「ピーターラビット2/バーナバスの誘惑」★★★ [映画日記]
キャラもの映画の第2弾ですよ。
前作で一発当てたんで!
実写風景の中で、CG製のうさちゃんが大暴れする作品ですけども。
やんちゃなうさちゃんピーターと、人間の男性マクレガーは、いがみ合っている、という基本設定。
動物と人間が、ごっちゃ混ぜで乱闘する場面は、見せ場のひとつ。
モフモフのうさちゃんが、人に飛びかかり、顔に貼り付いたようになる、という図が、かわいい〜。
うさちゃんのモフモフのお腹が、人の顔に当たってるんですよ!
とっても気持ちよさそうでした、乱闘シーンでしたが!
ああ、ワシの顔にも、うさちゃんに貼り付いてもらいたい。
モフモフのおなかを、顔で感じたい!…と思ってしまいましたけども。
もしかしたらケモノ臭いかな?
ションベン臭いかな?…とも思ってしまいました。
そんなかわいいうさちゃんと、仲間の動物たちが、今回は都会に行って、不良グループの仲間に入るという物語。
不良動物になるんですよ、正真正銘の害獣に!
人の家で窃盗などを働き、街を逃げ回るという、クライム要素をフィーチャー。
よりイギリス映画っぽい感触で、うさちゃんはペット業者に捕獲されて檻に入れられたり、罪と情の板挟みになる、という展開。
ほろ苦ハードです、うさちゃん映画なのに!
人間パートでは、キャラクター腹黒ビジネスが主軸に。
今度は版権の儲け話!
うさちゃん等の動物を描いた絵本で、大手出版社から声がかかった主人公の女性ビア。
出版社のお偉いさん役は、デヴィッド・オイェロウォでした。
発音できないお名前ですよ、オイェロウォ!
そんなオイェロウォがビアに、田舎味が魅力の絵本を、最先端のSF設定でプロデュースしたいという申し出。
「牧歌的な原作を、売れるために、めちゃくちゃにイジりたい」というエンタメ界の闇をあぶり出して、風刺になっているのですが。
ビアトリクス・ポターさんが書いた素朴な児童書を、売れ筋の派手なCG映画に仕立てあげているのは、今作の製作陣、ということで。
「原作を冒涜しているのは自分たちじゃん」ということで。
この風刺は自虐なのか、それとも己の愚行に気づいていないのか、奇妙な感覚におそわれました。
そんな点は、いい感じに、狂ってると思います。
「カネは何でも狂わす」がテーマなのかもしれません、子供向けなのに!
そんな感じで、内容は結構ドス黒い。
うさちゃんと、仲間の動物たちが着ている服が戦後風味の古着だから、まだいくらか素朴に感じます。
視覚への当たりだけは優しいです!
これで、うさちゃんたちがTシャツなんか着だしたら、もう原作とは別物に。
衣装って大事だな、と思いました。
「クワイエット・プレイス 破られた沈黙」★★★☆ [映画日記]
観ました「やぶ・ちん」(←サブタイトル省略形)!
物音ひとつ立てたとたん、怪物に襲われ殺される。
一発の放屁も命取り!…そんなアクション・ホラー作品の続編です。
1作目の公開は2018年で、続編のプレミアが2020年だから、続編は作るの早かった〜。
手早く仕上げたわな、商機を逃すまいと!
ちゃちゃっとこしらえたわい、焼き飯みたいに!!
1作目の物語が終わった直後から始まるという、実直な第二章でした。
製作・監督・脚本のジョン・クラシンスキーは、映画会社の人から「続編は話を大きくしすぎんな。ほどほどにやれ」と言われたらしく、なるほど確かに、話を大袈裟に広げていない。
ヒット作の続編だからって、はしゃがないんですよバカみたいに!
ヒヤヒヤしながら静かに歩き、怪物が出てきたときは飛び上がって驚くというスリラー演出と、必死に戦って勝つ、というカタルシスを継承し追求した作品になっていました。
1作目から引き続き、人間ドラマが素晴らしい〜。
セリフは少ないですが、しっかり感じるエモーション。
1作目では、5人家族の父、母、姉、弟が、それぞれの役割を果たしきり、補い合う、という、ファミリー内ドラマが熱かったのですが。
2作目では、家族以外の他人が介入。
他人同士が、人としての役割を果たして助け合い、心の穴を補い合う、という、赤の他人ドラマが熱かったです。
子は大人から、大人は子から学ぶ場面があり、子と大人が成長する姿も描かれていました。
ドアのロック、残り少ない酸素、補聴器などを用いた伏線がいくつもあって、クライマックスで回収される展開もお見事です。
ジョン・クラシンスキーって、いつから?
アンタいつから、こんなに出来る子になった?!
あげまんエミリー・ブラントを抱いてから?!
もうアンタのことを「売れないテレビ男優」とは呼べやすまい、チキショーッ!
2作目も引き続き、主演はエミリー・ブラントなのですが、思ったほど活躍はしてませんでした。
やっぱり、このシリーズは長女リーガン(役名)の存在が大きいですね。
耳が聴こえない役で、彼女がメインになるパートは無音演出になって、作品の大きなアクセントになっています。
そんな長女リーガンが怪物に襲われると、自動的に危機感アップ。
独自に開発した、対・怪物向け秘密兵器も所持しているし、今作でも多くの見せ場を担当。
もはやシリーズを牽引する女!
稼ぎ頭の生娘ですよ!!
良い役でジャイモン・フンスーも颯爽と出てきましたけども、あっさり退場することに。
退場する場面を観たときは、切なすぎて「ああフンスーーッ!!」と心で叫んでしまいました。
フンスーより、長女の方が1億倍使える人材でした。
【全世界2000枚限定】クワイエット・プレイス 破られた沈黙(A QUIET PLACE PART II)
- アーティスト: マルコ・ベルトラミ(Marco Beltrami)
- 出版社/メーカー: Rambling RECORDS
- 発売日: 2021/06/16
- メディア: CD
「ニュー・ミュータント」★★★ [映画日記]
ヒーロー映画「X-MEN」シリーズに、新作が誕生〜。
米国では1年前に公開済み、日本ではコロナの影響もあってか未公開に。
あの「X-MEN」という人気シリーズの新作が、まさかの配信スルーですよ、ひっそりスルー!
そ〜っと流されたわい、流しそうめんみたいに!!
そんな作品ですけども、日本未公開もなんとなく納得、なんだか地味だった〜。
妙に陰気なX-MEN〜!
まずは旧「X-MEN」シリーズのメンバーは1人も出てきません。
お呼びでないんですよ!
旧メンバーを演じていたのは、ヒュー・ジャックマンとかハル・ベリーとか。
み〜んな50過ぎてっから!
もう、バカやってらんないお年頃なんですよ!!
今作では、年代を一新しています。
メンバーは5人いるのですが、全員若いです。
中でも一番目立っているのは、最旬女優アニャ・テイラー=ジョイですね。
見事な猫目を持った、米国の猫娘ですよ!
役柄は、若手チーム内の女番長。
ジャイアン気質の姉ちゃんでした!
他メンバーの何人かは、「ゲーム・オブ・スローンズ」や「ストレンジャー・シングス」など、人気ドラマで見た有力な若手が集結。
その他のメンバーを演じているのは、知らない子でした!
もしかしたら、大人にダマされてスタジオに連れて来られた近所の子かもしれません。(←ちゃんと事務所に所属しています)
彼らが演じる若者5人が、見えない壁に囲われた医療施設で、実験や治療を行われている、という基本設定。
ほとんどの舞台が施設内という、「施設もの」というジャンルですよ。
スーパー能力を持つ若者たちが、閉塞感の中、トラウマと戦いながら「自分探し」をするという内容なんですね〜。
檻の中でもがいている、もがき映画なんですよ!
なんというか〜、ヒーロー映画でありながら、「若者による精神病棟での闘病もの」のような趣。
難病の青春ですよ!
パッと明るく楽しいわけではないけれど、個性的な作品ではありました。
たまには、こういうヒーロー映画があってもいいかな、と思います。
監督・脚本は、かつて大ヒットした青春・闘病映画「きっと、星のせいじゃない。」を手掛けたジョシュ・ブーンということで納得〜。
「青春で闘病といえば、あの人でしょ。あの人しか、いないっしょ」ということで抜擢されたのかもよ。
青春で闘病する映画の巨匠ですから!
珍しい人なんですよ!!