「シン・ウルトラマン」★★★☆ [映画日記]
「シン・ゴジラ」のスタッフが再集結しています。
新たなご商売ですよ、キャラクター・ビジネス!
シン・ユニバースの始まりに、ワクワクが止まらない注目作。
本当に上手に作ってらっしゃいます。
誰もが知るレトロ・ヒーローを現代に蘇らせて、大人客の鑑賞に耐えうるリブート&ユニバース形成、という点では、米製「アベンジャーズ」シリーズと同じですけども。
米製の「ヒーローもの」とは、アプローチが全く違うところが新鮮。
軍事シミュレーション路線をベースに、セリフ回し、カット割りや画面構図まで、日本のアニメ調なところが、たまりません。
宇宙人の呼称を、あえて「外星人」とし、怪獣の表記は、あえて「禍威獣」とするあたりもオタクっぽくて最高〜。
「クリエイターがやりたいことを、徹底的にやってる感」というか、何の流行も追わず、風潮にも従わない「純粋な創作もの」という作品の佇まい。
オタク・アートでありながらも、ヒットを期待できるエンターテインメントなんですよね。
こういう映画には、なかなかお目にかかれません。
庵野秀明さんが、製作・脚本・編集・撮影・デザイン、等、全面的に関わっている、ということで。
「総監修」という肩書きを付けられていてビックリ。
何それ、「総監修」って?!
もはや称号ですよ、「伯爵」みたいな!
映画会社など、いろんな関連会社が、完全に庵野さんに任せていることを実感。
高い寿司屋の注文に例えれば、「ネタは大将におまかせ」みたいもんですよ!
庵野さんの代表作「ヱヴァンゲリヲン」は、元々、ウルトラマンのオマージュ・アニメということで。
今回の「シン・ウルトラマン」は、庵野テイストど真ん中。
モロ庵野!
とくに、脚本は冴えていたと思います。
序盤の、禍威獣が出現したときの人々の対応は「シン・ゴジラ」風のミリタリー感覚。
中盤のウルトラマンと禍威獣が戦う場面は「ヱヴァンゲリヲン」の摩訶不思議な感覚を思い出しました。
全体的に、外星人とのやりとりは、「円谷プロ」っぽさを強く感じて懐かしい〜。
そういえば、昔のウルトラマンは、「着ぐるみ怪獣の不気味さと、かわいらしさ」が満載だったな〜、と思い出しました。
今作では、そういう「特撮作品の、愛すべきところ」を、ほどよく押さえていたと思います。
洗練させすぎないところが、流石。
ダサ味が旨み!
これぞ特撮ロマン!!
ウルトラマンが初登場する場面は、得体の知れない存在感で、いい感じに不気味感が漂っています。
あんな、全身が銀色の巨人が、突然出てきたら世界中がパニックですよ。
普通、全身が銀色の人を見るのは、銀粉ショーくらいですから!
ウルトラマンが正義の味方だと判明した後なら、「もし近くに出現してくれたら、拝みに行くかも〜」と思いました。(←奈良の大仏かい)
「ドライブ・マイ・カー」で世界的に知名度を上げたドライブ男優、西島秀俊さんは、禍威獣対策チームのリーダー役でしたけども。
思ったほど活躍せず。
車も運転しませんでした。
何か運転してほしかったな〜、ママチャリでも何でも〜!
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- 発売日: 2022/06/22
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