「蜜蜂と遠雷」★★★ [映画日記]
ほとんどの舞台がピアノコンクール会場内という、本格コンクール・ムービーですよ!
優勝を競い合う4人のピアニストは、松岡茉優ちゃんが演じる元・天才少女の栄伝亜夜、森崎ウィンくんが演じるピアノ界の貴公子マサル、鈴鹿央士くんが演じる天然小僧・ジン、松坂桃李くんが演じる素朴亭主・高島。
全員、奏法も感性もバラバラの個性派。
キャラものムービーとしての側面も!
一番の見どころは役者さんたちの演技だと思います。
みんな、難しそうなピアノ曲を本当に弾いてる〜。
つまびいてんの!
演奏中の表情や仕草など、本物のピアニストみたい。
それっぽいわい!
みんな相当練習したんだろうな〜、役者さんて大変だな〜、と思いながら鑑賞いたしました。
松坂桃李くんだけは、演奏シーンが少なく感じました。
「もしかしてピアノが苦手なんか?ピアニストなのに?」と思いました。
物語には、意外なほどドラマ性がナーイ!
ピアニスト同士の髪の引っ張り合いや、取っ組み合いのケンカもありません。(←どんなコンクールじゃい)
何の事件も起こらず平和〜。
松岡茉優ちゃんの役だけは、若干のバックグラウンドが描かれてましたが薄味。
だから感動もございません。
西洋の映画にも「楽器演奏もの」というジャンルはありますけども。
その大半が、物語にスリラー要素かサスペンス要素が盛り込まれております。
「楽器演奏もの」の映画は、演奏シーンだけじゃ間が持たないんだな、難しいんだな、ということが分かりました。
今回の作品は、ドラマ性や娯楽性を追い求めるというよりは、若き芸術家の内なる戦いを瑞々しく描いている、という趣向でした。
自分磨きですよ!
コンクールの勝敗は重要ではない、自分を超えて成長することが大事、という解釈でしたしね。
天然小僧・ジン役を演じた鈴鹿央士くんの存在感が光ってました。
広瀬すずちゃん本人から芸能界入りを勧められた、という鈴鹿央士くんですけども。
子どものような顔に、声変わりしたての低い声。
音のしない鍵盤を、爪から血が出るまで叩き続ける、というピュアすぎる練習場面に、圧倒的な童貞力〜!
かなわんな、チェリーボーイには!!…と思いました。
脇役で、福島リラさんも出演してましたけども。
普通の女性を演じるリラさんを初めて見ました。
他作品で見る彼女は、大抵が日本刀を振り回している暴力娘役でしたので。
コンクールの大物審査員役は斉藤由貴さんでしたけども。
「アンタ、ホントに50過ぎ?!」…と思うくらいキレイでした。
「スケバン刑事の時のまんまだわな」と思いながら、お顔を拝見いたしました。(←そろそろスケバン時代は忘れてやんな)