「THE GUILTY/ギルティ」★★★ [映画日記]
見たかった2018年のデンマーク作品を、amazonプライム・ビデオで発見。
見つけてすぐ取り上げたわい、生まれたての赤子を取り上げるみたいに両手で!
立派なサイコ・サスペンス作品なのですが、一風変わってる。
これは珍妙サスペンス!
舞台は緊急通報司令室のみで、男性の電話オペレーターが1人で物語を回します。
たまに同僚と話はするけれど、基本的に、主人公と電話相手との会話だけで進行するお話。
ほとんど1人舞台なんですよ、電話番の!
そんなんだけでサイコ・サスペンスになるのか?!…と思うけれども、なんとか成り立っている奇跡。
アカデミー賞外国語映画賞で、デンマーク代表作に選出されたのも納得の野心作でした。
冒頭から、主人公の警官アスガーは、職場に馴染んでない様子。
どうやらワケありポリス!
いたずらじみた電話や、たわいもない通報をさばくルーチンワークの中、誘拐されている最中の女性から電話を受ける展開に。
重大事件という、アタリを引いた!
アスガーは誘拐事件の謎を暴けるのか、またアスガー自身の裏事情とは何か、という点が見どころになっています。
電話口から聞こえる震えた声、夜の雑音などが、緊迫感をあおります。
がんばってますよ、音響効果さんも!
自動的にセリフ劇になるし、なんとなく「ラジオドラマ」でも聴いているかのような気分にもなりました。
これはもはや、観るラジオですよ!
いや、ラジオじゃなくて、レイディオか!!
物語は、まあまあ意外で、イヤ〜な展開に。
「ギルティ(罪)」というタイトルにしたのも気が利いてる。
警官アスガーや、電話の相手、みんな罪悪感を抱えているんですよね〜。
罪を持つ者同士が、電話で繋がるんですよ、友達の輪〜!
いい感じに、あらゆる人物の心から、闇をえぐり出していたと思います。
また、助けを求めてくる人と、通報を受けた警官との間には隔たりがあり、全てを救うことは難しい、とも感じました。
その反面、電話での救済劇も描かれているし、「たかが電話、されど電話」という電話論も語られていたと思います。
電話映画の決定版なんですよ!
この作品、ジェイク・ギレンホール主演でのハリウッド・リメイク版も製作中らしいのですが。
デンマーク製だからこそクールにキマっていたわけで、ハリウッド製だと地味に見えてしまわないか心配〜。
どうせならハリウッド版の主演は、おハルでいいんじゃない?(←ハル・ベリー)
おハルが美人オペレーター役を演じた代表作「ザ・コール 緊急通報指令室」のパート2として〜。