「女と男の観覧車」★★★ [映画日記]
ウディ・アレン作品ですけども。
まずは1950年代アメリカの遊園地という舞台が、カラフルな色彩で映画映え。
インスタ映えですよ!
このメイン・ビジュアルは大成功だと思いました、大人のゆめかわという感じで。
遊園地内で働く中年夫妻の、家族と愛についての珍・騒動が描かれております。
その男女間の構図、空回りする人生などを含めて、なるほど確かに観覧車という例えがハマってる。
「女と男の観覧車」という邦題がピッタンコ・カンカン~!
レストランでウエイトレスとして働く中年女性ジニーが主人公。
演じているケイト・ウィンスレットが大迫力で演じております。
圧巻のババア演技!
客テーブルをフキンで拭きながらの登場シーンから様になってます。
雑巾芝居ですよ!
ジニーと関係を持つセクシー・イケメン、ミッキー役がジャスティン・ティンバーレイク、っていうキャスティングも新鮮でした。
ミッキーは、中年女性の目線でみた男性アイドルみたいな存在だったから、ティンバーレイクという素材と相性バッチリ。
ジニーがミッキーに入れ込んでしまうという展開も、「相手がティンバーレイクならハマってしまうかもしんない。ズブズブかもしんない」と、納得感がありました。
そんな、ワケあり恋愛をしているジニー。
ふとしたことで嫉妬するんですよね~。
「なにさ!アンタ、あの娘に気があるんじゃないのかい。抱きたいんじゃないのかい!」みたいな感じで荒れますよ。
ジェラシー・クイーンですよ!
ミッキーに贈るプレゼントも、無理に高価なものを買ってくるジニー。
重いわい!
見るに耐えないジニーの行動。
見事な醜態!
素晴らしいイタい女っぷりでした。
中年女性が嫉妬に狂いすぎて、人に道を外れそうになる、というお話だったと思います。
女性のサイコ的風味、というか、精神的なゆらぎ、というか、そういう面ではウディ・アレンの近年の代表作「ブルー・ジャスミン」ぽいかな、と思いました。
ケイト・ウィンスレットにおける「ブルー・ジャスミン」だったのかも。
そして、こういう「中年女性が若い娘に嫉妬する」というジャンルすら適度にこなしてしまうウディ・アレンの脚本力にもビックリです。
80歳過ぎて、こういう話を書けるって、スゴイわいな。
若いイケメンに抱かれる中年女性が住んでるんですよ、あの爺さんの頭の中に、!
ジニーの息子の癖もスゴイです。
鼻くそをほじる、とか、そんなかわいい癖じゃありません。(←かわいくありませんか)
それは、なんと「火つけ」癖!
あの子の「火つけ」場面がスパイシーで、ものすごいアクセントになってました。
何にでも火をつけてしまう子って、昔のアメリカにはいたのかな?
母も息子も、火遊びが過ぎるお話でした。