「レ・ミゼラブル」★★★ [映画日記]
ミュージカル映画じゃありません。
ジャン・バルジャンだか豆板醤だかは出てきませんから!
「レ・ミゼラブル」の舞台モンフェルメイユで繰り広げられる現代劇です。
なんと、カンヌ国際映画祭では審査員賞を受賞。米アカデミー賞、ゴールデン・グローブ賞では外国語作品賞にノミネートされているという世界的な注目作ですよ。
観てみたら、貧困層と警察との確執が描かれた、緊張感のある社会派サスペンス作品でしたけども。
生活弱者が些細なことで犯罪者として扱われ、性格の悪い警察官に目をつけられて、ときにひどく痛めつけられる、という展開は、どことなく本家「レ・ミゼラブル」をほうふつ。
昔も今も「レ・ミゼラブル」の世界観は変わらない、とでも言いたげな物語が、粋であり皮肉です。
このまま数十年後にも映画化されたら、タイトルは「レ・ミゼラブル2049」になるかもよ!
本家「レ・ミゼラブル」での顛末を踏まえて、ラストシーンの後がどうなったか想像するのも一興。
本家「レ・ミゼラブル」と同じだと信じたいです。
「レ・ミゼラブル」というタイトルを用いたことで、一層、物語が生きました。
空想が膨らんだわいフワ〜ッと!
酵母菌を練り込んだパン生地みたいに膨らんだんですよ!!
監督・脚本のラジ・リさんはモンフェルメイユ在住ということで、きっとリアルな設定なのでしょうけども。
出てくる警察官の感じが悪いんですよね〜。
「おめえら何か文句あんのか?ワシが法律やろが!」みたいな態度。
ふてぶてしい!
現地の警察官は拳銃を持ってないんですね。
携えている武器はゴム弾で、「へ〜、おたくのお国では、そういう決まりなんだ〜」と、異文化の勉強にもなりました。
子どもや移民に対する虐待行為も激しくてビックリしました。
大人は子どもの手本になるべきで、虐待はしてないけない」みたいな「大人と子どもの関係性」も、テーマの1つだったと思います。
ある場面で、子どもが大人に脅迫されるのですが。
なんとライオンの檻に入れられるという脅迫方法。
ご対面するんですよ、肉食動物と!
ボクちゃん、かねてから、一番イヤな死に方は「登山やキャンプ中に、ヒグマに襲われ食われること」だと思っているのですが。
「食われ死に」が一番イヤなんですよ!
今回の脅迫方法は、それを連想させるものでブルったわい。
仮に、檻の中にいるのがライオンではなく、サイだったとしてもイヤ。
サイすら怖い!
「動物を使っての脅しはいかん。卑怯」と思う名場面でした。