「アーミー・オブ・ザ・デッド」★★★ [映画日記]
ザック・スナイダーが原作・製作・監督・脚本を担当して、入魂ですよゾンビ映画に!
2021年5月に配信されたNetflixオリジナル映画です。
今回のゾンビ世界は、「ゾンビになったら、家族でも友達でも殺すしかない」等、普遍の魅力を継承しつつも、新味を加えてアップデート。
これは令和型のゾンビ映画ですよ!
物語の舞台はラスベガス。
「ゾンビに噛まれた人間は、まず体温が低下する」とのことで、検温器を持った人が、道行く人の体温を計っているという生活環境。
ゾンビを政治的に利用する政治家もいて、感染を踏まえた社会が成り立っているというあたり。
2020年以降のコロナ社会を模したかのようなゾンビ生活が新鮮〜。
初めてのゾンビ味に興奮〜!
この、いかにもアメリカ人が好きそうな感染社会の表現は、「先にやったもん勝ち」と思う〜。
スナさん、とっととやって大正解〜。
ゾンビ自体も、よくある枯れたゾンビ像とは、ちょっと違う。
意思を持つ新種のゾンビがいて、彼らのコミュニティにはリーダーも存在。
まるでゾンビ王国ですよ、死体の帝国!
なんとゾンビ同士の「交配」も可能な様子。
抱いたり、抱かれたりしてるらしいです、ゾンビが!
愛してんの!!
見た目はゾンビだけど、エイリアンとかスピーシーズとか、ヴァンパイアとか、いろんな要素を取り込んで、もはや怪物の総合商社。
眺めているだけで楽しかったです。
そんなゾンビ帝国に忍び込んだ人間のチームが、金庫から大金を盗み出そうとするストーリー。
ゾンビ映画でありながらも「ミッション・クリア型」の構成で、ネタは盛り盛り〜。
チーム・リーダーで主人公のシングルファーザー役を演じたのは、デイヴ・バウティスタさんですよ。
レスラー上がりの、あの子!
これまでも「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」や、「ブレードランナー 2049」などの脇役で大活躍しているバウティスタさんですけども。
同じくレスラー上がりで、ハリウッドでも頂点を極めたドウェイン・ジョンソンと比べると、いまひとつアクション・スターとして決め手に欠ける人材でした。
ドウェイン・ジョンソンが「稼げるレスラー」なら、バウティスタさんは「稼げないレスラー」、「残念なレスラー」だったんですよ!(←ものすごく失礼)
今回、ザック・スナイダー作での主演で、一気にメジャー感が出たと思いますけども。
他のチームメンバーをグルッと見てみたところ、大体が無名!
みんな今すぐに死んじゃいそう〜!!
どうやら、出演者のギャラは抑えた様子。
実は、安い人材のトップがバウティスタさんだったのでした!(←失礼)
チームに金庫破りの仕事を依頼する日本人役は、真田広之さんが胡散臭く演じてましたけども。
どう見ても「アンタ、物語の後半で裏切るよね」という存在で笑いました。
あからさまなんですよ!
物語、設定、配役とも、アメリカ人の好みだと思う〜。
この映画が嫌いなアメリカ人はいないと思いますけども。
本編時間は約2時間半って長っ。
おかわり自由の定食屋みたいな、アメリカ人にはサービス満点、コスパの良すぎる作品でした。
「ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー」★★★ [映画日記]
サリンジャーさんネ、作家のサリンジャー。
はいはい、知ってます。(←ホントか?!)
代表作は「ライ麦畑でつかまえて」ですよね、ええ知ってます。
昔、読みました。(←ホントか?!)
ただ現在、本の内容を全く覚えていないだけなんです!(←あやしい〜)
J・D・サリンジャーさんの若かりし頃を描いた作品。
サリンジャーさんが、どんな過程を経て作家になったのか、「ライ麦畑」が売れた後どんな生活を送ったのかが、主に1950年代を舞台にして丁寧に綴られています。
まーね、あんまり丁寧に綴られているし、サリンジャーさんは別に変人でもないし。
1950年代という時代感も、あんまり無いし〜。
イマイチ、退屈。(←コラーッ)
劇中では、出来事が箇条書きのように淡々と語られていくのでした。
サリンジャーさんにまつわる裏話は、トリビアとしては面白いです。
サリンジャーさんの恋敵は喜劇王チャップリンだったんですね〜、知らなかった〜。
あと、「ライ麦畑」が売れた後は、まだ若いのに隠居生活を始めて、作家は実質引退していたんですね〜、知らなかった〜。
印税で暮らしていたのかな?
印税額を知りたかったです!(←コラーッ)
サリンジャーさん役を演じているのは、ニコラス・ホルトですよ。
あの、湯上がり卵肌の、湯上がり卵男優ですよ!
主演映画が製作され続けている、ってことは、ニコラス・ホルトにはニーズがあるのでしょうね、米国では。
ニコラス・ホルトといえば、2019年に製作された映画で、「指輪物語」の作者J・R・R・トールキンを演じた「トールキン 旅のはじまり」も記憶に新しいところ。
もしかして、これらの作品は、ニコラス・ホルトが作家を演じる「作家シリーズ」なんでしょうか?!
2作のニコラス・ホルトを比べてみると。
役作りに大差ないのが残念〜。
もしかしたら、無理なく演じられそうな役を選んでいるのかな。
ちなみに、amazonプライム・ビデオでは「ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー」についた年号は「2019年」ですけども。
実際の製作年は2017年でした。(日本公開された年が2019年)
作家シリーズとしては、1作目がサリンジャー、2作目はトールキンということになりますね。
3作目は北方謙三役を演じてほしい〜。(←無理ですか)
あるいはシェイクスピア役。(←極端)
劇中で脇役を演じているのは、大半がテレビ俳優なのですが。
そんな中で、大学教授役を見事に演じきっている男優を見て「あっ。ラッセル・クロウ出てるんだ」と思ったら。
よ〜く目をこらして確認したら、それはスペ公!(←ケヴィン・スペイシー)
本当に演技が上手〜。
なんかちょっと太ると、ラッセル・クロウとかスペ公とか鈴木ヒロミツとか、おじさんてみんな似てくるもんですね!
ただいま、男性へのセクハラ騒動により、業界では干されているスペ公ですけども。
今作は、騒動直前の出演だったようです。
今作でも、サリンジャーという若い男性に、最初は威圧的に接するも、やがて嫌われ冷たくされて、シュンとしてしまう役。
だからリアルで上手く見えたのかな。
「一度死んでみた」★★★ [映画日記]
オカルト・コメディです、オバケの喜劇。
オバ喜劇ですよ!(←略しました)
製薬会社の社長令嬢が父親に反発しながら生活しているものの、父親が死んだときには、父の死因の謎を暴いて、無念を晴らそうとする物語。
コメディですが、親子の愛憎劇という題材は、誰にでも受け入れられると思います。
家族が亡くなると愛憎スタイルも変わる、というのは普遍の魅力〜。
いいところを突いた脚本でした。
死んだ父は霊魂となって、娘の目の前に現れたりして、映像もオモローイ。
合成もグー!
死んだ家族が霊になるっていう表現は、ベタだけどグッとくるものです。
込み上げてくるんですよ!(←胃酸過多でしょうか?!)
設定も分かりやすい親切設計だし、とってもキャッチーな作品でした。
キャッチーは、キャッチーなのですが。
なんというか、キャッチーすぎるというか〜。(←わがまま!)
主演の広瀬すずちゃんがデスメタルバンドのボーカル役で、ライブハウスで声を張り上げていたり。
アニメ顔の吉沢亮くんが美貌を封印、存在感のない会社員を演じていたり。
「日本人の誰もが知っている若手タレントを、意外な形で起用した」という、狙い過ぎてるキャスティング。
設定のワクワク感を、一瞬の映像で観客に伝えてくる、見事な演出手腕。
「一度死んでみた」というタイトルや、劇中で使用される「死んで生き返る薬」の名前が「ロミオとジュリエット」からの引用だったり。
いちいち気が利くコピー能力!
全てがそつなくスマートで、不器用さ、泥臭さ、どん臭さ、田舎臭さは一切ナーイ!!
鑑賞中は「この映画、とってもオモロイけどさ〜。なんだかCM監督臭い。全てにおいて広告会社臭い」と思ったら。
後で調べたら、監督も脚本もCM作家さんでした。
電通作家さんですよ!
つまりは、高学歴の高給取りが作った映画ですよ、エリート映画!!
制作への情熱は、稼ぐ情熱。
誰にでも受けいれられようとしているから、カドが無い。
ツルンとノド元を抜けるスッキリ感!
スムーズなんですよ、飲みづらいお薬を、ゼリーに包んでサラッと流し込むみたいに!!
この作品に圧倒的に足りないものは、トゲトゲした作家性だと思いました。
映画の中には、不器用さ、泥臭さ、どん臭さ、田舎臭さは、あった方が良いと再確認できる作品でした。
「ウーマン・イン・ザ・ウィンドウ」★★★ [映画日記]
ジョー・ライト監督が、「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」の次に撮った作品。
観てみたら、まさかのスタイリッシュ・スリラーでした。
ヒッチコックだかピーコックだか何だかみたいなやつですよ!
2年前に出来上がっていた作品ですが、再撮影、製作会社の買収、コロナなどの影響で公開が伸び伸びに。
あんまり寝かされすぎて、腐る寸前。
痛む寸前ですよ!
2021年5月になって、Netflixが配信することとなりました。
「ウーマン・イン・ザ・ウィンドウ」って何かな〜、と思ったら。
窓枠業者の女社長かな〜、と思ったら、アパホテルの女社長みたいな!
深読みすれば色んな意味がありそうですが、主な意味は「自宅の窓から隣人を盗み見る女性」っぽい。
窓女ですよ、アルミサッシ女!!
ニューヨークで1人暮らしをしている、引きこもり状態の女性アナが主人公。
窓から隣人宅を覗き見している時に、犯罪を目撃してしまうアナ。
しかし自身は薬づけだし、もしかしたら幻覚を見たのかも?!…という展開です。
現実と妄想が入り乱れて、観客を翻弄。
本当に犯罪があったのか、犯人は実在するのか、という点が見どころで、いい感じに複雑でした。
舞台は一軒のアパートのみ、という、「ワン・シチュエーションもの」というのもクールでした。
「Netflixでサッと観る」には、ちょうどいい娯楽スリラー作だと思います。
ジョー・ライト監督って、代表作が「プライドと偏見」という「偏見」監督!
作風は、ものすごくイギリス臭いのですが。
臭みで魅了するんですよ、ドリアンみたいに!
今作も、米国製で米国を舞台にしていながらも、やはり「イギリス人がカッコいいと思うタイプのスタイリッシュ作」でした。
どこか冷たく乾いた空気感、ドロつきのない感触なんですよね〜。
ベトつかないんですよ、クイックルで拭いた床みたいに!
よくある米国スリラー作での、汗とか血とかのベタベタやギトギト、ギラギラ感が無いのが特徴だと思います。
出演者が、衝撃的に豪華〜。
主人公アナ役はエイミー・アダムスですよ。
今回は、「近所で有名なお騒がせババア」という役どころですが、なんとなく様になっています。
「近所で有名な、ちょっと美人のお騒がせババア」という感じが、リアルなんですよね〜。
エイミー・アダムスって、まあまあお肉が付いているじゃないですか〜、腹回り!
「引きこもってスナック菓子ばっかり食べているから、腹にお肉が付いた」という感じの説得力に繋がっていました。
スナック女なんですよ、サッポロポテトのバーベキュー味女!
隣人役のゲイリー・オールドマンが、昔よく演じていた「危険な男」の味を出していてカッコいい。
さすが怖くて、シビレました。
「脅し慣れ」を感じました!
謎の女役はジュリアン・ムーアですよ。
スキニージーンズと茶色い革ジャンが似合っていて、こちらもカッコいい〜。
足も細かった〜。
その他の出演者は、ジェニファー・ジェイソン・リー、アンソニー・マッキー、ワイアット・ラッセルと、どういうわけかスゴイ面子が揃ってます、こんな映画に!
近年稀にみる、スターの無駄遣い映画でした!!
「プライベート・ウォー」★★★ [映画日記]
主演のパイ子が本気!(←ロザムンド・パイク)
実在したジャーナリストで、アイパッチがトレードマークのメリー・コルヴィンさんを主人公とした作品です。
コルヴィンさんの職業は戦場記者。
2000年代のイラクとかアフガニスタンとか、戦場のど真ん中で取材を敢行するコルヴィンさん。
廃墟と化した街中にて、激しい銃撃が行われる中で仕事をすんの。
弾をよけながら走るんですよ!
これが、高学歴のアメリカ人ブロンド美人が仕事をする場所なんでしょうか?!
信じられません。
ビックリしすぎて、ア然としてしまいました。
監督は、ドキュメンタリー映画を撮っていた人だそうで、戦場の描き方もリアル。
本当に怖いです。
そんなコルヴィンさんが、爆発により片目を失明するところから始まり、数年後に戦地で亡くなってしまうまで、どう生きたかが描かれています。
ショックで精神が弱っているのに、どうして再びわざわざ危険な地に行って取材をするのか。
それは、「平和ボケした民たちに、無惨に死んでいく子供がいることを伝えるため」と本人は言うけれど。
それを、なぜ命を懸けてやり続けるのか。
その理由は、映画を観てもわかりませんでした。
ワシら凡人には理解できない、崇高な使命なのでしょうか。
あの「身を捧げている」姿には、尋常じゃないものを感じました。
世界には、すげえ女がいるもんですね。
これは「世界のすげえ女」シリーズですよ!(←他のラインナップは思いつきませんが)
製作はシャー子!!(←シャーリーズ・セロン)
コルヴィンさんに目をつけるとは、「さすがシャー子」と思いました。
コルヴィンさん役を演じられる大物女優は、シャー子やキッ子くらいでしょうけども。(←ニコール・キッドマン)
パイ子も、負けてないくらいがんばっていました。
今作での演技で、「骨のある女優」の仲間入りをしたと思います。
シャー子やキッ子と肩を並べたんですよ!
コルヴィンさんのプライベートにも迫った内容。
実は、恋多き女!
戦場での相棒は、ポール・コンロイという名のカメラマン。
演じているのはジェイミー・ドーナンですよ、世界レベルのセクシー男優!
鑑賞中は「なるほど、つまりコルヴィンさんは、相棒のイケメンに抱かれるんだね。ジェイミー・ドーナンは抱き役だね」と思っていたのですが。
そっちには一切抱かれナーイ!
コルヴィンさんの歴代ボーイフレンドは、いっつもボロボロなオッサン!!
好みのタイプが「ボロボロなオッサン」なんですよ!!
そんなコルヴィンさんのことを「いいな」と思ってしまいました。
映画の後半まで、無名のオッサン男優に抱かれていたコルヴィンさんですけども。
最後のボーイフレンド役は、スタンリー・トゥッチなんですよね〜。
有名男優に昇格ですよ、ハゲてるけど!
キャスティング・スタッフも、「最後に抱かれる相手だから」と奮発したのかもよ。
「ファイティング・ファミリー」★★★☆ [映画日記]
プロレス映画なのですが、笑えるし泣けるし、もう最高〜。
この映画がアカデミー賞、作品賞、監督賞、主演女優賞、助演男優賞を受賞で良いんじゃないの〜。
そんな時代が来てほしい〜。
2019年に日本公開された、米英合作作品。
イギリスに実在する、プロレスラー一家がメイン・キャラクターなのですが。
父役がニック・フロスト、母役がレナ・ヘディ、息子役が「ダンケルク」で飛行士役だったジャック・ロウデン、娘役がピュー子て!(←フローレンス・ピュー)
ニック・フロストがレナ・ヘディを抱いて、生まれた娘がピュー子、っていう説得力!!
すでにミラクル・キャスティング〜。
ニック・フロストなんて、今までレスラー役を演じてないのが不思議なくらいハマってる。
アンタ、イギリスの長州力〜!
家族愛を描きながらも、ピュー子演じる娘(リングネームはペイジ)をフィーチャーした物語。
ピュー子の魅力ありきの作品なんですね〜。
ペイジが、イギリスから、プロレスの本場アメリカに渡って武者修行。
夢の舞台「WWE」でのリングデビューを目指すという展開なのですが。
簡単に言うと、「魔女の宅急便」と、ほぼ同じ構成。
鉄板ストーリー!
ビジネスの荒波にもまれ、コンプレックスに押しつぶされそうになりながら、現実と折り合いを付けつつ、自分の持ち味を磨いていくペイジ。
厳しい生活の中には助けてくれる人もいる、という内容で、「仕事を持ち生きていくとは、どういうことか」が全て入ってます。
「魔女の宅急便」の主人公は魔女、「ファイティング・ファミリー」の主人公はレスラーですが。
彼女たちが体験するトラブルや悩み、そして恥は、誰しも「わかる〜」と、共感できてしまうところが良いんですよね〜。
わたくしも恥だらけの人生でしたから!
誰でもそうですよ、みーんな恥かいて生きてっから!!(号泣)
米国でのコーチ役でヴィンス・ヴォーンが、プロレスラーのスターとしてドウェイン・ジョンソンが本人役で出たーっ。
今作の元ネタはドキュメンタリー番組で、映画化の際にドウェイン・ジョンソンがプロデュースをしているというのも、ちゃっかりしてる。
さすが儲け方を知ってる銭レスラー!
今作でのドウェイン・ジョンソンはチョイ役のゲスト出演でしたけども。
まー性格のよろしい設定の本人役で。
キラキラ、夢のようなレスラー様!
ペイジがドウェイン・ジョンソンを見かけた場面では、ペイジが「あらやだ、抱いてほしい」みたいな表情。
出番は少なくとも、おいしい役のドウェイン・ジョンソンでした。
というわけで、プロレスラー映画の決定版となった「ファイティング・ファミリー」ですけども。
レスラーと映画の相性って割と良いですね、演じる人は大変でしょうけども。
他のプロレスラー映画を交えて、「レスラー映画祭」とか開いてみてほしい〜。
「ウィズアウト・リモース」★★★ [映画日記]
劇場公開をあきらめて、amazonプライム・ビデオで配信された作品。
あきらめモードの作品ですよ!
1990年代に人気を博した、トム・クランシー原作映画。
ひと儲けしたんですよ!
ジャンルは「軍事サスペンス」ですね、「いま、そこにある危機」とかの。
「いまそこ」映画ですよ!
2021年にもなって、またしてもトムクラ原作の映画が出来上がりました。
日本人としては、あの人が書いた話は、それほど面白いと思わないのですが。
アメリカ人は大好きなんですね、トムクラが!
お国柄ですわな!!
今作の主人公は、トム・クランシー作「ジャック・ライアン」シリーズで脇役だったCIA工作員ジョン・クラーク。
脇役が、躍り出てきたセンターに!
しゃしゃり出たわい!!
原作のタイトルは「容赦なく」で、「ジャック・ライアン」シリーズのスピンオフ的内容。
なるほど、劇中の主人公ジョンは復讐に燃えていて、キレ気味になることも。
確かに「容赦のない子」でした!
今回の映画では復讐劇と共に、米国とロシアの冷戦や、米国軍の闇を描いて、原作よりも話を大きくアレンジしているようです。
また原作は1990年代に書かれているためか、映画の中では、スマホやパソコンなどのハイテク要素は排除の傾向。
まるでインターネットのない世界ですよ。
現代社会に合わない気もしましたが、そんなところもアメリカ人は好きなのでしょうね。
たまらんのでしょう、泥臭さも!
結果的に、どこか懐かしい、やはり1990年代風のお話で、まあまあ面白かったです。
製作・主演はマイケル・B・ジョーダンで、続編も作りたいらしく大熱演。
水中での演技場面も多くて、大変そうなマイケル・B・ジョーダンですけども。
乗ってる飛行機が、爆撃されて海に墜落。
別の場面では、運転している車が、高い橋から川にドボーン!
それでもピンピンしてる主人公って、スゴイですね。
元気にお水から上がってくんの!
お水に強い油性マジックのような主人公でした!!
共演者はジェイミー・ベルやガイ・ピアースで、いい感じの人選になっています。
2人とも国の組織で働く、かなり硬くて大人の役。
どうしちゃったの2人とも、似合わない背広なんか着ちゃってさ〜!
いつものジャージに着替えたら?!(←失礼)
とくにジェイミー・ベルは「子どもだ、子どもだ」と思っていたので、成長ぶりに目を細めました。(←祖父かい)
Without Remorse (John Clark Novel, A Book 1) (English Edition)
- 作者: Clancy, Tom
- 出版社/メーカー: Berkley
- 発売日: 1994/08/01
- メディア: Kindle版
「ガーンジー島の読書会の秘密」★★★ [映画日記]
ガーンジー島ですよ、ガーンジー島。
ベン・キングズレーの映画とは違いますから〜!(←それは「ガンジー」)
2019年に日本公開された、ミステリー調の英国ドラマ作品です。
舞台はイギリスのガーンジー島、時代は第2次世界大戦直後ということで。
「戦後もの」ですわな。
戦争が終わっても、その影響は人に残り続ける、というようなテーマだと思います。
ちょっぴり重ためのテーマですが、主人公の女性ジュリエットがオシャレで軽やか。
職業はベストセラー作家ですよ、売れてる子!
どうやら随筆で一発当てたらしいです。
戦後の林真理子ですよ!
ジュリエット役を演じているのがリリー・ジェームズということで「女子映画」っぽさも漂い、カジュアルにも楽しめる映画に仕上がっていました。
物語の序盤から、プロポーズされているジュリエット。
お相手は華麗な軍人様ですよ、カネ持ってそうな!
もらった婚約指輪も、でっけぇ〜。
まるで武器でした!
そんなジュリエットが、ふとしたことで始めた文通。
そちらのお相手はガーンジー島で読書会をしている、というので、会いに行くという展開です。
手書きの文で交流する、って、何だかステキですね。
文通ロマンですよ!
読書会は戦時中から開催していて、文学が人の心を潤していたことを物語っています。
また、作家ジュリエットが読書会に参加することで、書く人と読む人が一体となり、文学の世界が一つになる、というか〜。
1冊の本で、ここまで、見知らぬ他人同士を繋ぐことができるのか〜、と、文学の奥深さを感じました。
そんなジュリエットが、読書会のメンバーが心に秘めている出来事を解き明かす物語。
暴くんですよ、バラしちまうの!
そんなミステリー部分は「へ〜、そうなんだ〜」という感じで、淡々と観ていたのですが。
一番の見どころは、ジュリエットの文通相手が、養豚業を営むイケメンという点。
豚メンですよ!
戦時中、さばいた豚で作った豚料理が、美味しそう〜。
わたくし、豚肉が好物ですので。
豚こまのブタミンパワーで生きてる人間ですので!
あの豚料理を見て、ヨダレが出そうになりましたけども。
婚約中のジュリエットが、養豚業のイケメンに心を動かされる場面にグッときました。
でっけぇ指輪をくれる華麗な軍人に抱かれていながらも、養豚業のイケメンにも抱かれたがるんですよ!
指輪か豚か、どっちか選べ、っていう話!
「指輪を選ぶわな普通!!」と、心で叫びながら鑑賞いたしました。
「ANON アノン」★★★ [映画日記]
1997年のSF作品「ガタカ」で有名になった映画作家がニコルさん。
ニコルさんてアンドリュー・ニコルさんのことですよ、C・W・ニコルさんじゃありませんから!
最近は、手がけた作品に大きなヒットもないものの、なぜか現在も映画を撮らせてもらえている、という稀な方。
干されない旦那様!
今回のニコルさん監督作は、2018年製で、ジャンルはやっぱり近未来SF。
検索システムが内蔵された人間の視界で、見たものは全て動画ファイルとして保存される、という基本設定。
人間がスマホ化してんの!
視界映像の改ざんを行うハッカーが現れて、展開が始まるお話。
SFアイデアとしては珍しくもないのですが、ニコルさんのセンスで一味違うものに。
舞台である大都会の風景は、色彩を極端に抑えていて、まるでモノクロです。
建物の内装も、コンクリートの打ちっぱなしとか、クールなモノトーンで統一されていて、なんとなく1990年代の感覚。
そして主人公の刑事役が、とっくに旬を終えてるクライヴ・オーウェンっていう!(←失礼)
「1990年代に稼いだ経験のあるおじさん」らしい、ちょっと古臭いビジュアルが、逆に新しい。
逆にSF、っていう!
効果音も少なめでダサくならず、冷たい未来観に仕上がっているところは、「さすがニコルさん」と思いました。
クライヴ・オーウェンという人材を孤独な刑事役にして、殺人の容疑者である若い美女を追う、という展開も、ハードボイルド小説みたいでカッコいい。
美女を逮捕するつもりが抱いてしまう、という場面もオモローイ。
「大人のSFミステリー映画」という趣で、これは意外に良い映画〜。
あまりにも世界観がクールすぎて、クライマックスがほとんど盛り上がらなかったのは残念でした。
クライヴ・オーウェンが追う美女役を演じているのが、アマンダ・セイフライドですよ。
今年、モノクロ作品「Mank/マンク」での演技でアカデミー賞他、数々の賞レースに食い込んでいたアマンダ。
今作でも、色彩のない世界でアマンダの美貌が映えてます。
なんか〜、「Mank/マンク」で賞レースに食い込んだイメージで、アマンダが大女優に見えてきたから不思議です。(←失礼)
しかし「ANON アノン」でのアマンダは無駄脱ぎ!
もったいない、こんな作品で!!(←失礼)
これまで、いくら脱いでも評価されなかったアマンダ。
「Mank/マンク」では、まさかの「服着たままで」のアカデミー賞ノミネートでしたから。
人が何の理由で、いつ、どう評価されるのか、わからないものですね。
劇中には、クライヴ・オーウェンに抱かれる場面もあるアマンダですが。
そこではブラを着けたまま、っていう「謎仕様」でした。
「ホムンクルス」★★★ [映画日記]
劇場で公開した後、すぐにNetflixで世界配信されました。
日本の同名マンガを原作とした実写作品です。
まず主演の綾野剛さんに、「ほぼホームレス」という役がピッタンコ〜!
ホントにリアル、臭ってきそう〜。(←失礼)
服や肌が汚れているわけでもないのにスゴーイ。
フラフラと歌舞伎町をうろついて、ぶつかったヤクザに絡まれる姿もイメージ通り〜。(←失礼)
綾野さん、今回の役は簡単だったんじゃないかな。
綾野さんに絡んだヤクザ役を演じたのが内野聖陽さん、ていうのもベタですわな。
「聖陽さん、アンタまたヤクザ役?!」と思いました。
綾野さん演じる主人公が、闇医者により、謎の外科手術を受けて始まる物語。
おでこに穴を開けられんの!
雑に掘られてしまうんですよ、ドリルで!!
「第3の目」を得たかのように、おでこに穴があいた状態だと、超常的なものが見えるようになる主人公。
オカルト手術だったんですよ、あの「穴開け」は!
他人の心理が具現化して見える主人公が、寂しさや罪悪感を抱いている者とふれあい、なぜか無料でカウンセリング。
他人の悩みを読み取り、彼らの心を解き放つ綾野剛!
ホームレス×江原啓之さんみたいなキャラクターでした。
また、冒頭から記憶喪失の主人公。
「一体自分は誰なのか」という心理ミステリーも同時展開。
そこは、ちょっぴり大人っぽい味わい。
全体的には「ポップな黒沢清作品」という感触で、確かに世界でウケそうな作品に思えました。
闇医者役を演じた成田凌くんが、魅力全開で素晴らしい味。
成田凌くんて、ホントに器用で上手ーい。
小悪魔的なキャラなんですよね〜、男・小悪魔!
頭は良さそうだけど不気味、それでいてキュート、というキャラクターは成田凌くんにしか表現できぬ。
今どきのマッド・ドクター像を作り上げていたと思います。
今回の成田凌くんは、綾野剛さんを食う勢いでしたけども。
まさかの「綾野殺し」ですよ!
しかし、綾野剛さんは腹筋が意外なほどに割れていたので、やっぱり綾野さんの勝ちかな〜。
ホームレス役なのに鍛え抜いてましたので!