「アス」★★★ [映画日記]
ジョーダン・ピール監督は、新時代の人種問題スリラー「ゲット・アウト」で、アカデミー賞脚本賞を受賞してしまったお方。
みんな仰天、まさか、まさかの受賞ですよ!(←失礼)
監督の新作スリラー「アス」も、あんな感じかな?…と思って観てみたら、人種問題を大きく絡めたわけでも、とくに凝った感じでもありませんでした。
誰もが楽しめる、王道のスリラー大作という感じでしょうか。
売れ線ですよ!
エンターテインメント作品内には、いろんな怖いものが存在すると思うのですが、吸血鬼とかゾンビとか。
肝っ玉母ちゃんとか鬼嫁とか!(←少し話がそれてます)
今回の作品では、また新しい怖いものをご提案!
始めました、新商売!!
今回、お楽しみいただく怖いものは、自分にそっくりな人間。
分身ですよ、瓜二つの!
理由もわからず、自分にそっくりな人間が、夜に真っ赤な服を着て、ハサミを握って襲ってくる、という、不条理感が満点のスリラー作品に仕上がっておりました。
同ジャンルの作品は、大抵の場合、主人公は若者と決まっておりますけども。
今回のヒロインは子持ちの主婦。
夫と子ども2人も、まとめて襲われる、という設定。
ファミリー向けスリラーなんですよ、ファミラー!
家族が最初に襲われる場面が、怖くてオモロかった〜。
怖すぎて笑った〜。
謎の解明やオチもあって、中身は濃いと思います。
怖いものの正体が、とても大胆で、ちょっぴり安い。
M・ナイト・シャマラン感覚〜。
正体を知ったとき「なんとも大きな風呂敷を広げてきたじゃん。続編も作るおつもりか?もうひと稼ぎなさるおつもりか?」と思いました。
主人公アデレードと、敵役の分身の二役を演じたのはルピタ・ニョンゴですけども。
ニョンゴがアカデミー賞助演女優賞を受賞した作品「それでも夜は明ける」を観たときは、彼女の演技力はまあまあ普通と思っていたのですが。
今回、ニョンゴは本気を見せた。
ニョンゴの本気…ニョン気ですよ!
主人公のおびえ、分身の狂気、それぞれを別々に怪演。
演じてみせた、別腹で!
「ニョンゴのアカデミー賞受賞は間違いなかったんだな」と思いました。
主人公の家族にも、分身がいて、やはり役者は二役で演じているのですが。
子役が、がんばっていたと思います。
怖いお子様たちでした。
主人公の友人役を演じたのは、ドラマ「ハンドメイズ・テイル/侍女の物語」等でエミー賞など、数々の賞に輝くモス子!(←エリザベス・モス)
テレビ界のお姫様ですよ!!
劇中では、ニョンゴとモス子が、対決構図になる場面があってワクワクしました。
アカデミー賞女優と、エミー賞女優の対決ですよ!
できれば、もうちょっとガッツリと、取っ組み合って対決してほしかった〜。
「この、テレビ上がり!」「うっせー、一発屋!」と罵り合いながら〜。