「ポップスター」★★★ [映画日記]
スキャンダルにまみれた大物歌手セレステ役を、ナタマンが演じてますよ。(←ナタリー・ポートマン)
ナタマンが歌って踊りまくるんですよ、ダークに輝く全身タイツで!
まるで戦隊ものの、悪の女幹部!!
プロデュースも兼ねているナタマン。
よく分かりませんが、レディ・ガガとかマドンナとか、大物女性ソロ・アーティストのビジュアル・イメージをナタマンなりに咀嚼した結果なのでしょうか、全身タイツが!
あられもない姿で、何曲も何曲も、ノリノリのパフォーマンスを繰り出してくるステージ場面が圧巻。
性懲りもなく何曲も何曲も!
何曲あんの、持ち歌?!
どんだけ録音して来なすった?!
どんだけ吹き込んで来なすった?!
どんだけ吹き込んで来なすった?!
曲量にも驚かされました。
カメラマンに追われ、記者からは不愉快な質問をされ、いつもイライラしているセレステ。
クサクサしてんの!
レストランに行けば、サインをねだってくる店長と大ゲンカ。
姉に対してもキレてますよ「ホント、バカな女よね!この、どブスが!!」みたいに。
絵に描いたようなお騒がせスターを表現してみせるナタマンが楽しい〜。
ルーニー・マーラの代役として起用されたナタマンですが、この役はナタマンが演じて正解〜。
「優等生のナタマンが、わざわざこんな役を演じてくだすった。バカをやってくだすった」とでも言うような、ありがたみを感じました。
ナタマンの出番は本編の後半からなんですよね〜。
前半のセレステはティーンエイジャー時代なので、子役が演じておりました。
子役も歌う場面がありますけどもね〜、まーなんて言うか。
歌手の割にお歌が得意ではない?!
味はありますけども。
「だから大人になったナタマン・バージョンの歌も上手くない」という、言い訳のような子役の歌唱力でした。
そんな感じで、ナタマンが出ているパートは、コメディ映画でも楽しむみたいにニヤニヤしながら観ていたのですが。
実は、作風はアート路線。
眠い路線ですよ!
ナタマンが出ていないパートは退屈で、ウトウトしかけました。
尖った演出で見せる事件シーンは辛口、ナタマンが出ている芸能シーンは甘口、という甘辛な味わいが特徴。
インドカレーを食べながらラッシーを飲む、みたいな感じですよ!
アート・コメディ・ミュージカルとでも言うような、ジャンルの新機軸を打ち出してきていました。
また、セレステが社会の犯罪性と影響しあい、時にポジティブに輝き、時にネガティブに影を落とす場面もあり、独自のポップ・カルチャー論も感じました。
クライマックスのステージで「男なんて何さ!」みたいに叫ぶ場面は、女性の地位向上を願うプロデューサー・ナタマンの意向なのかな。
急にそんなことを叫び出したので、ビックリしました。
「ジュディ 虹の彼方に」の不良版、という感じで、評論家ウケはしないでしょうけど面白かったです。