「ベルベット・バズソー 血塗られたギャラリー」★★★ [映画日記]
数年前は、いかにも賞を取りそうなシリアス演技が続いていたジェイク・ギレンホールですけども。
アカデミー賞を狙うたびに外してましたけども!
そんな「無駄撃ち」を経て、最近では「スパイダーマン ファー・フロム・ホーム」に出演したり、バラエティ感のある演技が目立ってきました。
今回、演じた役は美術評論家ですよライターさん!
前髪を下ろし、でっかい眼鏡をかけて、やや神経質っぽい風味の役作りをしているギレンホール。
美術評論家であっても、なぜかセクシー。
体を鍛えているという設定の、マッチョな評論家!
脱いでましたしね、評論家なのに!!
その時点で、すでに奇妙なお味の、Netflixオリジナル映画なのですが。
舞台はアート業界ですよ。
美術品ディーラーたちが「あのアーティストはスゴイ。ライバル画廊が気付く前に作品を買い占めろ」みたいな世界ですよ。
敏腕の画商はロドラという名の女性。
モスラじゃなくてロドラですよ!
レネ・ルッソが演じている、ヤリ手ババアですけども!!
仕事の出来るカッコいい女性像で、髪型やファッションも含めて、どことなくマドンナをほうふつでした。
そんな舞台で、ある殺人事件を発端に展開する奇妙な物語。
最初は、事件の真相を探るサスペンスなのかな、と思って観ていたら、やがてまさかのオカルト化。
オバケが出たーっ!
最終的に、なんとも立派なホラーに発展する、という、カオス充満の怪作。
珍しい美術系ホラーなのでした!
陰鬱な絵画とか、じ〜っと見ていると動いているような気がしたり、人物画と目を合わすのがイヤだったり、そんな美術に関する、ちょっとした恐怖を汲み上げて、大げさに表現しているところが良かったです。
アイデアは最高でした、アイデアだけは!
爆発的に面白くならなかったところは残念でした。
脇役にトニ・コレットも出ているのですが。
物語に大きくは絡んでこないトニ・コレット。
「なんで起用されたのかな」と思っていたら、自身の代表作「ヘレディタリー 継承」(2018年)以来の、怖〜い名場面ををご担当。
この人、すっかりホラー女として定着!
トニ・コレットの見せ場は、1人で見えない敵に襲われるという、1人芝居なんですよね〜。
そう思えば、ものすごく演技が上手かったです。
頼りになるホラー女でした。