「テスラ エジソンが恐れた天才」★★☆ [映画日記]
amazonプライム・ビデオで見つけた、2021年に日本公開された伝記映画です。
発明家ニコラ・テスラさんの生涯を描いております。
劇中には、同じ時期に活躍した発明王エジソンも登場〜。
スペシャルゲストが、あのおじさん!
ということは、作品にジャンルを付けるとしたら「エジソンもの」になりますでしょうか?!
2019年製の「エジソンもの」、「エジソンズ・ゲーム」では、ニコラ・テスラを演じていたのはニコラス・ホルトでした。
ニコラ・テスラがニコラス・ホルトでしたけども!(←早口言葉?!)
今作でニコラ・テスラを演じているのは、イーサン・ホーク。
エジソン役を演じているのは、カイル・マクラクランという、魅力的な配役になっています。
エジソン役にカイル・マクラクランが意外にマッチ。
イケおじ起用で、カリスマ性を表現!
これは、抱かれたくなる発明王!!
ギラギラしていて「儲けてます」という、成功者のオーラが全開のエジソン像になっていました。
対照的に、イーサン・ホークの演技は、圧巻の地味っぷり。
ニコッともしない。
主人公なのに真っ暗!
下を向いた人生観を体現!!
歴史的には偉業を残しているニコラ・テスラさんですが、世界的にブレイクしきれておらず、知名度も無い、という悲壮感がスゴイです。
インターネットの検索画面が出てきたりして、演出には、現代的な表現が組み込まれているのですが。
「検索ヒット数もエジソンに負けている」という、気の毒な解説が入りました。
「昔も今もダメな子」扱いですよ!
発明ビジネス界の内幕や、ニコラ・テスラさんが熱心に研究するという、「エジソンもの」にありがちな場面も、あるには、あるのですが。
物語が盛り上がることはなく、恐ろしく地味なまま幕を閉じていきます。
印象的な場面は、資金援助をしてもらうため、富豪に頭を下げるニコラ・テスラさん。
断られても、しつこくねだる場面でした!
仕事も恋も、良いとこ無し。
良いとこ全部、エジソン様が持っていく!
ああ、孤独すぎる偉人様!!
そのくせ、誰よりも長生きしたというニコラ・テスラさん。
体だけは丈夫だった、っていうオチ!
ニコラ・テスラさんが、辛そうな表情でカラオケを熱唱するという、コメディみたいな場面に、苦笑い。
観る前は「マジメな文芸映画なのかな」と思ってましたけども、観てみたら、すさまじい自虐路線でした。
笑って観てあげるのが作法かと思います。