「アメリカン・ユートピア」★★★ [映画日記]
2021年に劇場公開された音楽作品です。
元「トーキング・ヘッズ」のデビッド・バーンさんがパフォーマンスしたブロードウェイ舞台を、スパイク・リー監督が丸ごと映像化しております。
ちゃちゃっと編集して、一晩で仕上げております!(←もっと、かかっています)
とくにデビッド・バーンさんの音楽を聴かずに生きてきた、わたくしですが。
この映画は楽しめましたよ、存分に!
なんか、かっこいい〜。
これは、生で見てみたい〜。
まずは、踊れる曲ばっかりだから、初心者でも楽しめますね。
入口が広いんですよ、開けっぱなしの玄関状態!
デビッド・バーンさんがバンドを従え、ライブ形式で行われた舞台なのですが。
ギターも、ベースも、キーボードも、ケーブルなし。
付いてナーイ!
どういうことでしょうか、音はwi-fiで飛ばしてるのかな?
ドラムは、大中小(かな?)に分担され、全体的には鼓笛隊みたいな感じ。
その楽団が、ステージから会場まで動きまくりで、踊りまくり〜。
その割には、演奏が完璧。
ズレなし。
一滴のモレもなし!(←尿かい)
デビッド・バーンさんがMCで「伴奏はCD音源を流しているんじゃないか、と疑われる」と言ってましたが、わたくしも、そう思ってました。
エアーでしょ?と。
それが、なんと全曲、生演奏なんですって、すごい〜。
音が良いと、客は気が散らずに没入できる〜。
しかし、ここまで演奏も振り付けも作り込んでいると、メンバーたちは公演を休めませんね。
代わりがききませんので。
下痢になったとしても、大人用紙おむつを穿いてステージに上がるしかないんですよ!
メンバーは食べ物に気をつけないとね、生牡蠣とか!!
曲はダンサブルなのに、歌詞の内容や、舞台のテーマは、アメリカの現状を憂いたり、問題提議したり、と社会派なんですよね〜。
あっちの一流エンターティナーは、やることが粋〜。
舞台デザインは小道具もなくシンプルで、ミニマム美を追求。
メンバーは全員が、くすんだ色のスーツを着込んでますよ、ニュアンスカラー!
メンバーが黙々とポジションを移動したり、奇妙なダンスをしたり、どことなく無機質な未来観が漂っています。
そうかと思えば、少ない電球の照明で、影を強調した演出になると、古代の祭のようにも見え。
すさまじい振り幅の世界観で、時代を超越した「新型の祈祷」でも観ている気持ちになりました。
その上で、曲を統括したり、一団を率いたり、デビッド・バーンさんって、すごいアーティストなんだな〜、と思いました。
デビッド・バーンさんの見た目は、普通のおじさんですね。
一般的ですよ、平均値!(←失礼)
西洋というよりは、日本のおじさんっぽいかも〜。
休日に、お城巡りをしているような、地味なおじさんっぽい風情が好感触。
観ながら、デビッド・バーンさんのことを「60歳くらいかな?」と思ったら。
2022年5月で、70歳なんですね!
今回の公演時は、60代後半だったデビッド・バーンさん。
たいしたもんですよ、歌詞も振り付けも覚えて!
そのまま90歳くらいまでがんばってほしいです、森光子さんの「放浪記」みたいに!!