「クルエラ」★★★☆ [映画日記]
ディズニーのアニメ映画「101匹わんちゃん」で悪役だったクルエラ・ド・ヴィルが主人公。
彼女の若かりし頃を描いた実写作品ですけども。
甘さひかえめ。
むしろ砂糖不使用〜!
ディズニー作品でありながら、ディズニーらしさがほとんど無い、エッジの効いた作風が最高〜。
原作は元々エゲレス製で、おばちゃんの若かりし頃のお話ということで、自動的に舞台は1970年代ロンドンに。
舞台に合わせて、ファッションの路線もパンク・テイストに。
圧倒的な時代感で、不良感覚が満載のビジュアルがたまりません。
パッと見は、普通に、単館で流している小粋なイギリス映画みたいでした。
窃盗を働いて食いつないでいた、孤児時代のクルエラ。
ロンドンの街を逃げ回っている場面とか、まるでダニー・ボイルの「トレインスポッティング」みたい。
もはや、女スポッティングですよ!
ディズニーさん、こんな不良映画の製作を、よくぞ許してくだすった。
よくぞ書類にハンコを押してくだすったわい!
物語は、サイコ・スリラー、クライム、サスペンス、ミステリー、コメディ、復しゅう劇、家族ドラマ等、多くの要素を盛り込みつつも、それぞれがよく絡み、キレイにまとまっています。
不良映画でありながら娯楽作という点では、「スーサイド・スクワット」みたい。
不良エンタメというトレンドですよ!
20代のクルエラが、大物ファッション・デザイナーの元で修行をする、という基本設定は、女子映画っぽくて良いんですよね〜。
クルエラが悲しんで、苦しんで、憎んで、怒って、その負のエネルギーをどうするのかと思ったら、己の創作力にぶつける、という。
ファッショのデザイン画を描いて描いて、描きまくり!
服を縫って縫って、縫いまくり、ファッション・テロを敢行ーっ!!
クリエイティブで己の存在を示すところが素晴らしいし、最大の個性となっていました。
クルエラ自身のイメージって、これまでだと過去作で演じていたグレン・クローズだと思うのですが。
長いこと定着していたイメージを覆して、観客の想像を超えたスタイルと演技で見せつけてくるエマ・ストーンもたいしたタマ!
時にクールで、時に泥臭い難役を、とっても上手に演じてる〜。
惚れ直したわい!
クルエラの敵役で、大物デザイナー役を演じたエマ・トンプソンも、エマ・ストーンの敵にふさわしい存在感。
貫禄のWエマでした!
エマ・トンプソンの執事みたいな役は、まさかのマーク・ストロングなのですが、役はイマイチ小さかった〜。
しかし、いるだけでイギリス感は出ますね。
「風味付け」なんでしょうよ、「臭い付け」!
お肉にすり込んだ、ニンニクみたいなもん!!
マーク・ストロングは、若かかりし頃の姿として、黒髪オールバックのヅラまでかぶったーっ。
乗っけてきたわい、海苔の佃煮みたいなカツラ!
桃屋の「ごはんですよ」みたいなヅラですよ!!
これまでも他作品で、マークのヅラ姿は見てきましたけども、ツヤ黒は初めてかも。
個人的には破壊力を感じるお姿でした。
「101匹わんちゃん」では、犬がメイン・キャラクターですが、今作での犬は名脇役に。
アクション場面の犬はオールCGで表現されているのですが、まるで本物の犬〜。
まるで生!
「ディズニーさん、さりげない技術に、ふんだんに投資されている」と、巨大エンタメ企業の余裕を感じました。
ママさん役の方、ドラマ『バッドランド』ではピンヒールで跳び蹴りしてたので、本作でもなんかものすごいキャラなのかと身構えてしまいました。いい人役にややついて行けず。作品は『ファーザー』の後に観たので心の底からスカッとできて本当に良かったです!
by こけし先輩 (2021-06-29 22:18)
こけし先輩さん。
ママ役の人、ドラマでアクションしてた人なんですね!パッと見から「ドラマで活躍しそうな、ドラマ美人だな」と思ってました。今作では、ドラマ女優らしい扱いの役でしたね。「ファーザー」の後の「クルエラ」っていうのも濃いラインナップですね。充実の映画生活です!
by のむら (2021-06-30 00:15)