「カーター」★★★☆ [映画日記]
韓国エンターテインメントの勢いを象徴するような超・豪快作でした。
2022年8月に配信された、Netflixオリジナルの韓国映画なのですが。
主人公は、記憶を失った状態で登場する男性。
見た目は川野太郎さんみたいな感じですよ、ふんどしが似合いそうな男性!
ふんどしを締めたまま、滝に打たれてそうな男性ですよ!!(←何時代?!)
そんな主人公が、訳も分からず敵に襲われ、逃げていくうちに、徐々に謎が明かされていく、という展開。
そのプロットだけだと、ハリウッド製のアクション映画によくある感じなのですが。
今作の場合、まさかの「全編ワンカット(風)」という作風に、気合いを感じます。
サム・メンデス監督作「1917 命をかけた伝令」みたいなスタイルです。
伝令スタイルですよ!
今作の場合は、最初っから最後まで、ほとんどアクション・シーンで、どの場面もおそろしく激しいです。
車やバイクや飛行機に乗ったり、高い場所から飛び降りたりする場面も、ず〜っとノーカット(風)。
ライフルの照準を覗いた光景や、回想場面まで含めて、ず〜っとシームレス。
この映像の繋ぎ方、もう意地ですよ!
鑑賞中は「す、す、すごい」と、何度もつぶやいてしまいました。
今作を観た人は、きっと誰でもそうなると思う〜。
主人公は途中で、ある女児と共に行動するのですが。
連れ回すんですよ!
その女児が、あらゆる悪者に狙われ、あらゆる高所に宙吊りになる等、ピンチが連続すぎて、逆に笑ってしまいました。
あの女児は、本編中、7〜8回は死んでてもおかしくないですね。
どのアクション・シーンも「これがクライマックスか?!」と思うくらい盛り上がるのですが。
カメラワークが激しすぎる〜。
どんだけ動き回るのか、カメラ!
いや、キャメラ!!
カメラが人物の周りをグルグル回るのなんて当たり前。
人物が高所から飛ぶと、カメラも一緒に飛んでますけど?!
ドローンに乗ったのか、さらなる高所に飛んでいくカメラにもビックリ。
あまりにもカメラが素早く動き回るので、観ているわたくしの脳がついて行きません。
何が起こっているのか理解できず、途中で、何度か脳機能が停止しました。
ついに白目をむいたんですよ!
監督・脚本を手がけたのは、傑作アクション映画「悪女 AKUJO」の人、とのことで。
監督さんは、アクション・マニアであると同時に、編集マニアで、CG合成マニアと思われますね。
言い方を変えればヲタですね!(←ホメ言葉)
物語中には、韓国人、米国人、北朝鮮人が入り乱れるのですが。
とくに、北朝鮮の表現は、韓国人の目線が入るのでリアルに感じますね。
「北朝鮮は国としてはおかしいが、人レベルでは理解し合える」という、韓国人ならではの解釈が活きています。
北朝鮮の表現は、韓国クリエイターが世界で1番上手ですね、当たり前ですが〜。