「ティーンスピリット」★★★ [映画日記]
今度のエル・ファニングは歌えます。
実はこの子、歌える子なんです!
…そんなアピールを感じる作品。
映画でプレゼンされたんですよ!
本編を観てみたら、確かに歌えてる〜。
まあまあ上手い〜。(←「まあまあ」かい)
もしかしたらエル・ファニングは、今後、ミュージカル大作への出演を狙っているのかも。
今作は、その練習?!
踏み台?!
…そんな印象まで受けた音楽系の作品、日本では2020年に公開されました。
エル・ファニングが演じているのは、イギリスの島で暮らす女子高生ヴァイオレット。
島っ子ですよ!
性格は大人しい、というか、陰気というか。
地味っ子ですけども!
そんなヴァイオレットが一念発起、お歌のオーディション番組で勝ち抜こうとするお話です。
展開としては、劇中でも音楽が引用されている「フラッシュダンス」みたいな感じなのですが。
さすが「今どき」ですね〜、作風はクール。
「これ、A24作品ですか?」と思ってしまうくらい、雰囲気重視のオシャレな感触。
劇中歌も大人っぽくて、どの曲もカッコいい〜。
監督・脚本は、最近ではドラマ「ハンドメイズ・テイル/侍女の物語」に出演しているマックス・ミンゲラなんですね〜。
巨匠アンソニー・ミンゲラの息子さんですよ、あそこんちの子!
今作は、マックス・ミンゲラの初監督作品らしいのですが、とても初めてとは思えぬ手腕。
演出技術に成熟味を感じました。
お歌を歌いこなしてしまうエル・ファニングもそうですが、「最近の子は何でも出来るよね〜。スゴいよ、ゲーム世代だか何だか知んないけど!」と思って、目の前の安酒をかっくらいました!
若い才能を目の当たりにして、もうヤケクソですよ!!
物語としては。
女子高生ヴァイオレットが歌う曲のジャンルは、ダンス・ミュージックとかロックなのですが。
ヴァイオレットがコーチとして雇ったのは、元オペラ歌手のボロボロのおじんって。
元オペラ歌手のボロボロのおじんから、一体何を教わるというのでしょう?!
「役に立たんだろ、そんなおじん」と思ってしまいました。
また、オーディションを勝ち抜き、島を出て、都会に降り立ったヴァイオレット。
上京して、わずか1〜2日でグレ始める、って早っ!
化粧も突然派手になってるし、奥手のはずが、男も手玉に取り出した!!
「都会でダメになるタイプの女」の描き方は激しかったです。
「83歳のやさしいスパイ」★★★ [映画日記]
「これ、ホントにドキュメンタリー作品なんですか?!」…と思うくらい、ドキュメンタリーっぽくない作風がスゴーイ。
まるで「脚本どおりに役者が演じてる」みたい。
踊らされてるみたいなんですよ!
時々、映像の中に撮影スタッフが映り込むので、「ああ、やっぱりワシ、今ドキュメンタリーを観てるんだな」と気付かされるのでした。
我に返るんですよ、ボケた老人が我に返るみたいな感じで!
編集技術やセンスがあれば、ここまで自然なドキュメンタリーが作れるんですね〜。
第93回アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞にノミネートされたことにも納得でした。
「入居者が虐待されてるかも?」という疑惑を明らかにするため、「スパイ」として雇われたおじいちゃんが、老人ホームに潜入するお話です。
まずは、83歳の男性セルヒオさんがスパイ職を得るべく、業者の面接を受ける場面から始まるのですが。
スマホを渡されてもチンプンカンプンという、老人の「ITに弱い」系ネタが炸裂。
お約束なんですよ!
BGMも、スパイっぽい曲調を、わざわざユルくアレンジしたもので、なんか笑える〜。
ほっこり癒されてしまいました、83歳のおじいちゃんに!
そんな感じなのに、なぜか採用されたセルヒオさん。
83歳ですが、背筋はシャンとしたオシャレな紳士だし。
「さては、見た目で選ばれたね。グラビアアイドルみたいに!」と思いました。
潜入した老人ホームでは、ほとんどの入居者が女性。
ばあちゃんの城!
よりどりみどりですよ!!
スパイのセルヒオさんは、おばあちゃんたちと交流していくうちに人気者に。
中には「セルヒオさんに抱かれてもいい」みたいな気持ちになるおばあちゃんも!
他にもいろんなタイプのおばあちゃんがいて、それぞれキャラクターも立っています。
ショーン・ペン似のおばあちゃんは、自分のことをまだ生娘とでも思っている、っぽい。
母からの「迎えに行く」という電話を、少女のまなざしで待っています。
その生娘ふうの態度が、本当に生娘っぽい、自然な演技というか〜。(←ドキュメンタリーなので、演技じゃありませんが)
もしかしたら、あのショーン・ペン似のおばあちゃんの正体は、本物のショーン・ペンなのかもしんない!(←別人です)
やがてセルヒオさんは、スパイの仕事自体に疑問を持ち始め、老人ホームの実態も知ることになる、という展開です。
老人ホームって、わたくしも訪問したことがありますけども。
本当に切ない場所ですよね。
胸が締め付けられる施設ですよ!
今回の作品は、その印象そのまんま。
入居者1人1人には、かつて華やかな人生があったけど、その終盤は孤独、という「人生エレジー」がたまりません。
「老人ホームの、ありふれた真実」を見せつけられた感じ〜。
劇中では、ときどき老人たちが涙を流しているのですが。
老人の涙は、見ていて辛いです〜。
ドキュメンタリーっぽくない作品でしたが、流れていた涙は確実に本物でした。
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「プロミシング・ヤング・ウーマン」★★★☆ [映画日記]
今回のキャリマンは、ゴージャスなブロンド美人役〜。(←キャリー・マリガン)
昼はカフェで働く設定ですよ。
茶くみ娘!
ところが、夜は別の顔を持つ女。
変わるんですよ、イモムシからパピヨンに!
夜な夜なセクシー服を着てクラブやバーに行っては、泥酔したふり。
「あたしゃねぇ〜。まだ飲める〜。飲めるったら、飲めるんだよ〜。大将、もう一杯!ワンカップ大関!!」みたいな、一見するとベロベロ女!
そのまま、見知らぬ男に「持ち帰られる」パターンに。
いざ男性がベッドでキャリマンを抱こうとしたら、「私、シラフですが何か?」と真顔になるという芸風!
持ち帰った男性を恐怖に陥れることで、心を満たしている女なのでした。
餌食になる男性役は、数々のテレビ男優たちが演じています。
テレビ男優斬りのような趣も感じられました。
「テレビ男優なんて、映画では斬られればいい」みたいな!
そんなキャリマンが演じる女性カサンドラを中心とした、サイコ・サスペンス・ダーク・コメディという風合いの作品。
カサンドラが抱えている闇が深すぎる〜。
心の闇のせいで人に罠をかけ、復讐のような行為をするけれど、それは正義にも見え。
心の中で、善と悪が混沌!
煮えたぎってんの!!
「正当な罰」として、個人が他人に制裁を加える点では、まるでアメコミの女ヴィランのよう。
また、男女間の埋めることのできない溝を、「怒り」で補う姿も印象的。
これらは、男性には決して描くことのできない世界観。
この作品は、「MeToo」後の「おんな映画」決定版!
観賞後の観客は、「女性の悔しさと苦痛」を抱えて映画館を後にすることに。
重みズッシリなお土産!
ひと昔前だったら、映画に出てくるブロンド美女は「ちょっとおバカだけど痛快」みたいな軽い路線でが多かったですけども。
これからは、カサンドラの路線になりそうな予感。
「男性への憤怒」路線ですよ!
そんな凄みのある役に、キャリマンが体当たりで挑戦。
かわいい、きれい、汚い、怖い、の、演技バランス良好。
メイクの濃淡で印象がガラっと変わる人だな〜と思いました。
メイクを落としたら別人、みたいな!(←ホメ言葉)
わたくしは知らなかったのですが、エメラルド・フェネルという英国の女優さんがいて、今作は彼女の監督デビュー作なんですね!
製作も脚本も担当して、ものすごい才能を大爆発させてますね。
花開いたわい、つぼみから!
「女性映画作家ブーム」を牽引する作品でした。
「トゥモロー・ウォー」★★★ [映画日記]
2021年の正月映画として劇場公開を予定していたSFアクション作品ですが、コロナで断念。
2021年の正月は返上ですよ、みんなおんなじ!
amazonさんに買われて、2021年7月、プライム・ビデオのオリジナル目玉作品として配信されましたけども。
カネのかかった超大作でビックリ。
これは、劇場公開されていたらヒットしていたと思う〜。
スタッフも出演者も売れる気マンマンでいたでしょうに、残念でした。
I'm sorry〜皮算用!
製作・主演はクリス・プラットですよ。
太っていたけど痩せてスターになった、っていう、あの人〜!
ダイエット成功男優ですよ!!(←なんて紹介)
今回のクリス・プラットは、元軍人で生物学教師っていう。
戦えるし、頭も良いっていうワガママな役〜。
おまけに、かわいい女児の父親役ということで。
なるほど、アメリカのパパ役がハマってる〜。
子煩悩な感じ、するもんねぇ、子供みたいな人だし。(←ホメ言葉)
「クリス・プラットは今後、父親路線で行きたいんだな」と思いました。
全編を通して、銃器を使った激しい戦闘が表現されてますけども。
たま〜に、クリス・プラットが、ゆるいギャグを飛ばしてくるんですよね〜。
クリス・プラットのプロデュースらしいところでした。
作品ジャンルは「エイリアンもの」ですよ、バケモンもの!
30年後の地球は、凶悪なエイリアンに人間が殺されまくって絶滅寸前、という設定。
「現代人の協力がないとエイリアンに勝てない」ということで、未来人が現代人を徴兵。
一般市民が戦場に連れて行かれることに。
引っ張りだされんの!
かりだされんのさ、畑仕事にかりだされるみたいに!!
そんな、悪夢のようなシチュエーションがたまりません。
エイリアンのデザインが、昔ながらのエイリアンと恐竜を合体させたような、見るからに怖そうなタイプ。
わかりやすいんですよ、ひと目で「暴●団」とわかる人みたいに!
パッと見で「これは人間は勝てんだろう」と、見事に絶望させてくれる敵でした。
「エイリアン」「銃撃戦」「ミリタリー」「ミッション遂行」「タイムトラベルで悲劇回避」という、米国人の観客が大好きな要素がたくさん。
「3世代にわたる家族ドラマ」まで盛り込んで、ドラマチックな場面も。
脚本も凝っているし、amazonプライム・ビデオだけで配信するには、もったいない作品でした。
出演者の中には、テレビ女優イボ子の顔も。(←イヴォンヌ・ストラホフスキー)
クリス・プラットの父親役はJ・K・シモンズなんですね〜。
クリス・プラットと違って、JKの方はお堅い役。
全く似てない父子でした、桑田真澄とmattみたいな!
「ライトハウス」★★★ [映画日記]
エンタメ界で流行を生み出しつづける「A24」の作品です。
トレンド作ですよ、あの会社の!
舞台は孤島の灯台。
2人きりで働く男が、精神的に参っていくお話です。
神経衰弱ムービーですよ!
時代設定は19世紀末のニューイングランドということで。
W主演のウィレム・デフォーとロバート・パティンソンに、昔の水兵さん風のお洋服が似合ってます。
マドロスさんスタイルですよ!
ウィレム・デフォーは、ベテラン灯台守の役で態度はL。
ガミガミ言ってくるクソオヤジ!
しかも、いかなるシチュエーションでもご放屁!!
劇中では、度々ウィレム・デフォーの放屁音が鳴り響いてました、プップ、プップ、プップ〜!
ウィレム・デフォーと屁の相性もバッチリ。
なんか、あの人のやつは臭そうですしね。(←ウィレム・デフォーに失礼)
ロバート・パティンソンの方は、野心を持つ若者で、先輩のウィレム・デフォーにムカついている、という役。
「あんのクソオヤジ、屁ばっかり放ちやがって奔放に!」みたいなイラついた気持ちで、毎日を我慢して過ごしているのですが。
会食時に飲酒をすると、お互い心を開き気味になる2人。
どんちゃん騒ぎをすんの!
お酒に飲まれるんですよ!!
全体的に陰鬱で、緊張感が漂う作品ですが、お酒の場面だけは、ちょっぴり愉快なテンションに。
もしかしたら、あそこは「笑う場面」だったのかも〜。
全編がモノクロ、映像の縦横比も正方形に近いクラシックなタイプで、「ちょっと、どうしたんだ」と思うくらい、ビジュアルは美的でカッコいいです。
ホントに、昔の映画を観てるみたいな気持ちに。
そんな映像美に、ウィレム・デフォーの面が映えるのは分かってましたけども。
ロバート・パティンソンの面も、モノクロに合う〜。
美味しいんですよ、唐揚げにレモン汁が合った時みたいに!
「ロバート・パティンソンっていう人は、魅力がある人だな〜」と思いながら観ていました。
ウィレム・デフォーの役作りは強めで、声まで変えてガサツな雰囲気を完璧に作りあげているのですが。
そのウィレム・デフォーの胸を借り、ロバート・パティンソンも演技力を出してきた。
ぶつかって行ったわい、おじんに!
体当たりですよ!!
引き出されていました、秘めたる演技力。
放屁ジジイとトワイライト男優のケミストリーじゃーっ!
こんなに熱い芝居を見せるロバート・パティンソンを見たのは初めてです。
作品の前半はクールで、後半はハチャメチャになるスリラー作品。
ハチャメチャ時での演技を見て、「ウィレム・デフォーって、頼めば何でもやってくれるんだな」と思いました。
四つん這いにもなっていたし、お口に土も入ってました。
泥まんじゅうでも食べてくれそうな勢いでした。
「ブラック・ウィドウ」★★★☆ [映画日記]
コロナ期も、ドラマでは「アベンジャーズ」のヒーローさんたちを観てましたけども。
映画ではお久〜!
元祖「アベンジャーズ」チームの一員ブラック・ウィドウを主人公とした映画が、ついに劇場公開〜。
ブラック・ウィドウって強い女スパイですよ、「アベンジャーズ」における霊長類最強女子〜!
まずはアクションはド派手だし、作品全編から放たれる「アベンジャーズ」ワールドを満喫。
風味を浴びたわい!
冒頭から、多くの「アベンジャーズ」専門用語が飛び交いますけども。
セリフを聞きながら「わかる!わかるぞ、その用語!!」と、自分の中にアベンジャーズ知識が染み込んでいることを実感。
いくら洗っても落ちないカレー染みみたいに、染み込んでんの!
「ああ、これくらいお勉強も出来ていれば、ワシの人生も違ってた」…そんな切ない気持ちにもなりましたけども。
やはり「映画で観るアベンジャーズって最高だな」っと思える、内容の充実ぶりでした。
これぞ「アベンジャーズ」ブランド!
「ただの卵じゃありません、ヨード卵・光です!」みたいな、プライドを感じる大エンターテイメント作品に仕上がっていました。
劇中での、スカーレット・ヨハンソン演じる「ブラック・ウィドウ」ことナターシャは、めちゃめちゃカッコいい姉ちゃん〜。
他作品でのナターシャは「スキのない、いい女」系。
浅野ゆう子みたいな女系でしたけども!
今作でのナターシャは、トレーラーハウスで一泊する場面ではパソコンで映画を観ていたり、バッテリーに給油しようとしたり等の生活感も。
いつもより「私だって普通の女」みたいな親近感。
今回は浅野温子みたいな女に!
いい感じにバランスの取れた、ステキな女性像になっていました。
今作では、ナターシャがどんな少女時代を過ごしたか等、彼女の過去にも焦点が。
同時に、彼女の家族が登場し、まさかの家族ドラマも展開されるところが、最大の特徴になっています。
ナターシャの妹役はピュー子!(←フローレンス・ピュー)
姉と互角に張り合い、桁外れの戦闘能力を見せるピュー子もカッコいい〜。
劇中では、妹による「あたし、このチョッキ好きやねん。ポケット多いやろ?収納力バツグンやねん」みたいな、ダサいチョッキのエピソードがありましたけども。
あのチョッキって、他の「アベンジャーズ」系作品にも出てきたかな、ちょっと覚えてないんだけど?!
なんだか、意味深なチョッキでした。
また妹が姉に「姉ちゃんさ〜、いつも決めポーズあるよね。あれ何?寒いんだけど」みたいな「姉への、ちょっかい出し」も面白かったです。
そんな感じで、物語が進んでいくと、妹も、どんどんかわいく見えてくる〜。
今作は、ピュー子の「アベンジャーズ」デビュー作としての役割もあるんですよね〜。
確かにピュー子の魅力も全開でした。
父役は、ドラマ「ストレンジャー・シングス 未知の世界」でブレイクしたおじさんデヴィッド・ハーバーで、家族内では「ボケ役」として機能。
母役は、まさかのレイチェル・ワイズで、まさかのタイトなSFスーツを着てくだすった!
そんな恥ずかしい姿のまま、SF飛行艇を操縦!!
「レイチェル・ワイズ、着陸します。オーバー!」みたいな、基地とのやり取り場面がレアすぎる〜。
しかも、アクション・シーンでも活躍するレイチェル・ワイズにビックリ。
さすが、実生活では007男優(ダニエル・クレイグ)の妻。
さすが、007に抱かれた女ですよ!
そんな個性派な家族と、ナターシャの関係性も描かれてましたが、予想以上にドロドロしていない。
サッパリしてスッキリしたお味の、妙な一家〜!
家族ドラマで魅せるというよりは、「女性解放」というテーマを強めにした、やはりアクション主体の作品なんですね〜。
レン子さんも出ると聞いていたのですが。(←オルガ・キュリレンコ)
こちらは意外すぎる役で登場〜、セリフ一言だし!
「ああレン子さん、そんな役でアベンジャーズにデビューしたんですか?!」…っていう、変な役で笑いました。
今作の撮影後は、コロナに感染してしまったレン子さん。
神社に行って、お参りしたほうがいいかもよ。
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「あの夏のルカ」★★★ [映画日記]
ピクサーが「ソウルフル・ワールド」の次に製作したCGアニメ作品なのですが。
季節を夏のみに限定した夏映画。
ピクサー作品では珍しい夏縛り!
本来は夏前に劇場公開される予定でしたがコロナで断念、配信スルーに。
しかし、配信時期を初夏に設定したのは、良かったと思う〜。
初夏に観るのにピッタリの作品でした。
1950年代の北イタリアを舞台にした、懐かしさあふれる風景が美しい〜。
ジブリの「紅の豚」みたいな色彩ですよ、豚色〜!
そんな景色を背景に、少年たちの冒険と友情を描いた物語になっています。
主人公の少年ルカはですね〜、水の中に住んでいるんですね〜。
まさかの半魚人!
キャラクター・デザインも「これぞ魚人間」という、ファンシーな「シェイプ・オブ・ウォーター」みたいな感じなのですが。
ルカがお水から陸に上がると、あらま不思議、普通の人間に姿を変えるんですよね〜。
変身すんの、なんで?
アンタ、正真正銘の化け物〜!
冒頭から、海底にある半魚人の村が出てきて、観ながら「ああワシ、今から半魚人なんかの映画を観るんだな」と思ってしまいました。
なかなか、視覚にガツンとくる絵面でした。
閉塞感を抱えて生きている少年ルカが、自由気ままに人生を謳歌する半魚人の少年アルベルトに感化され、共に港町へGO。
町では、お転婆な少女ジュリアと出会う、という展開です。
3人はワイワイ遊んだり、ときどきケンカしたり、傷つけあったり、でも友情は熱い、みたいな、よくある「少年の夏休みの出来事」という情緒が醍醐味に。
ラストシーンとかは「夏休みの終わり」という感じで切なくて、泣いてしまいました。
別に泣きたくなかったのですが、半魚人の映画なんかで〜!
今回は字幕版を再生したのですが、日本語版のエンディングには、井上陽水さん作「少年時代」のカバー曲が流れるそうです。
つまりエンディングは、あの曲のイメージなんですね〜。
あらゆる点で、キュンとさせる雰囲気を作りだしていて、小憎らしかったです。
昔のイタリアにて、タイプの異なる少年2人が友情を育む、という場面で、BL大作「君の名前で僕を呼んで」を思い浮かべてしまいました。
近年のエンタメ界では、多様性が重んじられる傾向。
今作でも、少年2人は愛し合っているのではないか?
抱きたがっているのではないか?
と、推測してみたけれど、そんなふうにはなりませんでした、少年の年齢設定13歳ですし!
性には早い!!
多様エンタメ作を鑑賞しすぎて、何でもBLに見えてしまう〜。
目を覚ましたいです、自分で自分をビンタして!
「スーパーノヴァ」★★★ [映画日記]
ボーイズラブ映画に目が慣れた観客に、突きつけられた挑戦状。
「これでもまだBLが好きでいられるか?どうなんじゃ?」まるで、そんな内容の果たし状!
2021年、満を持して還暦ボーイズラブ映画の降臨じゃーっ!!
劇中ではコリン・ファースが、スタンリー・トゥッチを愛す。
抱く!
これはBL界の「ゴジラvsコング」なんでしょうか?!
「コリン・ファースでボーイズラブ」は、まだわかる。
「スタンリー・トゥッチでボーイズラブ」も、まあわかるけどハゲている!
ハゲた還暦じいさんが抱かれるんですよ、なまめかしく!!
冒頭からダブルベッドの上で、素っ裸のコリン・ファースがスタンリー・トゥッチを抱きしめている。
シーツの柄が、鑑賞当日、映画館に着てきたボクちゃんのシャツと同じ柄!
ああ、ボクちゃん、どうして、この柄のシャツを選んでしまった?
映画を観ながら、ボクちゃん、顔が赤くなって、自分のシャツをギュッと掴んだわい生娘みたいに!!
というわけで、W主演のキャスティングが魅力的な作品になっています。
スタンリー・トゥッチ演じる作家は、どうやら若年性の認知症。
もうすぐ何もかも忘れる状態、ギリギリですよ!
コリン・ファース演じるピアニストは、パートナーであるスタンリー・トゥッチを連れ、キャンピングカーで共に過ごせる最後の旅に出る、という「闘病ロードムービー」的な内容です。
コリン・ファースは、髭面のセクシー・ワイルド60歳。
スタンリー・トゥッチは、ちょっぴりわがまま、ハゲてる小悪魔60歳!…というキャラクター。
コリン・ファースがですね〜、もうスタンリー・トゥッチにメロメロなんですよ〜。
スタンリー・トゥッチがちょっと意地悪な発言をしても、「このやろー、かわいいじゃねぇか」みたいな微笑みで返すコリン・ファース。
「このやろー、抱いてやろうじゃねぇか」みたいなセクシー・スマイル60歳なんですよ!
「ああボクちゃん、今、何を観せられている?!」…そんな気分になりながらも、2人の間には、熟しきった真実の愛を感じました。
実力派2人による、安定しきった演技のおかげでしょう。
病気が絡んでいるし、劇中で語られる愛は、まあまあ重いです。
そして「パートナーを介護するか」「パートナーに介護されるか」という問題は、年齢を重ねた人の共通事項。
現実的な切なさ要素も十分に込められていました。
しかしながら、何かスゴイ事件が起きるわけでもなく、美しい自然を背景に、ゆったりとした2人の時間が流れる場面が続くので…。
まあまあ眠かったです。(←コラーッ!)
「もう、上のまぶたと、下のまぶたがくっつく。たまらん」と、睡魔にやられそうになるタイミングで、コリン・ファースがスタンリー・トゥッチにチュッチュ、チュッチュ。
ハゲた頭にチュッチュ、チュッチュ、チュッチュ、チュッチュ!
チューの音で目が覚めるんですよ!!
ああコリン、唇に皮脂が着きますよ?!
お口がベタついてしまいますよ、天ぷらでも食べた後みたいに!
…そんな心配もしてしまいました。
今作には、日本語のサブタイトルは付きませんでしたけども。
わたくし的には、本作のタイトルは「スーパーノヴァ〜ハゲた頭にチュッチュ、チュッチュ〜」です。
「ゴジラvsコング」★★★ [映画日記]
*ネタバレはありません。
夏休みにピッタンコ〜。
巨大怪獣同士の戦いにワクワク。
表現も豪快で爽快〜。
この映画は、小学生の男子とかに観てほしいな〜。
チェリーボーイ必見なんですよ!
劇中では、まず「キングコング 髑髏島の巨神」に出ていた巨大猿「コング」が登場。
1970年代風の音楽と共に、朝に目が覚め、のっそり起き出してくるコング様。
ケツをポリポリ掻きながら!
そのままおトイレに入ったら、その姿は40代男性(おじん)と全く変わらん!!
相変わらず、男らしいお姿でした。
そんなコングのライバルがゴジラ、っていう設定です。
コングの存在を嗅ぎつけては、攻撃してくるゴジラ。
2人は、いっつも、ものっすごい怒ってます。
2人とも般若のような形相で、まるで野良猫の大げんか!
素早く動くゴジラを初めて見ました。
普通に全力疾走していて「走れるんだ、あの短足で」と思いました。
そんなコングとゴジラの因縁というか、愛憎シーンがなんだか熱い。
コングは、やんちゃで荒削りな性格で、ゴジラは部活のクールな先輩肌。
戦いつつも、お互いの実力は認め合っていて、まるで岡ひろみと、お蝶夫人のような間柄!(←「エースをねらえ!」より)
怪獣同士の戦いの中に、スポーツマンシップのような輝きが!!
クライマックスで、2人の心のドラマを見せられたときは、泣きそうになりました。
もう、コングもゴジラも抱きしめたくなるんですよ!
シリーズ前作「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」でもそうでしたが、怪獣から信念や情を感じたり、「怪獣にも思うところがある」場面を観たときはグッときますね。
だから観客は、怪獣のことが好きになるのだと思います。
そんな感じで、怪獣にはドラマチックな場面がありましたけども、人間パートの方にドラマ性はありませんでした。
一切ないんですよ!
人間キャラクターは、本当に「居るだけ」の存在。
美男美女が登場するので、本当は恋バナの1つや2つあったのでしょうけども。
抱いたり、抱かれたりしてたんでしょうけども!
全てカットされたようで、逆に気持ちがいいです。
美男美女チームは、孤児の少女を1人連れているのですが。
少女は、チームと共に飛行艇に乗せられて、どえらくへんぴな土地に連れて行かれててビックリしました。
「ああ大人たち。よくあんな危険な土地に女児を連れていったね」と思いました。
小栗旬くんも出ているのですが、やはり、出番は大幅にカットされたよう。
小栗くんによりますと「別の役として演じていたのに、撮影している間に(シリーズ前作まで渡辺謙さんが演じた)芹沢博士の息子役になっていた」とのこと。
劇中の小栗くんを観て、「アンタ本当に芹沢博士の息子?本当に、あの人の種?」って思うくらい、芹沢感が全くない役で、笑ってしまいました。
芹沢の「セ」の字もないんですよ!
「立派だった芹沢博士の息子が、一体、今回、どういう理由で変人になったのか?」も謎すぎる〜。
白目をむく役でしたから!
「芹沢家の秘密」という解明本があるなら読んでみたいです。
「テッド・バンディ」★★★ [映画日記]
2019年に、世界中のNetflixで配信された作品ですが、なぜか日本のNetflixだけ未配信。
わたくし、ず〜っと配信を待っておりました、キリンさんのように首を長くして!
鼻息も荒くしてましたよ、カバさんのように!!
そしたら、2021年になって、Netflixではなく、なんでかamazonプライム・ビデオの方で配信されたわい。
別な方から出たーっ!
なんでじゃーーっ?
配信の謎ですわな。
1970年代に連続殺人鬼として有名になった実在のイケメン、テッド・バンディの生活を描いた作品です。
テッド・バンディは「シリアル・キラー」の語源となった人物。
語源マンですよ!
何十人も女性を虐待したり残虐に殺したり、そりゃあもう、恐ろしいお方なのですが。
今作は、そんな恐ろしい男だとも知らず交際していた実在の女性、エリザベス・ケンドールさんの回顧録が原作。
抱かれた者目線の作品ですよ!
だから、殺人の描写があるわけでなく、ひたすら「ステキなイケメン婚約者が、なぜか罪に問われて投獄されちゃってる。ぴえん」みたいな、冤罪映画みたいな佇まい。
「婚約者の私だけは、彼の無罪を信じなきゃ!」みたいな、乙女路線!
とんだネンネですよ!!
しかし観ているうちに、観客も乙女の気持ちになってしまい、「テッド・バンディ本人は殺してない、って言ってるし。無罪なんじゃないの?」って思ってしまうところが、今作の醍醐味だと思います。
結婚詐欺にでも遭った気持ちになれるんですよ!
最後まで観ると、テッド・バンディは嘘つきで、正体は連続殺人鬼だった、と、視聴者も事実を実感することに。
テッド・バンディは本当に頭がおかしい人だったんだな、と納得できる内容でした。
当時、投獄されたり裁判されたりしていたテッド・バンディですが。
一般女性のファンが、たくさんいたことにもビックリ。
見せつけられました、イケメンの威力!
テッド・バンディ役を演じたのは、まさかのザック・エフロンですよ。
久々のマジ映画での主演で、賞取りも期待できる良い役だったのですが。
まだまだ演技がキレイすぎる〜。
ヨゴレきれてナーイ!
シャーリーズ・セロンのステップアップ作品「モンスター」みたいな扱いになりそうだったのに、惜しくも逃した感じで残念〜。
1970年代風・強めのパーマ姿も見せたザック。
あのイケメンも、強めのパーマをあてるとモンチッチ(死語)みたいになるもんだわな!…と思いました。
エリザベス・ケンドールさん役を演じたのはリリ子!(←リリー・コリンズ)
1970年代風・ストレートヘアーが似合ってました。
劇中では、リリ子がザックに抱かれて数年経って、次に抱かれる相手役は、まさかのハーレイ・ジョエル・オスメントなんですよね〜。
「シックス・センス」での演技で一世を風靡した元・子役ですよ。
今は太ったシックス子役!
抱かれる相手が、ザック・エフロンからハーレイ・ジョエル・オスメントという落差がスゴーイ。
ハリウッド男優界の天と地ですよ!(←オスメントに失礼)
リリ子自身も「まさか私が、シックス・センスの子役に抱かれるとは」と思ったことでしょうね。
苦笑いしながら!