「ジェーン」★★☆ [映画日記]
2016年製の西部劇ですけども、主人公ジェーン役がナタマン!(←ナタリー・ポートマン)
ジェーンの元カレ役がジョエル・エドガートンで、悪役がユアン・マクレガーだという。
メイン・キャストに、米国人がいない西部劇!
かつて、ほとんどのキャストをヨーロッパ俳優で固めた、マッツ・ミケルセン主演の西部劇「悪党に粛清を」という映画がありましたけども。
あんな感じの、不思議な世界観でした。
ナタマン、ジョエル・エドガートン、ユアン・マクレガーといえば「スター・ウォーズ」シリーズに出演していたことが共通事項。
スター・ウォーズ西部劇という一面も!
とくにジョエル・エドガートンが「スター・ウォーズ」に出ていたのは、彼がブレイクする前のこと。
ぺーぺー時代!
今作で大役を演じる姿を見て、感慨深いものがありました。
子持ちのジェーンが、家族を守るために銃を手にして、悪党と戦うお話。
悪役のユアン・マクレガーは、女性に対して言いますよ「うちの売春宿で働いてもらう」と。
女性を見つけりゃあ、売春宿に送り込むんですよ、とにかく!
ジェーンの敵はユアン・マクレガーだけじゃない。
売春宿という闇!
女性が、男性の権力とセクハラに戦いを挑む構図になっていて、プロデュースも兼ねたナタマンらしい内容。
「奮起する女映画」ですよ!
ジェーンには夫がいるのですがね〜。
優しいし、心が広く、勇敢だし、とっても良い旦那さまなのですが。
撃たれるわ、嫁の元カレに会わされるわ、その他もろもろ、あまりにも不憫な扱い。
始めっから終わりまで、良いところなんて、ひとっつもナーイ!
必死に戦うジェーンを応援すべきお話でしたけども。
最も気の毒に思う存在は亭主!
「強い嫁をもらった旦那」の悲喜もリアルでした。
監督は、元々は映画「少年は残酷な弓を射る」で評価されたばかりのリン・ラムジーが抜擢されていましたけども。
残酷監督ですよ!
なんと撮影初日に降板。
スタッフにも残酷な弓を射ったわい!
それに伴い、悪役のキャスティングがジュード・ロウ → ブラッドリー・クーパー → ユアン・マクレガーと二転三転。
転々としすぎたのか、なんとなくカドが取れ、平凡な作風に落ち着いていたと思う〜。
残酷な弓を射った監督の、尖った作風の残酷バージョンも観てみたかったな。