「カモン カモン」★★★ [映画日記]
A24配給で、「20センチュリー・ウーマン」などを手がけたマイク・ミルズ監督による新作ですけども。
意外なほど低予算の、ちんまい映画〜!
難易度は高めに設定されていて、まあまあ難解。
小粒でピリリと辛い、山椒のような映画〜!
全編がモノクロ映像の、アーティスティックな作風で、万人受けする映画ではないのかも。
家族をテーマにした作品を作り出すことが多いマイク・ミルズさん。
今作も「家族シリーズ」だとは思いますが、印象はクール。
スタイリッシュに親戚付き合いをする内容でした!
主人公は、ラジオ番組で製作・出演をこなすジャーナリストのジョニー。
クリス・ペプラーさんみたいなもんでしょうか?!
ジョニーが一時的に甥のジェシーを世話することになり、仕事現場やロケ地に連れていく、という、映画では時々見かける「伯父さんと甥っ子のコミュニケーション物語」になっています。
「おじさん映画」というジャンルですよ!
ジョニーの方は普通の中年男性なのですが、甥っ子ジェシーは小学生ということもあり、なかなかのトラブルメーカー。
やんちゃ盛りなんですよ!
甥っ子ジェシーは、時々、意味不明の発言で、大人たちを翻弄。
たまに街中で姿を消して、大人たちを慌てさせるという小悪魔っぷり。
正直、クソガキなのですが!
節々で哲学的な発言をするし、大人たちに対して鋭いツッコミを入れる、というキレ者の一面も。
独り身の伯父ジョニーに向かってズケズケ言うんですよ「なんで結婚してないの?(女性を抱いてないの?)」とか!
人の心に土足で踏み込むんですよ!!(←子供なので)
わたくしが、もしも甥っ子ジェシーを預かることになったら、ちょっと耐えらないかも〜。
「ゲーム機を買ってやっから、それで遊んでて」と言って、放置しちゃうかも〜。
そんな甥っ子ジェシーの、わがままな振る舞いと言動には人間味。
「だから子供は輝いている」というような、ポジティブ変換が可能な仕様に。
伯父ジョニーが仕事でインタビューする子供たちも、それぞれが、思いも寄らぬ受け答えをして、全員がバラバラの個性を持っています。
「他者は自分とは全く違う思想で生きているから面白い。理解したり、認め合おうとするべき」というようなテーマの、「人間讃歌型の物語」なのかな、と思います。
伯父ジョニー役を演じているのは、「ジョーカー」での演技で一世を風靡したホアキン・フェニックスですよ。
あのジョーカー様が、今回は子供に手を焼くことに!
ホアキン・フェニックスが演じてきた役の中では凡人系で、しかも子供の「受け身役」ということで、かなり新鮮な味わい。
誰もが認める演技派のホアキンですけども。
今回はキレる場面もないし、なんとなく甥っ子ジェシー役を演じた子役に押され気味。
食われ気味のホアキンがレア〜!
ああホアキン、クソガキなんかに負けないで〜!!
キレまくって大暴れするホアキンが観たくなってしまいました。
「ジョーカー」を再鑑賞して、お口直しをしたいです。