「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」★★★☆ [映画日記]
昔の感覚って恥(シェイム)だわな。
顔が赤くなんよ!
1973年に行われた、テニスの男女対決試合が描かれている作品ですけども。
昔の感覚が、こんなにも現代と違うとは。
昔は男性の「男性優位」意識があからさま。
あけっぴろげですよ、おっぴろげ!
劇中、テニス協会のお偉い男性が、女子選手に面と向かって「女子テニスの大会なんて、賞金は格安でいいっしょ」みたいなことを言ってますよ。
「男子テニスの方がオモロイし」みたいな。
平気で言えてんの、おすまし顔で!
まるでコメディみたいな有様でした。
そんな報酬格差が発端になった物語。
女性をバカにした男性社会にキレた女子選手ビリー・ジーン・キングが主人公。
キレた芸が光る子ですよ、キレ芸人みたいに!
まずは「ビリー・ジーン・キング」という名前がカッコいいです。
まるで響きが「メリー・ジェン」byつのだひろですよ!
既婚のビリー・ジーンなのですが、徐々に同性愛に目覚めていく過程も映画的。
内なる「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」ですよ!
まるで映画化されるべく生まれてきたようなお方でした。
女性の愛人ができたビリー・ジーン。
ビリー・ジーンの夫が、嫁の浮気を一瞬で悟る、という察しの良さにビックリ。
察しが良いというか~、ビリー・ジーンが泊まっているホテルの部屋に入ったら、玄関先にブラジャーが落ちていていたから浮気に気付くのですが。
まー誰でもピンとくるか~、玄関先にブラが落ちてたら!
というか・・・ビリー・ジーンさん、アンタもブラくらいタンスの中にしまっときなよ!!・・・とも思いましたけども。
嫁の浮気を知った後の旦那も、包容力を全開にして嫁をサポート。
その落ち着いた態度が素晴らしかったです。
取り乱さないんですよ!
あの旦那は良くできた旦那だと思いました一見バカそうだけども!!
男性優位主義の代表みたいな男子テニス選手ボビー・リッグスに、果し合いのような男女対決試合を申し込むビリー・ジーン。
そのテニス試合の映像クオリティが最高~。
本物の試合みたいにハラハラ・ドキドキ。
劇場内のお客さんの中には、試合に夢中になりすぎて思わず「パン」と手を打つ人もいましたよ。
興奮してなすっていたわい!
ボビー・リッグス役はスティーヴ・カレル、ビリー・ジーン・キング役はエマ・ストーンが演じておりますけども。
今回はエマ・ストーンの器用さが際立っていたと思います。
レズビアンのテニス選手という難易度の高い役を、それっぽく見せていて感心~。
キマってましたし、玉打ちも!
玉を打ったり返したりしたあとのリアクション、コート内での佇まい、全てに何の違和感もありません。
それがエマ・ストーンだということを忘れてしまう見事な仕事ぶりでした。
作品のメイン・テーマは「男女の戦い」でしたけども。
裏テーマとして「男×女」「女×女」「(ついでに)男×男」の愛も描かれているんですよね~。
性の戦いを性愛が支えているという皮肉。
性問題とは、なんともひねくれたものですね。
バトル・オブ・ザ・セクシーズ [Blu-ray リージョンフリー 日本語有り](輸入版) -Battle Of The Sexes-
- 出版社/メーカー:
- 発売日: 2018
- メディア: Blu-ray