「ドアマン」★★★ [映画日記]
現在はハリウッドに拠点を置く北村龍平監督が手がけた、ルビー・ローズさん主演のアクション作品です。
脇役での出演者は、ジャン・レノや、伊藤英明さんという、日本の観客が喜びそうな面子になっています。
日本人が食いつきやすい、撒き餌みたいな人材ですよ!
2021年に劇場公開されたとき「北村さんのやつ、面白そう。観たいな」と思っていたのですが。
そのうち、なんとなく、「北村さんのやつ、面白そうだけど。なんかちょっと面倒臭くなってきた」と、鑑賞を断念したことを思い出しました。(←北村さんに失礼)
今回は、ケーブルテレビで作品が放送されたので、録画して再生してみました。
まずは、相変わらずルビー・ローズさんが男前で、カッコいい〜。
まさしく、抱かれたい女優No.1ですよ!
軍服、ドアマンの制服、食事にお呼ばれしたときの綺麗めファッション、全部が似合っています。
この人のスゴイところは、男っぽい服装も、女性っぽい服装も、作業着までも着こなしてしまうところですね。
オシャレな抱かれたい女優なんですよ!
アクション場面もシャープで様になっていました。
そんなルビー・ローズさんが演じる人物は、心に傷を持つ元・軍人アリ。
アリが、高級マンションのドアマン職を得るものの、建物内に強盗団がやってきて、住人たちと共に危険な目に遭う、という展開です。
主な舞台は高級マンション内のみ、ということで、ジャンルとしては「施設もの」と言っていいでしょう。
「ダイ・ハード」みたいなやつですよ、丸っきり!(←禁句?!)
強盗団のボス役がジャン・レノで、手下役が伊藤英明さんです。
英明さんが「手下」って、役が小さすぎると思ったのですが、「下っ端」ってことだし!
それでも、北村龍平監督が、英明さんの出番を多く作ってくれてました。
下っ端のくせに、出番は盛り気味っていう珍バランスに!
当然、ルビー・ローズさんと英明さんが戦う場面もあるのですが。
ルビー・ローズさんがめちゃめちゃ強い設定なので、英明さんは良いとこなし。
バンバン殴られていたし、消化器を噴射されるという恥までかいてました!
できれば「消化剤の粉にまみれて真っ白になり、咳き込む英明さん」も見てみたかったな〜。(←ドリフかい)
英明さん本人は英語がしゃべれないので、セリフは1つか2つなんですよね〜。
「そんなんで、よくやったよね」と思いながら観ていました。(←ホメ言葉)
北村監督のアクション演出は良かったのですが、アクション以外のドラマ場面が「安見え」。
セットの素材が安物なのかな、ベニア板とか?!
北村監督って、ハリウッドに行ってからは、イマイチ評価されていないのが悔しいです。
その割に仕事が多くて、逆に悪循環〜。
悪く見えるんですよね〜、打率!
いつか1発当たることを祈っています。
「炎の少女チャーリー 」★★★ [映画写真日記]
1984年に製作された同名映画のリブート作品です。
結構好きです、炎の少女。
火を噴く女ですよ!
大のおじさんたちを、バッタバッタと炎で倒していくチャーリーがカッコいい〜。
若干9歳で、たいした玉ですよ!
炎の操り方を知らぬチャーリーが残念〜。
繰り出す炎は、常に強火なんですよね〜。
焼き飯もパラッと仕上がる、極強火なんですよ!
その能力、うまく使えば、煮物も湯沸かしもガスいらずなのにねぇ。
浮くのにねぇ、光熱費!
「生活必需少女チャーリー」になれるのにねぇ!!
そんな物語は、スティーヴン・キングの原作に沿ったもので、スマホなどハイテク小物は付け加えられましたが、1984年版と概ね同じ感じでした。
チャーリーの父親役は、なんとザック・エフロンなんですね〜。
「ハイスクール・ミュージカル」出演時の子供時代から知っている身としては、「へ〜。あの子も結婚して、嫁を抱いたんだね」と思って、感慨深い気持ちになりました。(←ご本人は未婚です)
今回、ザックの顔をよく見みてみたら、確かに老けましたね。
全編シリアス演技を見せるザックは「ソフトなジャレット・レト」みたいな雰囲気で、なかなか良い仕上がりでした。
「B級ホラー映画に、なんでザックが出たのかな?」と疑問に思っていたのですが。
今作のプロデューサーが敏腕で、まあまあ大物。
影の実力者ですよ!
「セッション」「ゲット・アウト」「透明人間」など多くの話題作を手がけた、ジェイソン・ブラムさんによるプロデュース作品なんですね〜。
変わった題材の映画でも、賞レースに食い込ませる実績あり。
食い込ませ上手なんですよ!
ザックが出演にOKした理由は、ジェイソン・ブラムさんの功績も大きいのではないでしょうか。
今作を鑑賞して、「さすがジェイソン・ブラムさんだな」と思ったのは。
物語で、何を重点的に描いたかと言えば、それは「超能力少女の圧倒的な孤独感」という点でしょう。
チャーリーを捕まえようとする組織からの逃亡劇を交え、「孤立&壮絶」の描き方が、安いなりに素晴らしいです。
ドラマ・パートでは、親子ドラマも充実していますが、チャーリーの宿敵となる「ロン毛のおじさん」との因縁エピソードもお見事。
タイトルを、「チャーリーとロン毛のおじさん」にしてもいいくらい!
低予算・B級傑作の代表作として「ターミネーター」がありますけども、全体的に、ああいうテンションでまとめたところが良かったです。
「高見えするB級」を狙ったような作品でしたね。
「スパイダーヘッド」★★★ [映画日記]
Netflix、2022年6月のオリジナル目玉映画です。
クリス・ヘムズワース主演で、共演はマイルズ・テラー、監督は「トップガン マーヴェリック」で1発当てたジョセフ・コシンスキーさんですよ。
世界のコシンスキー大先生さまですよ!
これは、わたくし以外の視聴者も、期待に胸を膨らませたことでしょう。
「もしかして、トップガンみたいな映画かも」と!
残念ながら、再生ボタンを押して5分、10分経つにつれ、その期待は、泡のように消えていくのですが。
あぶくみたいに、排水溝に消え去ったんですよ!
これだけの人材を集めておいて、まさかの地味作に仕上がっていました。
これまで、大作映画ばかりを手がけてきたジョセフ・コシンスキーにとって、これは初めての小作〜。
逆に言えば「コシンスキーさんにも、低予算路線の一面があったんだね」と新鮮な気持ちはなりました。
米国製の短編SF小説を映画化したもの、らしいのですが、わざわざ映画にするほどの良い話でも、凝った話でもないような。
ジャンルは「近未来ダーク・スリラー」という感じでしょうか。
主な舞台は、未来的なデザインの刑務所内。
スタイリッシュ刑務所ですよ!
住んでみたくなるデザイナーズ刑務所!!
出てくる食事も美味しそうで、「ワシより良いもん食ってる」と思いました。
受刑者たちは、何やら色んな種類の薬物を投与され、感情をコントロールされている様子。
その喜怒哀楽、自由自在!
組み合わせ次第で、使い方、無限大!!
管理されながらも、反撃の機会をうかがっている受刑者役がマイルズ・テラー。
薬物投与の責任者役がクリス・ヘムズワースということで。
主人公がマイルズ・テラーで、悪役がクリス・ヘムズワースという構図になっています。
マイルズ・テラーは、いつも通りの純朴感。
「良い子」感ですよ!
クリス・ヘムズワースの方は、いつもと違う、知的で高圧的な雰囲気を出しています。
ヘムズワースは、刑務所にいる悪役にしてはイケメンすぎるし、髪型もファッションもキマっていて、オシャレすぎるのですが。
そして、いくらなんでもマッチョすぎるのですが!
なんというか、「性格の悪い、広告代理店の成金クリエイター」みたいな空気感は出ていたと思います。
「カネがあるから、ジムで鍛えられるし、高い服も着れる」みたいな解釈ですよ、遠回しな!
今回のヘムズワースが演じる役は、頭脳派でありながら、頭のネジがひとつ外れていて、キレることもある、という、複雑なキャラクター。
長セリフもありましたが、立派に覚えているヘムズワースを見てホッとしました。
「ヘムズワースが長セリフを言えるか?!」という場面が、作品中で最もスリリングでした!
製作も兼ねているヘムズワース。
「たまには難しい演技に挑戦しているところも見せたい」という気持ちで臨んだのかもしれません。
アピールですよ!
米国製のSF映画で、薬物を扱ったものを、たまに見かけますね。
「薬物国家らしい」と言えば、そんな感じの作品でした。
「パーム・スプリングス」★★★ [映画日記]
コロナで劇場鑑賞を断念した作品が、amazonプライム・ビデオ内に出現しているではないか〜!
知らぬ間に芽を出しているではないか〜!!(←お芋かい)
わたくし、日頃からamazonプライム・ビデオの映画配信スケジュールをチェックしているのですが。
帳簿でもチェックするみたいに、入念に!
それが、今作の配信は突然でビックリしました。
何でも予定通りにはいかないものですね、オリンピックも延期される時代ですから!
作品は、ゴールデン・グローブ賞などにもノミネートされていた、評価の高い「タイムループもの」。
褒められていた子ですよ!
なんでか、米国人が大好きな「主人公が、同じ1日を何度も繰り返す」っていうお話ですね。
鑑賞前に、ちょっぴり期待値を上げすぎました。
同ジャンルの「ハッピー・デス・デイ」みたいな、ハイテンションな娯楽映画かと思っていたら、ちょっと違っていました。
意外なほど、人間ドラマが組み込まれている、ちゃんとしたお話でした。
これは、立派なもんですよ!
アンディ・サムバーグ演じる主人公ナイルズが、知人の結婚式を祝うため、カリフォルニア州パームスプリングスに宿泊。
現地で知り合った女性サラと共に、同じ1日をループする、という展開です。
まずは、この男女の年齢設定が(おそらく)40前という、未婚の大人世代。
悩める世代ですよ、将来とか人間関係とか。
ループする日々を送りすぎて、経済や道徳観念が崩壊した主人公ナイルズ。
自由気ままに、ループ人生を楽しんでいます。
ループ世界に引きこもっているんですよ。
ダラダラしてんの!
その気持ち、わかります、わたくしも実家に帰ったらそうなりますので!!
対するサラは、現実世界では、人生がうまくいっていない「こじらせ女子」という設定になっています。
2人とも、劇中で行われる「知人の結婚式」には興味が薄く、「結婚=未来観」に懐疑的っぽい感じ。
2人とも、いい感じに落ちこぼれています。
いい塩梅のダメ人間!
他の同ジャンル作品は、「ミッション遂行に失敗して死に、目が覚めて再スタートする」という「バッドエンドからの脱却」が主なテーマだと思うのですが。
今作の場合は「ろくでもない毎日を捨てて、前進したい」という、自己啓発系のテーマになっていると思います。
舞台であるパームスプリングスの風景も「バカンス感」が全開で、非現実な世界観を表現するのにピッタンコ〜。
「ゆる味」の名所ですね、あすこは!
出演者の多くは、日本では知名度の低い人材でしたけども。
主人公の命を狙う敵として現れる男性役は、 J・K・シモンズが演じてました。
この人は、本当に何にでも出てますね!
「スパイダーマン」シリーズから「ゴーストバスターズ」シリーズまで、手当たり次第ですよ!
J・K・シモンズが怖い顔して追っかけてくる場面は、何だかショーン・コネリーみたい。
乗り移っているようでした、爺さんの魂が、別の爺さんに!
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「15年後のラブソング」★★★ [映画日記]
織田裕二さんの曲が映画化されたのでしょうか?!(←それは「歌えなかったラヴ・ソング」)
日本では2020年に劇場公開された作品を、Netflixで見つけて再生してみました。
ローズ・バーンとイーサン・ホークの顔合わせが新鮮〜。
単独ではお馴染みの顔なのに、一つの皿に合わせ盛っただけで、なんかうれしい。
例えるなら、ハンバーグ弁当と焼肉弁当の合体ですよ!(←脂っこい)
W主演という感じですが、どっちかって言えばローズ・バーンの方が主人公かな。
ローズ・バーン演じるアニーは、講師をしている中年男性と同棲中。
アラフォーで内縁の妻なんですよ!
郷土史博物館を経営していて、仕事は順調なアニーですが、「子どもを持つべきか」等、悩みを抱えるキャラクター設定に。
そりゃあ色々考えますよ、アラフォーで内縁の妻ですから!(←しつこいし、大きなお世話)
同棲している中年男性は、昔は人気があったロックスター、タッカー・クロウに心酔。
大ファンなんですよ、長渕剛さんを大好きな長渕芸人みたいに!
そのロックスター、タッカー・クロウ役を演じているのがイーサン・ホークなんですね〜。
アニーが、ネット上でタッカー・クロウの曲を酷評したところ、タッカー・クロウ本人の目に止まる。
あの人のエゴサーチにヒット!
アニーとタッカー・クロウがメール等で交流を深め、同棲している中年男性を含めて、不思議な三角関係が形成される、という展開になっています。
アニーに子どもはいませんが、タッカー・クロウは複数の女性との間に多くの子を持つ、ワケありパパ。
というか●●チン!
昔のクリ●ト・イースト●ッドみたいな感じですよ!!
全く共通点のないアニーとタッカー・クロウは、果たして結ばれることになるのか、という点が見どころですけども。
ドカーンと派手な出来事は起こらず、なかなか地に足が着いたお話。
アニーが「新しい人生の一歩を踏み出せない」という保守的思考が、とってもリアルで良かったです。
ロックスターと出会ったところで、そう簡単に「抱かれて入籍」とはいかない、っていう!
応援したい、その躊躇!!
そんな「アラフォー感覚に合ったロマコメ作品」でした。
同時に、アニーと同棲している中年男性が、タッカー・クロウが好きすぎるゆえの、偏ったうんちく・曲解釈を語る場面が、オタクすぎてイタいです。
「何かのファンって、側から見れば、こんな感じなのか〜」と思いました。
わたくしも映画ファンだから、ついつい映画について語りたくなる時もありますけども、「トップガン マーヴェリック」についてとか!
イタく見えないように気をつけようと思いました。
原作本を書いたのは、「ハイ・フィデリティ」や「アバウト・ア・ボーイ」と同じ人なんですね。
原作者はイギリスの人で、今作の舞台もイギリスでした。
ローズ・バーンとイーサン・ホークが出ていながら、どこかイギリス臭い作風も良かったです。
「ウェイ・ダウン」★★★ [映画日記]
かつてのヒット映画「チャーリーとチョコレート工場」で脚光を浴びた男児といえば、フレディ・ハイモアくんですけども。
世界の名物子役ですよ!
そんなフレディ君が、大人になって映画界に帰ってきました。
もう30歳、チェリーボーイでもありませんから!(←既婚ですしね)
近年のフレディ君は、ドラマ「グッド・ドクター 名医の条件」の製作・主演で評価されている状況。
「やり手」という近況!
昔も今も、儲けています!!(←いやらしい)
ドラマ「グッド・ドクター 名医の条件」でフレディ君は演じている役は、ド天然キャラ(←正確にはサヴァン症候群)の若い医師。
普段は天然ボケを連発する若い医師が、難しい病気に対しては、天才的なひらめきとアイデアで見事に治療する、という基本設定でした。
今作「ウェイ・ダウン」でのフレディ君も、ドラマのキャラと同じような路線かと思います。
映画でも製作・主演を兼ねているフレディ君。
「オハコ」となったキャラクターで、今度は映画に進出しようという腹積りかもしれません。
皮算用ですよ、元・子役の!(←言い方)
「ウェイ・ダウン」でフレディ君が演じる役は、天才男子大学生。
設定が「天才」ですよ、何なのそれ!?
銀行強盗チームにスカウトされた天才男子大学生が、世界で最も堅牢な金庫を開ける手助けと、現場作業をする、というお話です。
まずは、フレディ君の主演映画がサスペンス大作という意外性。
劇中でも引用されていた「オーシャンズ11」っぽいノリに、ドラマ「グッド・ドクター 名医の条件」風キャラクターを乗っけるというプロデュースが楽しいです。
フレディ君が演じる優等生が、「何かワクワクすることに情熱を燃やしたい」という理由で、銀行強盗チームに入ってしまうところがスゴイですね。
今の若者の気持ちって理解しづらいですね〜、Z世代とか!
銀行強盗チームのリーダーは、渋いおじさまなのですが。
ハゲてるおじんですよ!
フレディ君がピンチに陥っても、ハゲた頭を抱えるだけだし、犯罪現場では、あんまり役に立っていないリーダーでしたね。
カフェで打ち合わせしていても、案が浮かばないときはキレ、コップをガチャーンと薙ぎ倒し、「フン」と店を飛び出してしまうし。
「見た目はおじんだけど、中身はわがままお嬢様みたいだな。まるで富豪の令嬢だよ!」と思いながら観ていました。
作品は、全編ほとんど、ず〜っとサスペンスで、銀行強盗チームは常にピンチ状態で、観客の気を引き続けています。
ミステリー要素の難易度は高くありませんが、物語は面白い映画でしたね。
ハリウッド的でキレ味のある派手な演出だし、米国製の映画かと思いがちですが。
実はスペイン映画なんですね!
監督は「REC/レック」シリーズで名を上げたスペイン人のジャウマ・バラゲロさんだし〜。
劇中の時代設定は2010年で、舞台もスペインで、街中はサッカーワールドカップ決勝戦に熱狂しているという設定。
人も街も興奮状態。
浮足だってるんですよ!
そんなワールドカップの試合状況が、良い感じに物語とリンクして、伏線として作用。
スペインっぽさが生きたサスペンス大作になりましたね。
「グリーンランド 地球最後の2日間」★★★ [映画日記]
彗星の破片が、次から次へと地球に落っこちてくるよ。
隕石がドーン、ドーン、ドーン!(←子供かい)
そんな地球に住む主人公を演じているのは、ジェラルド・バトラーですよ。
「なるほど、ジェラルド・バトラーが地球を隕石から守ってくれるんだね。ミサイルを持って、隕石に突撃してくれるんだね、アルマゲドンのブルース・ウィリスみたいに!」と思ったら、全然ちがーう。
物語は、まさかのマジ路線で、ジェラルド・バトラーは地球にいるまんま。
災いから逃げるだけですよ、地べたで!
これまで観てきた、ジェラルド・バトラー主演の軽いディザスター・ムービーとは、ひと味違う作風に驚きました。
ジェラルド・バトラーさんにも、思うところがあったのかもしれません。
「今まで派手に地球を救ってきたけどよ、50歳を過ぎた今、もうちょっとマシなディザスター・ムービーに出てえんだよ。もうちょっと、まともに地球が滅びてくんねぇかな」と。
確かにジャンルは「ディザスター」ではありましたが、ちょっぴり大人の空気感が良い感じ。
少しは隕石も落ちてきて、いくらか街を直撃しますけども。
どこか大人っぽく大損害!
しっとり消滅!!
スマホに届く政府からの指示や、ニュース映像などもリアリティ重視で、なんだか「シン・ゴジラ」みたいなシミュレーション感。
これは、意外と楽しめた作品〜。
日本では2021年に公開済みで、今回はNetflixで再生・鑑賞いたしました。
劇中では、「隕石落下で地球が滅亡する2日前」を舞台にした、人間ドラマが展開。
これは、ゾンビが蔓延した世界を背景に用いたドラマ「ウォーキング・デッド」と同じやり方ですね。
あそこのやり口ですよ!
人類に危機が迫り、暴徒化する人々たちが多く登場。
あきらかな悪人もいれば、善人に見える悪人もいて、主人公は、ちょいちょい襲われています。
「隕石やゾンビが怖いのではない、怖いのは、人間性を失った人間である」というテーマだろうと思います。
スーパーや薬局の品を盗みまくったり、軍人たちに息荒く詰め寄ったり、米国っぽいパニック場面も。
お約束ですよ!
「米国市民、相変わらず荒っぽいな〜」と思いながら観ていました。
ジェラルド・バトラーの妻役はモリーナ・バッカリンが演じているのですが。
冒頭から夫婦仲は冷め切っていますよ、2日目の冷や飯みたいに!
もう抱かれていないんですよ!!
どうやら、夫の浮気が原因らしいです。
隕石が落ちまくっている映画の中で、不倫ですよ!
同時に、「夫婦がギクシャクしている場合じゃない。少しでも生存したい」という意志から、共に手を取り合うワケあり夫婦。
隕石の威力ってスゴイですね、不倫まで帳消しにしてましたから。
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「セバーグ」★★★ [映画日記]
「セバーグ」ですよ「セバーグ」。
「セザール」じゃありませんから!(←沈黙シリーズ?!)
1960年代を中心に活躍した女優、ジーン・セバーグを主人公にしたドラマ作品です。
まずは、ジーン・セバーグ役のクリステン・スチュワートに、短髪×ミニスカート姿が似合いすぎ〜。
ひと目で魅了!
パッと見は清純派アイドルみたいな姿なのに、脱ぎっぷりも抜群。
ギャップ萌えで観客を落としますよ、煙に含まれた薬剤で蚊を落とす、蚊取り線香みたいに!
クリステンの魅力が満載の作品になっていますけども。
決して、楽しいお話ではありませんでした。
ジーン・セバーグはブラックパンサー党を支援・献金したせいで、FBIから必要以上に監視されることに。
徐々に彼女は神経をすり減らしていく、というお話。
精神的な映画なんですよ!
権力と白人男性社会の犠牲になった女性、として彼女を捉えた作品。
「悲劇のヒロインもの」というジャンルに仕立てあげています。
現代の風潮に合っている物語で、観客や評論家の支持も受けやすい、良いネタだと思います。
「良い仕込み」をしてるんですよ!
賞レースにも食い込みそうな作品ですが、日本では劇場未公開になってしまって残念です。
ちなみに欧米では2019年に劇場公開されたらしいです。
今回はNetflixで再生しました。
劇中のジーン・セバーグは被害者という立ち位置だし、脚本上では、まあまあ美化されたキャラクターになっていましたけども。
ご本人は、自由で先進的な思想を持ち、まあまあ性にも奔放!
献金先であるブラックパンサー党の男性にも抱かれていてビックリ。
セクシー支援なんですよ!
しかもW不倫だし〜。
1960年代では、刺激的すぎるスキャンダルだったと思われます。
抱かれている模様は、FBIが丸ごと録音!
スーツ姿の男性が聴いてんの、真顔で!!
FBIの盗聴主義も狂ってるな、と思いました。
監視がきっかけで起きた悲劇に対し、劇中のジーン・セバーグも「私も含めて全員が悪い」と言ってましたけども。
事の発端は、ジーン・セバーグの「世界を良くするために、社会運動に参加したい」という善意だったことが、痛烈な皮肉になっていました。
1960年代当時、ジーン・セバーグには、かなり年上の夫がいたのですが。
自宅ではおじさんに抱かれていたんですよ!
フランス人の夫が自国で息子と留守番している間に、妻ジーン・セバーグはアメリカで不倫していたんですよね〜。
夫は、それでも妻を擁護。
夫の我慢強さを尊敬してしまいました。
夫役を演じていたのは、フランス籍の男優さんなのですが、実生活での妻はシャルロット・ゲンズブールなんですね!
「人気女優の夫」という複雑な男性像を、自然と醸し出していました。
苦労が染み付いてんのかもよ、体に!
「犬王」★★★ [映画日記]
日本製のアニメ作品です。
どんな内容なのかな〜、と思ったら時代劇なんですね。
まんが日本むかし話なんですよ!
琵琶法師が出てくるので、主な時代設定は、平家が滅んだ後くらいでしょう。
怪物のような姿で生まれながら、歌とダンスの才能を持つ若き能楽師「犬王」を主人公とした物語。
犬王は、意気投合した琵琶法師、友魚(ともな)と共に、歌って踊る場面が多い〜。
これは「ミュージカル・アニメ時代劇」という、観たことのない新ジャンル。
珍ジャンルですよ!
全編を通して「表現の自由」の素晴らしさが全開です。
基本、シリアス風味の作風なのですが、犬王と友魚が歌ったり踊ったりする場面は、まさかのロック調に。
「和もの」を西洋風にアレンジしてんの、がめ煮をオムレツにアレンジするみたいに!
この作品をおみやげに例えるとしたら、「西洋まんじゅう」で良いしょう!!
お歌の場面は、演者が観客に手拍子を要求したりして、完全にフェス状態。
そのインパクトで、劇場の観客をノックアウトするのですが。
曲は、いくらなんでもディープ・パープルとクイーンっぽすぎて、苦笑い。
丸見えでした、元ネタ!
挿入歌は、琵琶の音色を生かした編曲なのですが、曲によっては、あるはずのないエレキギターやドラムの音も聴こえてますが、まあいいじゃない。
スタッフも色んなアレンジを試してみた結果、「エレキギターがあったほうが良いよね」ってことになったのかもしれません。
フンイキ重視なんですよ、雰囲気イケメンみたいな!
犬王のパフォーマンスは、ステージ演出が派手〜。
とても室町時代とは思えぬ凝った仕掛けで楽しかったです。
ダンスもキレッキレでした、少年隊のヒガシみたいに!
1つ1つの曲が長くて、全然終わらない〜。
これは、なかなかに脂っこいライブ。
少しサッパリしたものを飲んで脂を落としたいな、烏龍茶とかで!…と思いました。
犬王の声と歌を担当したのは、女王蜂のアヴちゃんという人なんですね。
大役を見事にこなしているし、個性も実力もバッチリで良かったです。
友魚の声と歌を担当しているのは森山未來くんなのですが、役が地味だし、ややアヴちゃんに食われ気味でしたけども。
演技の見せ場では、十分に存在感を出していました。
友魚は架空の人物っぽいのですが、犬王って実在したんですね、ビックリです。
当時の犬王は人気者だったのに、歴史からは(ほぼ)存在を消されている、というのが、ミステリアスで、そそります。
日本の歴史も、掘り出すと色々と出てくるものですね、うちのタンスと同じで!
監督は、海外でも評価される湯浅政明さんですけども。
ブレのない制作ぶりに、監督としての技量が伺えました。
湯浅さん作品の好きなところって、クドさと汚さを上等な作画で、魂込めて熱く見せてくるところなのですが。
今作でもそうでしたね、クドかった〜!
「キラキラして美麗な映え絵」が主流のアニメ界で、貴重な存在。
称号は「ヨゴレ巨匠」で良いかもしんな〜い。
「ガンズ・アキンボ」★★☆ [映画日記]
2021年に日本公開されたスタイリッシュ・バイオレンス・コメディ作品が、2022年5月にサブスク解禁〜。
主演はダニエル・ラドクリフですよ。
今や、働かずとも食っていける大富豪さまですけども!
近年のダニエル・ラドクリフは、ハリー・ポッター役というアイドル時代を逆手に取った、ダークな役がメインの路線。
ヨゴレ役ばかりを受注!
映画ファンの中では「ヨゴレ芸人」として認知されてますけども!!
今作でも、お馴染みのヨゴレ役ではありますが、ネット社会を舞台にして、ゲーム感覚の殺し合いを劇画調のビジュアルで魅せる、という「イマドキ感」をフィーチャー。
ダニエル・ラドクリフが演じるキャラクターも、ゲーム会社のプログラマーなんですよね〜。
これまでダニエル・ラドクリフのイメージになかった「ハイテク風味」が新鮮でした。
ラドクリフにゲームのプログラマー役が、案外ハマってる〜。
外に出ないで、深夜までパソコン仕事をしている感じ。
しばらく日光を浴びてない感じが、自然と醸し出されていました。
そんなラドクリフ演じるプログラマーが、悪い人たちにより、両手に拳銃をボルトで固定されてしまい、元・恋人を人質に取られてしまう、という災難に。
そのまま元・恋人を助けに行く、という、ストーリーはシンプルなものでしたね。
両手が使えないから「排泄も大変」という、「便もの」ネタで、ひと笑い。
さすがヨゴレ芸人!
道に落ちたソーセージを食べたくても両手が拳銃だから、つまみ取れない、という小ネタもありました。
やっとソーセージをつまみ上げ、お口に入れたと思ったら「それは数ヶ月前のソーセージ」と知って、プーッと吐き出す、っていう。
「ボケ」に「ヨゴレ芸」を組み合わせた、高度な技が炸裂。
「ヨゴレ芸なんて、こうすりゃいい。こうすりゃ、もっと良くなる」っていう、プロ感すら漂っていました。
こんなにもヨゴレ芸に慣れてしまったラドクリフ。
ズブズブ!
ああ、これから、この子は、どんなふうに成長するのでしょう?!
今回のラドクリフは、次々と周辺の人物が射殺されていくので、基本的に血まみれで小汚いです
衣装は部屋着という設定なので、下半身は下着のまま、というのが、ハリー・ポッター・ファンには衝撃かもしれません。
基本ズボンは穿かない、パンツ姿のパンツ・ポッターですから!
この子は、ハリー・ポッター時代からそうでしたけど、やっぱり毛深いですね。
素足が毛でモジャモジャのモジャ公!
全身脱毛すればいいのにねぇ、カネは腐るほど持ってるのに〜。
そんなこんなで、ダニエル・ラドクリフの名前と体「1本」で持たせている作品。
主演がラドクリフでなかったら、ただひたすら汚いだけの映画になっていたかも〜。