「英雄は嘘がお好き」★★★ [映画日記]
2019年に日本公開された、フランス、ベルギー合作のラブコメ映画です。
メイン・キャラクターの殿方で、軍人ヌヴィル役を演じているのは、ジャン・デュジャルダンですよ。
デュジャルダンですよ、デュジャルダン。
コチュジャンでも、シャルダンでもありませんから!
彼のお相手で、いいとこのお嬢様エリザベット役を演じているのがメラニー・ロランという、魅力的な配役になっています。
1801年が舞台、エリザベットの妹がヌヴィルと婚約するものの、ヌヴィルは戦地にGO。
戦地から手紙をよこさない薄情なヌヴィルに代わり、エリザベットが嘘の手紙を自分で書き、妹に渡して始まる物語です。
なんとも古典風のお話ですが、笑える場面が次から次へと訪れて、まるでフランスの吉本新喜劇〜。
男女の立場も、ある時はマウントを取り、またある時はマウントを取られて、コロコロ変わって退屈知らず。
とっても面白かったです。
「嘘」という、普遍のテーマを題材にしたのが良いですね。
劇中では、男も女も嘘で人生を取り繕っているのですが、クライマックスとか、肝心な場面では本当のことを言うんですよね〜。
そんな場面はグッときました。
醍醐味ですわな嘘映画の!
監督・脚本は「おとなの恋の測り方」でもデュジャルダンと組んでいたお方。
いい腕前をなすってます。
「いい腕してるね。いい味出してるね、大将」と言ってやりたくなりました。(←ラーメン屋への賞賛かい)
デュジャルダンは、チャームポイントの「キラー・スマイル」を、今作では胡散臭さに転換。
立派な詐欺師に見えてしまうあたりがアメージング。
今作でのデュジャルダンを見て「ヤブ医者役も似合うかも」と思いました。
とにかくインチキ臭い役なら、なんでも似合うんですよ!(←ホメ言葉)
メラニー・ロランの方は、チャキチャキした姉であり、ダメな妹の面倒を見て、ときどき裏工作をしてピンチを切り抜ける、という頭の良い役がピッタンコ〜。
頭脳派のお転婆ですよ!
確かに、メラニー・ロランて「姉系の女」と思いました。
「姉系の面」をした、姉女優!
そんな姉が、お池に突き落とされたりする場面が面白ーい。
「ちびまる子ちゃん」家でもそうですが、普段はクールな姉が、たまにくだけると笑えるんですよね〜。
メラニー・ロランも、良い使われ方をしてました。
メラニー・ロランって、コメディ映画に出演するのは、今作が初めてなのだそう。
すごく上手かったから、またコメディ演技を見せてほしい〜。
もっともっと、お池に突き落とされてほしい!
お池に、頭から突っ込んでほしい女優・第1位です!!
「クルエラ」★★★☆ [映画日記]
ディズニーのアニメ映画「101匹わんちゃん」で悪役だったクルエラ・ド・ヴィルが主人公。
彼女の若かりし頃を描いた実写作品ですけども。
甘さひかえめ。
むしろ砂糖不使用〜!
ディズニー作品でありながら、ディズニーらしさがほとんど無い、エッジの効いた作風が最高〜。
原作は元々エゲレス製で、おばちゃんの若かりし頃のお話ということで、自動的に舞台は1970年代ロンドンに。
舞台に合わせて、ファッションの路線もパンク・テイストに。
圧倒的な時代感で、不良感覚が満載のビジュアルがたまりません。
パッと見は、普通に、単館で流している小粋なイギリス映画みたいでした。
窃盗を働いて食いつないでいた、孤児時代のクルエラ。
ロンドンの街を逃げ回っている場面とか、まるでダニー・ボイルの「トレインスポッティング」みたい。
もはや、女スポッティングですよ!
ディズニーさん、こんな不良映画の製作を、よくぞ許してくだすった。
よくぞ書類にハンコを押してくだすったわい!
物語は、サイコ・スリラー、クライム、サスペンス、ミステリー、コメディ、復しゅう劇、家族ドラマ等、多くの要素を盛り込みつつも、それぞれがよく絡み、キレイにまとまっています。
不良映画でありながら娯楽作という点では、「スーサイド・スクワット」みたい。
不良エンタメというトレンドですよ!
20代のクルエラが、大物ファッション・デザイナーの元で修行をする、という基本設定は、女子映画っぽくて良いんですよね〜。
クルエラが悲しんで、苦しんで、憎んで、怒って、その負のエネルギーをどうするのかと思ったら、己の創作力にぶつける、という。
ファッショのデザイン画を描いて描いて、描きまくり!
服を縫って縫って、縫いまくり、ファッション・テロを敢行ーっ!!
クリエイティブで己の存在を示すところが素晴らしいし、最大の個性となっていました。
クルエラ自身のイメージって、これまでだと過去作で演じていたグレン・クローズだと思うのですが。
長いこと定着していたイメージを覆して、観客の想像を超えたスタイルと演技で見せつけてくるエマ・ストーンもたいしたタマ!
時にクールで、時に泥臭い難役を、とっても上手に演じてる〜。
惚れ直したわい!
クルエラの敵役で、大物デザイナー役を演じたエマ・トンプソンも、エマ・ストーンの敵にふさわしい存在感。
貫禄のWエマでした!
エマ・トンプソンの執事みたいな役は、まさかのマーク・ストロングなのですが、役はイマイチ小さかった〜。
しかし、いるだけでイギリス感は出ますね。
「風味付け」なんでしょうよ、「臭い付け」!
お肉にすり込んだ、ニンニクみたいなもん!!
マーク・ストロングは、若かかりし頃の姿として、黒髪オールバックのヅラまでかぶったーっ。
乗っけてきたわい、海苔の佃煮みたいなカツラ!
桃屋の「ごはんですよ」みたいなヅラですよ!!
これまでも他作品で、マークのヅラ姿は見てきましたけども、ツヤ黒は初めてかも。
個人的には破壊力を感じるお姿でした。
「101匹わんちゃん」では、犬がメイン・キャラクターですが、今作での犬は名脇役に。
アクション場面の犬はオールCGで表現されているのですが、まるで本物の犬〜。
まるで生!
「ディズニーさん、さりげない技術に、ふんだんに投資されている」と、巨大エンタメ企業の余裕を感じました。
「ラーヤと龍の王国」★★★ [映画日記]
ディズニーのCGアニメ作ですよ、デズニーさんの!
ドラゴンが出てくるファンタジー世界が舞台なのですが。
まさかの、全編アジアン・テイストが新鮮〜。
アジアって言っても、韓国とか中国とか、あんな感じじゃありません。
ベトナムとかインドネシアとか、南の方。
あっちの方ですよ!
ナシゴレンが食べたくなる世界観〜!!
主人公の少女ラーヤが、ドラゴンのシスーと共に各国を巡回しつつ、世界を破滅から救おうとする物語。
簡単に言えば「風の谷のナウシカ」のような、スペクタクル・アドベンチャーが繰り広げられておりました。
物語は、まあまあ予定調和の展開になるのですが。
デズニーさんのスゴイところは、いちいち「多様性」を盛り込んでくるところ。
最近しつこいんですよ!
ラーヤと敵対するライバル少女が出てくるのですが。
名前はナマーリですよ、ナマ子ちゃん!
ナマーリは単なる悪い子じゃない、普通の夢見る生娘だよ!…そんな「キャラ付け」が、見事に作用。
結局「敵も味方も、みんな仲間だよ!」みたいな、ちょっとした「人類補完計画」みたいな、多様性に対応したストーリーになっていて、予定調和の中にも新味がありました。
この話、脚本家はよく考えたな〜、と思います。
ラーヤの見た目は、ロングヘアーで、スタイルがスラッとしていながらも、かわいい顔。
ステキな子で、こういうタイプ、嫌いじゃありません。
一方、ライバルのナマーリはキツネ目!
髪型はハウスマヌカン風・刈り上げショート!!(←死語)
コシノジュンコ系ですよ!!(←死語)
女子2人の見た目には、格差を感じてしまいました。
かわいい顔の方が悪役になる日を、楽しみに待ちたいと思います。
ディズニー作品としては、「ムーラン」「モアナと伝説の海」系統の、有色人種の女子アドベンチャー映画。
有色ガールズ・ムービーですよ!
相変わらず、ストーリー中では、イケメンとのロマンスは排除の系統。
誰にも抱かれぬ女子映画シリーズですよ!
そして、たいがいヒロインはズボンを履いてる、ズボン女!!
ヒロインが格闘したり、刀で戦うことになるのがお約束。
みんな、すっぴんで「うぉぉぉぉ〜〜〜っ」って、うめいてる!
「多様性といえば、人種と性」というのは、米国らしいといえば、そんな感じですけども。
その表現が「女子が男っぽく戦うこと」一点ばかりで、少々さみしい気にもなるのでした。
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「スケアリーストーリーズ 怖い本」★★★☆ [映画日記]
2019年の米国でスマッシュ・ヒットした作品。
稼いだわい、あぶく銭!
ギレルモ・デル・トロ自身が製作・脚本を担当、自身の原点である児童向けホラー小説を映画化しております。
1960年代の米ペンシルベニア州が舞台、ティーンエイジャーの仲良しグループによる、恐怖の体験談なのですが。
冒頭のハロウィンの場面から、なんとなく明るーい。
ご陽気ですよ、お子様たちがキャッキャ、キャッキャして!
音楽も派手だし、「な〜んだ、別に怖い映画じゃないじゃん。フン、所詮、原作は児童向けだわな」と思っていたら。
20分に1回くらいの頻度で訪れる恐怖場面が、心臓に悪い。
画面を観ていられないくらい、コワーイ!
確かにスケアリーじゃーっ、ギャーーッ!!
通常は陽気、恐怖場面は妖気、というメリハリがスゴかったです。
まんまと恐怖のどん底に突き落とされてしまいました、「児童向け」作品で!
ワシも、まだまだ童だわい!!
見事な演出をなすった監督は誰かと思ったら。
かつて「トロール・ハンター」や「ジェーン・ドウの解剖」など、わたくしが好きな恐怖映画を手がけたアンドレ・ウーヴレダルさんだと知って納得でした。
このお話が米国のお子様たちにウケている、というのも分かる気がします。
恐怖ネタの多くが、近所で有名な幽霊屋敷とか、畑のかかし等、お子様の生活や通学路で馴染みのあるもの。
恐怖ネタっていうのは、日常感があるほうが怖いですのでね。
キーアイテムは幽霊屋敷で見つけた古い本で、主人公の女の子は作家志望っていう設定も面白いです。
本縛りの本ホラー!
文系ホラーなんですよ!!
また鑑賞中、「この映画の娯楽感、どっかで味わった気が」と思ったら。
本作の数年前に公開されて大ヒットした「IT/イット “それ”が見えたら、終わり。」っぽい。
”それ”っぽいよ!
時代設定は1960年代のはずですが、ノリは「IT/イット」と同じ1980年代風なんですよね〜。
みんなでワイワイ怖がる「オバケ屋敷ムービー」という、流行のジャンルに仕立てたようです。
みんな稼ぎたいんですよ、1円でも多く!
そんな作品でしたけども。
ヒットしたので、続編も製作中〜。
ライバル作「IT/イット」は完結済みだし、続編公開時は、1人勝ちの予感〜。
小遣い程度の駄賃で出演していた無名の子役たち、次はギャラを上げてもらいなね!
「Mr.ノーバディ」★★★ [映画日記]
「ベター・コール・ソウル」等での好演で、ドラマ界ではブイブイ言わせているオデンさん!(←ボブ・オデンカーク)
ドラマでは、ひねくれた役を演じていて、すっかり、ひねくれたイメージが付いてましたけど。
染み込んで取れないんですよ、白シャツに染み込んだカレーうどんの汁みたいに!
今作は、「ジョン・ウィック」のスタッフが作り上げたアクションもの。
オデンさんが演じる主人公は、普段は大人しいけれど、キレたら怖い「剛腕パパ」という設定。
オデンさんが進出してんの、「おじさんが強い」系というジャンルに!
強盗、ヤンキー、ロシアン・マフィアを相手に、「ひねくれイメージ」で売っていたオデンさんが、格闘、銃撃、大暴れ。
オデンさんにアクションのイメージが全く無かったので、ビックリしました。
オデンさん、ものすごく、ものすごく…動けてる!
もう十分!!
オデンさんって、実はカッコよかったんですね〜。
オデンさんから、「イケおじ」という新たなポテンシャルを引き出していました。
オデンから、新たなお出汁が出てるんです!(←おいしそう)
拳でも、銃でも戦えて、そこいらにある道具を組み合わせて、サッと武器まで作れてしまうオデンさん。
家では、熟女妻に愛され、息子や娘のこともかわいがる、というマイホーム・パパだし〜。
「おじさんが強い」系の他作品「イコライザー」や「96時間」などで見られた、楽しい要素が大体入ってる。
全部入りのおじさんなんですよ!
スクリーンから、漂ってました「ヒットしそうな映画」の香りが。
銭の臭いですよ!
共演はクリストファー・ロイドとか、マイケル・アイアンサイドとか、知る人ぞ知る、古い良き人材。
悪く言えば、賞味期限が切れて久しい、化石のような男たちなのですが!
彼らも、いい感じに再利用されていました。
オデンさんの妻役は、近年ではワンダー・ウーマンの母役で活躍しているコニー・ニールセンということで、あらゆるキャスティングが渋いです。
おじさん客に向けたおじさん映画なのだと思います。
どうにか続編も製作してほしいな〜、クリストファー・ロイドが天国に旅立つ前に。
三途の川を渡る前に〜!
「ジョナサン -ふたつの顔の男-」★★★ [映画日記]
2019年に日本公開された、SF風味のスリラー作品です。
amazonプライム・ビデオで観るには最適の「ちょっとした小話」。
口寂しいときに、ちょいとつまめる気楽なスリラー!
まあまあ面白かったです。
アンセル・エルゴートが演じる主人公ジョナサンは多重人格。
マルチ人間ですよ!
首に埋め込んだメカにより、昼間はジョナサン、夜間はジョン、という二重生活を送る毎日。
1日を分け合ってんの、2つの人格で!
お互いの日常は、ビデオレターで情報交換をしています。
まるで恋人同士の交換日記!(←死語)
ある日、夜間担当のジョンの服から、バーの紙ナプキンが出てきて、昼間担当のジョナサンがジョンに「アンタ、どこ行ってた?」。
「もしやワシに黙って、デートしてたんか?!」と疑いの目!
夫婦ゲンカ(みたいなやつ)に発展!!
2人の人格に、1人の女が加わって、妙な三角関係になるところが楽しいです。
名脇役なんですよ、2人の人格に抱かれる女が!
出演者の数は少ないのに、複雑な人間関係や、コミュニケーションのすれ違いが描かれていて、コスパ最高。
ギャラは抑えて、物語は充実!
ジョナサンは生真面目、ジョンは陽気な遊び人という人格なのですが。
主に髪型で個人を判断。
ジョナサンは横分け、ジョンは毛先が遊んでる!
「タッチ」のカッちゃんとタッちゃんみたいなもんですよ!!
2人の人格は、双子のような、恋人のような、家族のような、不思議な絆を持っています。
切っても切れない関係ですが、もつれた人間関係の結末は一体どうなる?…という点が見どころです。
ラストシーンは、いろんな解釈が可能なタイプで、いい感じにまとめていたと思います。
SF短編小説でも読んだ気分になれる作品でした。
物語の序盤には、探偵が出てくるのですが、演じているのはイケメンのテレビ男優ボマ夫さん!(←マット・ボマー)
観ながら「こんなシュッとした美形の探偵はいない。尾行してても、華がありすぎ目立つわい」と思ってしまいました。
ジョナサンの主治医を演じているのは、パトリシア・クラークソンでした。
「メイズ・ランナー」シリーズでもそうでしたが、何か研究している役を演じると印象を残しますね。
ハマり役が研究ババアなんですよ!
白衣も似合うし、怪しさも出せています。
インテリ系・怪奇女優なのでしょうね。
「密航者」★★★ [映画日記]
主演はアナケンなのですが。(←アナ・ケンドリック)
今度のアナケンは宇宙に行った!
宇宙服を着て、ロケットで飛んでったわい!!
SF映画に、ガール風味のアナケンが出ていることが不思議〜。
正直、似合わぬ!
しかし、そんな違和感が新鮮でした。
アナケンを乗せたロケットが、宇宙ステーションにドッキング。
しばし宇宙で暮らすことになったアナケンですが、宇宙ステーションに不具合が起きる、という展開。
西洋の宇宙映画では、エイリアンが出て来ない場合、人間の危機は「酸素不足」で表現するのがお約束。
今回の物語でも、やっぱり「なんかさ〜、酸素足りん」というセリフが続出。
「酸素不足」という作品ジャンルでした!
乗組員が多すぎるから「口減らし」をしたい、という、なんとも道徳的なスリラーに発展。
なんか教育的〜!
一体誰が犠牲になるのか、という点が見どころの作品です。
乗組員は数人いるのですが、人種も様々。
ラストまで観ると、「人種映画」としての趣も感じられるし、奥深いお話でしたけども。
全体的に、めちゃめちゃ陰気〜!
ずーっと真っ暗!!
観終わった瞬間までひたすら辛く、観客を心苦しい気持ちにさせる、珍しいタイプのSF映画に仕上がってました。
船長役は、近年では持ち前のオカルト顔で、オカルト路線を極めつつあるトニ・コレットでした。
今作でもイキイキしてるね、そのオカルト顔!
あの顔で、観客をオカルト世界にいざなってくれていました。
オカルト世界への、夢先案内人なんですよ!
生物学者役を演じているのは、テレビ男優のダニエル・デイ・キムさんなのですが。
アナケン、コレットの次の、3番手という大役。
テレビ男優としては、かなり良い扱いだと思います。
劇中で、ダニエル・デイ・キムさんが死んでしまうか、生き残るのか、興味津々。
アジア代表としても重要な役だったと思います。
鑑賞中は「がんばれアジア」という気持ちになっていました。
作品は、元々ソニー・ピクチャーズが配給権利を持っていたようですが。
コロナ等いろいろあって、結局Netflixが権利を買い取り、2021年5月に配信〜。
結局、Netflix様が垂れ流し〜!
いつだって、Netflix様がダダ漏らす!!
しかし、それで良かったと思う〜。
劇場で流すには陰気すぎて、今だと客がふさぎ込んじゃいますからね。
「アオラレ」★★★ [映画日記]
あおり運転の主がラッセル・クロウって、コワイ。
迫力があるんですよ、太ってるし!
目もすわってるし。
なんかもうあの人、体も顔も最悪〜!(←散々な言いようですが)
今作は、スティーヴン・スピルバーグ作「激突!」を思わせる、本格ドライブ・スリラーですよ、運転映画!!
そうは言っても、あおりドライバーのラッセル・クロウは、車から降りて攻撃してくることも。
結構、歩いてました、地べたも!
あおり歩行ですわな!!
ラッセル・クロウによると、役作りには「ジョーズのサメ」を参考にした、とのこと。
なるほど、確かにシンプルな悪役でした。
どこかに人間性があるか、というと「無い」タイプ。
ひたすら、悪意だけ掲げて襲ってくる人で、「よくこんな単純な役をラッセル・クロウが引き受けたな〜」と思って、うれしくなりました。
このまま、オスカー受賞からB級男優に仕上がった人物、ニコラス・ケイジの域まで行ってほしいです!
あおり運転の被害に遭い、ひたすらラッセル・クロウに追われるのは、シングルマザーのレイチェルなのですが。
正直グズな子!
アンタ、向いてないよ運転!!
冒頭から、レイチェルが仕事に遅刻。
寝過ごしたんですよ!
レイチェルがイライラしながら自家用車を運転し、ラッセル・クロウの車に向かって、感じの悪いクラクションを鳴らして始まる物語なんですよね〜。
ラッセル・クロウの車に向かって「ブッブーーーッ!!」ですよ。(←クラクションの音イメージ)
レイチェルの遅刻のせいで、家族からご近所、売店で会話した人まで、あらゆる周辺人物がラッセル・クロウのえじきに。
レイチェルが寝過ごしてなかったら、全員平和に暮らしていたことでしょう。
まずは、遅刻の常習犯で、「今ですね〜、渋滞にハマっちゃってるんですよ〜」なんて安い言い訳をするレイチェルにイライラしてしまいました。
車で息子を学校まで送る時も、運転中に、よそ見をしまくりのレイチェル。
あぶなっかしい子!
ヒヤリハット女ですよ!!
自家用車内に仕込まれていた、謎の携帯電話を発見するレイチェル。
その携帯電話に着信があると、のこのこ出るレイチェル。
なぜ見たこともない電話に出る!?
ああレイチェル、余計な行動をしがちな子!
携帯電話でラッセル・クロウが「お前の知人からターゲットを選んでやる。名前を言え」と、レイチェルに脅し文句。
悩んだ挙句、レイチェルが挙げた名前は、仕事のお得意様!
世話になったお方を、生贄に差し出したわい!!
ある意味「レイチェルはレイチェルでワルだな」と思いました。
「ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット」★★★ [映画日記]
2017年のDCヒーロー映画「ジャスティス・リーグ」を、本来の監督であったザック・スナイダーにより再編集。
アメコミ映画では珍しい、ディレクターズ・カット版として再登場〜。
もういっぺん、オギャーと産声あげたわい!
しかし、完成した本編時間は4時間て…。
やりすぎじゃーっ!
スナさん、そこまでやらんでいい。
スナさん、ワシらを殺す気かーっ!
今作は、amazonプライム・ビデオ内のレンタルで鑑賞いたしましたけども。
わたくし、レンタル料金399円を見事に支払いきりましたよ、一回で!
本編時間が4時間ってことは、1時間あたり約100円という換算に。
再生ボタンを押す前は「見せてもらおうか。1時間100円の映画とやらを」と、シャア・アズナブル調でつぶやく、ニヒルなわたくしでした。
オリジナル版の制作時には、監督業の途中で「娘さんの自殺」という悲劇に見舞われ、降板せざるをえなくなったスナさん。
今回の再編集版では、映画作家としての無念を晴らすかのような、執念を感じる力作に。
オリジナル版は、安い「戦隊もの」のようなダサ作品でしたけども。
再編集版の印象は、オリジナル版と全く違う。
信じられませんが、カッコよくなってます!
曇天を中心とした絵画調の背景、色彩を抑えた深い陰影、多用されるスーパースロー映像。
代表作「300〈スリーハンドレッド〉」のような、 純度の高いスナさんワールドが味わえました。
これまで、同ジャンルでライバル作の「アベンジャーズ」には、全く勝つ部分がなかった「ジャスティス・リーグ」ですけども。
今回の再編集版で、少なくとも「映像美」という点では「アベンジャーズ」に勝ったと思います。
見た目だけは勝てたんですよ!
劇中では、ヒーローが6人も出てきますけども、彼らのバックグラウンドも深掘り。
たっぷり表現できています、なんたって4時間もありますから。
4時間もありゃあ、何でもできますよ!
とくに、オリジナル版では最もダサかったヒーロー「サイボーグ」が、心のドラマを増量して、クールに大活躍。
結果的に、6人まんべんなく見せ場があって満足できました。
陽気な部分をフィーチャーしたオリジナル版と違って、再編集版では陰気なエピローグまで付いてます。
全体的に、ダークで野心的なアメコミ映画に仕上がっていました。
当たり前ですが、基本的な物語は、オリジナル版と変わらないんですよね〜。
お話は、「アベンジャーズ」の方がワクワクできて面白いと思いました。
ベン・アフレックが演じるバットマンを見れるのは、今作で最後だと思うのですが。
バットマン周辺のキャスティングが絶妙〜。
珍味〜!
ベンも、鍛えているのか痩せていて、妙にカッコいいし〜。
顔アップなんて、ジョージ・クルーニーに見えてくるという錯覚!
執事アフルレッド役が、ジェレミー・アイアンズっていうのも、すごく良い。
このキャスティングで、バットマンの単独映画を観てみたいな。
また「ザック・スナイダーカット」で作りゃあいいじゃない。
何でもかんでも、作りたい映画は「ザック・スナイダーカット」でやりゃあいいじゃない、4時間超えで!
「2分の1の魔法」★★★☆ [映画日記]
2020年に劇場公開された、ピクサー製のCGアニメ作品ですけども。
「ふ〜ん、またピクサーのアニメですか。ヒマだし再生してみるか。ああどっこらしょ」と、ソファーに寝っ転がって再生開始〜。
「つまんなかったら、途中で観るのを止めますからね。もう知りませんからね」という低いテンションのまま、半目で観始めましたけども。
いや〜、なんと言うかですね〜、ナメてました。
すんません!(←ひれ伏して)
クライマックス、号泣〜!!
久々に涙が止まらん、これは良い話。
カット割りもカッコいいし、キャラクターの芝居もいちいち細かいし、演出面も最高。
この作品は一見地味ですが、ピクサー作品としては「リメンバー・ミー」に次ぐ傑作なのでは?!
舞台は、ドラゴンやユニコーンなど、夢いっぱいの生き物が生きている架空のファンタジー世界。
異世界ものですわな、中二の世界!
かつては魔法が使える世界だったけれど、科学の発展により魔法は廃れてしまった、という基本設定。
エルフの兄弟イアンとバーリーが、ふとしたことをきっかけに、非日常的な冒険を始めるというお話です。
弟イアンは弱気な高校生。
声はトム・ホランドが担当しています。
兄バーリーは陽気すぎるくらい、陽気な子。
まるでアホの子!
声はクリス・プラットが担当しているのですが、ハマってる〜。
ホント、アホの子がハマるよね〜!(←失礼)
そんな明暗極端ブラザーズが、下手な魔法で、死んだ父親を下半身だけ復活させてしまうのですが。
復活した下半身はズボンを履いている。
なぜだ!?
魂を蘇らせたなら、その姿は真っ裸なのでは!?
父の下半身が露呈するはずでは!?…と思いましたけども。
それでは子ども客に見せられませんのでね、まあいいです。
上半身も復活させるべく、冒険に出かける兄弟ですけども。
弟イアンは、父親との記憶が薄いため、「パパに会いたい。パパと再会したら、あれも一緒にやりたい、これも一緒にやりたい」とワクワクしています。
ウブなネンネですよ、フン、所詮は次男!
そんな弟イアンが「やりたいことリスト」にチェックを入れるという、クライマックス場面で泣きました。
アメリカ人って「やりたいことリスト」が大好きで、映画やドラマの中でも散々登場しますけども。
こんなに泣ける「やりたいことリスト」を見たのは初めてです。
涙の「箇条書き」ですよ!
息子が父の魂と再会する話なのかな〜、と思ってましたけども、それだけじゃない展開がアメージング。
怒涛の伏線回収を経て、家族全員が成長する、完全に前向きなストーリー。
感動作ですが、キャラクターたちは一切涙を流さないところも良いんですよね〜。
日本の映画なんて、予告編から登場人物が泣きまくり〜。
劇中で、兄弟の母親は男性と交際しているのですが。
そのボーイフレンドはケンタウロスて!
馬人間に抱かれてるんですよ!!
どんなふうに抱かれているのかは不明です。
そんな場面を描いてしまったら、子ども客に見せられませんのでね。
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