「ゆれる」★★★☆ [映画日記]
amazon・プライムビデオ内に、西川美和さん監督作が解禁〜。
ご放流〜!(←鮎かい)
近年に美和さんが手がけた作品はチェック済みですが。
この機会に、未鑑賞の初期作品でも観てみよう、ということで「ゆれる」(2006年)を選択。
再生ボタン、レッツ・プッシュ〜。(←謎の掛け声)
田舎を舞台に、ある兄弟が紡ぐ物語。
静かながら、かなり繊細で複雑な心理劇が繰り広げられていました。
人間関係とは難解で予測もつかず、グラグラ揺れる吊り橋をソロソロ渡らないと落ちてしまうような脆さもある。
せめて家族間では、手を取り合って、グラグラ揺れる吊り橋を渡りきろうよ、とでも言いたげな。
奥深すぎる「ゆれる系・人間ドラマ」にビックリ。
今作の監督・脚本を、当時(約)31歳の美和さんが務めたという事実に、またビックリ。
なんという早熟な果実〜!
わたくしが31歳の頃なんて、テレビゲームで夜通し遊んだり、ゲームセンターのクレーンゲームでぬいぐるみを釣り上げて遊んでいたよ!!(←ダメ人間)
美和さんの圧倒的手腕を感じる作品でした。
今作での美和さんは、どこか若々しく尖った感性も見せていて、空気感は退廃的というか、ブルージーな感触なのも新鮮でした。
主人公のオダギリジョーさんも、最高レベルでオダギリジョー風味。
これこそジョーの味!
田舎から上京して成功した、女たらしのカメラマンという役がピッタンコ〜。
オダギリさんて、どこか「田舎から上京してきた感」があるんですよね〜。
帰省して法事に遅れて参加するも、ファッションは赤ズボン!
赤パンですよ!!
そんな「親戚に1人はいる、東京で何やってるかわからないお兄さん」的ポジションが、ハマりすぎのオダギリさん。
それでいて、帰省時は地味な兄を慕う「お兄ちゃんっ子」っていう性格も、本人に合っていて良かったです。
このキャラクターを主人公にして、スピンオフのドラマ・シリーズを作ってほしいくらいです。
オダギリさんの兄役、香川照之さんもオハコの「非モテ・キャラ」オーラが炸裂していました。
物語の後半は裁判劇が中心になるのですが。
検察官役で、木村祐一さんが登場〜。
現在と全く変わらぬ顔で登場〜!
弁護士役の蟹江敬三と対峙しても、全く引けを取らぬ存在感でした。
映画映えするんですよ!
木村さんは、昨年観た「首」でも重要な役で出演していたし。
そのうち「木村祐一・映画祭」が開催されてもおかしくないですよね。