎悪」などの言葉に基づく、「悪」という概念は、実は存在しないのではないか。
 
悪に見えるものは、単なる役割か、瞬発的な動物の基本行動なのではないか。
 
そんなふうに思わせてくれました。(←だからタイトルは「悪は存在しない」なんですね!スッキリ〜)
 
観客への問いかけや提案を、アートな手法で行っているところが粋ですね。
 
静かながら、観客の心をかき乱し、考えさせて爪痕を残す。
 
濱口竜介監督の力量を感じる作品でした。
 
 


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「シティーハンター」★★★ [映画日記]

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Netflixさんが、日本の人気漫画を実写映画化してくださいました。
 
同原作漫画を実写で映画化した例では、フランス版「シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション」(2019年)が記憶に新しいですけども。
 
テレビアニメ版の完コピを目指した陽気なフランス版とは、またちょっと違うテイストの今作。
 
歌舞伎町のロケ映像をふんだんに使用、コスプレ文化などジャパン・カルチャーまで盛り込んだ、いかがわしくもポップな日本風味が全開の世界観が楽しいです。
 
世界配信される作品なので、日本アピールも効かせたサジ加減になっていましたね。
 
歌舞伎町PR動画という一面ですよ!
 
キャラクターでは、主人公のリョウちゃん役が鈴木亮平さんて、自分の中ではイメージが違うんですけど~。
 
その顔じゃナーイ!
 
リョウちゃんの顔ってハーフっぽい方が合うと思うんですけど~。
 
ソース顔かケチャップ顔の方が~。(←死語)
 
香港製の実写版(1993年)でリョウちゃん役を演じていたジャッキー・チェンの方が、顔面イメージは合う気が。
 
亮平さんの顔はリョウちゃんっぽくはありませんでしたが、体型はスタイル抜群で「体はリョウちゃんっぽいな」と思いました。
 
あと、亮平さんが本格的にアクションをする姿を初めて見ましたが、すごく自然にキマっていて驚きました。
 
総合的に「リョウちゃんを体現する人材には違いないのだろうな、顔以外は」と思いました。
 
作風は基本・超シリアスなのですが、突然シモネタやコメディに切り替わって激しいです。
本編中は、ずっとそんな「ギアの切り替え」をやってますよ、鑑賞中はシュンとさせられたと思ったら、その直後に笑わせられて、なんかもう振り回される!
 
ここまで「切り替え重視」の作品は、海外作品でもなかなか見当たりませんね。
 
原作漫画やアニメ版がそんな作風だから仕方ありませんが、実写でそれをやって自然に見せるのは大変だったと思います。
 
原作漫画の序盤を元にしたストーリーとのことなのですが、敵との駆け引きや戦いは、いまひとつパンチが弱いでしょうか。
敵の存在感も薄いですしね。
 
しかし、それを込み込みで「シティーハンター」の世界。
 
エンディング曲「Get Wild Continual」の入り方もバッチリで、「令和の今、シティーハンターを日本で実写化したらこうなるんだね」と納得できるものになっていました。
 
おなじみのエンディング曲で満足度が上がりましたよ、「飲み会の最後にアイスクリームが出てきて満足する」みたいな感じで!
 
 
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