「オン・ザ・ロック」★★★ [映画日記]
ソフィア・コッポラ監督の新作が、ガーリー路線ではありませんでした。
老け込んでんの!
ビル・マーレイ演じる父親が、嫁いで子育て中の娘ローラに、度々ちょっかいを出すという、都会的で小粋な会話劇に仕上がっています。
現代のニューヨークが舞台で、ロケ感もバッチリだし、第一印象はウディ・アレン作みたい。
ガーリーどころか、爺さん臭い!
もしかして、ソフィア・コッポラにウディ・アレンが取り憑いたんか?!(←死んでません)
「ソフィア・コッポラも大人になったんだな。もう50だもんね」と思いました。
脚本も担当しているソフィア・コッポラ。
劇中は、ローラの子育て場面が多いのですが、やっぱりソフィア・コッポラはお嬢様。
いいとこの娘さんですよ、所詮!
子育てママの不安と奮闘を描いていながら、庶民臭さはありません。
「子育ては疲れる」という体力的な部分は描けていますけども。
チラシも見ないし、クーポンも使わない!
カネに苦労している様子、一切ナーイ!!
何の節約もしていないご家庭とみた。
「お宅は、10円単位で節約計画を立てていないね。ワテらとは別世界の住人だね!」…と思いました。
夫がローラの誕生日に贈ったプレゼントも見てビックリ。
開けてビックリ、高い品!
「ふ〜ん、嫁の誕生日にそんなスゴイものをあげちゃうんだ。ふ〜ん、毎年そんな感じなんだ」と思って、ボクちゃんの顔から完全に表情が無くなりました。
ローラは見た目も小ぎれいだし、スタイリッシュな小物も使っているし。
子守りには、夜に「今すぐ来て仕事をしてちょうだい。私は急に外で食事をすることになった」と、罪悪感なく電話で呼び出しているし。
どこかセレブ感の漂う子育てママなのでした、庶民面をしているけども!
ビル・マーレイ演じる父親フェリックスのキャラクターも浮世離れしています。
そりゃあソフィア・コッポラの、実のお父さんはフランシス・フォード・コッポラですから。
一般の父親像など知らぬらしい!
ローラの父親フェリックスは富裕層らしく、娘ローラに「ランチに行こう」とフラリと誘い、運転手付きの高級車でやってきます。
目的地が、これまた、しっとりとした高級レストラン。
もしもボクちゃんが、そんな高級レストランに行くとしたら、緊張して前の日は眠れんわい!
ボクちゃんが昼ごはんを食べる店は、せいぜいバーミヤンですから!!
また、父親フェリックスが娘ローラに「メキシコ旅行に行こう。今すぐ。準備して」と、いきなり海外旅行に誘い、実行していてビックリ。
娘ローラも「え?今からメキシコに行くの?仕方ないわね」みたいにホイホイついて行ったわい。
まるで所沢にでも行くみたいに気軽!
海外旅行についての感覚おかしい!!
ボクちゃんなんて、自慢じゃありませんけども、今まで海外旅行なんて、いっぺんもしたことありませんから。
もしも海外旅行に行くことになったら、3年前から積立貯金をしますから!
そんな感じで、「お騒がせパパに振り回されっぱなしの娘は大変」という父娘ドラマも展開されているのですが。
いやいや、娘のローラさん、アンタも十分振り回してっから。
父も娘も感覚おかしい!
生活に困ったことがない人がオリジナル脚本を書いたら、こうなるんだな、と思う内容でした。
富裕層が書いた庶民劇でした!