「ストックホルム・ケース」★★★ [映画日記]
誘拐事件などの被害者が、犯人と絆を感じてしまう現象が「ストックホルム症候群」。
犯人に対して「抱かれてもいい」くらいに感じてしまう怪現象。
神秘の症候群ですよ!
その「ストックホルム症候群」の語源となった、実際の事件を再現した作品。
丸ごと1本、事件です!
時は1973年で、場所はスウェーデンのストックホルムにある銀行。
1人のアメリカ人男性がマシンガンを片手に人質をとり、銀行内に立てこもることになるのですが。
なんでも、スウェーデンでの「人質立てこもり事件」は初めてということもあり、どこか現場が牧歌的。
危機感を感じづらい、フンワリ犯罪!
立てこもっている犯人の元に、次々と面会者がやってくるのです。
警察とか、人質の家族とか、フラリと銀行内に入ってきます「おーい。立てこもりは、どんな感じ〜?」くらいの気分で。
小料理屋ののれんをくぐる感じですよ!
犯人がキレ気味で「てめえら、勝手に入ってくるんじゃねぇ!」とツッコムし。
ちょっぴり吉本新喜劇ふうのノリ〜!
現代の殺伐とした犯罪現場とは、ちょっと違う空気感が新鮮でした。
そのまま数日間も立てこもることになる、犯人と人質。
金庫室でお泊まり会!
おトイレとか、どうしたんでしょうね〜。
お札で尻を拭いたのかな?
それはそれで、贅沢気分〜!(←コラーッ)
人質は政府や警察の対応にイライラしはじめ、やがて犯人と共に逃走したほうが楽なんじゃないか、と思いはじめるという。
人質が「ストックホルム症候群」に陥るまでの手順が、丁寧に描かれていました。
二転三転する展開で、観ている間は「こんな話が本当にあったなんて」と思いながら楽しみましたけども。
幕切れがバッサリ。
のどごしがスッキリすぎる〜、のどごし<生>みたいに!
余韻が無くて、「さすがスウェーデン。終わり方が寒い。冷え込む」と思いました。
実際の事件に、面白いオチが無かったのかな〜。
犯人のラース役はイーサン・ホークで、メインの人質ブリジッタ役はノオミ・ラパスという、ボクちゃんのお気に入りスターが共演〜。
イーサン・ホークは、アメリカ的なやんちゃキャラ、ノオミ・ラパスは十八番の「やられ芸」を披露して、申し分ございません。
立てこもりの現場にて、解放された囚人クラークが、犯人と合流するところが物語のアクセントになっていますけども。
クラーク役を演じているのはマーク・ストロングなんですね〜。
本来は薄毛のマーク・ストロングですけども。
今回は、役作りでロン毛のヅラをかぶり、持ち味の「セクシー・ハゲ」を封印!
ブルース・ウィリス、ドウェイン・ジョンソン、ジェイソン・ステイサム等、薄毛男優は時々ヅラをかぶって笑いをとる戦法を取りますけども。
観客の心を掴むんですよ、ヅラで!
マーク・ストロングの長髪姿に関しては、普通のイケメンに仕上がりすぎてる感。
この人が観客を笑わせるには、ちょんまげのヅラをかぶるしかないかもよ。