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「ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人」★★★ [映画日記]

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あのジョニー・デップが、18世紀フランスの国王ルイ15世役ですよ。

 

デ王様おなりじゃ~っ!

 

フランスの国王にしては、カッコよすぎてビックリです。

 

これはセクシー・キングですよ!

 

しかも全編、フランス語でお話しになるジョニー・デップ。

 

実生活での元パートナー、ヴァネッサ・パラディに語学を仕込まれたのでしょうか。

 

ピロートーク仕込みなのでしょうか?!

 

よく「外国語をしゃべりたいのなら、外国人と交際するといい。抱かれるといいと言いますしね。

 

そんなキャスティングも話題の、ゴージャス感ある宮廷ドラマですけども。

 

国王ルイ15世にとって、最後の公妾となった女性ジャンヌ・デュ・バリーの生涯を描いた作品。

 

主人公は国王ではなく、ジャンヌ・デュ・バリーなのでした。

 

今作でのジャンヌは、モラルや平等性に欠けた世界で、孤独ながら自分を貫き、たくましく自由に生きた女性像になっていますね。

 

しかも、劇中での衣装はシャネルが提供している、ということで、なんだかオシャレです。

 

劇中でのジャンヌは、宮廷のファッション・リーダー的存在にもなっています。

 

「今どきキャラに仕上げてきたよね」と思いました。

 

古い宮廷体質や風習を茶化して笑うような、現代的な場面もチラホラありました。

 

貧しい家の私生児として生まれ、早くから娼婦として働いていたジャンヌ・デュ・バリー。

 

貧乏家の出身ですよ!

 

本来は、もうちょっと野心的で、場末感のあるワイルドな女性だった気はしています。

 

そんなジャンヌとルイ15世の恋愛劇が物語の主軸に。

 

「肉体関係から始まった本気の恋。後ろ指をさされてもかまわない」みたいな感じですよ。

 

舞台はヴェルサイユ宮殿でありながら、演歌ワールドが広がっていました。

 

「短くも、激しく燃えた愛と命の炎」という情熱的な内容で、後味は切ない「おんな映画」に仕上がっていたと思います。

 

ジャンヌ役を演じているマイウェンさんが、監督も兼任しているんですね!

 

近年では俳優業の傍ら、監督業もこなす女優さんが目立ってきましたけども。

 

マイウェンさんも、なかなかの演出手腕を見せていたと思います。

 

なんでもマイウェンさんは、1990年代にはリュック・ベッソンと交際経験があり、彼との間にお子様もいらっしゃるとのこと。

 

そして、リュック・ベッソン監督の代表作「フィフス・エレメント」では青塗りの異星人シンガー役だった、とのこと。

 

映画製作のノウハウはベッソン仕込みなのかな、と思いました。

 

あらゆる「仕込み」が効いた作品でしたね。

 

 

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「もっと遠くへ行こう。」★★★ [映画日記]

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シアーシャ・ローナンちゃんと、「aftersun アフターサン」(2022年)でアカデミー賞主演男優賞にノミネートされたポール・メスカルが夫婦役です。
 
生活感のない、きれいな夫婦だよ〜。
 
目がキラッキラ。
 
きっと、おトイレにも行かない夫婦!(←たぶん行ってます)
 
時代を2065年とした、SF夫婦スリラー作品です。
amazonプライム・ビデオのオリジナル映画として、2024年1月に配信されました。
 
未来とは思えぬ牧歌的な荒野に、ポツンと建ってる一軒家が夫婦の住まい。
農業で生計を立てているようです。
 
そんなお宅に1人の客が訪問し、夫妻の夫に対して「あなただけ宇宙へ移住できます。嫁は残しておいてもらいます」と宣告。
 
「嫁なんてほっとけ」宣言ですよ!
 
そこから始まる、夫婦の愛憎劇が見どころになっています。
 
とっても面白そうなお話ですけれども。
 
「人間の心を弄ぶ残酷な未来感」で、楽しい場面なんて一切ない。
 
なんともダークな夫婦生活!
 
真っ暗な夫婦の営みですよ!!
 
主要な登場人物は3人だけのシンプル設計で、自動的にセリフが多くなるから、なんとなくお硬い舞台劇っぽいです。
 
メジャーなキャスティングの割に、難易度は高いと思われます。
 
これは、主演がシアーシャ・ローナンちゃんじゃなかったら、あんまり楽しめなかったかも〜。
 
シアーシャ・ローナンちゃんも、すっかりベテランな感じで、芝居は常にポール・メスカルの上を行ってますね。
 
ポール・メスカルに胸を貸してる、っていう感じで頼もしい〜。
 
すっかり、お姉さん!
 
シアーシャ・ローナンちゃん、普通に脱いでますしね。(←悲しい〜)
 
近年、妻役を演じる機会が多くなったシアーシャ・ローナンちゃん。
 
今作も、「人妻シアーシャ」シリーズの1本として記憶にとどめておこうと思います。
 
ちなみに今作の監督は、「LION ライオン 25年目のただいま」などのガース・デイビスさんですね。
 
ライオン映画で1発当てた人ですよ!
 
映像は壮大な感じで、よく撮れていましたね。
 
原作は、「もう終わりにしよう。」などのイアン・リードさんらしいです。
 
「もう終わりにしよう。」も「もっと遠くへ行こう。」も、原作小説のタイトルそのまんま映画にも使っていますね。
 
なんだかタイトルというか、コピーみたいですよね「そうだ、京都行こう」みたいな。
 
「もう終わりにしよう。」も、Netflixで映画化済み、ということで。
 
どうやら、原作者のガース・デイビスさんは人気があるらしいです。(←さっきまで、名前も知りませんでしたが)

 

 

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「ワールドツアー上映『鬼滅の刃』絆の奇跡、そして柱稽古へ」★★★ [映画日記]

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ファンに向けた「企画もの」ですね。

 

2024年春に放送されるテレビアニメ「鬼滅の刃」新章の第1話を、いち早く劇場で拝めます、っていう新種のイベントですよ!

 

しかも、前章の最終話も同時上映されるという、料金を払って観る「見逃し配信」みたいなご商売です!!

 

章と章の「つなぎ目」が良く分かる親切設計で助かりますね。

 

「つなぎ企画」という一面ですよ!

 

「ワールドツアー」と称し、昨年も同じ企画上映が世界規模で行われましたけども。

 

今年もやるとは、よっぽど大成功したのでしょう。

 

世界140カ国以上の劇場を押さえておく(予約する)、みたいな仕事も大変だと思うのですが、本当によくやっていて感心いたしました。

 

わたくしなんか、歯医者の予約ですら忘れるというのに〜。

 

とっても運営が上手~。

 

ヤリ手ですよ!

 

テレビで放送される作品を、劇場の大スクリーンで流しても遜色ないクオリティだから可能な企画なのかもしれません。

 

今回の鑑賞した時も「まるで劇場用アニメの出来映え。高密度の作画が素晴らしい。すんばらしい~」と思いました。

 

前章最終話は、アクション満載でとっても激しく盛り上がるのですが、新章第1話は穏やかで和気あいあい。

 

激しく終わる → 穏やかに始まる という、普段見る映画とは逆の構成が新感覚。

 

飲食後に排泄か、排泄後に飲食か の違いみたいな感じですよ!

 

今作の鑑賞が終わって、劇場の席を立つ時「物語が今始まったのに、帰るのか」という変な感触になりました。

 

今作の醍醐味は、「放送より先に第1話を観てやったどー!」という満足感ですね。

 

カネを払った特権ですよ!(←富豪気分)

 

優越感に浸りながら劇場を後にしました。

 

作品は、舞台を大正時代の日本とした、人と鬼との戦いを描いた活劇ですけども。

 

スゴ腕剣士(劇中では「柱」と呼ばれる存在)の1人、甘露寺蜜璃ちゃんが浮きすぎていて、笑う~。

 

キャピキャピした性格の持ち主で髪色はまピンク。

 

とても大正時代の日本人とは思えぬバタ臭さです。

 

米国ギャル風味なんですよ!

 

リース・ウィザースプーンみたいな風味でした、「キューティ・ブロンド」時代の。(←死語)

 

 

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「雪山の絆」★★★☆ [映画日記]

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Netflixオリジナルのサバイバル映画です。

 

「生きてこそ」(1993年)の元ネタとしても有名な「ウルグアイ空軍機遭難事故」を再現しております。

 

サバイバルのリバイバルですよ!

 

2024年の米アカデミー賞・国際長編映画賞にノミネートされているということで再生してみたのですが。

 

これは、パンチが効いている超大作ですね、驚きました。

 

まさしく国際長編映画賞1本狙いですよ、アカデミー1本釣り!

 

同枠では、日本代表作「PERFECT DAYS」もノミネートされていますけども。

 

「PERFECT DAYS、負けるかも」と心配になりました。

 

1972年、アンデス山脈に空軍機が墜落し、生存者が繰り広げる過酷な人間ドラマが描かれていますけども。

 

まずは山脈に飛行機が落ちたにもかかわらず、生き残っている乗客が数十人もいることにビックリ。

 

そして、見渡す限り雪と岩肌だけの風景の中、食事も暖房もない環境で、普段着のままでほっぽり出される基本設定が、すでに悪夢~。

 

たとえユニクロのダウンコートを着ていたとしても、山脈に滞在なんて無理なんですけど~!

 

けが人や弱った者から死んでいき、何十日間にわたり、低温と飢えが生存者を襲い続ける、という精神状態が壮絶すぎる~。

 

日夜の激しい温度差や、吹雪や雪崩など、雪山恐怖が全部盛り!

 

極限の中で「生きるか死ぬか」を迫られたとき、「死者のお肉を食べるか、どうか」という選択にぶつかる場面もすさまじい。

 

もはや、お肉スリラーですよ!

 

絶望に次ぐ絶望。

 

これ以上ない絶望シーンの果てに、また絶望!

 

映画を観ながら、こんなにも絶望感を抱くことは珍しいです。

 

わたくし夜、寝るとき、ふと今作のことを思い出して、眠れなくなりました。

 

寝付くには、ひつじさんを数えるしかない状況ですよ!

 

その後も数日は引きずりました、たいした作品です。

 

「たいした、たまげた」by淡谷先生ですよ!

 

生存者の多くはクリスチャンということで、「生き抜くために、人道から外れる葛藤」という宗教的なアプローチが作品の特徴かと思います。

 

おかげで作品に深みが増したと思います。

 

近年ではハリウッドで活躍しているJ・A・バヨナさんが、本国スペインに戻って監督・脚本を手掛けた作品。

 

ものすごい元ネタを引っ張りだしてきたもんですよ、タンスの奥から!

 

これはバヨさんの隠し玉ですね。

 

 

 

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「サン・セバスチャンへ、ようこそ」★★★ [映画日記]

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ウディ・アレン作品といえば、大スター総出演がお決まりでしたけども。
 
贅を極めていましたけども!
 
「MeToo」騒動により、黒歴史が掘り返されたウディさん。
 
「そういえばウディ・アレンて、元祖MeTooだよね」と囁かれ。
 
ハリウッドの大スターたちが突然ツン!
 
突然みんなして「キモいんだよ、おじん!」ですよ!!
 
スターが出てくれなくなり、米国でも映画を撮れなくなってしまったのでしょうか。
 
ウディさん、ヨーロッパに高飛び!
 
いろいろあって、アメリカ、スペイン、イタリア共同製作として、ウディ・アレンさんが手がける新作がついに完成〜。
 
さすがに、大スター(ほぼ)不在の作品になっていますね。
 
出演しているのは知名度が低い俳優なのですが、映画の中身は昔のまんま。
 
「そのまんまアレン」ですよ!(←「そのまんま東」調で)
 
むしろ、知名度が低い俳優さんがやっていることが、なんか新鮮〜。
むしろ、物語がリアルに見えるという錯覚〜。
 
あいかわらず、「おじんのスケベ心」が全開、不倫を中心とした「自由恋愛」を描いたお話で、「あんだけMeTooで叩かれたのに、まだスケベな映画を撮っちゃったの?!」と苦笑い。
 
懲りてナーイ!
 
MeTooで叩かれたからって、お行儀のいい説教映画を撮られも観客は困るだけだし、まあいいかな、と思いました。
 
スペインで開催されている「サン・セバスチャン国際映画祭」が舞台。
 
主人公で、映画学の教授モートによる「最近の映画祭はなっとらん。審査員は社会派ばかり評価しやがって」みたいなセリフは、ウディ・アレンさんの心の声か?!
 
最近干されてるウディ・アレンさんの恨み節でしょうか?!
 
主人公モートは、腹の出た非モテ系のおじさんなのですが、旅先で世話になった美人女医とデートしてしまうという奇跡。
 
ああ、おじんの下心が世界を回る!
 
相変わらずの妄想脚本でした。
 
本来ならば、美人女医役はペネロペ・クルスあたりにお願いしたいことろでしょうか。
 
今回は、ペネロペ・クルス風の美人女優が演じていました。
 
主人公の妻役はガショ子!(←ジーナ・ガーション)
 
ルイ・ガレル演じるフランス人監督フィリップとイチャつく、というセクシー不倫妻役なのですが。
 
あらま美人。
 
ステキだよ、ガショ子!
 
きれいに撮れてる、小ジワも飛んで!!
 
おそらく、A級女優が誰も出てくれないから、ガショ子に役が回ってきたのでしょうけども。
 
良い役をもらったと思います。
 
「たなぼた」ですよ!
 
そんな大人の映画関係者が繰り広げる、エッチで愉快な小話。
 
旅情あり、映画通がニヤリとするマニア・ネタありで、小技も効いてます。
 
ときどき挿入される、昔の名画をモチーフにした空想映像が、また粋で良い感じ。
 
ウディ・アレンさんの手腕を感じる作品でした。
 
「腐ってもウディ・アレン」ですね。
 
 


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「Saltburn」★★★ [映画日記]

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amazonプライム・ビデオのオリジナル映画で、2023年12月に配信が始まっています。

 

これまで数々の名作映画で脇役として実力を発揮していたバリー・コーガンが、今回は正々堂々主役でドーン!

 

脱いで踊るわ、ラブシーンはあるわで、バリー・コーガンの全てが丸出し!(←劇中ではボカシあり)

 

あの、モジモジしているバリー・コーガンが女性を抱くなんてねぇ。

 

抱けるのかねぇ?!(←大きなお世話)

 

そんな感じで、バリー・コーガン・マニアが泣いて喜ぶ、バリー・コーガン臭が充満した作品になっていますね。

 

作品ジャンルは「BL風ダーク青春クライム」という感じ。

 

異色の男映画ですよ!

 

オックスフォード大学の新入生として登場するバリー・コーガン。

 

勉強は出来るけれども、見た目はイマイチ。

入学して早々、学園の「イケてないチーム」入りを果たすという、冴えない学徒。

 

そんなバリー・コーガンが、学園内でキラキラしているオシャレで陽気な「イケてるチーム」入りを目指す展開。

 

バリー・コーガンが、「イケてるチーム」のリーダー格で、モテ系・アイドル的男子フェリックスに接近・親睦。

 

ついにフェリックスの自宅(貴族の館)に招かれ、そこで夏休みを過ごすことになるけれど…、というお話です。

 

これまでの出演作では、奇抜なキャラクターを演じることが多かったバリー・コーガンですけども。

 

今回演じた役は(一見)凡人のキャラクターで、態度もまともだったから、なんか新鮮〜。

 

「バリー・コーガンて、普通の人だったんだ」と、ハッとしました。(←失礼)

 

物語が進むにつれて、バリー・コーガン演じるキャラクターにも闇があることが分かってきて、深みもスゴイ。

 

「やっぱり、バリー・コーガンて、心が読めない役がピッタリだよね。目がおかしいもん」と思いました。(←失礼)

 

「イケてるチーム」の空虚な富豪感に、「イケてないチーム」の野心が牙をむくような場面もあり。

 

「まるでパトリシア・ハイスミス作品だよね」とも思いました。

 

今作は、エメラルド・フェネルさんが「プロミシング・ヤング・ウーマン」に続いて監督・脚本をご担当。

 

エメラルド・フェネルさんは、令和のパトリシア・ハイスミスになろうとしているのかもしれません。

 

バリー・コーガンが招かれた貴族の館では奥様がお待ち。

 

奥様役は、なんとロザムンド・パイクが演じていて、カネ持ちオーラがドバアアッ!

 

ロザムンド・パイクって、本当に「上から」な態度がハマる〜。

 

天性の「上から女優」だと思いました。

 

奥様の友人で、どん詰まり人生を送っている中年女性役として、「プロミシング・ヤング・ウーマン」で主演していたキャリー・マリガンが友情出演。

 

疫病神役ですよ!

 

キャリー・マリガンは、ロザムンド・パイクとは真逆の「幸薄さ」で、印象を残していました。

 

2024年ゴールデン・グローブ賞の演技部門では、バリー・コーガンとロザムンド・パイクがノミネート。

 

エメラルド・フェネル作品て、高打率!

 

プロデューサーの1人はマーゴット・ロビーなんですよね〜。

 

エンターテインメント界の女性パワーを感じる作品でもありました。

 

 

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