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「パンク侍、斬られて候」★★★ [映画日記]

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コメディ時代劇ですよ、ハチャメチャおふざけ江戸時代~!


てっきり宮藤官九郎さんのオリジナル脚本なのかと思っていたのですが。

町田康さんの小説が原作だったんですね。


そう言われてみれば、官九郎さんぽくない、シュールでアバンギャルドな世界観でした。


なんとなく、わずかにアレハンドロ・ホドロフスキー調というか~。


スゴイ世界観けど売れなさそうというか~!


ライトな客層には難易度が高いかもしれません。


官九郎さん独自のストリート感あふれるセリフ回しは健在でしたけども、笑いは少しスベり気味かな。

それでもオモシロおかしく見せている役者さんの振り切った演技が素晴らしかったです。


窮地に立たされると気絶してしまう侍役の染谷将太くんがオモローイ。

いちいち「キャン!」という悲鳴を上げて気絶するところがオモローイ。


失神芸ですよ!


染谷くんが裸になる場面もありましたが、全く鍛えていないユルんだ体が、またオモロかったです。


カルト集団のリーダー役を演じた浅野忠信さんも裸になってましたけども。

浅野さんの場合、ご先祖に白人がいるためか、ユルんだ体でありながらも、どこかガッシリしている印象なんですよね~。


血筋ですよ!


生粋のアジア人には勝てぬ体。


さすが「マイティ・ソー」シリーズでケイト・ブランシェットと戦う役を演じたお方ですよ、負けて死んだけど!


正論しか言わない殿様役で、東出昌大さんも出てますけども。


大根役者のあの子ですよ!(←禁句)


それが、今回も見事な使われ方で味を出してる東出さん。


活かされてます、棒読み!


大根役者って使えない素材なのかと思ってましたけども。

近年の東出さんの活躍ぶりを見ると、大根役者というものは使い方次第で素晴らしい味を出すものなのではないか、そんなふうに思ってきました。


中途半端に個性があって上手い役者よりも、役に染めやすいのではないか。


醤油が染みやすいのではないか、それこそ大根みたいに!・・・そんなふうに思ってしまいました。


殿様の設定も良かったです。

もめている場面で正論を言って場を鎮める、というのが持ち味の殿様なのですが。


確かに場は静まりますが、何か少しシラける、というか。

さっきまで熱かった場が突然つまんなくなる、という、なんともいえない微妙な空気がよく出ていたと思います。


ネット世界でも、意見を言い合う状態になると、ピシッと正論を言って場をまとめる人がいますけども。


「正論さま」ですよ!


今回の殿様は、あんな感じ。

イマドキ感を取り入れる官九郎さんらしい脚色でした。


主人公で、ちゃらんぽらんな侍役を演じたのは綾野剛さんですけども。

今回の綾野さんは、まあまあ普通~。


相変わらず、体臭まで感じとれそうな存在感は流石でした。


綾野さんがフンドシを見せる場面があるのですが。


なんか、すんごく臭そうに思えるんだよね~。(←ホメ言葉)


綾野さんには村上淳さんと戦う場面もあるのですが。

かつての綾野さん出演作「武曲 MUKOKU」では、淳さんの実の息子、村上虹郎くんと戦っていた綾野さん。


珍しい「親子斬り」を実現していたのでした。



パンク侍、斬られて候 (角川文庫)

パンク侍、斬られて候 (角川文庫)

  • 作者: 町田 康
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2006/10/01
  • メディア: 文庫

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