「真実」★★★☆ [映画日記]
サービスデーにも関わらず客席はガラガラでしたけども、ボクちゃんは好きです。
かわいいもんですよ、出来の悪い子と売れない映画は!
是枝裕和監督の世界進出作ですけども。
主演が、まさかのドヌ!(←カトリーヌ・ドヌーヴ)
共演がジュリエット・ビノシュにイサ夫さん!(←イーサン・ホーク)
おまけにリュディヴィーヌ・サニエちゃんまで出ているという、超・豪華キャストにビックリ。
さすがカンヌで人気のある是枝裕和監督。
フランスでブイブイ言わせてるだけの漢(おとこ)ですよ!
サニエちゃんって若い若いと思ってましたけども。
もうアラフォーだったんですね。
小娘役が印象的だったから、いつまで経っても娘の臭いが取れんわな!
洗っても洗っても魚の臭いが取れない、弁当箱のフタみたいなもんですよ!!
果たして、こんな高級な西洋人を使って、是枝裕和監督の持ち味である「所帯臭さ」が出せるのか?
高級なビフテキ肉で、茶漬けが作れるのか?…そんなところに注目してましたけども。
まずは設定が魅力的。
ドヌが大女優役ですよ。
大女優が大女優役、っていう!
ビノシュはドヌの娘役で、アメリカで活躍する脚本家という設定。
派手な女の娘は地味だった、っていう!
山村美紗の娘が山村紅葉みたいなもんですよ!!
イーサン・ホークは、ビノシュの夫役で、アメリカで売れないテレビ男優をしている、という設定。
なんて面白そうなご家庭でしょう。
娯楽一家ですよ!
あまりのキラキラ芸能路線に「是枝さんも、少女マンガみたいな設定を思いつくんだな」と思いました。
ドヌが演じる大女優が、映画スタジオで撮影している場面もあるのですが。
劇中劇はSFなんですよね〜。
「是枝さんも、少年マンガみたいな物語を思いつくんだな」と思いました。
いたるところに、是枝さんが手掛ける日本映画には無い要素があって新鮮でした。
物語は、母娘間の愛憎を描いたものですが。
女優と脚本家という設定を生かした、ちょっとヒネリのある軽くて小粋なもの。
オシャレな仕上りになっておりました、エマールで洗ったオシャレ着みたいに!
このアイデアで、物語が思いっきり派手に盛り上がっていれば、ハリウッド・リメイクもあったかも。
母娘で取っ組み合いのケンカでもしてくれてれば、メリル・ストリープとジュリア・ロバーツでリメイクされたかもしんない。(←そういう映画は、もうあります)
期待していた「所帯臭さ」は、さすがに主演がドヌだと出し切れていませんでした。
ドヌがパジャマ姿になる場面もありましたが、良いパジャマでしたしシルク地みたいな。
綿なんて着ないんですよ!
寝起き姿のドヌは、化粧も髪型もバッチリ。
70過ぎた老婆に、それはありえない!
まるで老婆ファンタジー!!…と思いました。
しかし、相変わらず子役使いはお上手な是枝さん。
子だけは素っぽい!
レストランで、複数のお子さまが騒ぐ場面も、騒ぎ方が絶叫系。
そうそう、お子さまって絶叫するもんですよ、スーパーの食品売り場でもレジ前でもどこでも!
全世界の共通事項なんだな〜、と思いました。