「あの夏のルカ」★★★ [映画日記]
ピクサーが「ソウルフル・ワールド」の次に製作したCGアニメ作品なのですが。
季節を夏のみに限定した夏映画。
ピクサー作品では珍しい夏縛り!
本来は夏前に劇場公開される予定でしたがコロナで断念、配信スルーに。
しかし、配信時期を初夏に設定したのは、良かったと思う〜。
初夏に観るのにピッタリの作品でした。
1950年代の北イタリアを舞台にした、懐かしさあふれる風景が美しい〜。
ジブリの「紅の豚」みたいな色彩ですよ、豚色〜!
そんな景色を背景に、少年たちの冒険と友情を描いた物語になっています。
主人公の少年ルカはですね〜、水の中に住んでいるんですね〜。
まさかの半魚人!
キャラクター・デザインも「これぞ魚人間」という、ファンシーな「シェイプ・オブ・ウォーター」みたいな感じなのですが。
ルカがお水から陸に上がると、あらま不思議、普通の人間に姿を変えるんですよね〜。
変身すんの、なんで?
アンタ、正真正銘の化け物〜!
冒頭から、海底にある半魚人の村が出てきて、観ながら「ああワシ、今から半魚人なんかの映画を観るんだな」と思ってしまいました。
なかなか、視覚にガツンとくる絵面でした。
閉塞感を抱えて生きている少年ルカが、自由気ままに人生を謳歌する半魚人の少年アルベルトに感化され、共に港町へGO。
町では、お転婆な少女ジュリアと出会う、という展開です。
3人はワイワイ遊んだり、ときどきケンカしたり、傷つけあったり、でも友情は熱い、みたいな、よくある「少年の夏休みの出来事」という情緒が醍醐味に。
ラストシーンとかは「夏休みの終わり」という感じで切なくて、泣いてしまいました。
別に泣きたくなかったのですが、半魚人の映画なんかで〜!
今回は字幕版を再生したのですが、日本語版のエンディングには、井上陽水さん作「少年時代」のカバー曲が流れるそうです。
つまりエンディングは、あの曲のイメージなんですね〜。
あらゆる点で、キュンとさせる雰囲気を作りだしていて、小憎らしかったです。
昔のイタリアにて、タイプの異なる少年2人が友情を育む、という場面で、BL大作「君の名前で僕を呼んで」を思い浮かべてしまいました。
近年のエンタメ界では、多様性が重んじられる傾向。
今作でも、少年2人は愛し合っているのではないか?
抱きたがっているのではないか?
と、推測してみたけれど、そんなふうにはなりませんでした、少年の年齢設定13歳ですし!
性には早い!!
多様エンタメ作を鑑賞しすぎて、何でもBLに見えてしまう〜。
目を覚ましたいです、自分で自分をビンタして!