「英雄は嘘がお好き」★★★ [映画日記]
2019年に日本公開された、フランス、ベルギー合作のラブコメ映画です。
メイン・キャラクターの殿方で、軍人ヌヴィル役を演じているのは、ジャン・デュジャルダンですよ。
デュジャルダンですよ、デュジャルダン。
コチュジャンでも、シャルダンでもありませんから!
彼のお相手で、いいとこのお嬢様エリザベット役を演じているのがメラニー・ロランという、魅力的な配役になっています。
1801年が舞台、エリザベットの妹がヌヴィルと婚約するものの、ヌヴィルは戦地にGO。
戦地から手紙をよこさない薄情なヌヴィルに代わり、エリザベットが嘘の手紙を自分で書き、妹に渡して始まる物語です。
なんとも古典風のお話ですが、笑える場面が次から次へと訪れて、まるでフランスの吉本新喜劇〜。
男女の立場も、ある時はマウントを取り、またある時はマウントを取られて、コロコロ変わって退屈知らず。
とっても面白かったです。
「嘘」という、普遍のテーマを題材にしたのが良いですね。
劇中では、男も女も嘘で人生を取り繕っているのですが、クライマックスとか、肝心な場面では本当のことを言うんですよね〜。
そんな場面はグッときました。
醍醐味ですわな嘘映画の!
監督・脚本は「おとなの恋の測り方」でもデュジャルダンと組んでいたお方。
いい腕前をなすってます。
「いい腕してるね。いい味出してるね、大将」と言ってやりたくなりました。(←ラーメン屋への賞賛かい)
デュジャルダンは、チャームポイントの「キラー・スマイル」を、今作では胡散臭さに転換。
立派な詐欺師に見えてしまうあたりがアメージング。
今作でのデュジャルダンを見て「ヤブ医者役も似合うかも」と思いました。
とにかくインチキ臭い役なら、なんでも似合うんですよ!(←ホメ言葉)
メラニー・ロランの方は、チャキチャキした姉であり、ダメな妹の面倒を見て、ときどき裏工作をしてピンチを切り抜ける、という頭の良い役がピッタンコ〜。
頭脳派のお転婆ですよ!
確かに、メラニー・ロランて「姉系の女」と思いました。
「姉系の面」をした、姉女優!
そんな姉が、お池に突き落とされたりする場面が面白ーい。
「ちびまる子ちゃん」家でもそうですが、普段はクールな姉が、たまにくだけると笑えるんですよね〜。
メラニー・ロランも、良い使われ方をしてました。
メラニー・ロランって、コメディ映画に出演するのは、今作が初めてなのだそう。
すごく上手かったから、またコメディ演技を見せてほしい〜。
もっともっと、お池に突き落とされてほしい!
お池に、頭から突っ込んでほしい女優・第1位です!!
デュダルジャンのキラースマイルが好物なので、うさん臭さ全開なのも大いに楽しみました。あのスマイルって男性にも効いちゃうんですよねぇ。あの表情で人をぶちのめすことができるようになると、ロバート・デ・ニーロへの道に近づきますね(何)
by stonkovic (2021-06-29 12:33)
stonkovicさん。
そうですね、デュジャルダンの次の展開は、「笑ったままの暴力路線」がいいですね!今のところ喜劇中心の活動ですが、ロバートデニーロみたいな怪演も似合いそう〜。いつかスコセッシ作品で暴力をふるってほしい〜。
by のむら (2021-06-29 14:28)