「雪山の絆」★★★☆ [映画日記]
Netflixオリジナルのサバイバル映画です。
「生きてこそ」(1993年)の元ネタとしても有名な「ウルグアイ空軍機遭難事故」を再現しております。
サバイバルのリバイバルですよ!
2024年の米アカデミー賞・国際長編映画賞にノミネートされているということで再生してみたのですが。
これは、パンチが効いている超大作ですね、驚きました。
まさしく国際長編映画賞1本狙いですよ、アカデミー1本釣り!
同枠では、日本代表作「PERFECT DAYS」もノミネートされていますけども。
「PERFECT DAYS、負けるかも」と心配になりました。
1972年、アンデス山脈に空軍機が墜落し、生存者が繰り広げる過酷な人間ドラマが描かれていますけども。
まずは山脈に飛行機が落ちたにもかかわらず、生き残っている乗客が数十人もいることにビックリ。
そして、見渡す限り雪と岩肌だけの風景の中、食事も暖房もない環境で、普段着のままでほっぽり出される基本設定が、すでに悪夢~。
たとえユニクロのダウンコートを着ていたとしても、山脈に滞在なんて無理なんですけど~!
けが人や弱った者から死んでいき、何十日間にわたり、低温と飢えが生存者を襲い続ける、という精神状態が壮絶すぎる~。
日夜の激しい温度差や、吹雪や雪崩など、雪山恐怖が全部盛り!
極限の中で「生きるか死ぬか」を迫られたとき、「死者のお肉を食べるか、どうか」という選択にぶつかる場面もすさまじい。
もはや、お肉スリラーですよ!
絶望に次ぐ絶望。
これ以上ない絶望シーンの果てに、また絶望!
映画を観ながら、こんなにも絶望感を抱くことは珍しいです。
わたくし夜、寝るとき、ふと今作のことを思い出して、眠れなくなりました。
寝付くには、ひつじさんを数えるしかない状況ですよ!
その後も数日は引きずりました、たいした作品です。
「たいした、たまげた」by淡谷先生ですよ!
生存者の多くはクリスチャンということで、「生き抜くために、人道から外れる葛藤」という宗教的なアプローチが作品の特徴かと思います。
おかげで作品に深みが増したと思います。
近年ではハリウッドで活躍しているJ・A・バヨナさんが、本国スペインに戻って監督・脚本を手掛けた作品。
ものすごい元ネタを引っ張りだしてきたもんですよ、タンスの奥から!
これはバヨさんの隠し玉ですね。