「リコリス・ピザ」★★★ [映画日記]
故・フィリップ・シーモア・ホフマンの息子さんがデビューいたしました。
お名前はクーパー・ホフマンですよ。
「クパホフ」ですよ!(←言いづらい)
初めての演技が、ポール・トーマス・アンダーソン作品の主人公とは、さすが二世タレント様ですね。
さすがお坊ちゃまですよ、ボンボン!
パッと見た感じ、なるほどお父さんに似てますね。
まずは肌感が似ています。
皮の質感ですよ!(←ワニかい)
あとは、体型が似てますね、ちょいデブっていう。
デブ家系なのでしょうね!(←失礼)
作品の時代設定は1973年で、舞台はロサンゼルス。
クパホフ演じる男子高校生ゲイリーは、芸能事務所に所属し、子役として営業活動をしている、という基本設定。
そんなゲイリーが、アラサー女子のアラナに一目惚れして、青春ラブストーリーが始まります。
まずは、昔風の曲が流れまくりだし、1970年代の世界観が完璧です。
そんなものは、巨匠のポール・トーマス・アンダーソン様なら朝飯前なのでしょう。
お茶の子さいさいなのでしょう!
当然、脚本も書いてらっしゃるポールですけども。
ゲイリーとアラナが繰り広げる、醜い罵り合い、小汚い嫉妬の応酬、手探りで行う腹の探り合い、など、痛々しさと、若さがみなぎるエピソードが秀逸です。
「かっこわるい青春でも、それはそれで輝いている」という人生讃歌を、なんとなく感じさせる脚本がお見事でした。
コメディ要素も含まれているのですが、日本人客としては「ワッハッハ」と大笑いできるものではないかな。
「フッ・・」と冷笑程度にとどまりました。
別タイトルを付けるとしたら「リコリス・ピザ(苦笑)」でいいかもよ!
アラナ役を演じた子についても「素人感が素晴らしい。こんな素人オーラを見たのは初めてだ」と思ったのですが。(←失礼)
アラナも姉妹を演じた子も、バンド「ハイム」のメンバーなんですね。
本職は音楽家で、本作で演技デビューを果たした、とのこと。
これらの人選、人材の使い方、活かし方、全てのセンスが抜群のポール・トーマス・アンダーソン様。
見せつけられました、お出汁から、お肉の切り方、包丁の入れ方にまでこだわる料理人のような技!
そんな感じで、メイン2人は新人類でしたけども。(←死語)
たまに出てくる脇役は大物です。
アクション・スター役が、まさかのショーン・ペン。
実在する映画プロデューサー、ジョン・ピーターズ役はブラッドリー・クーパーが演じています。
レオナルド・ディカプリオにも、何かの役でオファーが行ったようなのですが、丁重に断られたそう。
もしかして、ディカプリオの代役が、ブラッドリー・クーパーなのかな?
「ナイトメア・アリー」も、ディカプリオの代役として、ブラッドリー・クーパーが出演しましたけども。
今後は、ディカプリオが断った役を、ブラッドリー・クーパーが拾っていくのでしょうか、次から次へと!
ウィル・スミスが断った役を拾い続ける、ジェイミー・フォックスみたいに!?
今回ブラッドリー・クーパーが演じたジョン・ピーターズは、かつて映画「スター誕生」(1976年)を製作。
リメイク作の「アリー/スター誕生」(2018年)は、ブラッドリー・クーパーが製作・監督・主演だったので、不思議な縁も感じました。
チョイ役でコメディエンヌのマーヤ・ルドルフが出てきて「ポール・トーマス・アンダーソン作品にしては珍キャスト」と思いましたけども。
実生活では、マーヤ・ルドルフとポール・トーマス・アンダーソンは、ず〜っと実質・婚姻状態なんですね。
ず〜っと内縁の妻なんですよ!
お家ではコメディエンヌを抱いていたんですね!!