「プロミシング・ヤング・ウーマン」★★★☆ [映画日記]
今回のキャリマンは、ゴージャスなブロンド美人役〜。(←キャリー・マリガン)
昼はカフェで働く設定ですよ。
茶くみ娘!
ところが、夜は別の顔を持つ女。
変わるんですよ、イモムシからパピヨンに!
夜な夜なセクシー服を着てクラブやバーに行っては、泥酔したふり。
「あたしゃねぇ〜。まだ飲める〜。飲めるったら、飲めるんだよ〜。大将、もう一杯!ワンカップ大関!!」みたいな、一見するとベロベロ女!
そのまま、見知らぬ男に「持ち帰られる」パターンに。
いざ男性がベッドでキャリマンを抱こうとしたら、「私、シラフですが何か?」と真顔になるという芸風!
持ち帰った男性を恐怖に陥れることで、心を満たしている女なのでした。
餌食になる男性役は、数々のテレビ男優たちが演じています。
テレビ男優斬りのような趣も感じられました。
「テレビ男優なんて、映画では斬られればいい」みたいな!
そんなキャリマンが演じる女性カサンドラを中心とした、サイコ・サスペンス・ダーク・コメディという風合いの作品。
カサンドラが抱えている闇が深すぎる〜。
心の闇のせいで人に罠をかけ、復讐のような行為をするけれど、それは正義にも見え。
心の中で、善と悪が混沌!
煮えたぎってんの!!
「正当な罰」として、個人が他人に制裁を加える点では、まるでアメコミの女ヴィランのよう。
また、男女間の埋めることのできない溝を、「怒り」で補う姿も印象的。
これらは、男性には決して描くことのできない世界観。
この作品は、「MeToo」後の「おんな映画」決定版!
観賞後の観客は、「女性の悔しさと苦痛」を抱えて映画館を後にすることに。
重みズッシリなお土産!
ひと昔前だったら、映画に出てくるブロンド美女は「ちょっとおバカだけど痛快」みたいな軽い路線でが多かったですけども。
これからは、カサンドラの路線になりそうな予感。
「男性への憤怒」路線ですよ!
そんな凄みのある役に、キャリマンが体当たりで挑戦。
かわいい、きれい、汚い、怖い、の、演技バランス良好。
メイクの濃淡で印象がガラっと変わる人だな〜と思いました。
メイクを落としたら別人、みたいな!(←ホメ言葉)
わたくしは知らなかったのですが、エメラルド・フェネルという英国の女優さんがいて、今作は彼女の監督デビュー作なんですね!
製作も脚本も担当して、ものすごい才能を大爆発させてますね。
花開いたわい、つぼみから!
「女性映画作家ブーム」を牽引する作品でした。