SSブログ

「犬王」★★★ [映画日記]

inuou.gif
 
日本製のアニメ作品です。
 
どんな内容なのかな〜、と思ったら時代劇なんですね。
 
まんが日本むかし話なんですよ!
 
琵琶法師が出てくるので、主な時代設定は、平家が滅んだ後くらいでしょう。
 
怪物のような姿で生まれながら、歌とダンスの才能を持つ若き能楽師「犬王」を主人公とした物語。
 
犬王は、意気投合した琵琶法師、友魚(ともな)と共に、歌って踊る場面が多い〜。
 
これは「ミュージカル・アニメ時代劇」という、観たことのない新ジャンル。
 
珍ジャンルですよ!
 
全編を通して「表現の自由」の素晴らしさが全開です。
 
基本、シリアス風味の作風なのですが、犬王と友魚が歌ったり踊ったりする場面は、まさかのロック調に。
 
「和もの」を西洋風にアレンジしてんの、がめ煮をオムレツにアレンジするみたいに!
 
この作品をおみやげに例えるとしたら、「西洋まんじゅう」で良いしょう!!
 
お歌の場面は、演者が観客に手拍子を要求したりして、完全にフェス状態。
そのインパクトで、劇場の観客をノックアウトするのですが。
 
曲は、いくらなんでもディープ・パープルとクイーンっぽすぎて、苦笑い。
 
丸見えでした、元ネタ!
 
挿入歌は、琵琶の音色を生かした編曲なのですが、曲によっては、あるはずのないエレキギターやドラムの音も聴こえてますが、まあいいじゃない。
 
スタッフも色んなアレンジを試してみた結果、「エレキギターがあったほうが良いよね」ってことになったのかもしれません。
 
フンイキ重視なんですよ、雰囲気イケメンみたいな!
 
犬王のパフォーマンスは、ステージ演出が派手〜。
とても室町時代とは思えぬ凝った仕掛けで楽しかったです。
 
ダンスもキレッキレでした、少年隊のヒガシみたいに!
 
1つ1つの曲が長くて、全然終わらない〜。
これは、なかなかに脂っこいライブ。
 
少しサッパリしたものを飲んで脂を落としたいな、烏龍茶とかで!…と思いました。
 
犬王の声と歌を担当したのは、女王蜂のアヴちゃんという人なんですね。
大役を見事にこなしているし、個性も実力もバッチリで良かったです。
 
友魚の声と歌を担当しているのは森山未來くんなのですが、役が地味だし、ややアヴちゃんに食われ気味でしたけども。
演技の見せ場では、十分に存在感を出していました。
 
友魚は架空の人物っぽいのですが、犬王って実在したんですね、ビックリです。
 
当時の犬王は人気者だったのに、歴史からは(ほぼ)存在を消されている、というのが、ミステリアスで、そそります。
 
日本の歴史も、掘り出すと色々と出てくるものですね、うちのタンスと同じで!
 
監督は、海外でも評価される湯浅政明さんですけども。
ブレのない制作ぶりに、監督としての技量が伺えました。
 
湯浅さん作品の好きなところって、クドさと汚さを上等な作画で、魂込めて熱く見せてくるところなのですが。
 
今作でもそうでしたね、クドかった〜!
 
「キラキラして美麗な映え絵」が主流のアニメ界で、貴重な存在。
 
称号は「ヨゴレ巨匠」で良いかもしんな〜い。
 

 

映画『犬王』オリジナル・サウンドトラック(通常盤)

映画『犬王』オリジナル・サウンドトラック(通常盤)

  • アーティスト: 犬王
  • 出版社/メーカー: アニプレックス
  • 発売日: 2022/05/25
  • メディア: CD

nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:映画