「イン・ザ・ハイツ」★★★☆ [映画日記]
ミュージカル映画です。
アリアナ・グランデちゃんによる作品へのコメントが「美しくて完璧」なのですが。
本編を観たところ、なるほど確かに完璧。
パーペキなんですよ!
「なんかちょっと、あの曲では、声の伸びがイマイチだったよね」とか「あそこのダンス・シーンで、キレがイマイチだったよね」とか、一切ない。
スキ無し、減点要素ゼロ!
曲やストーリーの演出クオリティも最高レベルで、いちいち絵面が濃厚。
「さすがに、バラード曲はテンションも落ちるだろう」と思いきや、むしろテンションを上げてくる演出に興奮。
むしろ、石炭をくべてくんの!
アリアナ・グランデちゃんのコメントの「美しい」は、演出面での評価なのでしょう。
「美しくて完璧」っていうコメントは、本当に的を得てます。
アリアナちゃんも完璧でした!
今作に、スターは1人も出ていません。
魅せてくるのは、見知らぬ若手!
大集合してんの、最高の無名が!!
米国製のメジャーなミュージカル映画ですと、何人かのスターが出てきて、さほど上手でもないお歌を披露しますけども。
「ロック・オブ・エイジズ」の感想で例えれば、「トム・クルーズが足を引っ張ったね」みたいなやつですよ!(←禁句。戸田奈津子さんに叱られちゃう)
今作は、無名だけど、歌って踊れる実力派だけで固めたという、振り切ったキャスティング。
客は呼べないかもしれませんが、「こういうキャスティングにすると、ミュージカル映画ってこんなに完成度が上がるんだな」と、改めて思いました。
主人公は、マンハッタンのワシントンハイツでコンビニを営む若者。
売店の子!
お名前はウスナビですよ、ウスナビ。
ぐるなびじゃありませんから!
演じているアンソニー・ラモスというお方も、良い顔してます、奥田民生系の!!
周辺住民を含めて、全てのキャラクターが他国からの移民という、移民縛りの移民映画になっています。
彼らが夢を追ったり、夢を見失ったり、社会の波に揉まれたりするお話なのですが、辛気臭さはございません。
全編を彩る曲のほとんどが陽気なラテン調で、まーみんな踊る踊る。
道端では、通行人が曲に合わせてリアクション、プールではお水バシャバシャ!
ダンスクラブでは、男子も女子もクルクルクルクル、クルクルクルクル〜!!
信じられない勢いで回ってんの、脱水機みたいに!!
また、お話の中では、移民の生き様や歴史が描かれているのですが、全て前向きな解釈。
何もかも熱い!
観終わった後は、頭から真水をかぶりたくなりました、タライで!!
監督はチュウさん!(←ジョン・M・チュウさんです。荒井注さんじゃありません)
チュウさんて、前からいる人でしたけど、2018年のヒット作「クレイジー・リッチ!」を手がけて突然注目。
ベタで、コテコテの物語に合うのかも。
今回の作品で、ミュージカル作品との相性もバッチリと判明。
今作での歌唱場面も、「チュウさんに歌は向いてる。アンタ、向いてんよ」と思いながら観てました。
次回作も、ミュージカル大作「ウィキッド」ということで、こちらも楽しみです。