「人間失格 太宰治と3人の女たち」★★★☆ [映画日記]
作家の太宰治を描いた作品ですけども、メインは恋愛話です。
女性キャラクターをフィーチャーした、おんな映画ですよ!
治役は小栗旬くんなんですよね〜。
見た目はキラキラ・セクシー・イケメンの治!
中身は極度のプレイボーイ兼だめんずとして治を表現しています。
死と隣り合わせのクレイジーな不倫の顛末を、女性の視点で、軽く華麗に表現。
かなり独自の治映画に仕上がっていて、面白かったです。
こういう女性ウケを狙った、オシャレな治映画は今までにないと思います。
初めての治ですよ!
本妻役は宮沢りえちゃん、「サンタフェ」の!!(←古いですか)。
りえちゃんの演技は、まあまあでしたけども。
生き方が奔放な愛人1号役の沢尻エリカちゃんと、自殺願望のある危険な愛人2号は二階堂ふみちゃんは怪演していて良かったです。
愛人1号の部屋は、乙女ちっくなインテリアが揃えてあってかわいい〜。
沢尻エリカちゃんは、そんな世界観と好相性で、今回の作品で最も絵的にハマリが良かったと思います。
「やっぱり1番は沢尻か。お尻ちゃんか」と思いながら観ていたら…。
ある場面で二階堂ふみちゃんが脱いで形勢逆転。
「さすが二階堂だわな」と思わせる思い切った演技で、沢尻エリカちゃんを越えてきました。
乳でねじふせたんですよ!
そんな女優陣の演技合戦も楽しめました。
あと、沢尻エリカちゃんの弟役が千葉雄大くんて、なるほど〜。
かわいい顔の姉弟なのでした。
治さんて、愛人に子を生ませたり、何度も心中しようとしたり、文才はあっても、人間関係ではホントにダメ人間〜。
本妻や愛人たちも、それぞれが全く違う価値観と、前衛的な恋愛観を持っていて、「1940年代という古い時代に、こんな尖がった人たちが本当にいたんだな」と、彼らに思いをはせました。
変人ロマンですよ!
監督は蜷川実花さんということで、妖艶なビジュアルが素晴らしい〜。
あじさいや藤、彼岸花など、いちいち画面に日本的なお花が映り込んでいて、女性風味を強めています。
いちいちあしらうんですよ!
お花を物理的に使った演出も良い感じ〜。
効いてました「花ちらし」や「花うもれ」!
こういうフラワー演出は、男の監督には感覚が無いから無理と思う〜。
かねてから蜷川実花さんの作風を「ソフィア・コッポラみたいだな」と思っていたのですが。
ソフィア・コッポラが手掛けた代表作で、セレブの高揚感を女子目線で描いた、現代風味の歴史ロマン作「マリー・アントワネット」や、複数の女子が1人のイケメンに抱かれたがる、戦時中の危険な恋愛映画「The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ」に、今回の「人間失格 太宰治と3人の女たち」は、アプローチが似てると思いました。
そういえば、ソフィアも実花さんも、実父が大物ですしね。
いつか対談してほしいです。
そして、いつか2人で飲み明かしてほしいです、腹を割って!
おでんでもつまみながら!!