「ビリオネア・ボーイズ・クラブ」★★★ [映画日記]
「ビリオネア・ボーイズ・クラブ」、略してBBCですよ、BBC。
CCBじゃありませんから!
1980年代のアメリカで、実際にあった事件の顛末を描いております。
20代の青年だけでおこした投資団体が「ビリオネア・ボーイズ・クラブ」。
はりきってんの、若造が!
エブリデイ、プレゼン、プレゼン!!
「いいですね、お若い殿方は。夢がありなさる」と、ふと思いましたけども。
「ビリオネア・ボーイズ・クラブ」の正体は、投資されたお金を「儲け」だと偽って配分している詐欺団体だったのです。
トラブルに巻き込まれて存続の危機を迎えた「ビリオネア・ボーイズ・クラブ」の一員が、犯罪行為に身を染めてしまう、という展開です。
ビジネス感が満点の「金融ムービー」のようなスタイルで始まる物語ですけども。
終わる頃には、狂気の「クライム・ムービー」になっているという展開が面白いです。
1980年代のファッションやアート、音楽等カルチャーも盛り込めますし。
これは映画化に最適のネタ。
掘り出し物件ですよ!
「さぞや本国でヒットなすったのでしょうな」と思ったら。
本国では、公開当時に出演者のケビン・スペイシーのセクハラ問題等でゴタついた上、前評判も振るわなかったせいでコケたらしいです。
最高のネタをドブに捨てたようなもんですよ、活きのいい大トロを腐らせたみたいな!
劇中の「ビリオネア・ボーイズ・クラブ」も大儲けを夢見て大失敗したから、その点では製作陣とリンク。
みーんな大コケ!
ボクちゃんの人生だって、ひとっつも儲かってナーイ!!
大儲けするのは難しい、ってことがよく分かる作品でした。
主演は「ビリオネア・ボーイズ・クラブ」のトップ、ジョー役を演じたアンセル・エルゴート。
共演はジョーの親友ディーン役を演じたタロン・エガートンということで、米英の若手スターが大共演しています。
アンセル・エルゴートは「元々は純朴な青年だった」という設定がピッタンコ〜。
生きてました、いなか顔!
タロン・エガートンの方は、かわいい顔をしていながら、したたかで腹黒という、悪女みたいな役を演じきっていて「さすがだな」と思いました。
こんな役、タロンの代表作「ロケットマン」でのエルトン・ジョン役に比べたら簡単だったことでしょう。
何をやっても負けるんですよ、エルトン・ジョンには!
女優陣はエマ・ロバーツ(ジュリア・ロバーツの姪)や、ビリー・ラード(キャリー・フィッシャーの娘)というとで。
スターの男優陣に比べると、女優人は大幅にスケールダウン!
お安くあげたわい!!
しかし2人の女優は、親族が有名人なので、なんとなく豊かな気持ちにはなれました。
間接的な豪華キャストですよ!
「ビリオネア・ボーイズ・クラブ」の一員で、あんまり出番もない男優を「どこかで見たことがある」とモヤモヤしていたのですが。
観賞後に調べたら、それはジェレミー・アーヴァインでした。
「戦火の馬」(2011年)の主演に大抜擢されていた馬男優ですよ!
今は「ビリオネア・ボーイズ・クラブ」の下っ端としてくすぶっているとは!!
少し切ない気持ちになりました。
いつか「戦火の馬2」での主演でカムバックできるといいのですが。
その点でも「大儲けし続けることは難しい」と思わせてくれる作品でした。