「アバウト・レイ 16歳の決断」★★★ [映画日記]
2015年の作品です。
心が揺れ、時には荒れるティーンエイジャーと、それを支える家族を描いてますけども。
「積木くずし」みたいなもんですよ!(←古いですか)
男性として生きる決意をする16歳の少女レイ役を、エル・ファニングが大熱演。
普通にしていれば世界レベルの美少女エルが、今回は男装から気合いを入れてます。
見た目から入ってるんですよ!
ヘアースタイルは、まさかのスポーツ刈り。
ふんどしを締め直した気持ちで撮影スタジオに来てんよ!
いじめっ子とケンカしたり、大股で座ったり。
たしかにエルは、よくやっている。
エルにしては上出来、エル史上の中では最高、なのですが。
一般的に見れば、まだ足りぬ。
まだキレイじゃん。
まだ抜けてないんですよ、美少女エキス!
昨晩飲んだワインが、翌朝も抜けきっていないようなもんですよ!!
こういう役で評価されるのは難しい。
「付けチン」で立ちションするくらいの汚れ系インパクトがないと、誰も褒めてくれませんから!
ああエル、なぜ立ちションをしなかった?!(←そこだけが問題じゃありませんか)
そんなエル・ファニングの「負け戦」が残念でしたけども。
それをカバーするのが、母親役のナオミ・ワッツと、祖母役のザンスーの演技ですよ。(←スーザン・サランドン)
ナオミがオシャレだし、しっとりとした美人。
劇中では、えらい年下の黒人男性に抱かれているという設定。
女としての現役っぷりにビックリしました。
シングルマザー役のナオミですが、かつての夫や、浮気相手を演じている人材がテレビ男優だったところに苦笑い。
「ナオミとザンスーのギャラで予算を使い果たし、スター男優を呼べなかったのかな。安いテレビ男優でしのぐしかなかったのかな」と思いました。
ザンスーの方は、レズビアンを公言していて、女性と結婚しているという、清々しく突き抜けた役。
サバサバしている、サバサバ女ですよ!
そんなふうに見えなくもないし、まずまずのキャスティングだったと思います。
ザンスーが非常はしごを上る場面ではヒヤヒヤ。
危ないよ婆さん!
もし落っこちて足の骨でも折ったら、治りが悪いですからな、あの年じゃ!!
作品のジャンルは、2015年の公開当時に流行した「トランスジェンダーもの」ですけども。
同ジャンルの中では、かなりサッパリとした、さわやかな風味。
何の悲劇も起きませんしね。
結局、お話の主軸は、「ホルモン治療の書類に、父親のサインをもらう」という、些細なものでしたし。
言い方を変えれば、親のハンコを押してもらおうとする「ハンコ映画」でしたから!