「フォードvsフェラーリ」★★★☆ [映画日記]
1960年代が舞台。
自動車会社フォードとフェラーリによる、ル・マン24時間レースでの対決を描いておりますけども、泣きました。
車のレース場面で涙が出たのは初めてです。
ブレーキがきかんかったわい涙腺に!
劇中のクリスチャン・ベールの気持ちを考えると、たまらん!!
ああ、クリスチャン・ベールにアカデミー賞をやりたい。
もう何でもいいから持って帰ってほしいんですよ、炊きすぎた五目飯でも、煮しめでも、何でも!
クリスチャン・ベールは、車の有能な整備士兼レーサーのケン・マイルズ役。
車には情熱的なこだわりがあるものの、気難しい性格のために不器用な人生を送っているケン・マイルズ。
貧乏だけど、かわいい嫁と息子に愛されている、人間味あふれる父親像になっていて、憎めません。
むしろ最高峰の職人と思わせてくれて、好感度が最高でした。
演じているクリスチャン・ベールは、またしても、今まで見たことのない姿のクリスチャン・ベールに。
またしても自分を更新!
痩せた体型で、整備士の作業着、汚れた「つなぎ」がバッチリ似合う。
アンタ、ベスト・つなぎスト!
お姿を見ているだけで臭ってきそうですよ、機械油!!
鑑賞中は「クリスチャン・ベールって毎回別人になりきって本当にスゴイ人だな。共演のマット・デイモンは、いつも同じマット・デイモンなのに!」と思ってました。
マット・デイモンが演じた役は、レーシングカーデザイナーのキャロル・シェルビーですよ。
実話ベースの映画を観たあとは、日本語版ウィキペディアでモデルとなった人物の生き様をチェックするのが好きなのですがね〜。
マット・デイモンが演じたキャロル・シェルビーのページは内容も豊富なのですが。
クリスチャン・ベールが演じたケン・マイルズについてはページが無い、というのがせつないです。
あんなに活躍したのに、歴史に名を刻んだのは役作りも薄いマット・デイモンというのが小憎らしい〜!(←マット・デイモンというかキャロル・シェルビー)
物語では、キャロル・シェルビーが率いる会社が、大企業のフォードにレーシング技術を提供する、という展開に。
小さい会社と、大きな会社が業務提携する、みたいな話なのですが。
まー、フォードの社長も副社長も重役も、腰抜けだし腑抜けだしで、ムカつく〜。
フォードによる、小さい会社への圧力もムカつく〜。
フォードなんて会社、死んでも入りたくない、と思いました。
フォードの社長が菓子折りを持って、頭を下げてきたって入りませんから!(←ああ夢みたいな話)
とくに、フォードの副社長が、いちいちクリスチャン・ベールの邪魔をしてムカつく〜。
鑑賞中は「ちょいとフォードの副社長さん、我らがベール様の邪魔をするんじゃないよ。上から目線になりなさんな、ちょっとイケメンだからってさ〜!」と思ってました。
まーね、そういう「ムカつき要素」もエンターテイメント性を上げるための脚色だとは思いますけども。
今回は、企業のイヤなところが良く出ていたと思います。
企業の悪いアクが、よく浮いておりました!
スポ根ムービーに似た構造を持つ作品で、物語の後半は、ほとんどが対決シーンなのですが。
クラシックカーを用いたレース場面も手抜きなく、リアルで素晴らしいです。
序盤から「ブレーキ(の辺り)が不調」だとか、事故死の可能性をほのめかしたり、不安要素の盛り込み方も完璧。
おかげで、レース場面には、どこか危機感が漂っているのでした。
フォードのライバル、フェラーリの車両には特別感。
車のデザインにスター性があって、当時から人気があるのも納得でした。
クリスチャン・ベールの妻役は、ドラマ「アウトランダー」のカトリーナ・バルフですよ。
テレビ女優が、クリスチャン・ベールに抱かれる役に大抜擢〜!
妻は夫の良き理解者で、ときにかわいく、ときにセクシー、ときにサバサバしていて「なんだか安田成美」と思いました。
クリスチャン・ベールの息子役は、売れてる子役のノア・ジュープくんですよ。
「サバービコン 仮面を被った街」ではマット・デイモンの息子役だったノア・ジュープくんが、今回はクリスチャン・ベールの方の息子になった、ということで。
息子はたらい回しの状態でした。
Ford V Ferrari (Various Artists) [Analog]
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: Hollywood Records
- 発売日: 2020/01/17
- メディア: LP Record