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「Swallow/スワロウ」★★★ [映画日記]

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2021年に日本公開された映画を、amazonプライム・ビデオ内で発見〜。

 

私生活で、大物監督ジョー・ライトに抱かれてからは、演技力を要求される役ばかり演じているヘイリー・ベネットが単独主演。

 

ダイヤモンドの原石女優が磨かれている状態!

 

今作は、そんなジョー・ライトとヘイリー・ベネットが共同プロデュース。

 

あそこんち、抱かれて作った、子と映画!

 

ヘイリー・ベネットの価値を上げるべく仕立てられた、ヘイリー・ベネットの勝負作になっています。

 

ヘイリー・ベネット演じる裕福な新妻が精神を乱し、ビー玉やら画鋲やら、異物を食べてしまう症状に陥るお話。

 

これは異色、いや異食スリラーと言っていいでしょう!

 

異物を食べる場面がコワーイ。

 

観ているだけで、おなかが痛くなってきそう〜。

 

おなかが、ゆるくなってきそうでした!

 

新妻が異物を食べる理由は「なんか〜、金属とか、食感がひんやりして良いのよね〜(真顔)」というのもスゴイ。

 

狂った食レポですよ!

 

別に暴力場面があるわけでも、オバケが出てくるわけでもないのに、怖い場面って作れるものですね。

しかも怖い場面は、ヘイリー・ベネットが1人で回しています。

 

「ひとりサイコ」なんですよ!

 

ほとんどの場面が家屋内で、主婦1人で繰り広げる物語で、ここまで怖いとは〜。

目の付け所が良い設定だと思いました。

 

ヘイリー・ベネット演じるハンターは、玉の輿に乗った役。

 

嫁に行ったよ、貧乏家から富裕層に!

 

しかし、付き合いづらい夫の両親。

 

姑からは「飲みなさい、青汁」「読みなさい、自己啓発本」「変えなさい、髪型」と、地味な圧!

 

夫は夫で、嫁を抱くことにしか興味がなさそう。

 

まるで、体が目当てなんですよ!

 

そんな場面を観ながら、「なるほど、昔ながらの、生き方を選べない専業主婦について、心の闇を描いた物語なんだね」と思っていたのですが。

 

後半になると「一般的な主婦論」からは離れて行って、特殊で、物議を醸し出す心理劇に発展しました。

 

静かながら、いい感じにパンチが効いてる作品でしたね。

 

ヘイリー・ベネットの「凄み」も、十分に引き出されていたと思います。

 

冷静に顔を見てみれば、目つきとか、ちょっと「ヤバめ」なんですよね〜。(←ホメ言葉)

 

このまま「女子サイコ」という路線を極めて行ってほしいです。

 

 

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「ベイビー・ブローカー」★★★ [映画日記]

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タイトルがキマってるネ、「ベイビー・ブローカー」。
 
響きが良いです、なんか「ベイビー・ドライバー」みたいで。
 
あるいは「ボス・ベイビー」みたいで!
 
是枝裕和監督の新作ですけども、オハコの「擬似家族もの」。
 
どことなく、監督が手がけた前作「万引き家族」っぽいかな。
 
なんとなく、万引き臭いです!
 
予想していたよりは「パンチが弱い」と思ったのですが、その分、優しい話になっていましたね。
 
「赤ちゃんポスト」を題材にした作品。
ポストに入れられた赤ちゃんを横流しする男性2人と、赤ちゃんの母親が交流を深めるお話。
 
「犯罪×母性」という両極端な要素を合体させた、複雑な人間模様がたまりません。
「よくこんなお話を考えつくな〜」と思います。
 
横流しをする男性も、子を捨てる母親も、根は悪人ではない、という、グレーな人間描写も冴えてます。
 
是枝さんの作品には、これまでも「擬似家族」の他、スパイス的な要素として「売春」「捨て子」「倫理が曖昧な犯罪」が描かれてきましたけども。
 
そんなスパイス的な要素を、今作では多めにぶっ込んできてますね。
 
インドカレー並みに効いてるんですよ、香辛料!
 
バターチキン並みなんですよ!!
 
是枝作品でおなじみの描写、「子への愛」も溢れています。
 
子役使いも、相変わらずお上手。
 
うまいこと使いたおすんですよね〜、ガキンチョを!(←言い方)
 
「シングルマザーが、子を捨てず幸せになる方法」を提案する、社会派の一面も。
 
総合的に、是枝さんの集大成的な物語になっていたと思います。
 
是枝・総合商社みたいな映画なんですよ!
 
そして今作は、是枝監督作では初めての韓国製&オール韓国語作品なんですよね〜。
 
出てくる人物は全て韓国人俳優なのですが、一見、韓流映画に見えて、流れている空気感は「是枝ふう」って、とっても不思議でした。
 
通常、韓国人が作った韓国作では、韓国キャラクターの演技は激しめでドラマチックですけども。
 
濃いお国柄ですけども!
 
是枝さんの作風って「静かなナチュラル系」だから、何か変な感じ〜。
 
是枝イメージと、韓国イメージが逆〜!
 
水と油〜!!
 
ナタでも振りかざして襲ってきそうな韓国キャラクターも、結局は襲ってこない、みたいな。
 
「実は激しくない韓国人」を見せられているような、妙な気持ちになりました。
 
演じている役者さんたちは、主演のソン・ガンホさんを含めて、メインからサブまで、韓国映画やドラマで見た顔が続々〜。
 
メジャーどころが勢揃いで「さすが世界の是枝さん」と思いました。
 
中でも、赤ちゃんのお母さん役を演じたイ・ジウンさんは、韓国ではトップスターらしいのですが。
 
「なるほど、是枝さんが好きそうな、かわいい顔してる。明らかに裕和好み」と思いました。
 
ソン・ガンホさんに関しては、「是枝映画に出てもソン・ガンホはソン・ガンホ」という感じで、他の出演作とイメージは変わらず。
 
大物らしいオーラを持っていました、泉ピン子的な!
 
 


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「ザ・ロストシティ」★★★ [映画日記]

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サンドラ・ブロックが、王道感のあるロマコメに帰ってきました。
 
ひとがんばりしてくださいました、60手前で!
 
サンドラが演じる役は、恋愛小説家ロレッタ。
 
西洋バージョンの林真理子先生みたいなもんでしょうか?!
 
ロレッタが、小説の表紙モデルをしている男性アランと共に、なぜかジャングルの奥地で大冒険を繰り広げることになるお話です。
 
1984年のアドベンジャー系ロマコメ作「ロマンシング・ストーン」の設定を、より現代的に、女性主導の物語にアレンジしたような感じでしょうか。
 
サンドラ・ブロックのドタバタ演技に、抜群の安定感。
 
「ロマコメ映画は、全部サンドラ・ブロックに任せれば良いんじゃないか」と思うくらいの安心感!
 
包み込まれ、身をゆだねました、女芸人の世界に!!
 
お相手アラン役を演じたのはチャニング・テイタムなのですが。
 
ボケっぱなしで、おバカ演技を繰り出すチャニングが、めちゃめちゃ上手ーい。
 
「顔と体はイケてるのに、会話になるとおバカ丸出し」っていう男性像に、こんなにハマるとは。
ナチュラルすぎるおバカ演技に魅了され、笑いっぱなしでした。
 
チャニング・テイタムは、大先輩であるサンドラ姉さんの胸を借りて、思う存分ハジけてる感じ。
「良い後輩」感も漂っていましたね。
 
ゲスト男優として、ブラッド・ピットが登場〜。
 
サンドラ・ブロックとブラッド・ピットが同じ画面にいる場面も珍しいのですが。
 
ボケるチャニング・テイタムに、ツッコミを入れるブラッド・ピット、という、ハリウッド2大イケメンによる「漫談風かけ合い」がレアすぎる〜。
 
投げ銭したくなるコンビ!
 
この場面だけでも、おカネを出して観た価値がありました。
 
しかしブラッド・ピットって、いるだけで特別ですね。
誰かと絡むと、それも特別な場面に昇華。
 
「もはや国宝級のイケメンだな」と思いました、こんな映画を観ながら!
 
敵役はダニエル・ラドクリフなのですが。
ラドクリフだけは、なぜか、ずっとマジ演技で、なんか浮いてましたけども。
 
お池の浮き草みたいな存在でしたけども!
 
彼が出てくれたおかげで「かなり豪華なキャスト」という作品イメージになりましたね。
 
ありがたいお方ですよ!
 
物語の後半は、「いい話に着地したい」という思惑からか、ややマジ路線になるのが寂しい〜。
 
最後の最後まで飛ばしてほしかったです、チャニング・テイタムのおバカ演技で!
 
 
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